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138.雲知来内沢〜雲知来内岳(北日高/1241.1M)
短く荒れた沢でしたが核心部の遡行・下降には結構消耗させられました
 豊似川左股沢では雪渓の処理に苦労したので、雪渓の無い沢を探していて見つかったのが雲知来内沢である。呼び方はそのまま「ウンチキナイ」で、アイヌ語らしいのだが意味は不明だ。この沢が何処にあるのかすぐに言い当てられる人は北日高に詳しいか、相当の沢オタクということになるだろう。かく言う私は、マイナールート専門の山屋さんのHpに掲載されているのを見て知った訳で、全く偉そうなことはいえないのである。
沢に入る時に気を使うのが「情報」である。正直、細部にわたるそれを持って沢に入ってもあまり面白くない。技術的・体力的に問題なしとなれば、あとは「行き当りバッタリ」が私のやり方である。ま、私の性格同様にイイカゲンがいいのである。ちなみに、今回の沢もその程度の情報を前述したHpから頂いた。
 天気予報は曇だが、ガスが濃く時折雨も混じる。「雨ならキャンセルだなあ」などと呟きつつ日勝峠へ。ところがどうだろう。高度を上げるにつれガスが切れだし、ついに峠では大雲海の上に赤く輝く太陽が顔を出したのである。トンネルを抜けると、日高側はガスもあまり無く、こんな日に遡行しない手は無いと思うようになる。
 日高町千栄から千呂露川沿いの道路を2キロほど走り、千本橋の手前から雲知来内沢へ向かう林道に入り、500メートルほどで雲知来内沢に出合う。早速、装備を整え入渓する。今回、普段と違うことがある。静子愛用の赤ヘルメットを着用したことである。いつも一緒に歩いている気分なのだが、今回はなんとなく赤いメットをかぶってみたかった。モノに魂が宿ることは無いのだが、彼女を欲する私の心のそうさせたのだろう。
 雲知来内沢は、500二股まで平坦で広い河原を持つが、流そのものは細く伏流になっているところもある。1時間弱の間に流れに不釣合いな砂防ダムが4つ現れる、いずれも右岸を巻くが、下降時に確認すると、川沿いに造材道跡があり、そこを辿れば楽に越えられることが分った。それにしても倒木が多い。台風や雪解水によるものと思われるが、増水時は様相が一変するのだろう。500二股は左右とも同水量で、ここは右股へ入る。川幅が狭まり傾斜も出てくる。暗い上に、転石や倒・流木、全く荒れた沢で、トヨニ左股沢の後だけに汚いとすら感じる。沢は南から東、そして南と蛇行を繰り返すが問題となる場所はない。1メートルほどの滝と引き続く流木の堰を越えると、ほどなく正面左に15メートルF1が現れる(Co690)。ほぼ垂直で弱点は見当たらない。左岸を巻くことにするが草付きガレの取り付きがイヤラシイ。バイルを有効活用し潅木帯まで上がり、慎重に滝上に降りる。すぐ上流には函付3段滝があり、いずれも高さは2〜3メートルだが、最初の滝は右岸巻きで他は直登する。締め括りは5メートルほどの滝で右岸の岩溝から上がる。ここを過ぎると沢は一旦開ける。核心部を何とか越せたのでここで一息入れる。徐々にガスが濃くなってきたが降雨の心配はなさそうなので遡行を再開する。すぐに5メートルほどの滝が連続するが、適当に巻いたり直登したりして越す。やがて、右岸が垂直に切り立ち、左岸に大崩落地を見ると2段滝に出会う(Co870)。下段は容易に越せたが上段が難しい。後一つ確かなホールドがあれば上がれるのだがそれが無い。胸までずぶ濡れになりながら2度挑戦も徒労に終わる。やむなく、左岸のガレ斜面をから巻くことを試みるも潅木も無くバイルの効きも今ひとつで後一歩が踏み出せない。結局、少し下流まで戻り左岸を大きく巻くことにする。この巻きで40分ほどを費やしてしまう。複数ならショルダーで越えロープ確保が可能だが、単独ではそうもいかない。簡単に見えるところで苦戦するケースがしばしばである。しかし、ここから上は難儀するところも無く、淡々と沢形を詰めていく。Co900付近から沢は東に方向を転じ、940二股は左股に入る。水流は1080付近で一旦消失するが、少し上がると再び現れる。それも涸れると沢形が斜面に吸収され、いよいよ笹藪との格闘が始まる。腰丈程度だが、フェルト底の靴がスリップするので消耗する。こんな時はスパイク付きが欲しいと思う。1時間ほどもすると傾斜が緩み、ガスの向こうに白樺の木立が見えてきた。ピークかと思ったが、そこはピークから50メートルほど北側の頂稜で、南進すること5分でピークだった。白樺の木立に赤いテープ、これほど頂上らしくない風情もない。ガスのせいもあるが展望は良くなさそうである。
 15分ほど休んだ後、下降準備に入る。ダイレクトに源頭を目指すべくコンパスを切るもあらぬ方向を指す。GPSで確認しても現在地はピークに間違いない。コンパスを当てにせず目見当で源頭目指して下降すると、念のためにとマツの幼木に付けた赤テープにピタリと出合う。私の方向感覚も満更ではない気がして嬉しくなる。40分ほどで遡行時に苦労した2段滝に着く。ここは立木を利用して迷わず懸垂で下降する。僅か5分なんとも呆気ない。以降、ほとんどの滝を懸垂で降りるが、ロープが絡まりセットに時間がかかるのが難だが、確実な支点さえあれば巻よりは圧倒的に速い。函付3段滝は2段まとめて懸垂で降り、最後のは右岸を巻く。遡行は直登出来ても下降となるとやはり難しいことを実感する。15メートルF1は高さ角度ともあるので少し緊張した。太い流木を支点としたが、降りるまでヒヤヒヤものでした。40メートル近いロープをダブルで使用したが、降りてみると残り1メートルも無かったので15メートル以上はあるのかもしれない。500二股まで降りてしまえばもう安心である。昼食をかねて長めに休みとる。ホッとする瞬間である。ここからはクールダウンよろしく、30分ほどの河原歩きで入渓点に舞い戻る。
 この沢は、とにかく荒れた沢で再遡行する気にはなれないが、技術的には面白い沢だと思う。6月末に遡行した近くの双珠別岳ニセクシュマナイ沢よりはチョイ上かもしれない。
■山行年月
2006.07.21(金)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登
■コース(往路/帰路)
雲知来内沢
コースタイム
午前3時自宅(池田)出発
地点分岐等 時間
Co370入渓点 5:30
Co500二股 6:25
F1(Co690) 7:10
F(Co870) 8:40
9:20
Co940二股 9:30
雲知来内岳 11:05
所要時間 5:35
雲知来内岳 11:20
Co940二股 11:40
F(Co870) 11:50
F1(Co690) 13:10
Co500二股 13:45
14:15
Co370入渓点 14:50
所要時間 3:30
総所要時間 9:05
自宅午後5時30分到着
立派な砂防ダム 平坦で広い河原
倒・流木だらけ 最初の小滝
15MF1 函付3段滝@
函付3段滝A 函付3段滝B
F3 F4直下
F4上部 Co940二股
頂上風景 函付3段下降時