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コースタイム
3時00分自宅出発
地点分岐等 時間
太陽の里 5:20
旧道登山口 5:40
ユーフレ小屋 7:20
7:35
ゴルジュ 8:05
一稜末端 10:05
稜線肩 11:25
頂上 11:50
所要時間 6:30
頂上 12:40
霊峰山 13:05
半面山 13:30
覚太郎C分岐 14:15
見晴台 14:40
新道登山口 15:40
所要時間 3:00
総所要時間 9:30
「ふれあいの家」到着
68.芦別岳(夕張山地/1726M)
デブリで埋まる本谷に圧倒されつつもアイゼン軋ませ捲土重来はたす
 雪の本谷敗退から2週間、満を持しての再挑戦である。天気は良く、山部自然公園「太陽の里」からも頂上部を望むことが出来る。幸運に感謝しつつ、林道入口に備付の入山帳に名を書き連ねる。本谷入山者は2週間で10パーティ程度と、この間の天気などを考えると意外と少ないという印象である。しかし、この日は私達が2番目、先行者の後を追うように旧道からユーフレ小屋を目指す。雪解水で水嵩を増すユーフレ川左岸の登山道、高巻きもあり辛いところだが「今日は登れる」と思うと苦にならないから不思議だ。雪解けのペースは流石に速いようで、前回は半分ほど雪に埋まっていたユーフレ小屋も入口の戸が開閉出来るまでになっていた。ここで、先着休憩中の登山者と御対面である。「先週は頂上(うえ)まで登れたようですが、今日は如何でしょうね」と彼、「ゴルジュが開いてなければ大丈夫でしょう」と私。若干の山話の後、彼は先に出発する。
 小屋からは蛇行するユーフレ川の左岸を進む。前回は雪に埋もれていた川岸も露出しはじめており、巻いたりへつったりするシーンも。川の両岸が迫立ち、岩の城塞を思わせる渓谷へと様相が変わってくると難関ゴルジュのお出ましである。水音はするものの、前回同様しっかりと雪に埋まっており、私達の心配は全くの杞憂に終わってしまった。垂れ下がるフィックスロープの出番は暫くなさそうである。谷が右に大きく曲がると正面にはαルンゼが見えるが水の流れは見えない。インゼルを過ぎると本谷が直線的に見通せるようになってきた。切り立つ大渓谷は雪に埋もれ、本谷はデブリの山と化している。幾度となくすざましい雪崩が谷を襲ったことだろう。つくづく自然の力の大きさを感じる。右岸に張出す各支稜と正面のピラミダルな頂上、右に目を転じるとγルンゼ左股奥壁と夫婦岩、全く壮観な眺めである。傾斜が少しずつ増し、スリップするようになってきたのでキックステップを切って登る。体力を容赦なく奪っていくのを実感する。こんな時、先行登山者の足跡は実に助かるもので(キックステップを切る必要がない)、ありがたく使わせていただく。私が昨年夏の遡行時に苦労した小滝も勿論雪の下で、乗越えた小尾根が僅かに見える程度である。左岸が絶壁のため、右岸の急斜面の草付ガレ場を20メートルほど高巻いたことを静子に説明しつつ、暫し当時を振り返る。一稜末端付近で一息入れアイゼンを履く。ここからはいよいよ山行のハイライト、本谷最後の詰めである。私も静子も気を引き締め登高を開始する。登山には「絶対に失敗が許されない場所」があるとすれば、芦別岳本谷の場合はさしずめここだろう。一段と強まる傾斜、ちょっとした油断が一気に500メートル位の滑落に直結する。また、一稜側壁から崩れ落ちる石にも注意しなければならない。落石の跡が雪の上に茶色の筋をつくっているのでそれを避けるように上がっていく。アイゼンの出歯をキックステップで雪面に食い込ませグリップを確保する。「20歩進んで小休止」を繰り返す。時々、後というより下を振り返るのだが、本当にゾッとする眺めである。そして、一稜側壁から絶えず崩れ落ちる小石の音、危険地帯の真只中に置かれている自分を実感させられる。恐怖心を振り払うかのように一歩、また一歩と上がっていく。やがて、傾斜が緩まり右手に見覚えのあるたおやかな斜面が広がってくる。ユーフレ小屋から4時間弱、遂に稜線(肩)に到達する。アイゼンを脱ぎ、ピークに取付く。バテバテのはずなのだが気分が高揚しているせいか足取りも軽く、一登りで頂上に立つ。モヤの中に浮かぶ夕張岳、奇妙な山容のキリギシ山、北方向には布部岳や富良野西岳、そして、端正な山容のポントシナベツ岳と、今までで最高の眺望である。静子も本谷を見下ろしつつ「こんな深い谷を登ってきたんだ」と感心し、登頂を果たした喜びで一杯のようである。
 下りは、新道コースだが、山頂直下から半面山まではビッシリと雪に覆われており、尻滑りや靴滑り(コツがいります)を楽しみながら適当にショートカットしながらの下降である。ちょっとしたトラブルは鶯谷の覚太郎コース分岐で起こった。「新道コースを下りる」と言っていた前出の登山者が、覚太郎コースに入ってしまったのだ。50メートルほど後の私達が慌てて笛を吹き大声で知らせるのだが気づいてはくれない。聞こえないはずはなく、下山コースを変更したことも考えられるので、私達はそのまま新道を降りることに。考えてみるとこの分岐、覚太郎コースは夏道が明確に出ており、新道は完全に雪の下で分岐標識も分り難いものだった。静子も間違えて覚太郎コースに行きそうになったくらいである。ポイントは、直線的に東進する新道コースと、左折する覚太郎コースで、このことが頭にあれば晴天時に間違えることはないと思う。
 少々、後味の悪い山行となった事は否めないが、難易度が高いコースだけに、そこを克服した達成感と充足感はやはり一入のものがある。下山後も「5月は芦別岳本谷」と言われる所以をかみしめつつ、二人して悦に浸っていたものである。
■山行年月
2003. 5.16(金)
■天気
■同行者
静子
■山行形態
残雪期登山
■コース(往路/帰路)
ユーフレ川本谷
新道  
ユーフレ小屋 五稜末端付近
一稜末端付近 ポントナシベツ
頂上から北望 夫婦岩