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191.屏風岳(北大雪/1792.2M)
南西尾根から頂稜散歩の気分満喫しながら憧れの屏風のピークへ
十勝から三国峠を越えて層雲峡方面に向かう時、大雪湖付近から見える大きく形の良い山が屏風岳である。特に、積雪期などはその白さとも相まって圧倒的な存在感を放っている。登高意欲を刺激する山で、毎シーズン沢遡行プランに加わるのだが、縁がなく実現できないでいる。GW直前、たった1日しかない好天を利して登頂を試みる。
スキーデポ決断 残雪期ならではのルートということで、尾根から上がることにする。アプローチが容易なのが南西尾根で、新大函トンネル北見側「大函」が登山口となる。前夜の車中泊で体調は万全、日の出とともにスタートする。尾根取付までは林道がルートとなるが、硬雪なのでとりあえずツボ足で行く。スキー登高を予定しているので、スキーを担ぐ一方で、雪の状態や樹木の密集度が不明なのでスノーシューも併せ持つ。黒壁の如く柱状節理を見ながらニセイチャロマップ川左岸から函越橋を渡り、西に分岐する林道に入る。右手が南西尾根末端だが、急なのと雪不足で上がるのを逡巡していると、小さな沢地形に出会う。そこを利用して尾根に取付く。鹿の足跡が縦横に走る急斜面、硬雪なのでアイゼンでもなければスキー登高は厳しい。片手でスキーを持つが重くて重くて‥。50メートルほど上がった所で造材道に出会ったので、これがきっかけとばかりにスキーデポを決断する。最初からスノーシューオンリーでのぞめばと思うが、このヨミの浅さがいかにも私らしく、苦笑するばかりである。
兼用靴では辛い 傾斜が緩むと尾根の背で、Co878p付近では頭上を高圧線が走る。この辺りからCo1000過ぎまでは単調な地形と同じような植生なので、コンパスとGPSの出番が多くなる。あちこちにコースサインらしきものがあるのも頷ける。地形図から地形を読みきるトレーニングには絶好のエリアといえるだろう。私なら、右手(東側)の沢を意識しながら進むといいと思うがどうだろうか。微かに残るスノーシューのトレースと交差を繰り返す。時折、右手樹間に南西尾根と頂稜西肩を望むことができるがまだまだ高く遠い。Co1103pまで上がると尾根形状はようやく明確になり、左手にはニセイカウシュッペ南稜が樹間に見え隠れする。ルートとなる南西尾根も白く浮かび上がるが、森林限界から上は雪が少なそうだ。尾根の右手の雪庇を利用するが、起伏が半端ではない。兼用靴ということもあり、サクサク直登という訳にはいかない。ジグを切りながら高度を稼ぐ。滴り落ちる汗を拭いながら急登に耐えるとCo1530である。ここは支尾根との合流ポイントで傾斜が緩む。
大亀裂に怖々と ここでテント泊でもしたのだろうか。風避けブロックがあり、雪面に平らな窪みがある。ザックを下ろし、暫し大景観を楽しむ。赤岳や黒岳、北鎮岳、凌雲岳、烏帽子岳など、表大雪の高峰群が一望のものとなり、やや左奥には王冠の山トムラウシも遠望できる。そして、石狩連峰にクマネシリ山塊と、好天ならばこその眺望である。パン1個を熱い紅茶で腹に流し込んだ後、行動再開である。兎の足跡に導かれながら西肩までの標高差230メートルに挑む。尾根の背はハイマツが出ており、東側に残る雪庇を上がるが、所々に大きな亀裂が入り、刺激を与えないようソッと上を行く。本当にヤバそうな所は勿論、尾根の背にルートをとる。右足下はきつい傾斜の沢源頭で、雪で完全に埋まっているものの、滑落だけは避けなければならない。慎重にキックステップを切る。左手の支尾根が近づいてくると西肩はすぐそこだ。やや左側から回り込むように肩に上がる。小槍、大槍、アンギュラス、そしてたおやかなニセイカウシが視界に入ってくる。屏風岳のピークは頂稜東端で、西肩からは手前の形の良い偽ピークに阻まれ見ることはできない。雪が少し柔らかいので、アイゼンまでは必要ないが、ストックをピッケルに替える。
苦痛と登頂確信 少し細くなるだけで、基本的には気分よく頂稜散歩である。右下の九滝の沢(ニセイチャロマップ第一川)、左下の新大函沢を眺めながら沢遡行をイメージする。偽ピークを越えるとようやく頂上が見えてくる。あと1〜2分も歩けば届く距離だが、実はこの瞬間が私としてはとても心地よい。苦痛とピークに立てるという確信、そして、達成感がバランスよく混在しているからだろう。少し下ってまた上がる、大函から4時間30分、平坦な頂上に到着する。ザックを放り投げるように下ろす。瞬時に苦痛から解放され、心は達成感だけで満たされる。東側の武華山から武利岳、そして支湧別へと続く山並みが青白く浮かんでいる。残雪期に、一泊で武華から武利を繋いでみたいと思うが間に合うだろうか。北方向には、天狗岳に有明山、チトカニウシと並ぶ。それぞれに思い出がある山である。今次山行で山デビューを果たしたキヤノンのIXYデジタル25ISで大眺望を切り取る。長く使用してきたIXYデジタル400はどうも調子が安定しないので、買い換えてしまった。2万円をきるサプライズ価格、コストダウンも進んだものである。
ルートロス地帯 好天ではあるが風は冷たく、長居は出来そうにもない。9時過ぎにはピークを後にする。頂稜西肩で景観を脳裏に焼きつけ、一気に下降を開始する。急斜面はヒールを垂直に雪面に踏み込み確かな足がかりを作りながらである。気温の上昇で、踏み抜きによる体力消耗が心配されたが、杞憂に終わり一安心。淡々と高度を下げ、Co1000付近からのルートロスゾーン(笑)に突入する。コースサインの回収があるので往路を忠実に辿らなければならない。トレースはほとんど消えてしまいあてにはできない。正確な現在地特定と方向維持が求められる。結果、コースサインも全て回収し、スキーデポ地点にもピタリと戻ることができた。頼るべきはコンパスとGPSというべきか。朝は気がつかなかったが、林道側の柱状節理は苔むしており、滲み出る水分が氷の花を咲かせている。目立たないが、柱状節理の絶景ポイントかもしれない。ここを過ぎると、北電のダム施設があり、側に止めてある愛車が私を迎えてくれる。「今日も無事に帰ったね」と。
■山行年月
2009.04.25(土)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
南西尾根根
コースタイム
前夜大函P車中泊
地点分岐等 時間
大函 4:20
Co1103p 6:00
Co1530p 7:25
7:40
頂稜西肩 8:25
頂上 8:50
所要時間 4:30
頂上 9:05
Co1530p 9:40
Co1103p 10:15
大函 11:40
所要時間 2:35
自宅午後3時35分到着
屏風岳怨望 背後の表大雪
1530から西肩 西肩直下
西肩からニセP たおやかな頂上
表大雪 ニセイカウシ
東大雪 武利岳と武華山
柱状節理 トラックデータ