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Vol.24 富士6時間レース(2015年WEC第6戦)
★ジャンル レース
★月日 2015年10月9日(金木)〜10月11日(日)
★場所 富士スピードウエイ(日本)/ 1周4.563キロメートル
★レースカーデータ@ トヨタTS040HYBRID2015年仕様 1号車
★ドライバー ★予選結果 ★決勝結果
A・デビットソン、S・ブエミ、中嶋一貴 1分25秒072(LMP1 5位 +2.309) 総合5位(214周 −2Laps)
★レースカーデータA トヨタTS040HYBRID2015年仕様 2号車
★ドライバー ★予選結果 ★決勝結果
A・ブルツ、S・サラザン、M・コンウェイ 1分25秒327(LMP1 6位 +2.564) 総合6位(203周 −13Laps)

★思いつくままに感想など‥
2012年に新生WECが誕生し、富士6時間レースも今年で4回目となる。過去3回は、マシーンのポテンシャルが高く、トヨタ優勝の期待が高まる中で開催された。結果はトヨタが3連勝をあげ、昨年はワン・ツーフィニッシュを決めチャンピオン獲得へ大きく踏み出すレースともなった。今年は、チャンピオンナンバー「1」をつけ、凱旋レースとなるはずだったが、状況は全く違っていた。表彰台は開幕戦のシルバーストーン3位が1回だけで、第2戦以降は上位争いに全く加われず、屈辱的なラップダウンレースが続いていた。ライバル達とのマシーンのポテンシャルギャップは如何ともしがたく、如何に地元の利があるとはいえ、トヨタが対等の闘いを展開できる可能性はゼロと考えるしかなかった。プラクティスから予選までの流れは、前戦までのコピーを見せられているようで、綺麗にポルシェ、アウディ、トヨタの順に並ぶこととなった。問題はそのギャップで、トップ4は0.5秒以内の僅差だが、トヨタとなると、2.4秒前後までひらいてしまう。トヨタも昨年のポールタイムを1.5秒以上も短縮しているのだが、ライバル達は予想を超える速さを見せつける。4.6キロ弱のコース長を考えると、絶望的なタイム差で、単純計算すると5ラップ以上のダウンを喫することになる。結果、決勝日の雨予報に僅かな望みをかけるしかない状況に追い込まれてしまう。
迎えた決勝レースは願ってもない雨模様の中、セーフティカー先導でスタートが切られる。SCランは30分ほどで終了、降り続く雨の中、本格的なスタートが切られる。1号車の中嶋一貴が好ダッシュを決め3番手に浮上、追撃するポルシェ17号車(M・ウェーバー)と激しいバトルを演じる。彼のアグレッシブな走りは序盤戦の見せ場で、最初のピットインまでその順位を守り切ったのは称賛されていい。しかし、雨足が弱まりコースが乾き始めると力通りの展開に収斂していく。ポルシェ18号車が逃げ確実にギャップを広げてゆく。アウディ7号車と同8号車、ポルシェ17号車が激しく2位争いを繰り広げる。トヨタ1号車は僅差で上位を追うが、カットラインミス(A・デビットソン)でピットスルーペナルティを受ける。ミスが絶対に許されない場面だけにこれは痛かった。オースチンに続くミスで、第一義的にはドライバーの責任だが、ピットの指示の有様なども検証されるべきだろう。これで1号車は1ラップダウンとなってしまう。2号車は上位5台に最初からついて行けず、離された6番手走行となる。マシーンの問題というよりは、2号車のドライバー力が弱すぎるとみるべきで、来季のドライバーラインナップの見直しは必至であろう。悪いことは重なるもので、2号車はS・サラザンドライブ時にGTカーと接触してしまう。修復作業に13分を要し、12周遅れの19位でレースに復帰する。GTカー側に非があったように思われるが、トヨタのレースプランは大きく破綻してしまう。完全ドライとならない微妙なコースコンディションで、各チームともタイヤ選択に悩む。チャンピオンシップ(ドライバーズ)でトップに立つアウディ7号車はA・ロッテラーの時、スリックタイヤを選択し逆転を狙うもタイムが伸びず4位に後退する。結局、終盤に入るころには、いつも通りポルシェが盤石なワン・ツー体制(@#18A#17)を構築。アウディ#8、同#7がこれを追い、トヨタ#1が2ラップダウンで続く。最終盤、ポルシェ、アウディがチャンピオンシップを考慮したチームオーダーを発し、2位以下を周回遅れにしていたポルシェ18号車が#17にトップを譲り、アウディは8号車をスプラッシュピットインさせ7号車が3番手に上がり、そのままレースは終了する。トヨタ1号車は1ラップ回復し2ラップダウンの5位フィニッシュ。2号車も13ラップダウンながら6位まで順位を上げレースを終えることとなった。完全ドライなら1号車でも5〜6ラップダウンは必死だっただけに、前半の雨とポルシェのチームオーダーに救われた印象である。事情通ならトヨタの惨敗は充分に予測できたわけでショックも少ないが、ビギナーズは愕然としたかもしれない。これだけ屈辱的敗北が続くと、チームのモチベーションが上がるはずもなく、ケアレスミスも頻発するのだろうが、チャンピオンチームとしてはいただけない。マシーンの問題だけでなく、ドライバーやピットの問題、レースマネジメントなどに関して克服すべき課題がトヨタにはあるのだと思う。「来季は戦闘力のあるマシーンを用意する」と関係者は口を揃えるが、それだけでなく、チーム全体がプロの集団として、より高いレベルの仕事をやり切ることが求められているのだ。お膝元の富士でさえこの体たらくだから、残る2戦(上海、バーレーン)も惨めなレースとなるだろう。「継続は力なり」とは言うが、やる気のない漫然としたレースは続ける意味がない。チャンピオンとしての意地、徹底した勝利へのこだわりを見せてほしい。最低でも、2台揃ってノーミス、ノートラブルのクリーンレースをすることがトヨタの義務でもあるのだ。
トヨタは完敗したル・マン24時間直後に、2016年仕様TS040HYBRIDの全領域における改良を約束しているが、そのアウトラインが少しずつ明らかになってきた。TS050 HYBRIDと呼ばれるマシーンは、自然吸気V8エンジンプラススーパーキャパシタベースのPUを捨て、放出エネルギー量8MJを目指し、小排気量化とターボ化に踏み切る(P・バセロン)としている。勿論、新しいモノコックと新しいボディワークを持つハイブリッドシステム(同)であり、「大規模なステップになる」とも述べている。ドイツのモータースポーツサイトの報じるところによれば、3.2リッター V6ツインターボ +バッテリーベースのERS(エネルギー回生システム)で8MJテーブルを目指す、としている。ブレーキ回生システム(ERS-K)だけなのか、それとも、熱回生システム(ERS-H)も併用するのかは触れていない。ただ、エンジン排気量からして、2つの回生システムを搭載した場合、重量問題がネックになり、構造的にも複雑化すると思われるので、この選択はないだろう。トヨタのプライドもあり、ポルシェと同じシステムを選択するとは思えないからだ。但し、目指す8MJ放出が実現できないとすれば、ERS-Hも選択せざるを得ず、重量面からエンジンのダウンサイジングは必至の状況となる。となると、スーパーGT500でレクサスRC-Fが搭載している2リッターターボエンジン(直列4気筒直噴ターボ)などに白羽の矢が当たるかもしれない。ネックは、空力面から「直列」構造は不利と思われる点だ。その意味で、2リッター V型4気筒エンジンをモノにしたポルシェの技術力はやはり凄い。そのうえで、2つの回生システムをトラブルなくバランスさせているのだから、トヨタが同じことをしてもポルシェを凌駕することはできないだろう。ライバル達も来季のトヨタの戦闘力アップは折込済みでマシーンを開発してくる。彼らの先の先を行くくらいでないと勝つことはできない。そのためには、リソースを惜しまずつぎ込む必要があるが、トヨタに果たしてその決意があるのだろうか‥。