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Vol.22 ニュルブルクリンク6時間(2015年WEC第4戦)
★ジャンル レース
★月日 2015年8月28日(金)〜8月30日(日)
★場所 ニュルブルクリンク・サーキット(ドイツ)/ 1周5.148キロメートル(グランプリ・コース)
★レースカーデータ@ トヨタTS040HYBRID2015年仕様 1号車
★ドライバー ★予選結果 ★決勝結果
A・デビットソン、S・ブエミ、中嶋一貴 1分38秒689(LMP1 5位 +2.216) 総合5位(200周 −3Laps)
★レースカーデータA トヨタTS040HYBRID2015年仕様 2号車
★ドライバー ★予選結果 ★決勝結果
A・ブルツ、S・サラザン、M・コンウェイ 1分39秒371(LMP1 6位 +2.898) 総合6位(199周 −4Laps)

★思いつくままに感想など‥
WEC後半はニュルブルクリンク6時間レースからスタートとなる。ドイツ・ニュルブルクリンク・サーキットと言えば、ル・マン24時間レースの直後に行われる24時間レースが有名だが、こちらは、全長20キロを超える山岳コース(北コース)が使用され、市販スポーツカーが主役である。今回は、全長5.148キロのグランプリ・コースを使用したレースで、ドイツ・ケルンに本拠地を置くトヨタにとっては準ホーム・レースとも言えよう。勿論、ドイツメーカーのアウディとポルシェにとっても本拠地で、ともに負けられない一戦である。ル・マンからのブランクは10週間。ポイントは、ドイツ2強に完敗したル・マンから、トヨタがどれだけそのパワーギャップを詰められるのかという点に尽きる。なお、ル・マンから参戦を開始した日産GT-R LM ニスモはマシンの開発・熟成が必要として第4戦以降をキャンセルしている。ル・マンでのP2マシーンにも及ばない実力からして当然の決断というべきである。ハイレベルのWECに参戦する以上、充分な時間をかけて戦闘力のあるマシーンを用意すべきであろう。FFレイアウトというチャレンジが話題性を呼んでいたが、私としてはオーソドックスな日産の「攻め」を期待したい。WEC初開催となるニュルブルクリンク、トヨタは7月に2日間のテストを行い、セットアップやタイヤ選択のためのデータ収集に取り組んでいる。好感触を得て臨んだはずだが、プラクティスから力の差を見せつけられる。ポルシェやアウディに対して2秒〜3秒のタイムギャップがどうしても詰まらない。予選でも状況は好転せず、もはや「定位置」ともいうべき5番手6番手に沈んでしまう。常識的には、自力優勝はおろか、表彰台すら絶望的であり、ル・マン以降もLMP-1Hクラスの力関係に変化がないことを示す結果となった。完全劣勢のトヨタにとって、レース戦略は「ミスをなくして敵失を待つ」以外の選択肢はなく、何ともお寒い限りである。迎えた決勝レース、フロント・ロウからスタートしたポルシェ勢がリードし、僅差で2台のアウディが追いかける展開。トヨタは2〜3秒遅れのラップタイムでは如何ともしがたく、1時間20分経過時点で#1、#2ともに周回遅れとなってしまう。その直後、トップを走る#18ポルシェが燃料流量制限違反で5秒ストップのペナルティが課せられ、トップの座を#17に明け渡す。#18ポルシェは、その後も同様の理由で2度のピットストップペナルティが(計90秒)課せられ、4位まで順位を落としてしまう。FIAの統一規格品の燃料流量計に問題があるようで、不可解な裁定というべきだろう。#17ポルシェは次第に後続を引き離し、4時間経過時点で#7アウディに1ラップ差をつける。こうなると、#18ポルシェとアウディ勢との2位争いに目が向く。ラストピットインのタイミングで#18ポルシェが2位に浮上するが、そこまでの3台のバトルは中々見応えがあった。特に、#7アウディのB・トレルイユの巧みなドライビングが光った。レースはそのままの順位で6時間を迎え、ポルシェがル・マンに続くワン・ツーフィニッシュを決める。レースに「たら・れば」はないが、#18にペナルティがなければ、1〜2位は逆転し、ポルシェの圧勝はより際立つものなったことだろう。わがトヨタは、クリーンレースをしたにもかかわらず、#1が3ラップダウン、#2が4ラップダウンでレースを終える。2台の差はドライバー力の差というべきで、ミスに起因しているわけではない。トヨタのドライバー達はレース後、口を揃えたように「結果は不満だが、私たちは車の持てる力を最大限引き出し完璧なレースをした」とコメントしている。ある意味、満足感にあふれたコメントで、彼らが気の毒に思えてくる。中嶋一貴が「バトルするシーンがなく、少々物足りないレース」とも述べ、ライバル達と互角に戦えない寂しさがにじみ出ている。それほど、車のポテンシャルギャップが大きいということだろう。これはトヨタ自身も認めていて、テクニカル・ディレクターのP・バセロンは、「来期は3.7LV8からターボへスイッチ、8MJ放出を実現すべくニューマシーン開発に取り組んでおり、リソースはそのために効果的に活用する。2015年仕様車の改良・強化にリソースを振り向けるのは効果的ではない」と語っている。きわめて現実的な判断で、今季の屈辱的敗北を覚悟したコメントともとれる。あまりにも恥ずかしいので、全戦キャンセルしてほしいところだが、残り4レース、「参加意義」しか見いだせないレースはどんなものになるのだろうか。外国で行われる第5戦オースチン、第7戦上海、最終戦バーレーンはともかく、富士で行われる第6戦はお膝元だけに特別な対策が必要となろう。まるで下位カテゴリーのようなラップダウンレースを見せられたのではたまったものではない。レースである以上、勝ち負けは必ず付きまとうが、要はそのプロセスである。ファンの「トヨタは負けたけどよくやったよね」という評価が大事なのである。もっとも、トヨタの幹部達が大敗北を目の当たりにすることで予算増額につながる可能性もあり、まんざら無意味ではないかもしれないが‥。ただ、「ル・マン優勝は悲願!」などと言って予算をケチる会社なので、大敗北をWEC撤退理由にする可能性も否定はできない。GAZOO Racingはブログの中で「このままトヨタのホームレース・富士6時間を迎えるわけにはゆきません」と書いている。単なるリップサービスではなく、具体的に実践してほしいものである。
トヨタがポルシェやアウディの進化予測を見誤ったように、JSPORTSもまた今季のWECの動向予測を大きく外してしまったようだ。2014年シーズンはトヨタがチャンピオンに輝き、ル・マン制覇近しを思わせた。2015年からは日産も復活し、日独4大メーカーの激突に話題性ありとみて、全戦ライブ中継を決めたのだろうが、トヨタと日産の大失態でそれも飛んでしまった。もしかすると、一番ガッカリしているのはファンではなくJSPORTSなのかもしれない。
前述したP・バセロンのコメントだが、2016年ル.マンについても言及しており、3台目投入の可能性は残されているとしながらも、「あくまで予算の範囲内での台数となる」としている。少し気の早い話だが、ドライバーラインナップは変えるべきである。つまり、明らかに力の劣る#2は全員入替が望ましい。F1ドライバーとまではいかなくても、若くて生きのいい一流ドライバーは沢山いる。日本人ドライバーも当然含まれるだろう。挑戦者としての積極性がチームをアクティブにするのである。挑戦者として摩擦を力に変える、それがGAZOO Racingのスピリッツでもあるのだから。