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190.十勝岳〜オムシャヌプリ
(南日高/十勝岳1457.2M オムシャヌプリ1379M)
念願の南日高プチ縦走で気分は最高!南尾根は野性的でマニア向けか
オムシャヌプリも十勝岳も単発では何度も登っているが、積雪期(含残雪期)には未踏である。また、十勝岳とオムシャヌプリを縦走するというのは無雪期すらない。心なしか初ルートは気合いが入る。前夜のうちに登山口となる野塚トンネル日高側の翠明橋公園に入る。といっても、今の時期は冬期閉鎖中で入れないので、取付尾根側の林道に車を止め車中泊である。翌日のお天気は100パーセント快晴なので、不安もなく熟睡するのみである。
見上げると月が 周囲が白み始めるのと同時にスタートする。ルートとなる十勝岳西尾根末端は目の前で、先ずは地形図958標高点にコンパスを合わせ尾根に取付く。傾斜のある広い斜面で、すでに雪はかなり融けて笹が顔を出している。残雪を繋ぎながら登るが、雪が硬いのでキックステップを切りながらとなる。雪がない小尾根の背には発達した獣道があるが、まるで登山道のようである。Co750付近から傾斜が緩みだし、Co800近くでスノーシューを履く。ようやく周囲は雪に覆われ、効率的に高度を稼ぐ。ふと、南の空を見上げるとお月さまが‥。振り返ると野塚岳西峰から南西に伸びる支稜が朝日を浴びて眩しく輝き、ほどなく、十勝岳北側の主稜線から太陽が上がり、上二股の沢に光が満ちてくる。958標高点まで上がると、展望は大きく開ける。沢を挟んで対峙するオムシャヌプリの迫力は特筆ものだし、遠く南にはアポイ・ピンネシリ山塊が現れる。初めての光景はいつもながらインパクトがある。
光り輝く西尾根 前方には黒きCo1148が立ちはだかる。標高差200メートル、「ここを上がりきれば何かが‥」そんな思いを抱きながら苦痛に耐える。その何かは確かにあった。頂上は勿論、そこへ続く西尾根の全景が露わになり、思わず「オーッ」と声が出る。たおやかで細いところはなさそうだが、上部は樹木も全くなく、その輝きから氷結していることがうかがえる。やはり甘くはなさそうだ。Co1191でアイゼン、ピッケルに切り替える。グッ、グッとアイゼンの歯が心地よく雪面にくい込む。十勝岳の肩に向けて緩やかな登りだが、スリップなどしようものなら一たまりもないので緊張感は解けない。対峙する主稜線はこれ以上の緊張を強いられるだろう、怖いような楽しみなような相反する想いが混在する。肩では楽古山荘付近からの南尾根が合流する。その方向を辿ると、様似の市街と太平洋が望める。ここで東から北東へと尾根は方向を変える。もう頂上は指呼の距離である。
素晴らしき峰々 南東の楽古岳が大きく視野に入ってくる。ピラミダルというよりは、北西に向かって大きく羽を広げる鳥のような優美な山容である。それにしても、コイボクシュメナシュンベツ沢源頭の急斜面ときたらどうだろう。まるで壁である。あんな所を静子と二人で遡行したのだから信じられないくらいである。深く落ち込む左の上二股沢と右のコイボクシュメナシュンベツ沢を見比べながら8時過ぎに待望のピークに立つ。予定より1時間近く早い到着に余裕が生まれる。雲ひとつない空、眺望は思いのままだが、何といっても北へ連なる白き峰々は素晴らしい。カムエク、1839、神威、ピリカヌプリあたりまで遠望できる。南といえば、楽古岳の右に小楽古岳と僅かに頭を出す広尾岳、南に延びる小ピーク群を望むことができる。標高は高くないが豊かな山域である。十勝連峰や大雪連峰なども見えたに違いないが目に入らないのである。日高山脈の奥行きと大きさを痛感する。風があるので少し下がった窪地で小休止とする。
氷雪斜面に緊張 いよいよ主稜線を北上する。十勝岳からCo1200の鞍部までが最も厳しい部分とふんでいたが、見た目もその通りだった。無理なら引き返すことも視野にあったくらいである。細くはないが、傾斜が強く氷雪状態である。下手をすると楽古川まで滑落する訳で、全てに慎重な動きが求められる。時には、ピックを氷雪面に突き刺し、後ろ向きでクライムダウンする。今回はピッケルバンドも肩掛けタイプにしたくらいである。上二股沢から吹き上げる冷たい風と痺れるような緊張感に耐えようやく鞍部に降り立つ。ここからは一転して稜線散歩である。双耳峰のオムシャヌプリの真中に山容の似た1343コブ。歩くことで目に出来る光景である。Co1249Jpからは北西に向かう。小さな起伏はあるが、基本的には登りである。雪庇を利用し快調なペースで高度を上げていく。雪庇は小規模で安定しているが、小さな亀裂もあったりするので、出来るだけ稜線寄りを歩く。いつ現れたのか、登山者の靴跡に並ぶように羆の足跡がある。大きいものと小さいものなので親子だろう。こちらは爪跡も明瞭で前日のものと思われる。暫く並走していたが、やがて野塚川南西面沢に降りていった。雪原を歩く親子羆、さぞかし似合うに違いない。
十勝岳は不沈艦 Co1343は高さも傾斜もあり、少しいやらしい。慎重に右から回り込むように上がる。もう、オムシャヌプリまでは近く難所もない。開放感に包まれながら小休止する。先ず、辿りし西尾根の長大さが目に入る。よくも歩いたものだと感心する。人の力の大きさと、一歩一歩の積み重ねがもたらす成果といったものを痛感させられる。そして、十勝岳の雄大さである。以前から抱いていた印象だが、雪を纏うことで一層鮮明になったようだ。さながら不沈戦艦のような存在感である。十勝岳から2時間でオムシャヌプリの東峰に到着する。ここで大休止する。携帯をドコモから山に強いAuに変えた(MNP)ので、友人に写メールをしてみる。何やらドコモよりは容易に送信できた感じだ。(この後も、下降尾根などで試してみたが通信エリアは間違いなくドコモよりは広いようだ。)雄大な景観に一人身を置いている自分に満足しながらまったりと時間を貪る。何と贅沢なことだろうか。
南尾根に登山道 東峰からは30分で本峰である。この好天、誰かいるのではないかと思ったが誰もいない。野塚方面にも人影はない。寂しい気もするがこれが日高なのだろう。さて、ここからどう下るか、暫し、思案する。ニオベツ川左岸の下降尾根が一番安全だが、トンネル出口から翠明橋公園まで歩かなければならない。あとは、西尾根か南尾根だが、翠明橋公園に近いのは後者である。十勝岳西尾根から見た限りでは、尾根に雪が付いていない印象だが、時間に余裕もあるので南尾根を下降することに。ピーク付近で尾根形状を認めるのは難しく、コンパスを真南にセットし急斜面を下りていくと尾根に出会う。思ったより雪があり安心するも、斜度があるので気を抜くとスリップしそうになる。尾根が南西へ方向を転じる頃になると、雪も少なくなり、背は完全に山肌が露出してくる。ここにも登山道かと見間違うような獣道があり、時にはそれを拝借する。
藪漕ぎに尻滑り 尾根の北側には雪が残っているが、ツボでは踏み抜くし、スノーシューでは滑りまくる始末。結局、登山靴のまま尾根の背を下る。Co787付近からは次第に藪漕ぎ状態となる。尾根下部ではこれにきつい傾斜も加わり、尻滑りテク(笑)を多用し上二股沢右岸に降り立つ。雪融水で増水する川は渡渉ポイントが中々見つからず、濡れるの覚悟でジャブジャブと渡り、林道に上がる。結果論だが、Co787から支尾根を伝って沢へ下り、林道へ出た方が正解だったようである。沢の渡渉もギリギリ、スノーブリッジも使えたかもしれない。
下降尾根のルート選択で少し後悔はあるものの、前から歩いてみたいルートを単独で辿れた意味は大きいと思う。今季最長10時間弱の山行で、身体は疲れているのだが、気持は満足感にあふれ高揚冷めやらぬ状態だったことを付記しておこう。
■山行年月
2009.04.17(金)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
十勝岳西尾根
双子山南尾根
コースタイム
林道入口前夜車中泊
地点分岐等 時間
林道入口 4:25
Co1148p 6:35
十勝岳 8:10
8:25
Co1249Jp 9:00
Co1343 9:50
双子山東峰 10:20
11:05
双子山 11:35
11:50
Co787p 13:05
林道入口 13:55
所要時間 9:30
自宅午後4時15分到着
見上げると月が オムシャヌプリ
西尾根から北望 西尾根と十勝岳
対峙する主稜線 肩直下
頂上から南望 頂上から西尾根
十勝岳から北望 辿る主稜線
十勝から楽古岳 鞍部から十勝岳
双子山と1343p 1343pから十勝岳
雪のない南尾根 GPSトラック