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134.境山(十勝連峰/1837.3M)
頂上は踏めずどもハードな山行と最高のロケーションに久々の達成感が
 境山は十勝連峰の上ホロカメットク山から南東に伸びる支稜上のピークである。その高さと山容において独特の存在感を放つ山で、前年のGWに隣の下ホロカメットク山に登った際に、密かに「来年は境山だ」と誓ったものである。アプローチとなる林道の状態も定かではないが、知床岳現地キャンセル(悪天のため)の直後だけに「少し骨っぽいところをやりたい!」という気持が勝っての山行となった。とは言っても、11キロの林道歩きとその後の獲得標高1000メートルにも及ぶ登高を考えると、早立ちは必須条件なので前夜のうちに登山口まで入ってしまうことにする。新得町屈足市街からトムラウシ温泉方面への道道に入ると流石に行き交う車もない。慣れているとはいえ、深夜のドライブは何となく薄気味悪い。曙橋からシートカチ林道に入るが積雪量は意外と多く、除雪された道路の両側は壁のようになっている。除雪幅は車一台が通れるだけしかなく慎重な運転を強いられる。それでも殿狩橋から2キロ弱の河川流量調査施設まで除雪がされており、予定通り登山口まで入れたことに先ずは安堵する。
 車中で4時間ほど仮眠をとった後、午前5時前に除雪終点を出発する。道路にはまだ1メートルほどの積雪があるが、適度に締まっているためスキーが埋まることはない。除雪終点から伸びていたスノーモビルのトレースもポン十勝川出合からは支線に消えている。「確か、この辺りは乗入規制区域のはずだが‥」。十勝川の川音を聞きながら淡々とした歩みが続くが、右足小指付近におきている靴擦れが気になる。1時間も歩いていないのにどうしたことだろうか。辺りに目をやると縦横無尽に歩き回る鹿や狐の足跡や幹がむき出しになった樹木が散見される。ここは確かに彼らの世界だと思う。林道歩きも奥十勝橋でほぼ中間点なので、ここで小休止をとる。ついでに足に念入りにテーピングを施す。靴擦れが直ることはないが悪化のスピードを遅らせることは出来るだろう。平坦だった林道に少しだけ傾斜が加わる。所々で西側の視界が開けるが、飛び込んでくるのは端正な下ホロカメットク山で、次いで白く大きい境山が姿を現す。あまりの高さゆえに、登高にふと不安を感じてしまう。Co774からは第6支線林道に分け入るが、ここまで2時間少々。やはり靴擦れの影響が出てしまったようだ。ここからは下ホロと境山を正面に見ながら2キロほど直線が続くが、これが実に単調で辛い。林道が右に屈曲するCo915付近からようやく境山東斜面に取付くが、ここでまたスノーモビルのトレースに出会う。どうやら、シートカチ林道の西側の支線林道を辿っているようだ。Co1656pまでほぼ直線的にルートを取るが、変化に乏しい地形なので方向感覚を失いそうになる。頻繁にコンパスで進行方向を確認する。針広混交林を抜け上がると樹木も疎らな白い斜面が広がっている。垂涎モノの斜面と言いたいが、雪がベタつきスキーが高下駄状態に陥ってしまう。重くて足が上がらない。小休止の連続で、こんなことではCo1656pまでも上がれないのでは‥、との不安がよぎる。それにしてもロケーションは何とも素晴らしい。左手には円錐形の下ホロカメットク山、右手には北に連なる十勝連峰とトムラウシ山、背後には大樹海と東大雪連峰。贅沢すぎるほどの眺望である。Co1300付近を過ぎると斜面は完璧に雪に覆われ低木類も姿を消す。視界の取れない時などはイヤラシイ斜面となるだろう。念のため所々にデポ旗を立てていく。急斜面をあくまで直登していくが、岩が露出しだしてくるとCo1656pは近い。超スローペースでも一歩毎に確実に高度を稼いでいたのである。大きな岩と緩む傾斜、ようやくCo1656pに辿り着く。取付地点との標高差は750メートルで所要時間は3時間30分。苦しみぶりが容易に想像できると思う。ここにスキーと荷をデポし、ピッケルを手に空身で上を目指す。ここからは顕著な尾根地形となり背には目印のごとく岩場がつづく。左は転倒したら止まらないような急斜面で、右は急峻な沢地形がポッカリと口を開けている。キックステップを切りながら慎重に歩を進める。頂稜を目で追っていくと、Co1800pまで登りが続き、そこから明瞭な鞍部がありそして1827ピークである。頂上は北西端にあり視認することは出来ない。Co1750付近まで上がると西側の展望も開けるが、とりわけ、前富良野岳の白さが印象的である。頂稜まで上がれた満足感に包まれながらCo1800pに到達する。ここまで8時間弱、なんとか辿り着いたという思いを強く感じる。これから先は、標高差30〜40メートルの鞍部を挟んでCo1827ピークが対峙する。足を伸ばしてみたいが、体力もモチベーションも限界であり、何より、復路の行動を考えると時間的に余裕がない。私の体力でピークに立つためにはやはり山泊が必要のようだ。長い頂稜からは山の大きさと複雑な山容を思い知らされる。それにしても、360度の大眺望は様々な山容を楽しませてくれ、日高などとは異なった趣がある。類例を見ない円錐形の下ホロカメットク、重量感ある富良野岳、白煙を背景に気品溢れる十勝岳、北端の孤峰オプタテシケ、ゆったりと雄大なトムラウシ、鋭い山並みつづく石狩連峰、そして、お気に入りのニペソツ。人間同様に山にも個性があるということか。
 写真を撮った後、往路を引き返す。下ホロを上から見下ろす感じでデポ地に向かう。Co1656pからは雪質さえ良ければ大滑降を楽しめるところだが、生憎、スキーが刺さってしまいその操作は慎重にならざるを得ない。それでもダケカンバ帯に入るとようやく雪もよくなり滑りを楽しむことが出来た。完全なザラメ状になればいいのだが、時期的にはまだ早く中途半端な雪質といったところである。滑降はどうしても足の前部に負荷がかかるようで、治まっていた靴擦れが再発してしまう。緩やかな林道を自然に滑っている時はいいのだが、スキーウォークになると痛みが強くなる。労わりつつ歩くしかないと腹を括る。雪が腐ってスキーが高下駄状態になるのではとの心配が杞憂に終わっただけでももうけものという他ないのだから‥。
 永遠とも思えた林道歩きだが、16時にようやく収束する。体力を使い切った感じで、愛車の側の雪山にどっかと座り込む。心地よい疲労感が全身を包んでいる。ピークを踏めなかったわけで、本来なら敗北=途中撤退になるのだが、そんな気分は微塵もない。むしろ、11時間以上の山行に耐え、頂稜まで上がれた達成感で心は満たされていた。こんな気分に浸れるのは今のところ山しかないなぁ〜と実感しつつ重い腰を上げる。
■山行年月
2006.04.10(月)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース(往路/帰路)
シートカチ林道東尾根
コースタイム
帯広午後9時30分出発
地点分岐等 時間
林道除雪終点 4:45
奥十勝橋 5:40
Co774p 6:55
7:10
Co1656p 11:40
11:50
Co1800p 12:30
所要時間 7:45
Co1800p 12:40
Co1656p 12:55
13:10
Co774p 14:05
奥十勝橋 14:55
15:15
林道除雪終点 16:00
所要時間 3:20
総所要時間 11:05
自宅午後7時10分到着
十勝川上流 林道から下ホロ
白く大きい境山 中腹から東大雪
まだ遠いCo1656 美瑛とオプタテ
東大雪遠望 1656から下ホロ
美瑛岳〜トムラ 十勝岳と美瑛岳
1656と東大雪 境山東斜面
1656から稜線肩 稜線肩から1656
1827と十勝岳 富良野岳
端正な下ホロ 復路遊びの一枚