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54.表大雪縦走旭岳2290M/白雲岳22304M/トムラウシ山2141M]
高山植物と沼水と巨奇岩が織成す自然の造形は形容し難い美しさだ
【1日目 /7月20日 旭岳温泉→LW姿見駅→旭岳→間宮岳→北海岳→白雲岳→白雲岳CS】
 当初予定はクワウンナイ川遡行だったが、天候悪化が報じられ降雨増水も予想されることから、表大雪縦走山行に変更することとなった。
 初日は土曜の祝日。「海の日」に山に登るという変人は意外と多く、旭岳温泉ロープウェイ駅は登山スタイルできめた中高年で黒山の人だかり。急遽、臨時便も運行され、私達はなんとか3便に乗込み姿見駅に向かう。姿見駅で娘に表大雪縦走を携帯で連絡の後、いざ出発。しかし、登山道は登山者で数珠繋ぎ状態。予想通りとはいえ少々辟易させられる。頂上はうっすらと姿を見せているが、雲の流れからして天気は確実に下り坂。今回も道内最高峰での眺望は楽しめそうにもないようだ。石室を過ぎたあたりでようやく登山者のペースが安定し、間隔もまばらになってきた。爆裂火口地獄谷を左に見ながら、大きな岩礫が転がる広い裾をひたすら登る。重い荷と高い外気温、Tシャツ一枚でも汗がほとばしる。7合目あたりでは遂に雨も落ちてきた。早くもレインウェアーの出番である。傘をさして登る登山者もいるが、森林限界を超える高所での使用には疑問符がつく。登路の尾根筋がはっきりしてくると傾斜も一段と強まり、ガスで視界も低下してきた。心身ともに辛い登りだが、大きな金庫岩を左に見るあたりになると急に元気が出てくる。20名ほどの団体をパスし掘れたジグザグ道をゆくとほどなく頂上である。沢山の登山者はどこに消えたのかと思うほど登山者は少ない。縦走装備で2時間を切った私達のペースが他より速かったということか。頂上では、北側から東側にかけて一瞬ガスが上がり、後旭や熊ヶ岳、眼下には裏旭キャンプ場も見える。烏帽子岳の独特の山容も目を引く。多くの登山者が歓声を上げながらカメラに収める。その賑わいを背に雪渓を下る。気を抜くと下まで滑り落ちてしまいそうな急斜面である。間宮岳への緩やかな登り移る頃には僅かに陽も差し込み、眺望も少し良くなってきた。間宮岳からは、緑濃い大きなカルデラを眺めながら外輪山の上を反時計回りに歩く。どこがピークか分らないうちに荒井岳、松田岳を過ぎる。行き交う登山者も多く、花と眺望に「最高!」を連発する人も。叫びたくなる気持ちはよく分る。北海岳からは北鎮岳付近を列を成して歩く登山者が見える。お鉢巡りかそれとも縦走か。勿論、北鎮岳東面の「白鳥と千鳥の雪渓」も。目を北方向に転じれば、北海岳へ向かってくる団体も見えてきた。喧騒から逃れるべく、白雲分岐目指して北海平を下るが、登山道が4年前に比べ大きく抉れていた。自然のなせる業か、それとも人為的なものか‥。チングルマや岩場の緑苔に見とれつつ1時間少々で白雲分岐に。ここに荷をデポし白雲岳へ。岩場を越え、広いカルデラの北端を辿ってゆくのだが、お目当ての白雲平の「沼」は今回も見ることができなかった。「う〜ん、残念!」。分岐まで戻り、ハイマツの中を30分ほど下るとガスの中から白雲岳避難小屋とキャンプ地が現れる。早速、テントを設営し水を確保する。濃いガスに強い風、時折り降雨もある。肩こりから来る頭痛もあり、この日は夕食もそこそこに寝袋に潜り込む。
【2日目/ 7月21日 白雲岳C指定地→忠別沼→忠別岳→五色岳→化雲岳→ヒサゴ沼CS】
 2日目も残念ながら朝から濃いガスと風雨である。停滞すべきかどうか、迷っていると登山者達が次々に出発していく。私達も翌日以降の山行日程を考えとりあえず忠別岳避難小屋まで行くこととする。ここで私が考えられないミスコースをしてしまう。なんと、緑岳方面へ向かう板垣新道に入ってしまったのである。分岐までの往復1.4キロ45分をロスしてしまう。コース確認をしっかりしなかった自分が情けない。
 小屋まで戻り、気を取り直して高根ヶ原へ向かう。ガスで眺望は利かず、平坦地をひたすら歩く。唯一の慰めは女王コマクサが見られること。美しく気品はあるがいかにも弱々しく、厳しい気象条件にどうして耐えられるのか不思議という他ない。広大な礫地の高根ヶ原のコースは東側の落ち込みに沿っているが、三笠新道分岐を過ぎたあたりでは僅かなガスの切れ間から左下に高原沼が見える。つくづく天気がよければと思ってしまう。ガスの濃い日は羆の活動も活発になる。いつも以上に笛を吹き先を急ぐ。平ガ岳付近で先行するパーティをパスし、ぬかるんだ湿地帯や礫地の尾根を登りきると眼下に忠別沼が見えてくる。殺風景なところを歩いてくると、この沼はさながらオアシスで、側の木道にザックを下ろし暫し休息する。沼にはエゾサンショウウオだろうか、1800mの高層沼に生息できるという適応能力に驚いてしまう。さて、ここから忠別岳までは高度差にして200m弱、緩やかな登りで思ったより楽に頂上に立つ。とにかく、西側は強烈な絶壁となっており足を踏み出すのが怖いくらいである。しかし、東側はなだらかな花畑といった感じで、南に目を転じると五色岳や化雲岳が見え、その奥にトムラウシ山の裾野だけが姿を現せている。化雲沢の大渓谷と相まって好天時の景色には言葉を失うことだろう。ここから眼下の忠別岳避難小屋分岐までは近いようで遠い。当初はここでテント泊の予定だったが、天気も小康状態で時間的にも余裕があるのでヒサゴ沼まで行くことにする。ハイマツのトンネルをくぐりぬけ1時前に五色岳に着く。ここは沼の原方面への分岐でもあり、五色ヶ原の高山植物は見事らしい。一度は行って見たいものである。遅い昼食は珍しくラーメンで、これが美味いこと。疲れた身体には濃い目の味付けがあうのかもしれない。化雲岳まではほとんど起伏もなく楽なコースで、途中からは木道がつづき高山植物が咲き乱れている。「神遊びの庭」といわれるのも納得できる。化雲岳の頂上を通らずにトムラウシ山方面へ向かう道もあるが、下山日程等を娘に携帯で伝えるべく頂上ルートを選択。が、頂上でも携帯は圏外表示、私達の努力は徒労に終わってしまう。再び縦走路に合流し、ヒサゴ沼分岐から木道を経て歩きにくい岩場と雪渓を下ること40分、この日のキャンプ地ヒサゴ沼に到着する。避難小屋泊も考え小屋を覗いてみたが空いているのは2階だけとのこと。あずましくないのでやはりテント泊をすることに。大きな沼に雪渓からの綺麗な水、縦走路からやや離れ下降するのが難だが、最高のキャンプ地ではある。この日は注意して運動したので肩凝りからくる頭痛もなく、美味しいビールを飲みながら贅沢な夕食を摂ることができた。隣のテント住人の鼾は強烈だったが、私も静子も何時になく熟睡できたヒサゴ沼の夜でした。ダニが私の身体に食い込んでいるのを発見したのもこの夜のこと。
【3日目/ 7月22日 ヒサゴ沼→トムラウシ山→化雲岳→第一公園→天人峡温泉】
 3日目、予定はトムラウシ山まで行き化雲岳から天人峡温泉に下るというものだが、かなりハードな日程なので、変更も視野に入れつつ行動を開始する。天気は例によって濃いガスと雨で、レインウェアーなどは半ば制服と化してしまった。最初は浅い沢筋を詰める感じで雪渓を登る。微かな踏跡と地形図を頼りに歩を進めていくと岩場に出る。そこからはコースサインもあり、ほどなくヒサゴのコルに出る。ここから一登りすると溶岩台地状の尾根となる。今山行のクライマックスともいうべき日本庭園である。どこまでも続く木道と美しい花畑の展開、そこかしこに奇岩や巨岩が鎮座し天沼などの水場が出現する。加えて奇怪な「坊主頭」である。岩と花と池が織り成す絶妙な光景に圧倒されてしまう。およそ人間がいくら巨費を投じてもこれだけの景観を再現することはできない。神の創造物と考えるしかない。見事な景観だけに、それに目を奪われミスコースや転倒滑落等も起こりそうである。静子などは岩場が大の苦手であり、慎重の上にも慎重を期しての歩行である。ガスで視界が利かないから尚更である。岩石地帯のロックガーデンを登りきるといよいよ2000m台地だ。このあたりで下山してくる登山者と行き違いになる。中にはヒサゴ沼を4時に出たなどという人も。予定より1時間ほど遅れている私達としては少々気が急く。右手に北沼が見えようやく分岐につく。荷をデポし山頂を目指す。こちらは南コースに比べると難しいとの話だったが、所要時間も短くずっと楽な感じだ。山頂には真新しい標識が建てられていたが、相次ぐ遭難死亡事故を悼むかのように感じたのは私だけだろうか。帰路はヒサゴのコルまで往路を辿る。美しい光景を自らの記憶にとどめ、勿論カメラにも収める。山行中に知り合った広島市の登山者と再会し写真を撮ってあげる。「年賀状に使用できるものを」ということでプレッシャーがかかる。上手く撮れていればいいが‥。ヒサゴのコルには西側から明瞭な踏跡がある。カウン沢を詰め、源頭あたりから東側の縦走路へ出たと思われるがどうだろ。さて、一気に標高差120mほどを登りきり化雲岳へ直行する。大雪山の「出べそ」ともいうべき化雲岩の鎮座する山頂から天人峡コースへ下る。ここからは多少の登り返しはあるがほとんど下降するだけ。ポン沼で昼食の後、見通しの利かない湿原の中を歩く。このあたりの登山道は、抉られ石や木の根が露出し歩きにくいことこの上ない。加えてぬかるみもいたるところにあり全く疲れる。それだけに第一公園の花々を楽しみにしていたが、エゾカンゾウが寂しげに風に揺れているだけでがっかりしてしまう。長い木道歩きに耐え、ダケカンバの急斜面を下り針葉樹の尾根道を無言で急ぐ。何せ、車を旭岳温泉に止めてあり、天人峡からの連絡バスの発時刻が迫っているのだ。滝見台で発時刻まで35分、半ば諦めつつも歩く歩く。辛い涙壁の下り、高度差は300m。飽きるほどのジグザグを繰り返しようやく登山口に着く。バス停はさらに下、急いでいくと何とバスが止まっている。バスに乗込み、中でレインウェアーを脱ぐ。と同時にバスが発車する。3日間で約26時間歩き、最後に分秒単位の行動を強いられるとは‥。(天人峡〜旭岳温泉間は無料)
■山行年月/天気
2002. 7.20/曇のち霧雨
   7.21/曇のち霧雨
    7.22/曇のち霧雨
■同行者
静子
■山行形態
無雪期登山
■コース(往路/帰路)
旭岳温泉RW姿見駅
天人峡温泉  
コースタイム(3日目)
前日ヒサゴ沼テント泊
地点分岐等 時間
ヒサゴ沼CS 5:30
ヒサゴのコル 6:10
天沼 6:40
北沼 8:00
トムラウシ山 8:30
8:45
天沼 10:10
化雲岳 11:40
ポン沼 12:40
第一公園 14:35
滝見台 15:55
天人峡温泉 16:25
所要時間 10:55
総所要時間 25:55
芦別温泉H宿泊
コースタイム(1日目)
天人峡温泉テント泊
地点分岐等 時間
RW姿見駅 6:25
旭岳 8:20
裏旭CS 8:55
間宮分岐 9:35
北海岳 10:25
白雲分岐 11:45
白雲岳 12:10
白雲分岐 12:35
白雲岳CS 13:20
所要時間 6:55
白雲岳CSテント泊
コースタイム(2日目)
前日白雲岳CSテント泊
地点分岐等 時間
白雲岳CS 7:15
三笠新道分岐 8:05
忠別沼 9:50
忠別岳 10:50
忠別小屋分岐 11:45
五色岳 12:45
13:15
化雲岳 14:25
ヒサゴ沼分岐 14:40
ヒサゴ沼 15:20
所要時間 8:05
ヒサゴ沼CSテント泊
北海岳から北鎮 化雲平
坊主頭 日本庭園
トムラ山頂 化雲の化物岩