トップ  自己紹介  マイソアラ  登山トップ  ギャラリー  ブック  BBS リンク

マイソアラタウンはリンクフリーですが、予告なく閉鎖することがありますのでご了承下さい。

メッセージはこちらまで : nobita39730@coffee.ocn.ne.jp

copyrigrt(c)2001〜2004 shun1@ikeda All rights reserved

142.カタルップ沢(北日高 神威岳/1756.1M)
連続する美しく手強い滑と滝はあまりに刺激的で難易度は「!!」で一致
 この日は北大雪のニセイチャロマップ第一川から屏風岳に上がる予定だったが、前々日にHYMLの精鋭からカタルップ沢行の誘いが入る。即決で当初予定を変更し、北日高のカタルップ沢に回る。それほどこの沢が、そして仲間が魅力的であった。同行するのはganさんとヤマウチさんで、朝6時に彼らが常宿(?)にしている剣小屋近くの旭山で合流し一路登山口へ向かう、8月末の戸蔦別山行を思い起こしながら戸蔦別川右岸の林道を行く。林道終点の6号砂防ダムには5〜6台の車と一匹の留守番犬がいた。札幌ナンバーばかりで、ほとんどがエサオマントッタベツに向かっているのだろう。このあたりではダントツの一番人気といったところか。私達はそこから歩いて30分、超マイナールートのカタルップ沢出合に向かう。客観的に見て、メンバーの中で経験・技術ともに私が一番劣る。気後感は否めないが、私だけがこの沢の遡行経験がある(04年10月)ということで、何とかバランスがとれている状態である。
 沢支度を整え、私が先頭でワインカラーの欄干横をすり抜け入渓する。いよいよ、F1近くまで連続する滑床・滑滝との格闘が始まる。助走も訓練もなしにいきなりスラブ状の滑が出迎えてくれる。前回は濡れ落ち葉で見事なスリップをしているのであくまで慎重な第一歩である。同行する二人から「いゃあ〜、スゴイ!」と、驚きに満ちた歓声が上がる。前回は、750二股まではほとんど右岸を巻いたが、今回は意識的に水中・水際を行く。ただ、ganさんは足下が辛そうだ。スパイク付地下足袋なので岩でのフリクションはフェルト底に比べて完全に劣る。私とヤマウチさんがganさんを待つシーンが多くなる。750二股は右股に入るが、左も魅力的な滑で流入してくる。810で沢は西から南に屈曲する。前遡行時は木々の葉も落ち晩秋の佇まいだったが、今は豊に緑の葉をつけている。そのせいか沢の上流部を見渡すことは出来ない。10月の声を聞けば見事な錦絵の世界となるだろう。出合から続いた数えるのもメモるのも面倒なくらいの滑や小滝、ゴルジュは900付近で一段落する。950で左岸からの流入を見るが、高さのある滝が白く輝いている。そこを過ぎると幅のある滑滝でとても美しい。そして、その先に目を転じると幅8メートル高さ15メートルのF1が視界に入ってくる。ガッチリとした門構えの滝らしい滝で、ここは左岸手前の巨岩まで上がりそこからトラバースして滝上に上がる。かなりの高度感だが、戸蔦別川を挟んで対峙する妙敷山はまだまだ高い。釜付小滝を越えるといよいよ直登沢出合の1030二股である。左沢は水路のように直線的に流入する。その先は例によって美しい滑で、行ってみたい誘惑に駆られる。ここでganシェフのアゲと長ネギ入りのスープをご馳走になる。味も勿論良いが、暖かいのも嬉しい。ここで暫し沢談義。二人は「今年一番の沢行」と口を揃える。私自身、いずれ声をかけようと思っていただけに何となく嬉しい。20分ほど休み「滝の部」に突入する。
 右股に入ると直ぐにチムニー状の滝で、左上に出っ張る岩をくぐるように直登する。そこを越えると2段10メートルの滝でここは右から上がる。以降、次から次へと滝が私達の行く手を阻むが、それを三者三様で越えていく。グループではあるが夫々の判断で進むというこのファジーな関係が実に心地よい。それでも、技術の差は歴然で、私が巻いたり、直登するのに難儀しているところでも二人はアッサリと越えていく。コレばかりはどうしようもない。小滝で1メートルほどずり落ちるという醜態を晒してしまった。1150過ぎで沢は緩やかに右に曲がるが、そこに40メートルはあろうかという滑滝(F2)が現れる。相談の結果、前回同様右岸を上がるが、岩棚から左岸に移動し潅木帯を上がるというルートも良さそうである(下降時はこのルートを選択)。私が先頭なので落石を起こさぬよう慎重に上がる。ホールドの甘いところはバイルを効かせる。滝上直下の潅木まで上がると一安心で、セカンドのヤマウチさんにお助け紐を出す。ganさんのスパイク地下足袋、ここでは優位性を発揮していた。両岸が迫立ち、コレでもかと滝が連続する。1300近くには10メートル、5メートルと滝が続く(F3)。この辺りから、足が思うように動かなくなり、私は最後尾からの遡行となる。前日の疲れか、それとも基本的な体力差なのか。無理せずマイペースを心掛ける。1310付近で二股となり、目指す左は下部の傾斜こそ緩いものの40メートルほどの滝(F4)で、右はルンゼ状に流入してくる。左岸の確かなホールドを足掛りに中間付近まで上がり、そこから左岸草付きをトラバース気味に巻き上がる。ここを過ぎても小滝などは現れるが難儀するシーンは流石になくなる。沢は徐々にガレっぽくなり、水流も細くなる。前を行く二人の姿が遠くになる。1600過ぎの源頭で水を確保する二人、何とか追いつこうと思うが差は縮まらない。涸れた分岐が幾つか現れるが右を選択する。高かった右手の北尾根の背が目線に近づいてくる。前方にハイマツが見えてきたので、それを避けるように右寄りに上がっていくと、北尾根の頭に出る。私を心配したganさんが「俊一さ〜ん」と叫ぶ。空元気を出して「は〜い」と私。刈り込まれたハイマツを漕ぐ事5分、ようやく二人の待つピークに到着する。5分以上は遅れたと思うが、これが重大な意味(?)を持つ。というのも、山頂の儀式とも言うべきラーメンタイムがなくなってしまったのだ。二人に心の中で詫びる私だった。それにしても、何度見ても見飽きない北日高の景観、とりわけ、神威ピークからはエサオマン北カールと幌尻東カールが目を引く。勿論、8月末に登った戸蔦別岳や秀峰1967も見事な存在感を発揮している。紅葉はエサオマン北東カールと1967峰付近で鮮やかに色づいていた。
 困難な下降を想定し20分ほど休み山頂を後にする。比較的気楽にいけたのはF4までで、それから下は、とにかく安全第一でクライムダウンを多用する。勿論、面倒がらずにロープも出す。前回は一度もロープを出さずに降りきったことで、ganさんから「下りのスペシャリスト」と命名(?)されたが、二人の安全に対する配慮を目の当たりにするにつけ名誉なことというよりは、安全軽視の無謀な行為のように思えたものだ。F4を初めとして、ここぞという下降点にはスリングが残置されており、活用させてもらう。1030二股手前の3段30メートルなどは私の40メートルとヤマウチさんの20メートルを連結し一気に下降する。F1も懸垂で下降すると、「滑の部」の核心部に突入する。とにかくganさんには苦しい下降で、尻滑りも随分と多用したようだ。ボロボロになった尻あてがそのことを雄弁に物語っていた。750二股手前では滑って岩にメットを打ち付けたという。ご愛嬌とはいうものの、メットがなければ頭に深刻なダメージを負ったことだろう。装備の手抜きは許されないことを痛感する。迫る夕闇と競争するかのような下降が続いたが、遂に収束の時をむかえる。スラブ状の岩の左隅を尻滑りで降り対岸に渡る。木立を抜け林道に上がる。口には出さずとも充実した沢行であったことはお互いの満足げな顔に現れている。ガッチリ握手し労を労いあう。
 沢の難易度を測る物差しはないが、連続する滑や滝は適度な手強さで遡行者を苦しめる。3人の見解は「!!」で一致した。単独も良いが、こんな美しく厳しい沢はチームで遡行するに限る、そんな思いを強くしながら出合を後にする。
■山行年月
2006.09.23(土)
■天気
■同行者
ganさん、ヤマウチさん
■山行形態
沢登
■コース(往路/帰路)
北東面直登沢
コースタイム
午前5時自宅(池田)出発
地点分岐等 時間
沢出合 7:30
Co750二股 8:00
F1 9:15
Co1030二股 9:30
10:00
F2 10:20
F4 11:00
神威岳 12:15
所要時間 4:45
神威岳 12:35
F4 13:25
F2 14:00
Co1030二股 14:50
F1 15:10
Co750二股 16:20
沢出合 16:55
所要時間 4:20
総所要時間 9:25
自宅午後7時15分到着
F1を背景にヤマウチさん
F1を目指すganさん
直登沢出合で密談(?)
F4の攻略方法を検討中
ピークでの「納豆タイム」