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184.トヨニ岳(南部日高/1493M)
途中撤退も凛としたトヨニ岳を望みながらの稜線散歩は気分最高!
心躍る白き稜線 時ならぬ4連休、テント担いで知床岳か武利岳・武華山でもと思ったが、天気が安定しない。無駄足は嫌なので比較的天気の良い日高に転進することにした。初日は南日高のトヨニ岳である。と言っても、この時期の稜線上はまだまだ厳しく、登頂は二の次で、主たる目的は稜線偵察である。勿論、ピークに立つにこしたことはないのだが‥。
池田を出発する頃は低い雲が垂れこめ、「天気大丈夫かなあ」という思いに駆られたが、徐々にガスが切れ出し、忠類あたりでは日高の白い稜線がスッキリ姿を現す。カムエク、1823、コイカク、ヤオロ、ルベツネ、ペテガリ‥、運転しながらの山座固定は少し危ないが、心躍る瞬間でもある。大樹から近道して国道236号に入る。久々の天馬街道、前年7月、遠来のtake4さんとニオベツ川南面沢以来で、なんとなく懐かしい感じだ。峠が近づくにつれて白い稜線が見え隠れする。
Snowshoeに分が 野塚トンネル十勝側パーキングに車を止め、そそくさと準備する。足元はスノーシューである。ルートとなる尾根の登下降や稜線上の移動を考慮するとスキーよりスノーシューだろう。問題は雪質だが‥。完全に雪に埋まる豊似川ポン三の沢川を渡り、トンネル北側の尾根に取付く。トレースもあり、誰か先行しているのかもしれない。雪が適度に締まりとても歩きやすい。ふと見ると尾根の南側の沢には真新しいデブリである。このところの高温、雪崩頻発は当然だろう。30分くらいかけて尾根の背まで上がる。傾斜があるので息も絶え絶えだ。前述のトレースは尾根を横切り北側斜面に続いている。どうやら、登山者のものではなさそうである。風もない穏やかな尾根を登っていくと、樹間から南に野塚岳、北にトヨニ岳(南峰)が望めるようになる。ラッセルは全くなく、アイゼンが雪にしっかりと食い込んでいる。トラバースのようなシーンでは不安定になるが、直登にはめっぽう強い。重量ではスキーより圧倒的に軽いスノーシューだが、歩き慣れていないせいか足に堪える。単独なので好きな時に休みを入れながらの登高が続く。
きしむアイゼン やがて、正面に白い壁のごとく稜線が迫ってくる。何処も雪庇が張り出し、稜線に上がるポイントはごく僅かである。雪壁にしがみつくようにしながら1151pのやや北側に上がる。稜線西側ソガベツ沢から吹き上げる風が心地よい。主稜から南西に延びる支尾根の無名峰群が日高の奥深さを物語っている。南は端正な山容の野塚岳が、北は完璧に白いトヨニ岳が圧倒的な存在感を放っている。そして、ピークを繋ぐ稜線はあくまで細く鋭いのである。果たしてどこまで上がれるか、下降ポイントにコースフラッグを立て主稜を北進する。初めは気楽な稜線散歩だが、徐々に痩せ尾根となり、雪庇も大きくなってくる。雪面もカリカリで、流石にスノーシューでは限界なのでアイゼンに履き替える。右(東)の雪庇に注意しながら、左側の急斜面、スリップや滑落にも気を配らなければならない。クラスト雪面だけにアイゼンは良くきしむが、ピッケルも含め、最低2支点の確保を意識する。アウターパンツにアイゼンを引っかけ小さな穴を開けてしまう。一見すると些細なミスだが、実はこれが怖い。転倒し滑落に至るパターンが多いのである。

後ろ髪引かれる 自然と気が引き締まる。それでも、純白で凛としたトヨニ岳を見ながら歩くのは気分がいい。1162pを過ぎると前方に1251Jpが大きく高く立ちはだかる。前回(2006年4月)ganさんと来た時は周囲はガスで見えなかったが、今回はまる見えである。眺望もいいが恐怖心も感じる。次第にそれが大きくなっきて、つい「落ちたら‥」と想像してしまう。単なるナイフリッジは何とかなるが、それに、きつい傾斜が加わると私の場合、手に負えない。手持ちのロープは10メートル1本だけ。これじゃあ勝負にならない。安全を期して1251Jp直下鞍部から撤退する。せめて30メートルロープを持ってくればと悔やまれるも後の祭りである。正に、後髪ひかれる思いである。大きく口をあけた雪庇の亀裂の向こうのトヨニ岳が随分と高く遠く見えたことは言うまでもない。そして、自分の非力さも思い知らされる。
再挑戦とピリカ 落胆と安堵に包まれながら稜線を南進する。山の天気は不安定で、下降ポイントに着く頃には青空は消え、トヨニもガスの中に隠れてしまった。撤退は正解だったのかもしれない。直下でランチタイムの後、小尾根を下降する。スノーシューで下るも、傾斜が強いためズルズルと滑りだしてしまう。踏み抜く方がまだ安全と判断し、途中からツボ足で降りる。取付の南斜面では大腿部まで埋まったが許容の範ちゅうである。
久々の南日高は冬山然とした中にも、どことなく春めいた雰囲気を漂わせていた。敗北を喫してしまったが、これを体感出来ただけでも感謝である。今季中の再チャレンジとピリカヌプリへの縦走に想いを馳せ天馬の街道を下る。
■山行年月
2009.03.10(火)
■天気
晴後曇
■同行者
単独
■山行形態
スノーシュー
■コース:往路/帰路
野塚トンネル
コースタイム
自宅午前6時00分出発
地点分岐等 時間
野塚トンネル 7:25
稜線 9:00
9:10
1251東鞍部 10:15
所要時間 2:50
1251東鞍部 10:25
稜線 11:30
12:15
野塚トンネル 13:10
所要時間 2:45
自宅午後3時10分到着
登高尾根 端正な野塚岳
トヨニ岳@ 1151Pと沢源頭
支尾根の山並 トヨニ岳A
トヨニ岳B 1251Jp
トヨニ岳C 雪庇の亀裂
稜線から南望 GPSトラック