mysoarertown.com Motor Sports(モータースポーツ)                                  2001.05 start/2013 06 30 renewal start
トップ  自己紹介  マイソアラ  登山トップ  ギャラリー  ブック  BBS  モータースポーツ 映画日記  リンク

マイソアラタウンはリンクフリーですが、予告なく閉鎖することがありますのでご了承下さい。

メッセージはこちらまで

copyrigrt(c)2001〜2004 shun1@ikeda All rights reserved

Vol.10 2015年に日産がル・マンとWECに復帰する
★ジャンル ニュース
★内容 ニッサン/ニスモは5月23日、イギリス・ロンドンで、2015年からル・マン24時間/WEC世界選手権に最高峰のLMP1クラスに参戦することを発表した。日産は1999年を最後にル・マンから撤退(1998年のGT-1クラス「R390」の3位が最高位)したが、2010年にLMP2エンジンサプライヤーとして復活を遂げる。今や、LMP2クラスは「ニッサンクラス」と言っていいほどまでに席巻している状況だ。更に、2012年ル・マンからは、新しい技術をプロモートするための特別枠「ガレージ56」にデルタウイングで参戦している。但し、このプロジェクトはあくまで実験的なレベルであり、今回は総合優勝を目指しての本格復帰である。アンディ・パーマー副社長は「日産は参戦後2年以内にル・マンで勝つだろう」と自信たっぷりに語り、「日産らしい非常に革新的な方法で」それを実現するとしている。このプロジェクトは、日本とアメリカ、欧州からのエンジニアや技術陣で推進し、ニスモが強力に「関与する」ことも明らかにしている。車名は「NISSAN GT-R LM NISMO」で確定しているが、ドライバーラインナップなどは明らかにされていない。発表会にはル・マン24時間レースを主催するフランス西部自動車クラブ(ACO)のピエール・フィヨン会長が同席し、FIAのジャン・トッド会長もビデオ出演するなど、総じて日産の復帰を歓迎している。英AUTOSPORT.comによると、NISSAN GT-R LM NISMOの技術的な方向性はすでに決まっているほか、エンジンは3カ月前からダイナモ上でテストされ、15年の2台体制での参戦に向けて、今年10月からコース上でのテストを行うだろうと報じている。
そこで気になるのが、NISSAN GT-R LM NISMOのパワーユニットである。日産はEV技術において先行しており、素直に考えると、システム的にはル・マンに出場する「NISSAN ZEOD RC」がベースになると予想される。そのシステムは、12KWhの容量を持つリチウムイオン電池を搭載し、120KWを発生する2基のモーターを駆動する「EV走行」と、ミッドに搭載した1.5リットル、直列3気筒・直噴ターボによるエンジン走行を組み合わせるというものである。ル・マンのケースでは、1周13.629キロメートルのサルトサーキットをEV走行で1周走り、その後はエンジン走行に切り替る。この場合、ブレーキング時のエネルギー回生機能により、12周後には再びEV走行出来るだけのエネルギーが蓄えられるという計算である。ちなみに、エンジン重量は40キログラムと軽量ながら400hpを発生し、最高速は、EV走行、エンジン走行ともに300km/hに達するという。これは現行レギュレーションではLMP2クラスとGT-Eプロクラスの中間域に相当する性能レベルであり、最高峰のLMP1クラストもなると戦闘力不足は否めない。リチウム電池の大型化と高性能化が求められるし、エンジンのパワーアップは最低限クリアしなければならない課題である。だからと言って、信頼性の高いVK45DE型(4.5リットルV8)ではオーバースペックになるだろうし、リチウム電池とともに重量問題がネックとなるに違いない。クリアすべき課題は多く、2年以内でル・マンに勝利するとも思えないが、新型マシーンの基本システムを考える上では非常に興味深い。アウディ、トヨタ、ポルシェとも、システムはそれぞれ異なるが、エンジンパワーとMJUによる回生・力行を組み合わせての走行ということを考えると、全く異なるアプローチである。これこそが、日産らしい「革新的な方法」ということになるのだろうか。つまり、総走行距離が5000キロに及ぶル・マン24時間レースで、28周ほどが完全なEV走行できることになり、これはエンジン走行2ステイント以上に相当するアドバンテージといえる。コンセプトは「EV走行」であり、これにより、1ステイントの周回数を伸ばし、トータルのピットイン回数を減らす戦略である。必ずしも、ライバル達と同等のラップタイムを刻むことが出来なくても、計算上はトップに立つ可能性が出てくることになる。勿論、BOPやEOTといった制約があるので、一方的に有利な条件を得ることは不可能だが、想像以上の戦闘力と言えるだろう。それでなくても、LMP1クラスは異種同走となっているが、その度合いを更に深めることになる。マツダも2015年からのWEC復帰が報じられており、耐久レースは「Cカー時代の再来」を髣髴とさせる活況を呈している。
★ジャンル ル・マン24時間レース公式テストデー
★内容 6月1日、サルトサーキット(仏)でル・マン24時間レースの公式テストが実施された。このテストデーは公式練習走行が始まる6月11日以前において、初めてで唯一、実際のコースで走行テストが出来るチャンスである。午前と午後、それぞれ4時間のセッションが設定され、各チームは、マシーンの空力やメカニカル等のセットアップ、タイヤの評価などを精力的に行った。TMGによると、トヨタはこれら基本的な作業に加えて、ハイブリッドシステムの効率的運用についての分析も行ったという。その結果、前年仕様比25パーセント低燃費化と、高熱効率エンジンプラスハイブリッドシステムによる競争力向上という、相反する課題について、高いレベルで調整・実現出来たとしている。#7、#8ともに両セッショントータルで88周、1200キロほどをトラブルフリーで走りきるとともに、総合でトップ2のタイムを記録(@#8 3分23秒014 /A#7 3分23秒156)した。ちなみに、トヨタは2012年からル・マンに復帰、参戦しているが、2012年の予選タイム3分24秒842、2013年の予選タイム3分26秒654を早くも上回るベストタイムをマークした。だが、7番手のポルシェ#20のタイムが3分24秒911と、2秒弱の間にワークスカー7台がひしめき合う僅差の状況である。注目すべきは、前哨戦スパの走りから劣勢を予測されたアウディが速さを取り戻したのに対し、ポルシェが意外と伸びなかったという事実である。勿論、各ワークスにはそれぞれの課題や思惑があり、このタイムが全てという訳ではないが、ある程度の実力は把握できるのではないだろうか。あとは、燃料タンク容量(アウディ54.3L、トヨタ、ポルシェ68.3L)と1ラップ当りの燃料エネルギー(アウディ135.2、トヨタ、ポルシェ139.5)、そこから導き出される1ステイントの周回数(アウディ13.6周、トヨタ、ポルシェ13.9周)がカギを握ることになる。数値的には、トヨタとポルシェがやや有利だが、実際のレースペースは、各チームの戦略も絡んで予測はつかない。それにしても、王者アウディは流石というべきか、しっかりと合わせてきているという印象を受けた。Vol.9の「スパ6時間」でも触れたが、トヨタにとって警戒すべきはアウディで、3台体制というのも脅威である。レース戦略を考える上で、選択肢が多く、当然ながらリスクも分散されるからだ。昨年のテストデーのトヨタは、圧倒的な速さのアウディ勢の前になす術がなかった。トヨタのP・バセロンが「トヨタがル・マンで勝つ可能性はゼロ」といいきり、WECに対しBOPの見直しを直訴したほどの屈辱的状況にあった。それを思い起こす時、今季は少なくとも「勝負できるマシーン」を手にしている訳で、状況は全く異なるといえるだろう。こんなチャンスが毎度訪れると思ったら大間違いで、そのことはトヨタ、そしてTMG自身が痛感しているはずである。あとは、トップでチェッカーフラッグを受けるまでのレース戦略を誤らないことである。今や、トヨタのエースドライバーともいえる中島一貴が「今年は気負いもなくいい意味で平常心」と語っている。オールトヨタが自らに課せられた課題を淡々とこなすことで結果は自ずとついてくるのではないだろうか。ル・マンの載冠を静かに祈りたい。