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150.手塩岳(手塩山地/1558M)
ラッセル地獄に耐え白い手塩の高みで飲むビールが何とも美味しい
【@駐車場→手塩岳登山口→BC渚滑川「二ノ沢出合」】
 道北の秀峰「手塩岳」。この山は2001年5月に朝日町側の新道コースからその頂を踏んでいるが、厳冬期は前年(06年2月)の途中敗退という苦い経験があるだけである。今回も前年と同時期・同ルート(渚滑川冬尾根)だが、違うことが2つ。5人のパーティを組んでの山行であることと、BCを設置し1泊2日の行程としたことである。そもそもこのプラン、HYMLのヤマウチさんからお誘いを受け実現したものである。尾根頭までの辛いラッセル、単独ではかなり厳しいと考えていただけに、私的には絶好のリベンジ機会となりそうなのだ。心配事は唯ひとつ。私が皆の足を引っ張らなければ良いが‥。
 1日目の午後、国道273号浮島トンネル滝上側駐車場で落合う。ヤマウチさんとHさん、紅一点のKさんは前夜現地入りし、この日の午前中にチトカニウシ山をやってきたという。共同装備を分けパッキングの後、1キロほど滝上側の登山口まで荷を運びそこにデポする。車を駐車場まで戻し、今度は空身で移動する。国道を行き交う車の人達が不思議な顔をして通り過ぎていく。
 先ずは、Hさん、Kさん、そして私の3人が先に登山口を出発する。期待していたトレースもなく最初からラッセルとなる。穏やかな渚滑川の川音、小鳥達のさえずり、あくまで静かな森である。ふと、林道側の針葉樹に目をやると、幹に羆の爪跡らしきものがある。Hさんによると昨晩秋のものではないかという。正面奥に白い手塩岳が姿を見せている。天気は下降傾向、思わず「明日にとっておきたい天気だ」との言葉が口をつく。交替でラッセルし、1時間20分ほどでBCとなるニノ沢出合に着く。渚滑川左岸の平坦地をBCとすべく排雪作業に取り掛かる。なにせ、6人用テントだけに排雪スペースも半端ではない。作業が終わる頃、ヤマウチさんがテント担いで到着する。早速、テントを張る。「う〜ん、デカイ!」。Hさんが焚き火を起こし、暖をとりながら安着祝いのビールを喉に流し込む。そうこうしているうちにもう一人のメンバーであるMさんがやってきた。ちなみに、HさんとMさんはともに団塊ジュニア世代。この世界ではバリバリの青年ということになる。付け加えるまでもないが、私が一番の年長である。夕食のメニューはKさん調理のスキヤキ。山へ来てこんなに美味しいものを食べられるとは。カロリーオーバーも気にせず頂いたのでした。夜のテント内は、山の話ばかりではなく、政治や教育まで多岐にわたり論議か展開されましたが、勿論、私は聞き役に徹する以外に術はありませんでした。
【ABC→冬尾根1218p→手塩岳→1218p→BC→登山口→駐車場】
 2日目、朝6時出発予定も前夜の疲れ(?)からかほぼ1時間遅れでスタート。出発前には、Mさんの指示でビーコンチェック。こういうことがいざというときに役立つのだと思う。ただ、単独行動にはほとんど無縁の行為だが‥。パーティはMさんがリード、以下、私、ヤマウチさん、Hさん、Kさんのオーダー。最初にスノーブリッジを渡り、尾根に取り付く。いよいよ尾根頭1218pまでの急登が始まる。Mさんを見ると膝上までのラッセルで、どうやら今回も楽はさせてもらえないようだ。一旦、傾斜が緩むあたりでMさんに替わり私がラッセルを担う。足腰にかかる負荷が一気に増大する。キツイ傾斜のためキックターンを多用するが、深雪でそれすら一苦労である。トレース拝借の有難みを痛感させられる。ヤマウチさん、Hさん、Kさんは前日のチトカニ疲れが出て、次第に遅れがちになる。それにしても素晴らしい斜面がこれでもかというほど続く。深雪とパウダーの疎林で、風もなく最高の状態といえるだろう。「ここから滑るだけで充分に満足」との声も出るくらいなのだ。永遠とも思われた尾根の急登と地獄のラッセルも3時間ほどで終止符が打たれる。単独ならたっぷり5時間はかかるだけに、パーティの力の大きさを思い知らされる。尾根頭の1218pはルートよりやや南に位置しているので、ショートカットする。ここから稜線までは幅広で起伏のない尾根が続く。心配していた天気だが、時折陽射しもあり好天の部類だろう。何より風がないのがありがたい。尾根上もラッセルは続くが、浅く雪質も良いのでペースはグーンとアップする。正面右手に薄っすらと手塩岳が望め、登高意欲の高まりを感じる。高く遠かった稜線が近づくにつれ、雪面がクラストし、スキー操作に気を使うようになる。念のため私以外はスキーアイゼンを履く。その間に、シャリバテ気味の私はパンで空腹を満たす。稜線肩まで上がるとコースは西から北に転じる。地形図とGPSで方向を確認する。平坦だが強風が雪面を波立たせているハイマツ帯を抜けると純白の頂上峰が姿を現す。Mさんはやや右手から、私達は雪の状態が良い左側から上がっていく。正午過ぎに終始リードしてくれたMさんに続き待望のピークに立つ。
頂上は流石に風が強く遠望も利かないが、東側の足下に広がる渚滑川源頭の大沢が目を引く。皆で握手の後、登頂祝で飲んだビールの美味いこと。たまたま、この日が誕生日だったHさんには最高のプレゼントだったに違いない。
 それにしても寒い。ジッとしていると指先が痛いくらいである。20分ほど滞在の後、ピークを後にする。稜線直下でシールを外し、いよいよ滑降スタートだ。北側に張出す雪庇に注意しながらルートをとるが、適度な傾斜と優しい雪、スキーが上達したように感じてしまう。が、平坦な尾根だけに滑りは1236p手前で一旦終わりを告げる。シールを着け1218pまで戻り小休止する。丁度、手塩岳がスッキリ姿を見せるが、その圧倒的な存在感は秀峰という名に恥じないものだと思う。「いゃあ〜、今日はダメかと思った」とヤマウチさんが心の内を吐露すれば、「稜線が遠く高く見えて無理かと思った」と話すMさん。それでも登頂できたのだからチームの力はやはり大きい。悔しいが、単独には無いパワーといえるだろう。
 暫し、山座固定や談笑の後、いよいよこの日の滑降ハイライトに突入する。尾根取付まで標高差にして600メートルの垂涎の大スロープが待っている。逸る気持ちを抑えるかのようにゆっくりとリスタートを切る。ここもMさんがトップで滑り降りていく。傾斜は強いが深雪・激パウダーがクッションとなりスキー操作は思いのほか容易だ。あちこちで歓声が上がる。それにしても、Mさんの滑りは上手すぎる!。山スキー歴4〜5年というのだから「ウソでしょう」という感じなのだ。やはりセンスの問題なのか‥。しかし、こんな楽しい斜面でも危険な芽は潜んでいた。ヤマウチさんがクラックに落ちてしまったのだ。上にさらっと雪が積もり気づかなかったようで、かなり大きなものだった。自力脱出は困難で、単独なら致命的な事故につながる可能性もある。冬山の怖さを垣間見た思いがしたものである。パーティといえどもこまめにメンバーチェックすべきだろう。ともあれ、Mさんの巧みなコース選択もあり、私自身記憶に無いくらいの充実した一本となったことはいうまでもない。BCを全員で撤収し、白い手塩岳に別れを告げる。辛いラッセルの果ての登頂と豪快な滑り、山行の余韻に浸りながら往路を辿る。
 この山行に誘ってくださったヤマウチさん、同行してくださったMさん、Hさん、Kさんに心から感謝します。ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。
■山行年月
2007.02.10(土)
   02.11(日)
■天気
10日晴/11日曇後晴
■同行者
ヤマウチさん、Hさん
Mさん、Kさん、
■山行形態
山スキー
■コース(往路/帰路)
渚滑川冬尾根
コースタイム(1日目)
午前9時30分自宅出発
地点分岐等 時間
R273号登山口 14:00
BC(ニ沢出合) 15:20
所要時間 1:20
登山口標識 辿る林道標識
Mさんラッセル中 HさんとKさん
傾斜はキツイ 広がる疎林
平坦な1218p 平坦尾根を行く
白一色の山頂 東足下の大沢
稜線肩から尾根 1218から手塩岳
山座固定中 優しい陽射し
コースタイム(2日目)
地点分岐等 時間
BC(二沢出合) 6:50
1218p 10:00
稜線肩 11:30
頂上 12:05
所要時間 5:15
頂上 12:25
稜線肩 12:40
1218p 13:25
13:45
BC(二沢出合) 15:00
15:40
R273号登山口 16:45
所要時間 4:20
総所要時間 9:35
自宅午後9時15分到着