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Vol.11 ル・マン24時間(WEC第3戦)
★ジャンル レース
★月日 2014年06月11日(水)〜15日(日)
★場所 サルテサーキット(フランス)/ 1周13.629キロメートル
★レースカーデータ@ トヨタTS040HYBRID2014年仕様 7号車
★ドライバー ★予選結果 ★決勝結果
A・ブルツ、S・サラザン、中島一貴 3分21秒789(LMP1 1位) リタイア(219周)
★レースカーデータA トヨタTS040HYBRID2014年仕様 8号車
★ドライバー ★予選結果 ★決勝結果
A・デビットソン、N・ラビエール、S・ブエミ 3分22秒523(LMP1 3位 +0.704) 総合3位(374周 +5Laps)

★思いつくままに感想など‥
トヨタはシルバーストーンとスパを勝ち、万全な態勢でル・マンに臨んできた。予選では、中島一貴がドライブする#7が当り前のようにトップタイムをマーク。2013年のポールタイムを0.557更新する3分21秒789を記録。今や、トヨタのエースドライバー的活躍ぶりである。ちなみに、トヨタのポール獲得は1999年のTS020につづく2度目で、日本人のそれは勿論初めてである。2位に#14ポルシェ、3位に#8トヨタ、4位に#20ポルシェと、速さに定評のあるトヨタとポルシェがトップ4を占め、アウディは5位から7位につける。前年の2013年、アウディに対し劣勢のまま本番を迎えたのとは全く異なる展開に、否が応でもル・マン初制覇の期待が高まる。6月14日午後3時、WEC第3戦、第82回ル・マン24時間レースのスタートが切られる。序盤はトヨタ#7がポルシェ#20とトップ争いを、トヨタ#8はポルシェ、アウディと2位争いをそれぞれ繰り広げる。だが、スタート後、90分で事態は大きく動くことになる。コースの一部が激しい雨に見舞われ、トヨタ#8がスピンし多重クラッシュが発生する。トヨタ#8がフェラーリのGTカーを撥ね飛ばし、それがアウディ3号車にぶつかってしまう。フェラーリもアウディもリタイアとなり、トヨタ#8も大きなダメージを負う。TVカメラに映し出されるN・ラピエールの茫然自失とした表情がなんともリアルである。ただ、自力でピットまで戻れたのはラッキーで、50分ほどかけてマシーンを修復。8周遅れでコースに戻る。この序盤の雷雨は高い確率で予想されており、各チームともその情報は持っていた。当然、トヨタもその情報は得ており、N・ラピエールにもそのことは伝えられていた。高いポテンシャルを持つTS040HYであり、無理をする必要は全くないにもかかわらず、彼はリスキーなドライブをし、大きな代償を支払うこととなってしまった。トヨタのレース戦略も大きく狂ってしまったことだろう。つまり、#7が先行し、#8が確実にラップを刻むことがトヨタの勝利の方程式であり、どんなレース展開になっても対応できるはずだったのだ。#8が優勝戦線から脱落したことで、トヨタ7号車は大きなプレッシャーを感じながらの走行を強いられることになる。スタート後、4時間位まではポルシェ#20とトップ争いを繰り広げていたトヨタ#7だが、5時間ほど経過するとレースは落ち着き、トヨタ#7は後続との差を広げトップを快走する。途中他車アクシデントにより15分間のSCランが導入されたが、2位アウディ#2との差を僅かに広げ、中島一貴からA・ブルツにドライバー交代となる。一方の#8はほとんど最後尾からの追走となったが、レース開始9時間時点で11位まで順位を回復する。ブルツからS・サラザンへとドライバー交代を繰り返しながら順調にレースをリードしていたトヨタ#7に突然の悲劇が訪れる。夜明けを前にした午前5時、中島一貴がドライブ中にアルナージュ・コーナー付近で電気系のトラブルに見舞われコース上でストップしてしまう。ピットとの無線交信も出来ない中、中島一貴が懸命の復旧努力を試みるがメイン電源がダウンし、再起動することは叶わず15時間経過時点でリタイアとなる。ちなみに、トヨタ#8は16時間時点で4位まで浮上している。レースをリードすることになったのはアウディだが、#1#2ともにターボトラブルで20前後のピットストップを強いられ、一時はトップに立ったポルシェ#20もパワートレーンに不都合、#14はミッショントラブルに見舞われる。3ワークスのLMP1マシーンが何れも何らかのトラブルやアクシデントに遭遇し、サバイバル戦の様相を呈してくる。新レギュレーション初年度のための耐久性・信頼性の欠如、拮抗した性能と競争の激化によるトラブル誘発などが考えられる。こうなってくると、トラブルの深刻度や対応力の差がレース展開を左右するようになる。総合力においてトヨタ、ポルシェを圧倒するアウディが戦前の予想を覆して終盤レースを支配。終わってみれば、#2(A・ロッテラー、B・トレルイエ、M・ファスラー)が優勝し、#1(L・デイ・グラッシ、M・ジュネ、T・クリステンセン)が2位に入るというアウディのワンサイドレースとなった。ポルシェがともにトラブル発生のため、3位には5ラップダウンながら374周したトヨタ#8が入り、2年連続して表彰台に上がる。マシーンのポテンシャルも高く、普通に走っていれば楽勝だっただけに3人のドライバーの表情は固いように見えた。TMGの木下代表は複雑な胸の内を吐露しつつ「幸運はいらないが、もう少しアクシデントが少なければ‥」と悔やむ。トヨタにとって、#7の電気系のトラブル、リタイアは誤算だったが(注)、最大のそれはレース序盤の#8のクラッシュだろう。あそこは事前情報もあり、しっかりと守るべきシーンだった。リードを広げるとか、大逆転を狙うといったシーンではないのである。状況を正しく判断・認識できないドライバーがトップカテゴリーLMP1のワークスカーなど操るべきでないのだ。批判を承知であえて断言しよう。トヨタ敗北の原因を作った張本人はN・ラピエールに他ならない。
*注 #7のリタイアについて、「評価や設計ミスではなく、あるバラツキの中でグレーゾーンにあった部品が原因」と村田久武ハイブリッドプロジェクトリーダーはオートスポーツ誌の対談の中で述べている。また、ギリギリセーフな部品をどう評価して、ふるい落としていくか。その対策を整理し、対策部品をオースチン戦に織り込んだ、とも付け加えている。