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93.オプタテシケ山(十勝連峰/2013M)
標高差900メートルの大斜面を直登し白きオプタテシケの頂きに立つ
【@林道除雪終点(水門)→トノカリ三股橋→林道終点(Co820M)→BC(Co970M)】
 「ゴールデンウィークは山岳会有志でオプタテシケ山」とのプランもドタキャンが相次ぎ、静子と2人だけの静かな山行となった。1日目は林道歩きが主なのでのんびり我家を出発する。関心事は、事前の林道偵察で殿狩橋から800Mの水門まで車が入れることは分っているのだが、水門以降がどうなっているかであった。曙橋から林道に入り殿狩橋を渡り水門に向かう。が、予想通り除雪はされておらず、そこには雪の山があるのみ。付近には車が3台、先行する入山者がいるようである。ほとんど冬装備、25キロ超のザックがズシリと肩腰にくる。この時、ボーダーのカップルも到着、私達と相前後しながら林道を行くことになる。林道の状況は、途中2箇所ほど路面が出ている程度で、傾斜も緩くシールなしヒールフリーで快適に上がっていける。右下を流れるトノカリウシベツ川の川音を聞きながらスキーを滑らせる。正面には写真で見たオプタテシケ山が真白なその姿を見せている。あくまで高く、険しい沢ときつい傾斜、端正な稜線、美瑛方向から見る山容とは随分と印象が違う。途中で軽装の登山者が降りてくる。聞けば、途中から引き返してきたという。私達より若く体力もありそうだが、やはり日帰りは厳しいようである。トノカリ三股橋を過ぎると林道終点は近い。積雪量も多く傾斜も増すがシールを付けるほどではない。やがて、正面に幾何学的な構造物が見えてきた。「十勝ダムオプタテシケ雨量観測所」というのが正式名称で、ここを過ぎると林道終点である。当初プランではここにBCを設営する予定だったが、翌日のアタックを考えると、もう少し上まで上がったほうが良いと判断、樹林帯を西に進み沢地形が明瞭となるCo970M付近の右岸にBCを設営する。樹林帯では下山中の単独ボーダー(驚くことに水門から日帰り)に出会い、上の情報を仕入れる。今季2回目の挑戦だったが、直下まで上がったものの山頂を極めることは出来なかったという。「再挑戦します」という彼、雪焼けした顔と白い歯が印象的だった。さて、BCからは西に鎮座するオプタテが、東には対峙するようにニペソツ、丸山、東丸山、ウペペの白きその姿を望むことができる絶好のキャンプサイトでここまで上がってきた甲斐があるというものである。BC設営のポイントは雪崩対策、防風・防寒対策だろう。傾斜が緩く風の無い樹林帯を選んでそこにテントスペースより広めに雪を掘る。踏んで固め、その上に松の倒木の小さな枝をかき集め敷き詰める。これが適度なクッションとなり、抜群の防寒効果を発揮する。BC設営に1時間ほどを要したが、静寂に包まれた深山での一夜が快適なものとなったことは言うまでもない。
【ABC(Co970M)→肩(Co1800M)→オプタテシケ山山頂→肩→BC】
 2日目も前日に引き続く好天で、テントの中から見る白いニペソツが何とも眩しい。食事の後、アタックザックに荷を移す。いつもの事ながら取捨選択が下手くそだと思う。装備を整えモルゲンロートに染まるオプタテシケ山目指し勇躍出発する。最初は沢右岸の緩やかな樹林帯を行くのだが、気温も低く雪はクラストしていてシールを意識的に利かせなければ滑り落ちてしまう(ちなみに、静子はしっかり転倒していました)。付近にはスキーやボードの跡が残っており、それを辿り樹林帯を抜け出すと、一気に白い大斜面が目の前に展開する。上部に目をやると視線の先にはオプタテの山頂が見える。傾斜もきつくなりいよいよ本格的な登高開始である。復路の滑りが楽しみな斜面をジグを切って上がっていくと、傾斜が一旦緩やかとなり付近にはダケカンバなども顔を覗かせている。静子はここにスキーをデポ、アイゼン・ピッケルに切り替える。私は頑張ってCo1450M付近までシール登高する。右には正に王冠のトムラウシ山が見え、目を左に転じると十勝連峰が望める。とりわけ上ホロから分岐する支稜の末端の下ホロと鏡山が大きな存在感を発揮している。背後に連なる東大雪の山々に後押しされるように高度を稼ぐ。前日の登山者のトレースも残っており、時にそれを拝借し体力温存に努める。Co1800M肩手前付近からは所々雪質が微妙に変化する。柔らかくなりアイゼンに雪の団子が付くのである。勿論、滑るのでピッケルをしっかり刺し込み慎重な登行となる。振り返ると恐いくらいの傾斜で、滑落すれば500M〜600Mは落ちることだろう。復路の下降に少しだけ不安がよぎる。肩からは左手のハイマツ、小岩稜帯に逃げ込む。静子は上がる自信がなくここで待つというので私単独で頂上を目指す。標高1850メートル付近、あと一息なのだが無理は禁物である。左手にはオプタテシケ山西肩が見えるが、山頂に向かうパーティの姿もある。「どちらが先に上がれるか」とつい競争心を抱いてしまう。自分を戒めつつ、安全第一で歩を進める。出来るだけ適度にクラストした雪質を選びつつルートをとる。直下からは左に回りこみながら上がって行くと頂上の西5メートルほどのところに出る。頂上には先客が1人、山頂標識が僅か頭を出すそこは、あくまで細く狭く、しかも谷底まで続いた傾斜がある。たった5メートルの移動にこれだけ気を使ったのは始めてである。先着の登山者は白金温泉から美瑛富士避難小屋泊で上がってきたという。美瑛富士避難小屋も屋根だけがかろうじて出ている状態とのこと。異口同音「今年は雪が多い」である。まだまだ冬の大雪や十勝の山々、360度の大展望は恐怖心を克服して上がってきた登山者へのご褒美といえるだろう。それにしても、足下から切れ落ちる深い谷と東尾根や中央稜の険しさは筆舌に尽くしがたいものがある。山には険しさがあるからこそ美しさも際立つのだろうと思う。亀坂には登山者の踏跡も見られるが、今時は強者のみが辿れるルートといえるだろう。デジカメで大眺望を写し景観を心に刻んだ後、いよいよ下山を開始する。下降は登高時より危険度が増す。慎重なアイゼン・ピッケルワークを繰り返す。右の登山道には前出のパーティがようやく姿を現し、私の下降を見ている(たぶん、ヒヤヒヤして見ていたのだろう)。静子の待つ肩上部まで降りきりようやくホッと一息つく。ここからは私のスキーデポ地点まで400メートルを一気に下降する。アイゼンに付着する雪団子をピッケルで落としつつ、アイゼンを引掛けないよう気を使う。スキーデポ地点からは待望のスキー滑降を開始する。雪質はベタついたりクラストしたりで一様ではないが、その爽快感とスピードは魅力である。圧倒的なアドバンテージを実感しつつ、BCまで滑りを楽しむ。パウダー期に是非とも足を運びたいものである。
【BBC(Co970M)→林道終点(Co820M)→トノカリ三股橋→林道除雪終点(水門)】
 昼食とBC撤収の後、少しだけ軽くなったザックを背に樹林帯を抜け林道を滑り降りる。途中で翌日オプタテアタックと思われるパーティと行き違う。太陽に傘がかかり天気は明らかに下り坂、自分達の幸運に感謝せずにはいられない。山にはたっぷりと雪があるが、林道付近は雪解けが急速に進んでいるようで、路面が何箇所も露出していた。多少の期待も込め、三股橋までなら比較的早い時期に入れるのではないだろうか。水門には予定より早く到着したので、トムラウシ温泉まで車を走らる。ゆったりと湯につかりながら山行を反芻する。登頂を果たした私は勿論だが、直下撤退の静子も「納得できる山行」だったという。今度は下ホロと鏡山に挑戦したいがどうなるか‥。
■山行年月/天気
2004. 5. 1/快晴
    5. 2/快晴
■同行者
静子
■山行形態
残雪期登山
■コース(往路/帰路)
トノカリ林道
  
コースタイム(2日目)
Co970BC出発
地点分岐等 時間
Co970BC 5:30
スキーデポ地点 7:15
8:50
オプタテシケ山 9:30
9:40
9:55
スキーデポ地点 10:35
Co970BC 11:20
13:00
林道終点 13:10
トノカリ三股橋 13:20
林道除雪終点 14:20
所要時間 8:50
総所要時間 12:50
19時00分自宅到着
コースタイム(1日目)
7時00分自宅出発
地点分岐等 時間
林道除雪終点 10:00
トノカリ三股橋 11:40
林道終点 12:35
BC/Co970 14:00
所要時間 4:00
Co970BCテント泊
トノカリ三股橋 雨量観測施設
オプタテ遠望@ オプタテ遠望A
BCからニペソツ 絶好のCS
朝のオプタテ 快適な樹林帯
森林限界付近 眼前にオプタテ
かなりの傾斜だ トムラウシ遠望
稜線下から南望 登山者
東尾根と深い谷 狭く高い頂上