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192.武華山・武利岳(北大雪/武華山1758.5M 武利岳1876.2M)
充実した山行も好天なればこそ、前ムカ泊で念願の武華・武利縦走
GW前半は、以前から行きたかった北大雪の武華山・武利岳縦走プランを組む。本当は厳冬期に行きたいのだが、私の力量では少し足りない。天気が安定する残雪期であればなんとかなるだろう、とのいつものアバウトさである。
【@国道39号→尾根取付→前ムカ→BC武華山→BC
武華岳が正解か 
国道39号線、石北峠から少し北見寄りのイトムカ川に沿った林道がアプローチとなる。GWの時期ともなれば、除雪されていたり、雪融けが進んで通行可能な林道も珍しくない。少しは入れるのではないか、そんな淡い期待はいきなり崩れてしまう。林道の入口から無情にも雪の山である。嘆いていても始まらないので、20キロ超のザックを担いで歩きだす。僅かな救いといえば、雪が硬くノンラッセルであること。前方を見上げると目指す武華山が白く輝き、数日前の大雪で山も再び白さを取り戻したようだ。淡々とした林道歩き、ごく緩やかな勾配が続き登り返しもないので帰りは楽ができそうである。そんなことにささやかな喜びを見出しひたすらスキーを漕ぐ。1時間20分で夏道登山口に着く。案内図には武華「岳」登山道との標示があるが、地元ではこれが一般的な呼称なのだろうか。ここから少し行くと武華山東尾根で、小休止のついでに靴ずれをおこしかけている右足にテーピングを施す。さて、ここからのルート選択で悩む。尾根をそのまま上がるか、夏道沿いに上がるか、である。予報は夏日に迫るような気温上昇を伝えており、雪崩が一番怖い。夏道は、樹木の密集度は低いが、沢伝いに進み斜面をトラバースする感じなので尾根に比べるとそのリスクは高い。結局、樹木が煩いが東尾根を上がることにする。
泣きの尾根登高 この選択が大失敗だったのだが、この時点では知る由もない。最初こそ楽だったが、次第に傾斜が増してくる。硬く締まった雪の層の上に、新雪層が乗っている状態だから、負荷をかけると上の層はこれに耐えられず崩れ落ちてしまう。それだけならまだしも、身体ごとずり落ちてしまうのだ。苦労して稼いだ高度なのに‥。予想以上に密な樹木に加え、新雪がシールに付着する。こうなるとスキーは倍くらいの重さになってしまう。一度は、スキーを脱ぎツボ足になるが、辛い踏み抜きとスキーが木の枝に引っかかって進まない。心は泣きたい気持ちで一杯だが、耐えるしかない。やがて、傾斜が緩み左手に武華山やライオン岩が樹間に見えてくる。尾根取付から地形図1574pまで3時間、正にヘロヘロ状態である。ここから少し上がると森林限界で、ハイマツを避けながら1時間弱上がると前ムカである。真北に翌日アタックする武利岳が鎮座し、西(左)には手が届きそうな距離に武華山である。のんびりしている暇はなく、早速、BC設営に着手する。前ムカ南直下に除雪して風避けブロックを積み上げ、1時間ほどでテント設営を完了する。風が強くなることが予想されるので、ペグ替わりにハイマツの枝を使い、外張とともにしっかり雪中に固定することも忘れない。
ヘッデンの明り 行動食を頬張りつつ武華山へ向かう。標高差はほとんどなく30分で要塞のごとき岩が露出する頂上に立つ。2003年5月に静子と途中までは来たことを思い出す。あの時は前々日の芦別本谷の疲れと、出発の遅れが痛かった。尾根続きで南西のライオン岩は、下から見ると威容を誇っているが、武華山からのそれはこじんまりとした岩場にしか見えない。西には襞のような南東面を持つ屏風岳で、なるほど、ここから見れば屏風のように見えなくもないと。空には筋状の雲が幾つかあるので、それをメインに写真を数カット撮る。PLフィルターなどがあれば雲を強調できるのだが‥。尤も、今はPC処理なのでソフトでもできることを思い苦笑する。帰路、翌日の下山ルートが沢予定なので、新しい雪崩跡やデブリなどがないか確かめてみる。その兆候は見られず沢を降りることを決める。一方、武利岳のルートといえば、あまりスキーが使えないような印象だ。テントに戻ってしまえばなにもすることはなし。餅を焼いたり、コーヒーを飲んだり、ラジオを聞いたり、友人や娘達にメールしたり‥、とにかく忙しい(笑)。周囲が闇に包まれると満天の星空と三日月が現れ、南麓には石北峠付近のオレンジ色の道路灯と行交う車の照明が浮かび上がる。ふと、「私のヘッデンもむこうから見えるのかなあ」などと馬鹿なことを考えてしまった。
【ABC→最低コル→武利岳→BC→尾根取付→国道39号
下界は夏日でも 
朝まで続くテントを揺らす強い風、眠れないまま3時にシュラフから抜け出し朝食をとる。武利岳まではピストン6時間を予定しているが、雪の状態では苦戦も強いられる。早立ちが肝心である。アタックザックに荷を移し4時過ぎにBCを出発する。さんざん迷った挙句、ツボで行く。東側は崖なので、尾根のやや西側にルートをとる。雪は柔らかく復路の登り返しは辛いものになるに違いない。最低コルからは雪は硬くなり、東の空には薄い雲間から赤い太陽が顔を出す。アイゼン、ピッケルでj順調に上がっていく。武利岳南尾根1660pにはBCから70分、意外といいペースである。ここまで上がるとまともに西風を受け寒い。空も晴れてはいるのだが、薄い靄がかかっている感じである。下は夏日になるところもあるという、本当だろうか。尾根上にはあまり雪がなく、所々、夏道も出ている。時に雪庇を歩き、時に夏道を辿る。細かい起伏があるので消耗著しく、休むこと度々である。武利南尾根から見る武華山は、荒々しい東崖と台形のような山容が特徴であることが分かる。南側から見る印象とは随分と違う。地形図1709p辺りで少し細くなるが、難なくクリアし肩への急登にかかる。尾根のやや右寄りの雪面をジグを切りながら上がる。肩に荷をデポし、強風に耐えながら一登りすると山頂標識が視界に入ってくる。BCから3時間弱で待望のピークである。
危険なアイテム 2000年8月、東尾根から静子と登って以来である。登山を始めて3年目の夏、あの頃は毎週のように山へ向かっていたことを思い出す。当時は鮮明だった標識の文字もかなり薄れてしまった。時の流れを痛感させられる。そう言えば、山頂で初めて安着ビールをいただいたのもこの高みだった。ピーク手前の東尾根はラクダの背のような起伏があり、しかも細い。南尾根よりは緊張するかもしれない。このところ見慣れた北大雪からの眺めではあるが、美しく素晴らしいものに見飽きることはない。北側の支湧別岳を主峰とする山並みも予想以上に深く大きい印象だ。10分ほど滞在し頂上を後にする。登りでは硬かった雪も早緩んできており、こうなるとアイゼンは危険なアイテムに変身する。早々に脱ぎ、安全を確保する。南尾根1660pから最低コルまではグリセード&尻滑りで降りる。辛い登り返しは、出来るだけ雪庇を利用し、あとは往路のトレースを辿る。これが殊のほか楽で、2時間30分ほどでBCまで戻ることができた。予定通り武利岳ピストンを果たし、自分自身充足感に包まれているという実感が湧く。BCを出る時は、まなじりを決して武利岳に向かったが、今は穏やかな晴れがましい気持ちだ。この精神状態のギャップある意味快感なのかもしれない。
ガクガクする足 強い風にテントを飛ばされそうになりながらも何とか撤収作業を終え、11時過ぎ、再び重い荷を背負い下山を開始する。BCから沢源頭方向にルートをとる。素晴らしい斜面が続き、荷が軽ければ滑りを楽しむ場面だが、足がガクガクしそれどころではない。転倒しないように斜滑降&山回ターンで高度を下げていく。気温は高く、雪温も高そうだが雪崩れる心配はなさそうである。沢沿いの疎林を気持ちよく滑り降りていく。ただ、突然流れが露出していたりするので、気は抜けない。途中からは夏道を辿り、1時間足らずで尾根取付である。上りでも同ルートを辿れば尾根ルートの半分ほどですむかもしれない。尾根の形状や樹木の密集度合、雪の状態など、ルート決定に際して考えなければならない要素であるが、私の場合、どうしても尾根に拘ってしまう。単独ゆえの慎重さといえばそれまでだが、基本を抑えつつ、もう少し柔軟にということだろうか。ここまで降りれば、後は惰性である。腐った雪面で、スキーの滑りは悪いが雪がつくことはない。1時間で国道39号線に出会い、縦走の幕を閉じる。前日の出発時、車の周りは10センチほどの雪だったが、綺麗に消えて、初夏のような暑さが漂っていた。後始末もそこそこに、ご褒美の温泉と贅沢な食事が待つ層雲峡温泉へと急ぐ。
■山行年月
2009.04.29(水)
  .04.30(木)
■天気
快晴/快晴
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
イトムカ林道・東尾根
イトムカ林道・沢
コースタイム(1日目)
自宅午前3時50分出発
地点分岐等 時間
国道39号 6:10
東尾根取付 7:45
8:00
Co1574p 11:10
11:30
前ムカ(BC) 12:25
所要時間 6:15
前ムカ(BC) 13:30
武華山 14:00
14:10
前ムカ(BC) 14:30
所要時間 1:00
林道から武華山 尾根から武華山
ライオン岩 武華山
屏風岳遠望 武華から武利岳
BCから南望 鞍部の日出
尾根から武利岳 武利岳山頂直下
武利岳山頂 山頂標識
支湧別岳 武華山
イトムカ沢源頭 GPSトラック
コースタイム(2日目)
地点分岐等 時間
前ムカ(BC) 4:10
最低コル 4:40
武利岳 6:50
7:00
最低コル 8:20
前ムカ(BC) 9:35
所要時間 5:25
前ムカ(BC) 11:10
東尾根取付 12:05
国道39号 13:05
所要時間 1:55
自宅午後5時15分到着