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北面直登沢 V字小滝
高巻いた小滝 F1上部
F1下部 Co860小滝
F2直瀑  F3二段滝
 
一段目の苔 F3最上部 
Co1160付近 涸滝1300付近
涸滝1360付近 Co1650付近 
Co1730付近 頂上風景 
   
頂稜西望  ニペソツ山
   
頂稜東望 四ノ沢下降開始
   
埋まる砂防ダム 左岸の岩塔
   
四ノ沢出合 GPSトラック
■山行年月
2019.08.03
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
幌加川五ノ沢北面直登沢
幌加川四ノ沢
コースタイム
林道車止 5:30
北面直登沢出合 6:00
Co980二股 8:20
Co1450涸滝 10:55
頂上(最高点) 12:30
所要時間  7:00
頂上(最高点) 13:00
頂稜最低コル 13:20
 Co1090 14:55
林道車止  16:30
所要時間  3:30
474.ウペペサンケ山(東大雪/1848M)
今は遠き山に体力勝負の沢ルートから挑戦、美しき稜線風景に癒される
ウペペサンケ山が遠い山となって久しい。夏道は東西から合わせて3コースあるが、その全てが登山口に至る林道が通行止めになっているためだ。それ故という訳でもないが、快適な稜線散歩をしてみたくて、沢からウペペサンケの頂上(最高点)を目指すことにした。ルートは幌加川五ノ沢北面直登沢(Co790左沢)を遡り、四ノ沢を下降するというプラン。ネット上の記録を見ると12時間前後を要しており、今季2本目の沢としてはかなりハードなものとなりそうだ。
車は四ノ沢出合(Co708)の手前300メートルまで入ることが出来た。五ノ沢出合までは、荒廃し半ば藪と化した林道を行く。四ノ沢に架かる橋は流失し、五ノ沢に架かるそれは土石に埋まっている。想像を絶するほどの水や土石が押し寄せたのだろう。白濁した五ノ沢を15分辿ると、左から北面直登沢が流入してくる。水量は五ノ沢の4分の1くらいしかない。20分も行くと核心部突入の雰囲気が漂う。沢床が露わになり小滝が連続する。両岸は切り立ち、それまでの穏やかさが影をひそめる。地形図の滝マークF1(Co850)の手前に3メートルほどの小滝があり、見た目は難なく上がれると思ったが、これが上がれない。攻略すべく様々トライするも突破できず。ショックを引きずりながら左岸を高巻く。30分以上はロスしたと思う。F1の手前で沢床へ降りるつもりが、高さがあるのでキャンセルし、そのまま高巻いてしまう。高さ15メートル、一瞥しただけでフリーでは無理と判断。自己確保しつつという手もあったが、この時は挑戦する気にはなれなかった。小滝を越えるとCo920でF2(20M)が登場する。周囲を城壁に囲まれた直瀑で水量が少ないのが惜しい。左岸に明瞭なルンゼがあり、容易に高巻くことが出来た。沢床に戻ると、渓相は一転、平坦なガレ沢となり、水流も一旦消失する。夥しい倒木が行く手を阻む。Co980二股で左沢を取ると、Co1050付近で水流が復活する。両岸が次第に迫り、いかにも沢風景といった趣が戻ってくる。Co1080で南西に登路を変えると核心部後半の開始だ。地形図滝マーク(Co1150)には傾斜の緩い2段滝があった。下段は緑の苔の上を水が流れ落ち、その美しさに癒される。直登できそうな印象だが果たしてどうか‥。左岸水際を上がり、上段半ばでシャワーを浴びつつ右岸へ移動する。もうすぐ落口というところで行き詰る。ノッペリとしてホールドがないのだ。その上と言えば、左岸をハング状の岩が覆い、中途半端な傾斜もある。やむなく右岸を巻くが、傾斜がありイヤラシイそれだった。全体では20メートルを超える大物だった。その直ぐ上からはガレが続いているので、念のため水を確保する。この判断は大正解で、以後、水流を見ることはなかった。Co1200過ぎの二股を右に入ると、断続的に涸滝が出現する。中クラスのものが4個ほどで、いずれも容易に上がれる。ほとんどは鬱蒼としているが、苔の張り付いた石柱ような滝もあり、思わず、水が落ちる様をイメージしたものだ。涸滝との闘いがCo1450付近で終息すると、あとは岩が点在する草付を淡々と上がってゆく。疲労困憊で50歩ごとに少休止を入れる始末で、何とも情けない。背後にはクマネシリ連山とかユニ石狩辺りが遠望できるようになる。次第に浅くなる沢形、左岸に張り出す岩からのプレッシャーを感じながらの登行だ。藪が全くないのが何より有難い。草付から岩場に変わると稜線は近い。膝下程度の薄い藪を脱し夏道に出る。そこは、頂上から50メートルほど東の稜線で、頂上を見上げると鹿が首を伸ばして私を見下ろしている。羆の歓迎は遠慮するが、鹿なら大歓迎と即座にカメラを向けたが、すでにその姿はなかった。スタートから7時間、ほぼ予定通りの所要時間だが、身体は悲鳴を上げていた。麓は今日も灼熱地獄だろうが、ここは爽やかな風が流れている。雪を纏った稜線もいいが(2011年1月)、緑に覆われた細い頂稜とそこに刻まれた白い夏道の美しさは各別だ。頂上セレモニーを終え、ゆっくりと眺望を楽しむ。靄った感じでスッキリといかないのが残念だが、東丸山から丸山、ニペソツと続くラインが浮かび上がる。縦走など不可能だが、せめて、未踏の東丸山には登りたいものだ。ニペソツは相変わらずの存在感を放つ。
30分ほど山頂を独占し、13時に下山を開始する。頂稜最低コルまで稜線散歩を楽しみ、そこから四ノ沢に下降する。藪は皆無で、直線的な沢筋は下まで見通せることが出来る。急傾斜の草付からガレ沢へと高度を落とす。汗がしたたり落ちるも、立ち止まると山は涼風をプレゼントしてくれる。冷水何杯分にも相当するだろう。Co1550付近で沢床に張り付く雪渓を見る。北面直登沢もそうだが、北向きの沢だけに雪渓処理がポイントと見ていたが、その心配は全くの杞憂に終わった。これが普通なのか、それとも今季は特別なのだろうか‥。ガレはCo1300付近で終了すると、沢は薄い藪に覆われる。しかし、それもつかの間で、20分も下ると再びガレ沢となる。風になびくピンクテープが登山者の痕跡を示す。不安定な足元、照り付ける陽射し、水流の無いこともあり、ガレ沢の下降は肉体的にも精神的にも厳しい。完全に水流が現れるのはCo880付近で、生き返る気分になったといえば大袈裟だろうか。広い河原がガレに飲まれ、そこかしこにうねる様なギャップが出来ている。細々とした流れと沢音が僅かな救いだ。ガレに埋まる砂防ダムをいくつか回り込み、左岸の林道跡を辿ると尾根の衝立が消え、左手から眩しいほどの西日が差し込む。白濁した幌加川が悠然と流れ、清き四ノ沢の流れと混じりあう。無事に一回りしてきたという満足感が出合の風景を一層鮮やかに見せる。そこから山行を反芻しながら5分歩くと愛車が待つ入山口だった。
ウペペサンケ山へのアプローチを考えると、現状では今回辿った五ノ沢ルートが最短だろう。それでも、最低10時間ほどのコースタイムは見ておく必要があり、体力勝負のルートと言える。技術的にはF1の処理がポイントなりそうで、ここはクライミング能力が問われるシーンだ。もっとも、私は肝心のF1手前で日和ったので言う資格はないのだが‥。F2以降の処理はほとんど選択肢がないので迷わず対応できるだろう。四ノ沢下降は想像以上のガレ沢で、滝は全く出てこないし、難しい所もない。問われるのは強い忍耐力だけだ。下降ルートとしての価値はあると思う。五ノ沢を下降する方法もあるが、涸滝処理を含めて何度も懸垂下降を強いられるに違いない。ロープの出し入れやセッティングを考えると、下降には意外と時間がかかりそうだ。勿論、四ノ沢に比べると、変化に富んでいるので楽しさはある。
沢登りと言えば日高に目が向きがちで、東大雪での沢登りはこれまで3度しかない(注)。「山谷」で紹介されている石狩岳周辺の難関沢は別として、それなりに楽しめる沢があるのかもしれない。そんな沢との出会いも嬉しいものだ。東大雪にそれがあるのか、地形図をじっくり眺めてみることにしよう。
(注)音更山(由仁石狩川秋葉沢/2009年8月)、丸山(幌加川六ノ沢/2001年9月)、北ペトウトル山(ヤンベツ川支流東面沢/2004年6月)