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迫力の夫婦岩 芦別山塊
稜線から中岳 芦別山塊北面
御茶々岳西面 中天狗
小天狗  樹間に中岳
   
 小天狗南峰 巨岩と中岳 
   
小天狗北峰  基部から南峰 
   
南峰直下  芦別岳と中岳
   
 頂上から北望  中天狗
   
崕山   頂上から基部
   
極楽平と御茶々 GPSトラック
■山行年月
2020.04.12
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
十八線川
同上
コースタイム
林道除雪終点 4:00
Co1090コル  6:55
JP基部1180 9:10
小天狗 10:20
所要時間  6:20
小天狗 10:40
JP基部1180  11:30
Co1090コル 13:25
林道除雪終点  14:35
所要時間  3:55
478.小天狗(夕張山地/1272M)
最高の天気と幸運に恵まれ夕張の奥深き鋭鋒にロングアタックを決める
遠征2日目は夕張山地・小天狗。これは通称名で地形図には「1272」の標高が記載されているだけである。主稜線「極楽平」の西2キロほどに位置し、所謂「後芦別山群」に属する一座で、北峰と南峰がある。厳寒期などは山中1泊を要するコースだが、残雪期ともなれば日帰りは可能だ。
暗闇を突いて十八線川林道を除雪終点(Co370林道分岐)まで入る。ゲートから歩くことも覚悟していただけにこれはラッキーだった。往復11時間前後を予定しているだけに、ヘッデンスタートは必須である。林道終点まで30分、Co480の渡渉ポイントには予想通りSBはない。用意したゴミ袋を履いて難なくクリア。Co1090コルへ向けての斜面には夥しいトレースが刻まれている。だが、雪面はガリガリでちょっとした傾斜でもジグを切る羽目になる。スキーアイゼンがあればガンガン直登できるのに‥。取付から30分ほど上がると朝日が差し込み、雪面が少しだけ赤く染まる。傾斜が緩みだすとCo1090コルは近い。御茶々岳も松籟山もスッキリとした山容を見せる。上ではどんな景色が待ち受けているのか、期待に胸が膨らむ。やや槙柏山寄りにルートをとりコルに出る。いきなり、天を突くように起立する夫婦岩が飛び込んでくる。いつものことだが、異様な容には畏怖の念を禁じ得ない。ここからは御茶々岳の南面から西面にかけて大きくトラバースする。樹々でゴチャついていた斜面が徐々に開けてくると、左奥に芦別岳や雲峰山、屏風岩が並ぶ。主稜線(Co1230)を越えると、今度は西から北にかけての展望が開ける。最初に登場するのは中岳。黒っぽい山肌が透けて見えるせいか、険しさを増したようだ。御茶々岳の西面は中々雰囲気がいい。朝日が差し込み新雪がキラキラと輝く。長く伸びた木の影も美しい。次いで中天狗。こちらは頂上部が崩れた感じだ。その左にこじんまりとした小天狗北峰、少し遅れて小天狗南峰(本峰)が視界のものとなる。山容は両座ともピラミダルだが、大きさは断然、南峰だ。そのせいか、高さも南峰の方がメートル単位で高そうに見える(実際は南峰が9センチだけ高い)。傾斜の消えた御茶々岳北面(Co1250)に抜けると、眼下に極楽平が広がる。主稜線上にこれほどの平坦地があるとは‥。険しい夕張の山並みを見続けていると、極楽に見えなくもない。布部岳、富良野西岳が視界に加わり、控えめな松籟山が顔だけ覗かせる。ここからは主稜線を北上し小天狗に続く枝尾根に入るのが一般的だが、少しだけショートカットしてみる。全体的には下降となり、35分ほどで枝尾根Co1200付近に出る。沢形を2回越えるのでそれなりの消耗度を感じる。枝尾根は地形図通りの穏やかさで15分ほどで分岐基部に着く。見た目では北峰は簡単に上がれそうだが、目指す南峰は手強そうだ。余力があれば帰路に北峰に立ち寄ることにし、必要最低限の装備で南峰に向かう。だが、南峰に向かう尾根もすんなりと通してはくれない。巨岩のコブが行く手を阻むので、高度を50メートルほど落として西斜面を巻き南峰基部に上がる。ここにスキーをデポしアイゼン・ピッケルで登行を再開する。高度差は120メートルほどだが、尾根は細く両側は切れ落ちている。加えて、きつい傾斜である。慎重なアイゼン・ピッケルワークを心掛ける。こんな時頼りになるのが藪だが、それはほとんどない。悪戦苦闘すること40分、遂に小天狗のピークを極める。高度感は抜群で立つのが怖いくらいだ。快晴・無風、最高の眺望が何よりのご褒美だ。西側には惣芦別川を挟んで崕山が特徴的な岩肌を見せる。東奥には十勝連峰や大雪連峰が白く浮かんでいる。中岳の鋭さ・迫力は北面がより強調され、芦別岳はボリューム感溢れる北尾根から槍が突き出ている。何処を切りとっても絵になるとはこのことだ。スゴイ景色を堪能すること20分、下山の途に就く。下降も後ろ向きでアイゼン・ピッケルワークが基本となる。前向下降など論外だ。20分でスキーデポ地まで降りようやく緊張を解く。大袈裟ではなく、安全を期すならロープ確保すべきシーンである。カリカリ雪面なら登頂を躊躇ったに違いない。適度に腐っていたのが登頂できた要因だと思う。幸運に感謝するしかない。分岐基部に戻った時は北峰アタックの気持ちは萎えていた。疲れてもいたし、本峰登頂の感激が薄れてしまうような気がしたのだ。客観的には「勿体ない」と思うだろうが‥。帰路は素直に極楽平経由で御茶々岳北面に戻る。おおむね緩やかな登りとなるが、時間的にはほとんど変わらなかった。ショートカットのメリットはなく、「急がば回れ」は山でも通じるようだ。朝の雪質が良かったので、ノンシールなら極楽平はもとより、枝尾根の半ば辺りまではまで滑り降りれたはずだ。楽して確実な時短に繋がったのではないだろうか。それにしてもこの極楽平、この日は優雅な高原散歩の趣だが、荒天時などは逃げ場に乏しく、地獄に変わる可能性は少なくない。御茶々岳北面(Co1250)からはシールを外して一気に滑り降りる。前日の前富良野岳には及ばないが、20分ほどでCo1090コルまで戻ることが出来た。そこには新しいトレースがあり、槙柏山からは人の声も聞こえる。こんな日に山に登れる人は幸せだなどと他人事のように思う。一息入れた後、標高差600メートルの滑降に移る。斜面が狭く起伏も激しいので、私のスキーレベルでは楽しむまでいかない。3度も転倒してしまったが、渡渉点まで35分だから文句のつけようがない。ラストは林道でクールダウンし、週末の富良野遠征を締めくくる。
夕張山地は地形図に名の無い好ピークが多い。御茶々岳に登った時に中岳の存在を知り、中岳に登った時に小天狗の存在を知るといった具合だ。1415峰への登頂意欲も鉢盛山で急速に高まった気がする。次から次へと登りたい山が出現するのだ。稜線までテントを担ぎ上げまとめて数座をこなすのが合理的だが、それは体力的にキツイ。なので、たとえ一座ずつでも、日帰りでアタックできる機会は貴重この上ない。今回、一発で小天狗を落とせたことは目論見通りだ。未踏の山はまだある。名のあるところでも中天狗、滝ノ沢岳、前岳、吉凶岳と枚挙にいとまがない。礼振峰という山名にも惹かれるし‥。カギは体力とプラン、天候だろうか。努力を怠らずチャンスを待ちたいと思う。