トップ  自己紹介  マイソアラ  登山トップ  ギャラリー  ブック  BBS リンク

マイソアラタウンはリンクフリーですが、予告なく閉鎖することがありますのでご了承下さい。

メッセージはこちらまで : nobita39730@coffee.ocn.ne.jp

copyrigrt(c)2001〜2004 shun1@ikeda All rights reserved

170.十勝岳(南日高/1457.2M)
3度目の正直なった北東面直登B沢は手応充分も下降時迷走は想定外
 南日高の十勝岳に突き上げる楽古川北東面直登沢。この沢は今まで2度計画しているが、悪天などでいずれも中止を余儀なくされている。そんな経緯もあり、私自身、今沢行にかける決意は並々ならぬものがあった。
 先ずは、大樹の交番に登山届を提出する。早朝、誰もいないので玄関フードの中に投げ込んでいく。広尾町野塚市街から楽古川沿いに17キロほど入った所が地形図306標高点である。もう少し先まで行けそうな気もするが、笹やぶに覆われており無理は禁物である。周囲の山々は濃いガスの中に消えていて、一瞬気持ちが萎えてしまうが、予報では大崩れなしなので準備を始める。が、なんと、地形図を忘れてきたことに気付く。GPSにルートデータは入れてあるものの、山や沢の全体的概念、ルートの方向や特徴などを把握する場合、地形図に勝るものはない。正直、ガックリするも、遡行の誘惑断ちがたく、行くことを決める。この決断が、後になってトラブルを引き起こすのだが、この時点では勿論知る由もない。出発間際に1台の車が到着。彼等はA沢往復とのこと。私は、B沢を上がりA沢を下りる、と伝えて先に歩きだす。
350二股、388二股をともに左をとりつつ、484二股までは基本的に優しい河原歩きである。所々に造材道跡もあるのでそれも利用する。484二股、本流は右股で、流れは南から西に大きく方向を転じる。河原が狭まり巨岩が目立つようになる。そして、倒・流木。荒れた感じの沢が落ち着くころになると、510二股で右岸からは、通称C沢の流入を見る。ほどなく、前方に川幅一杯に広がる滑滝が目に入ってくる。およそ200メートルほど、快適な滑床遡行を楽しむ。570二股(B沢出合)は左股が通称B沢。本流は右股で通称A沢である。B沢も出合付近は流木でゴチャついていたが、そこを抜けるとすっきりしてきて、直ぐにF1(8m)が現れる。ここは右岸を高巻く。最初なので慎重に滝上まで上がる。ホッとしたのも束の間、あとは10メートル前後の滝が連続して登場する。霧雨でモヤっているせいか、幻想的ではあるが迫力プラス恐怖感も覚える。F2は2段でここは左岸ルンゼを、F3トイ状滝は右岸側壁を上がる。5メートルほどの滝を2つ(F4)越えると、10mF5だが、この頃になるともうずぶ濡れ状態でメモをとるのもままならず、必死に滝の攻略方法を考えていた。続いて幅広で立派なF6(15m)でここは右岸を巻く(「山谷」のF6か)。F7も右岸。F8も右岸だがルンゼっぽい地形を上がり、適当なところから右手沢身に戻る。滝下部が扇状に広がり美しいそれだった。標高にして900メートルくらいだろうか、ようやく滝との格闘は終わる。特別手強い滝はないが、どの滝の通過も微妙なところがあり緊張の連続だった。980二股はピークへダイレクトに上がる右沢を選択。水量は左股がやや多い。霧雨がやみ薄日もさしてくると、明るく開けた源頭風景が広がってくる。穏やかでとても気分がいい。あとは藪こぎが優しいものであることを願いながら淡々と登高する。水流はCo1180付近で消失したが、藪が濃くなる気配はない。沢形が浅くなっても、膝下程度の灌木とハイマツで、苦もなく足を運ぶことができる。見上げるとピークらしき高みも視界に入ってきた。蘇る力を感じつつ藪を漕いで行くと、ピークの直下南側稜線に出た。そこから2分ほどで頂上人となった。04年にGANさん達と上二股沢から遡行して以来だから4年ぶりである。勿論、その時は静子も一緒で元気だった。このあたりに座ってラーメンを食べたとかこんな会話をしたとか、そんなことが不意に蘇る。懐かしくもあり淋しくもある。視界は30メートルほどしかないが、温かく穏やかなのでたっぷり1時間ほど休息をとる。
 南側から上がってきた登山者と入れ替わるように正午前に下山を開始する。視界は依然としてよくないので、本来なら地形図でしっかりと方向・ルート確認するところだがそれができない。不安を感じるもGPSの設定ルートを頼りに歩きはじめる。主稜線北側(と思われる)方向に少し進み、適当なところから沢に下降する。GPSのログ表示を見るとルートからやや左にそれているので右にトラバースするが、ログは平行線のままだ。不審に思いながらも、体感的には北東斜面にいるものとの思い込みが強く、GPSのトラブルを疑ったくらいである。しかし、下がれば下がるほど設定ルートを離れてしまうので、暫し、立ち止まり冷静になって考えてみる。コンパスで方向を確認してみると、谷側が西で山側が東である。仮に、北東斜面にいるとすれば逆にならなければならないはず。南西斜面だとすれば、ここは登りかえすことが先決との結論に達する。薄いブッシュや獣道を繋ぎながら何とか稜線まで上がる。予想通り、GPSのログと設定ルートが一致する。ピークを出てからここまで2時間20分ほど。我ながら恥ずべき迷走・放浪であった。稜線で一息入れ、1261pの南側からA沢に突入する。直ぐに、沢形に出合い、よく見るとA沢往復の人達のものだろうか、沢靴らしき跡もある。安堵の胸をなでおろしながら下降するが、2時間を超える迷走は体力をかなり奪ったようで足腰の踏ん張りが利かない。こんな時こそ慎重にを肝に銘じる。このA沢は、下降には最適の沢で、綺麗な滑と優しい滝が出てくるぐらいで、懸垂下降のシーンはなかった。遡行魅力は乏しいが、初心者や訓練などには適当な沢だと思う。B沢出合まで2時間、そこから75分で車止だった。ザックを下してみると、カバーには穴があき、ズボンも少し破れている。スパッツも片方がない。そして、GPSの表示もおかしい(地図モードが作動不全)と、散々なのである。ま、この程度は許容の範囲内なのだが‥。
 さて、B沢の評価としては、「山谷」では!*となっているが、豊似左沢(実質!*)よりはやや上とみたがどうだろうか。沢が奇麗な事、滝の質と量などを思うと、晴天時に再度足を運んでみたい沢である。
 今回の沢行は下降時のルートロスもあり、少し後味の悪いものとなったが、実質、今季最初の沢であり、12時間に及ぶ行動に耐えることができたのは収穫だった。技術的にはほとんどの滝は巻いたが、これは微妙な直登は、単独だけにリスクが大きすぎるとの判断でによるものある。ともあれ、地形図必携を嫌というほど思い知らされた沢行であり、トラブルに遭遇した時こそ冷静に慎重に行動することが鍵となることも痛感することとなった。
■顛末 十勝岳付近の主稜線は、正確には南東から頂上に至り、頂上からは北東方向に弧を描くようにして北に延びている。私の中では直線的なイメージがあり、従って、反対方向に進んだ後、下降を始めてしまった。当然ながらそこは、西側の上二股沢左股沢源頭域であったのだ。
■山行年月
2008.07.20(日)
■天気
曇/霧雨
■同行者
単独
■山行形態
沢登
■コース:往路/帰路
楽古川北東面直登B沢
楽古川北東面直登A沢
コースタイム
自宅午前3時15分出発
地点分岐等 時間
林道車止 5:00
B沢出合 6:45
980二股 8:55
十勝岳 10:55
所要時間 5:55
十勝岳 11:40
A沢下降p 14:00
14:15
B沢出合 16:15
484二股 16:50
林道車止 17:30
所要時間 5:50
総所要時間 11:45
自宅午後7時15分到着
滑滝 滑(上流側)
小滝とF1 F2
F2滝上から F3トイ状滝
F4連滝 F5
F6 F6滝上から
F7 F8
B沢源頭風景 十勝岳頂上
A沢の滝 A沢滑滝
GPSトラック