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53.知床連山縦走羅臼岳1661M/サシルイ岳1564M/硫黄山1562M]
絶景と可憐な花々達に励まされ地の果てに連なる山々を踏破する
【1日目 /7月8日 岩尾別温泉→弥三吉水→銀冷水→羅臼平】
 早朝から登る予定だったが、天気があまり良くないので昼頃まで様子を見ることにし、硫黄山登山口付近の状況やバス時刻のチェックを行った後、岩尾別温泉に向かう。登山口で入山帳を見ると沢山の人が登っている。加えて、天気も回復傾向にあることを考慮し羅臼平まで上がることにする。勿論、1泊2日の山行プランは無理なので2泊3日に変更する。日程にに余裕があればこその判断である。
 テントに寝袋、食料、水等々、縦走装備のザックは流石に重い。静子も新品のミレーの55Lザックを満杯に膨らませている。細身にはさぞかし応えることだろう。安全登山を祈りつつ木下小屋を出発する。ジグザグをきって尾根に取り付く。Tシャツ一枚なのだが早くも汗が噴出す。登山道はここ数日の降雨にもかかわらず非常に歩きやすい。やはり山が豊かで貯水機能が正常に働いているということだろうか。ほぼタイムプラン通りにオホーツク展望に着く。と言ってもガスで展望は利かないが‥。このあたりから早朝登った人が次々と下りてくる。口々に「山でテント泊ですか」と聞く。「羅臼平でテン張り硫黄山にぬけます」と答えると、「すごいですね。頑張って!」と声がかかる。さほど困難な山行でもないが、少しだけ山のベテランになったような気がして満更でもない(我ながらホントに単純です)。弥三吉水では、下山者から羅臼平でテント泊する登山者がいるという情報も得て、心強く感じたものである。ここで新たに水を確保(2人で9L)し極楽平に向かう。それにしても登山者のなんと多いことか。平日の悪天候にもかかわらず、登山者は50人以上にもなったと思う。これも百名山効果ということだろうか。銀冷水を過ぎ大沢に入ると状況は徐々に悪化してきた。大沢を埋め尽くす固い雪渓をキックステップをきって上がっていく。これが結構辛い。この時期、簡易アイゼンくらいは用意したいものである。濃いガスと冷たい風が否応なしに体温を奪っていく。鼻水も出だしてきたので、これはヤバイと判断しパーカーを着込む。天気は回復どころか悪化の一途を辿っており、視界も100mほどしかないようだ。羅臼平に着くや否や、木下弥三吉のレリーフがある大岩の側にテントを設営する。隣のテントの住人と少し情報交換を行った後、テントに潜りこむ。なんと暖かいことだろうか。早めの夕食の後、食料を100mほど離れたフードロッカーに収納する。この設備、米国では当たり前とのこと。これで羆と人間の接触事故を少しでも防げればと思う。有効活用したいものである。気になる翌日の天気、ラジオは「全道的に好天」との予報を伝えている。明日に期待をしつつ眠りにつく。
【2日目/7月9日 羅臼平→羅臼岳→三ツ峰→サシルイ岳→オッカバケ岳→二ツ池→南岳→第一火口キャンブ地】
 朝4時頃起床するが周囲はまだガスの中。しかし、風もおさまり、明るくガスの切れる予感はする。5時過ぎ、先ずは北側の壁のような三ツ峰が顔をだし、ついで要塞のごとき羅臼岳が登場する。朝食の後、空身で羅臼岳を往復する。この山は4階建ての岩山という感じで、落石に注意しつつ右側から回り込み頂上に到達する。眺望は全く申し分の無いもので、雲海の中からこれから向かう硫黄山に至る山並みは勿論、背後の海別岳や斜里岳、阿寒の山々も直線状に姿を見せている。東に目を転じると国後島の羅臼山と爺爺岳まで目にすることが出来、私達はつくづく幸運だと思う。静子はその素晴らしさを子供達にメールで伝えている。山頂での大展望を楽しんだ後は直下の岩清水で水の確保である。3Lを確保するのに10分近くも要したが、この高度で得ることの出来る水は貴重というほかない。羅臼平に戻りテントの撤収にとりかかる。と、ほどなく鈴の音とともに岩尾別ルートから登山者が上がってくる。静かな羅臼平は一転して喧騒に包まれる。女性登山者が圧倒的に多く、山も女性優位が確立されそうな勢いである。前日より重くなったような気がするザックを背に縦走路を歩き出す。心配していた膝痛もなく一安心、このまま持ちこたえて欲しいと願う。静子を前にゆっくりペースで標高差150mほどの三ツ峰を登る。ここを越え下りきったところが三ツ峰のキャンプ地で、ここまで登山道の近くにはチングルマやエゾコザクラ、エゾツガザクラ、シャクナゲ等、沢山の高山植物が咲き乱れ、さながら花園といった様相を呈している。この光景、濃淡はあるが知円別岳分岐付近までつづき、随分と気を和ませてくれたものである。サシルイ岳の登りにかかると、背後の羅臼岳が三ツ峰を従え、一際高く大きく見える。思思わず「いいね〜」との声が漏れる。サシルイ岳のピークを東に見ながら下りにかかる。縦走路を目で辿るとオッカバケ岳とのコルに池が一つ。その側をこちらに向かう登山者の姿が見える。沢地形を下っていくと大きな雪渓があり、その末端付近で先の登山者と会う。綺麗な若い女性で、聞けば前夜は硫黄山でテント泊とか。全く一人だったというからなんと勇気のあることか。コル付近の登山道はぬかるんで歩きづらい。登山道を離れて歩こうとするとチングルマの群落に出会う。踏むのは流石に気がひけるので止むなく中を行くことにする。オッカバケ岳の比較的平坦なピークを越えると眼下には二ツ池が見えてくる。たっぷりと水を湛えた二つの池だが、残念ながら水質が悪く飲料用には適さないという。しかし、キャンプ地としての雰囲気はいい。羅臼平で一緒だった登山者はここでテン張るらしいが、私達は硫黄山側の第一火口まで行かなくてはならない。昼休みもそこそこに泥濘の中を南岳分岐に向かう。以前はここから硫黄山へ直接向かうルートがあったらしく踏跡がある。展望は利かないが、外輪山を辿る現コースと比較すると相当の時間短縮は図れるだろう。ここから南岳へは指呼の距離、高度差もさほどないが、相変わらずハイマツと岩には苦労させられる。それでも硫黄山や知円別岳等、火口を取り巻く山々を眺めながらの稜線歩きはやはり楽しい。南岳を過ぎると裸地には固有種のシレトコスミレが控えめに白い花を咲かせている。メアカンキンバイなども見られ、花の縦走路といった趣である。知円別岳の東側を大きく回りこんで知円別岳分岐に出る。眼前に知円別岳のピークが迫り、縦走路から離れた位置の東岳も目に入ってくる。落石と滑落に注意しながら知円別岳直下のガレ場を行く。ここから第一火口へ下るルートがあるはずなのだが探しても見つからない。どうやら崩落が進み廃道となったのではないだろうか。止むなく白い砂礫の稜線を行くことに。両側がスパッと切れ落ち、風があったり視界が悪かったりするとイヤなところである。静子などは完全に腰が引けている。気を引き締め稜線を辿ると、左下の第一火口キャンプ地に直線的に下る踏跡がある。100mほども下降しなければならず、実にもったいない。稜線上でテン張ることも考えたが、結局、グサグサのガレ場を下ることに(翌日、稜線縦走路付近に絶好のテント場を発見、もう少し歩いていればと後悔したものである)。キャンプ地はスリバチの底といった感じで、降り立つと稜線が高く見える。明日はどこから上がろうかなどと考えながらテントを張る。少し落ち着いたところで、なんとなく頭が痛く胃もムカムカしてきた。微熱もある様で風邪っぽい症状である。こんなところで動けなくなったら大変である。とにかく直すことが先決とばかりに、あらゆるものを着込んで寝袋にもぐりこむ。その甲斐あってか夜中には汗もたっぷりとかき、翌朝はスッキリ回復である。折角持参したビールも飲めず、楽しい夕食もキャンセルとなり静子には寂しい夜となってしまった。申し訳ない。
【3日目/ 7月10日 第一火口キャンプ地→硫黄山→硫黄川分岐→新噴火口→登山口】
 3日目は朝から好天で、眼前の知円別岳はもとより、前日登った羅臼岳もスッキリと姿を見せてくれている。「あんな遠くから歩いてきたんだ」と感心せずにはいられないほど羅臼岳は小さい。稜線を見上げると早くも移動する登山者の姿が見える。急かされるように、私達も朝食を摂りテントをたたむ。7時過ぎに北方向にある僅かな踏跡を辿って稜線をめざす。踏跡が雪渓できれているがそのまま進むと明瞭な登山道に出ることが出来た。小噴火口を左に見ながら20分ほどで稜線に出る。途中、道の真ん中に羆の糞が。2〜3日前のものだと思われるが、今回の山行で見た唯一の羆の痕跡である。さて、稜線に出ると目指す硫黄山が小噴火口を挟んで目の前にある。ピークそのものは意外と小さい感じだ。分岐に荷をデポし頂上に向かう。ルートはガレ斜面の急登で浮石もあり気が抜けない。上部は岩だらけで慎重にコースサインを確認しながら登る。下を見るとぞっとするほど高度感はある。20分ほどで頂上に着くが、思ったより広い平坦地だ。前日の羅臼岳からの眺望に、知床岳と海に落ち込む知床半島の様が加わり、一昨日来の苦労が充分に報われるというものである。下降は目が少し慣れたせいかさほどの恐怖感はない。しかし、事故はこんなときおきるもの。慎重さが求められるところだ。デポ地点で荷を回収、後は硫黄川を下るだけである。頂上を目指す苦しげな登山者を尻目に、私達は1キロほどもあろうかという大雪渓で靴滑りを楽しむ。雪渓も切れ、どこまで下るのか不安を覚えた頃、ロープを張った分岐に着く。少し手前の岩に進入禁止の印があり、その左手に尾根への明瞭な踏跡があるのでミスコースしそうである(これはトイレ?)。ハイマツのトンネルをくぐり抜け荒涼とした新噴火口に出ると山旅も終わりが近い。硫黄の匂いと黄色い噴気孔に大地のエネルギーを感じつつ岩場を行くと、左手のカムイワッカ川の沢音が聞こえ、エメラルドグリーンの川床が見える。その美しさにいったん別れを告げ、硫黄鉱山跡を経て広葉樹の静かな山道を下りきると登山口だ。3日間、延べ17時間30分に及ぶ山旅に耐え抜いた我身体に感謝しつつ、カムイワッカ湯の滝バス停へと一般道を歩く。山旅の締めくくりは、カムイワッカ川の遡行である。ワラジ(500円は高い!)に履き替え滑床を行くのだが、小滝もあり実に気持ちがいい。クワウンナイ川遡行の訓練とばかりに、小1時間ほど充分に楽しむ。車掌同乗の路線バスも懐かしく、車窓に映る連山も一層高く美しく見えたものである。
■山行年月/天気
2002. 7. 8/曇のち滑
   7. 9/晴
    7.10/晴
■同行者
静子
■山行形態
無雪期登山
■コース(往路/帰路)
岩尾別温泉
硫黄川  
コースタイム(3日目)
前日第一火口テント泊
地点分岐等 時間
第一火口CS 7:10
硫黄山分岐 7:45
硫黄山 8:05
8:25
硫黄山分岐 8:35
硫黄川分岐 9:40
新噴火口 10:25
硫黄山登山口 11:35
所要時間 4:25
総所要時間 17:30
22時10分自宅到着
コースタイム(1日目)
前日宇登呂CSテント泊
地点分岐等 時間
岩尾別温泉 11:30
オホーツク展望 12:00
弥三吉水 12:55
銀冷水 14:00
羅臼平 15:10
所要時間 3:40
羅臼平CSテント泊
コースタイム(2日目)
前日羅臼平テント泊
地点分岐等 時間
羅臼平 6:00
羅臼岳 6:40
6:55
羅臼平 7:40
8:15
三ツ峰CS 8:55
サシルイ岳 9:45
オッカバケ岳 11:05
二ツ池CS 11:30
12:20
南岳 13:25
知円別分岐 14:35
第一火口CS 15:25
所要時間 9:25
第一火口CSテント泊
羅臼岳本峰 羅臼岳から東望
頂上から羅臼平 三ツ峰CSにて
三ツ峰と羅臼岳 硫黄山遠望
知円別分岐 羅臼岳遠望
第一火口CS 稜線の夕景色
硫黄山本峰 硫黄山頂上