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75.知床岳(知床山域/1254.2M)
遠く険しい知床岳への山旅は野性味に溢れた体力勝負の総力戦だった
【1日目 /7月4日 相泊→ウナキベツ川河口】
 4日間の連続休暇を取得しいざ日高(沢)へと意気込んでみたものの天気が良くない。おまけに低温で沢は尚更辛い。そこで急浮上したのが比較的好天が期待できる知床山域で、登り応えのある山となれば知床岳しかないということになった。この山に関する情報は多くなく、ネットで情報収集するも準備不足は否めない。しかし、そこは万事大雑把な私としては、「何とかなるだろう」と楽観的な気分で池田を出発。知床峠を経由し昼前に目的地の相泊に到着する。早速、パッキングするが、久々で上手く収まらない。それでも1日日は2時間の海岸歩きだけなので適当に詰め込む。ウナキベツ川の河口まで約5キロ。最初の30分ほどは番屋の前、石が敷き詰められた昆布乾し場を歩く。そこを過ぎると崩浜で、左手は急な斜面で崖崩れや岩雪崩の後が所々に見られる。思わず急ぎ足になってしまう。遠くに見えた観音岩が徐々に迫り、ほどなく、周囲を高い岩壁に囲まれ行く手を阻まれる。左手にルンゼ状の地形があり固定ロープが垂れ下がっている。高さは20メートルほどだろうか、高度感は結構ある。ウナキベツ川を渡り(河口付近は分流しておりどちらにも橋がある)、番屋近くの海岸に絶好のキャンブサイトを確保し幕営地とする。快適な夜が約束されたと思ったが、ウミネコが夜も活発に活動しているらしく、中々泣き止んでくれない。やっと静かになったと思ったら、今度は深夜の漁船のエンジン音だ。ついぞ熟睡することなく翌朝を迎えることになる。
【2日目 /7月5日 ウナキベツ河口→ポロモイ台地→知床沼→1132南西コル→知床沼)】
 それでも、海岸線に立ち込めるガスの向こうから太陽が上がり始め、周囲を赤く染めだすと睡眠不足は吹き飛び、自然の儀式に酔いしれてしまう私達でした。さて、2日目はウナキベツ川左岸の河原林歩きからスタートする。いきなり小尾根取付で50メートルほどの高度を一気に稼ぐ。勿論、固定ロープはあるものの朝一にはやや辛い。しかし、ここを過ぎるとあとは緩やかな登りでウォームアップには丁度良い。ただ、獣道が彼方此方で交差しており、注意していないと迷い込んでしまう。標高400メートル付近で左手に岩雪崩の後の様な岩石帯が見られたかと思うと、右手には真青な水を湛えた池が現れ気を和ませてくれる。直後のロープ場は高度差80メートルほどの急斜面で、いよいよポロモイ台地にむけての尾根の急登にかかる。左足下から広がるウナキベツ川源頭の野球場のような平坦地形と大崩落跡、絶壁と岩峰、1132ピークから1182ピークにかけての稜線、迫力がありすぎて怖いくらいである。不安定な崖っぷちをロープを頼りに登る。一歩間違うと奈落の底で、この時ばかりは「冗談抜き」の登高である。ポロモイ台地まで上がってしまうと雲海に青く浮かぶ北方の山々まで望めるようになる。ここまで4時間弱、重い荷と急登でタイムプランをオーバーしてしまう。
沢からの風で火照った身体を冷やした後、勇躍ハイマツの海に船出する。しかし、道はそれなりに刈り込まれ、ハイマツ、笹とも予想していたほどはひどくなく一安心。途中で下山中のグループとも遭遇、ここで登山者と会うと思っていなかっただけになんとなくホッとする。これがいけなかったのか標高900メートル付近の雪渓の残る小湿原まで来た時、道を失ってしまう。踏跡が左前方に伸びているようなのだが見つからない。鬱蒼とした藪を漕いで高いところから偵察を続けるが道らしきものはない。元へ戻ってもう一度ゆっくりと周囲を見渡すと、なんと右方向にうっすら踏跡とコーステープもあるではないか。こんなところで迷うとはなんとも情ない。今山行で唯一の迷いで30分ほどロス。ここから沼までは、浅い沢形をハイマツの枝渡りさながら進むこと1時間、1132ピークを背に水を湛える知床沼に到着する。ここはワタスゲやチングルマ(一部はもう綿毛になっていました)が咲き乱れる別天地で、意外らもテントが2張設営してあり、ほどなくその持ち主が下山してきた。男性二人のパーティで知床岳往復に6時間以上を要したという。私達といえば、テントを設営後時間があったので知床岳アタックを試みることにする。前述の登山者の「少し大変ですよ」とのアドバイスも聞かずに‥。やはり無謀だった。登り4時間のタイムリミットを設けて登りはじめてみたものの、1132ピークと1182ピークとのコルまでに2時間弱を費やし、1243ピークから知床岳へのルートを考えた時、2時間で行き着く自信が持てなくなってしまう。判然としないルートにハイマツとの格闘は容赦なく体力を奪う。帰路も困難度に変化はなく、最悪、途中でビバークということもあり得る。そんなこんなで翌日再挑戦することとし下山を決断する。知床沼には私達のテント一張りのみ。寂しさは否めないが、山の奥深く、地の果まで来たことを実感しつつ眠りにつく。
【3日目 /7月6日 知床沼→1132P→1243P→知床岳→知床沼→ウナキベツ川河口→相泊】
 3日目、天気は良く一安心も、とにかく寒い。なんとテントが凍りついており霜が降りたようだ。もう初秋の雰囲気の知床池を午前4時過ぎに出発。今日中にアタックを終え、相泊まで下山する予定なのでのんびりはしていられない。前日の予備山行の効果か、順調に1182ピークとのコルまで上がる。途中、稜線からウナキベツ川源頭で食事中の羆を発見。かなり遠くしかも下方だったので安心しつつゆっくりその姿を見ることが出来た。コルからは稜線に別れを告げ1243ピークを目指し西方向にルートをとる。ハイマツの背丈も低くなり見通しも利くようになってくる。前日は随分と遠くに見えた1243ピークも指呼の距離になってくる。湿原を過ぎ再び濃くなるハイマツの斜面を上がりきると1243ピークで、足下には深く大きく抉れたポトビラベツ川源頭が広がっている。そして、待望の知床岳が真西に見えるが意外と平坦な山容で、やや拍子抜けしてしまう。ここから時計回りに尾根というより崖の上を40分ほど歩きようやく知床岳に辿りつく(この間も楽な尾根歩きはごく一部で後は辛いハイマツ漕ぎ)。正に「辿りつく」なんです。北方向には、駱駝の背のようなポロモイ岳(?)から知床岬にかけて収斂する半島の地形が見てとれ、一方、南に目を転じると知床連山、とりわけ、知円別岳から硫黄山への白き稜線がなんとも鮮やかである。前年同時期の縦走を思い出したものである。更に、国後島や択捉島の名だたる山々が雲の上に顔を覗かせている。雲海に浮かぶ青い山並み、さながら墨絵の世界である。申し分のない天気と大眺望に接し、私などは「あと10歳若ければ知床岬まで縦走する」などと口走ってしまい、静子の失笑をかう始末。宇登呂側からテッパンベツ川を遡行して上がるのも面白いと思うが、源頭付近はどこも濃いハイマツ帯、相当な体力と気力が求められることだろう。
 帰路も往路を辿り、知床沼に着いたのが午前10時前。早速、ビールでアタックの成功を祝う。快晴、微風、鳥が囀り周囲には高山植物が咲き、満々と水を湛えた池もある。ロケーションとしては最高で、勿論、ビールの味も格別でありました。テントを撤収の後、ゆっくりと下山を開始し、相泊には16時30分に到着、充実した山行を終える。相泊では、ウナキベツ川から知床岳を目指すという単独の男性登山者と出会い、情報交換する。いつも登山道のない山ばかり選んで登っているというのだから恐れ入る。この日は羅臼でテント泊の予定だったが、頑張った自分達へのご褒美ということで温泉ホテルに宿泊する。夜はアルコールのパワーもあり「明日は海別岳だ!」と意気込んでみたものの、翌日は身体がバラバラ状態。流石に海別岳(沢遡行)は無理で、知床観光に切り替える。
 変化に富み、且つ野性味あふれる知床岳山行だったが、最果ての地にルートを開いた先人の想像を絶する労苦に敬意を表さずにはいられない。また、ネット上から情報を頂いたことにも感謝したい。
■山行年月/天気
2003. 7. 4/快晴
   7. 5/快晴
    7. 6/快晴
■同行者
静子
■山行形態
無雪期登山
■コース(往路/帰路)
ウナキベツ川
  
コースタイム(3日目)
知床沼テン場出発
地点分岐等 時間
知床沼 4:15
1132ピーク 5:10
南西コル 5:45
1243ピーク 6:25
知床岳 7:15
7:40
知床沼 9:50
11:00
ポロモイ東端 11:45
ウナキベツ河口 14:10
14:30
相泊 16:30
所要時間 12:15
総所要時間 23:45
らうす第一ホテル到着
コースタイム(1日目)
6時30分自宅出発
地点分岐等 時間
相泊 12:20
ウナキベツ河口 14:20
所要時間 2:00
ウナキベツ河口幕営
コースタイム(2日目)
ウナキベツ河口出発
地点分岐等 時間
ウナキベツ河口 5:05
ポロモイ東端 8:40
知床沼 10:35
11:35
1132ピーク 12:35
南西コル 13:20
知床沼 14:35
所要時間 9:30
知床沼テント泊
海岸線を歩く テントサイト
テン場の夜明け ウナキベツ河原
特徴的な岩塔 ウナキベツ源頭
1132pと知床沼 知床沼のテン場
知床沼の夜明け 朝靄の知床沼
チングルマ ワタスゲ
ウナキベツ河口 ポトビラベツ
1243pから知床岳 頂上