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101.札内岳・エサオマントッタベツ岳(北部日高/1895M1902M)
単独でガケノ沢を遡行し手強い支稜の藪漕ぎを経てようやくエサオマンに
 【@車止広場→ガケノ沢出合→Co840二股→札内岳】
 北日高山域には最高峰の幌尻岳を筆頭に高峰群が連なるが、とりわけ、スマートな山容ということになればエサオマントッタベツ岳であろう。今回、2日間の日程で札内岳から縦走することとなった。
 初日、エサオマントッタベツ沢出合から1キロほどの所の車止広場から荒廃した林道跡を歩き出す。林道終点から入渓し、直ぐにガケノ沢出合である。本流に別れを告げ、いよいよグレード「!!」(北海道の山と谷)ガケノ沢への突入である。840二股まではゴーロ帯で平凡な川原歩きが続く。Co840二股で一息入れるが、暗い感じは否めない。ここから右股、地形図表記のガケノ沢(北面直登沢)に入っていく。沢はCo1064二股まで尾根の張り出しを迂回するかのように屈曲を繰り返す。この間に10メートルクラスの滝が数個現れる。いずれも右岸を巻くが、踏跡もあり容易である。Co1064二股は左股が10メートルほどの滝となって流入してくる。青い空と谷に差し込む陽射し、蒸すような暑さ、こんな日は沢登りにかぎるとつくづく思う。ここから滑を越え、Co1100二股を過ぎると沢はいよいよ狭くV字谷の様相を呈してくる。連続して現れる滝や滑を直登していくと、Co1200から名物の雪渓が現れる。最初のうちは両岸に残っている程度で、中を行けたのだが、Co1300からCo1500までは谷がそれで埋まっている。が、かろうじて流れを覆っている状態で、薄く強度は低い。いつ崩壊してもおかしくない状況で慎重の上にも慎重を期す。勿論、左岸の草付急斜面を巻くこともたびたびで、支点やホールドの少ない斜面では持参のバイルが役に立つ。雪渓ゾーンを脱すると傾斜は一段と強まり、階段状の岩盤が続く。水流がCo1700辺りで消失すると沢形はいよいよ浅くなり、草原の中の獣道を上がるがごとく高度を稼ぐ。縦走装備は流石に応えるが、背後に見えるピパイロや1967峰などに励まされながら直線的に札内ピークを目指す。直下に極うすい藪漕ぎはあったもののピタリと札内岳ピークに飛び出す。翌日の行動を考えると支稜線を少しでも西下しておく方が良いのだが、幕営地が見つかる保障はないし、酷暑の中の藪漕ぎにも絶えられそうにない。翌日の早発を前提に予定通り札内岳で幕営することにする。東側は勝幌にモザイク模様の十勝平野、西側は主稜に連なる日高の山々が一望できる。贅沢な眺望という他ない。北東カールを抱えるエサオマントッタベツ岳も東側からが一番流麗にみえるようだ。それにしても暑い!。誰もいないことをいいことに下着一枚で過ごす。やがて、戸蔦別岳付近に陽が沈み、空に少しだけ色がつく。札内JPからガスが湧き上がり谷に向かって静かに降りて行く。周囲が闇に包まれ満天の星空が現れる‥。誰もが詩人になれるロケーションではある。
【A札内岳→札内JP→エサオマントッタベツ岳→北東カール】
 2日目は3時に起床(寒くて寝られず)し、4時30分に札内岳を出発する。この日も天気は最高で、気温も上がりそうである。何とか涼しいうちに藪との格闘を終えたいのだがどうなるか‥。出発後すぐにハイマツの手荒い歓迎を受ける。踏跡も判然とせず、ルートを見失うこともたびたびである。手で藪をかき分け、身体を押し付けながらの前進が続く。ペースが上がらない場合は、Co1733あたりから山スキー沢へ下降するつもりでいたが、予定の時間内でCo1733を通過する。このルートは、支稜線を軸に踏跡が南側と北側を行き来しながら伸びているが、南側はほとんどがお花畑である。キンバイ草の一種だろうが、今が盛りと黄色い花を付けている。一息入れたくなるところだが、例外なく羆の掘り返しがすごく、大量の糞などもいたるところにある。恐さと薄い藪のせいで必然的にペースが上がる。Co1816まで上がってしまうと、遠かった札内JPもようやく近くに見えてくる。標高差は50メートルほどなのだが、台形のような山容が大きく高く目に映る。復路は札内JP東側の下降ルートから北東カールへ降りるつもりなので、下降点を見逃さないよう注意しながら行く。それは札内JP手前5分ほどのところで、コーステープが付けられ踏跡も明瞭だった。ここに荷をデポしアタックザック一つでエサオマンに向かう。一気に身体が軽くなりトップスピードで登高再開である。札内JPからはスッキリした稜線歩きで、目のやり場に困るような大眺望の中を行く。時折、右手にルンゼが現れ、北東カールを見下ろすことが出来る。ここを登下降する登山者もいるというのだから驚嘆する他ない。札内JPとの鞍部からけれんみのない一気の登りに耐えると待望の頂上である。標識などなく、赤いテープだけが風になびいている。全く日高らしい頂上の風情である。先ずは、山座固定を兼ねながら眺望を楽しむ。屈曲しながら南北に伸びる国境稜線だが、険しさと同時に美しさすら感じてしまう。雄大な幌尻と高く鋭いカムエク、実に好対照な山容である。ナメワッカJPから西に伸びる支稜ではナメワッカ岳とイドンナップ岳が存在感を発揮している。いつの日か足を運んでみたいものである。そして、南足下はポンベツ沢源頭が広がっているが、私の力量では少し足りないと思うがどうだろう。
のんびりしたいが長丁場の沢下降が待ち受けている。後ろ髪引かれる思いで山頂を後にする。札内Jらカールへの下降点まで下り、再度パッキング。気合を入れ直し2日目の難所に向かう。この下降ルート、とにかく傾斜がきつい。前半は潅木類もあり、それを支えに降りられるが、中ほどから下は軟弱なガレ場が続き落石も多い。少し濡れておりスリップもしやすいようだ。背の荷が重く、少しの動きでバランスを失う時もあるので、あくまで慎重に降りる。時にはクライムダウンするシーンも‥。40分近くをかけてようやく北東カールに降り立つ。いくつかあるルートの内、今回のそれが最も易しく安全とされているが、中々どうして難しい。メット着用は勿論、メンバーによってはロープなども必要となるだろう。この北東カールは2度目だが、やはり別天地である。雪渓は意外なくらい少ないが、高山植物が咲き乱れ川のせせらぎも聞こえる。全く穏やかな陽射し、ここだけは時間の流れ方が違う感じがする。実際に出会うと恐いが、ここの主としては羆をおいて他にないだろう。今もどこかに身を潜め私の様子を伺っているに違いない。
【B北東カール→Co997二股→ガケノ沢出合→車止広場】
 北東カールからの下降、名物300メートル滑は左岸の水際を下る。フェルト底が減っていることもあり、極力安全策をとる。滝まで下り振り返ると白い帯のような滑が何とも美しい。ここからはゴーロ帯を淡々と下るのみ。足下に魚影が認められる。注意して日陰の澱みに目をやると岩魚達がゆっくりとした動きを見せている。中には勢い余って水から飛び出す岩魚もいる。彼らも暑いことだろう。私も我慢が出来ず、Co997二股(山スキー沢出合)で首まで水に浸かる。沢行ならではのクールダウン法である。全身ずぶ濡れでも10分ほど歩くと乾いてしまう、強い真夏の陽射しである。ガケノ沢と違いコーステープや岩に付けられた赤いサインが賑やかで、少し鬱陶しいような気もする。Co823二股を過ぎ、見覚えのあるガケノ沢出合を目にすると流石にホッとする。気が緩んだわけではないのだが、沢から林道跡に上がってからが辛かった。肩や足腰に一気に疲れが出てきた感じで、車止広場に戻った時は、疲労困憊状態で座り込んでしまったほどである。それでも、ガケノ沢から札内岳、エサオマン岳、エサオマン沢を単独で一回りできたわけで、心地よい疲れの範疇である。
 今回、札内岳へはガケノ沢を遡行したが、一応、グレードは「!!」(北海道の山と谷)ということなので、フル装備で臨んだがロープ等を使用する場面はなかった。ただ、下降する場合はロープ等が必要となるだろう。蛇足だが、札内ピークは虫が煩く、かなり刺されてしまった。下山後も痒みが続く強い毒素のようなので、くれぐれも頂上で素肌を露出しないように。虫除けスプレーは必携ですね‥。
■山行年月/天気
2004. 7.22/快晴
    7.23/快晴
■同行者
単独
■山行形態
沢登
■コース(往路/帰路)
ガケノ沢
エサオマントッタベツ沢
コースタイム(2日目)
札内岳頂上出発
地点分岐等 時間
札内岳 4:30
札内JP 8:20
エサオマントッタベツ岳 8:45
8:55
札内JP 9:15
北東カール下降P 9:20
9:40
北東カール 10:15
10:30
Co997二股 11:50
12:20
Co823二股 13:15
ガケノ沢出合 14:05
車止広場 14:40
所要時間 10:10
総所要時間 17:15
17時00分自宅到着
コースタイム(1日目)
4時00分自宅出発
地点分岐等 時間
車止広場 6:00
ガケノ沢出合 6:30
Co840二股 7:20
Co1064二股 8:40
札内岳 12:55
所要時間 6:55
札内岳頂上テント泊
広場から札内岳 下流の滝@
連続する滑床 下流の滝A
Co1064左股 雪渓が出現
一面雪渓だが‥ 源頭から下流
1967峰遠望 ピーク直下
エサオマン岳 南斜面は花畑
札内JPから南望 エサオマン岳@
ルンゼとカール エサオマン頂上
札内JPとカール エサオマン岳A
カールバンド 名物の滑滝@
名物の滑滝A 滑滝の末端