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165.前十勝(十勝/1790M)
ホワイトアウト寸前の前十勝で頼りになるのはやっぱりGPSでした
 前日、日勝堀ゲレンデでパウダーを楽しんだその足で真直ぐ白銀荘に入る。この日はまずまずの天気だったらしく、雲間から富良野岳や翌日アタック予定の前十勝が顔を出す。何とか明日1日、いや半日でいいからもって欲しい、そのことだけを願いながら奥まった駐車場にテントを張る。宿泊料もリーズナブルなので白銀荘投宿という手もあるが、この時期の土曜日は満室と考えるのが常識。最初から車中泊かテント泊の選択肢しかなかった。それでも、勝ポロの尾根上テント泊に比べれば天国である。が、いつもの寝不足が解消されるはずもなく、悶々としたまま朝を迎える。除雪車の出動とともに行動を開始し、6時30分にはテント撤収を完了する。生憎の雪で山は見えるはずもなく、気持も萎えてしまう。「三段転進」という弱音も頭をもたげるが、自らを叱咤激励し行ける所まで行くことにする。
 白銀荘で届出をした後、三段コースに別れを告げ左手の樹林帯に入る。コンパスで方向を確認し進んでいくと明瞭なトレースに出合う。どうやら望岳台方面に向かうそれらしい。雪の降る静かな森を30分も行くと火山監視小屋(吹上温泉観測局)で、そこから浅い沢形を経て一登りするとナマコ尾根末端である。樹林帯は姿を消すが、同時にトレースもナマコ尾根上部に消えている。どうやら、三段山からの滑降コースとして使用されているようだ。尾根を乗越すと富良野川に出合うが、ここで1メートルほどのギャップに気づかず落ちてしまう。雪面の微妙なアンジュレーションが把握できないのだ。下は安定したスノーブリッジだったので事なきを得たが、崩壊でもしたらと思うとゾッとするシーンである。慎重に川を渡り、地形図1081pから南東方向に進路を変える。視界は200メートルほどはありそうで、目指すカバワラ尾根も見えているが、念のために所々にコーステープを付けていく。疎らなダケカンバはいずれも立ち枯れ、幹だけが残る殺伐とした感じである。傾斜が増すと尾根地形もハッキリするが、雪に加えて、風も舞いだし視界が徐々に低下してくる。左手の千春沢がやや北寄りに屈するあたりからはそれが顕著となる。こうなってくるとGPSの出番で、現在地を確認→コンパスで進行方向を確定→行動後に軌跡チエック→ルート修正、という作業を繰り返す。1400くらいになるとダケカンバは姿を消しハイマツ帯となるので、手製のルート旗をセットしていく。次第にクラストした雪面がスキー登高を難しくする。1500付近で遂にスキーをデポしツボ足に切り替えるが、この頃になると、登頂意欲はほぼ消えていた。ハイマツ帯は柔雪で頻繁に大腿まで踏み抜いてしまいペースが上がらない。さりとて左手の沢形に逃げる訳にもいかず進退窮まることたびたび。視界は30メートルくらいまで悪化し、風によっては完璧なホワイトアウトとなってしまう。ハイマツが人間に見えてくるのは里心が高じたせいだろうか、それとも撤退サインか。結局、1600近くまで上がったものの、条件は悪化する一方なので撤退を決める。初コース、単独、気象条件などを考えると、健闘した部類と自分を納得させる。
 デポ地まで戻ってスキーを履く。が、下りも滑降を楽しむどころではなかった。降雪時のスキー滑降の難しさは知っていたつもりだが、一定しない雪質がそれに拍車をかけていた。平坦に見えたので突っ込んだいくとそこが崖だったり、雪庇だったりして怪我をする、あるいは、雪崩を引き起こすということもあり得るだろう。スピードを押さえ、安全なルートどりを心掛ける。尤も、ルート旗やコーステープを回収しなければならないという事情もある。歩くよりは速い程度のペースで1081pに戻る。少し下ると九条武子歌碑があるはずで、足を伸ばしてみたいとも思ったが、あっさりキャンセルし往路を辿る。火山監視小屋まで戻ると、側に石碑があるのに気づく。そこには「十勝岳噴火記念」と彫ってあった。犠牲者を慰霊し、火山災害の教訓を後世に伝える意味があるのだと思うが、この彫文字は何となく相応しくないような気がしたものである。
 昼前に下山を完了。白銀荘の入山帳にその旨を書く。当り前のこととはいえ、無事に戻れたことを実感する瞬間である。締め括りはゆったり湯に浸かり13時過ぎに山を後にする。勿論、今度来る時は必ずピークまで到達するぞ、という決意を新たにしつつである。
■山行年月
2008.01.27(日)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
山スキー
■コース:往路/帰路
カバワラ尾根
コースタイム
白銀荘側テント泊
地点分岐等 時間
白銀荘 7:10
Co1081p 8:05
撤退Co1590p 10:25
所要時間 3:15
撤退Co1590p 10:30
Co1081p 11:15
白銀荘 11:50
所要時間 1:20
総所要時間 4:10
自宅午後4時00分到着
静かな樹林帯 火山監視小屋
土石流センサー 尾根上部方向
尾根下部方向 頼れるサイン
ホワイトアウト スキーデポ地
火山噴火記念碑 GPSトラック