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コースタイム
 二岐沢出合 8:45
取水ダム 9:35
二ノ沢出合 10:15
Co1150枝沢 12:05
尾根Co1600 15:10
ヌカビラ岳 16:50
所要時間 8:05
455.1857峰(北日高/1857M)
1967峰まで迫るも初日のアクシデントもあり潔く途中撤退を決める
【1日目 二岐沢出合→二ノ沢尾根取付→ヌカビラ岳(BC)】
日高第三の高峰・1967峰の北隣に位置するのが「1857」である。主稜線から離れていることもあり、この山の認知度は低い。しかし、ピパイロ岳から見ると中々どうして重量感溢れる山容を目にすることができる。私自身、新雪期のその姿を目にし(2003年10月)、登頂すべき一座となった。最もシンプルな登頂ルートは千呂露川北西面直登沢を詰める事だが、難易度がやや高く単独では不安だ。ポンチロロ川を遡行する手もあるが、こちらはやたらと長い。最も安全で容易と考えられるのは残雪を利用する方法だ。1967峰までは二岐沢コース(夏道)を辿り、そこからは残雪の状態を見てルートを決めるというもの。このプラン、決め手はズバリ「タイミング」で、チロロ林道の開放と残雪期が重なることが不可欠だ。5月25日にチロロ林道が開放され、いよいよプランを実行に移すこととなった。
チロロ林道はゲート手前で大規模な修復跡が見られたが、そこから奥、二岐沢出合まではほとんど無傷状態だった。千栄付近の被災状況を考えると、信じられないくらい災害に強い林道だ。裏を返せば、それ故、中流域に被害が集中したともいえるだろう。初日は北戸蔦別岳までなので余裕の遅立を決め込む。私と同じく北戸蔦別岳BC予定のパーティが出発していく。心強く感じながら後を追う。取水ダムまでは北電の管理道路を歩く。理解しているつもりだが、真新しいタイヤ痕が恨めしい。取水ダムからは左岸の夏道を行く。足元が切れ落ちたロープ場などもあり、重装備だけに気を使う。取水ダムから二ノ沢出合まで40分ほど。意外と時間がかかってしまった。出合からは沢沿いの判然としない夏道を上がる。渡渉ポイントにはピンクテープが付けられているが、雪解水で増水しているので躊躇してしまう。石伝いに何とか渡渉する。Co900二股辺りからは雪渓も登場し、時にそれを利用する。それはCo996二股の手前で起きた。確か、4~5回目の渡渉だと思うが、滑った石でスリップし転倒してしまう。その際、左足首を捻挫する羽目に。捻挫の状態は極軽いもので、登山の続行に支障はなさそうだ。だが、足の置き方によっては痛みが出るので慎重な動作を強いられる。カメラも水没し、以後使用不能となる。これも痛かった。防水対策をしていれば‥。学習能力が不足しているというか、想像力が欠如しているというか、とにかく、情けない。今時分の二ノ沢登下降には沢靴がいいだろう。厳しい渡渉時限定ならゴミ袋使用もある。雪渓で埋め尽くされると尾根取付点は近い。注意しながら上がったつもりだったが、そのポイントを見逃してしまう。結局、Co1150まで詰め、そこから左岸の枝沢に入る。15分ほどで夏道にぶつかる。ただ、夏道はほとんどが雪に覆われ、僅かなトレースとコースサインでそれと分かるだけだ。首が痛くなるような急斜面にキックステップを切るも、足場が崩れてズルズル滑る。激しい体力の消耗は一層気持を萎えさせる。半信半疑でアイゼンを履く。僅かに踏ん張りが効くようになるが、絶望的な気持ちは払拭できない。「中途半端な終わり方は避けたい」、その思いだけで急登に耐えること3時間弱、ようやく、尾根の背に出る(Co1600)。傾斜もやや緩み、森林限界を超えたことで周囲の植生はハイマツやカンバに変わる。進路は東に変わり、正面にはヌカビラ岳西肩の岩塔が見えてくる。こうなると、テンションは上がってくる。雪面をトラバース気味に岩塔基部まで詰める。ここで左に入るべきを右に入ってしまい20分ほどロス。惰性で上がるとこんなものだ。岩場の急登に耐えるとヌカビラ岳が視界に入り、ピークに立つ登山者が見える。聞けば、北戸蔦別岳は風が強いのでヌカビラまで下がってテントを張ったという。私と言えば、ヌカビラ岳直下東のテン場に陣取る。平坦で周囲をハイマツに囲まれた別天地だ。直ぐ近くに雪があるのも嬉しい。時間はもうすぐ17時。重装備で8時間もよく頑張ったものだ。耐え抜いた自分を褒めつつ、テントの人となる。
【2日目 BC→北戸蔦別岳→1967峰→BC→二岐沢出合】

アタック日は、前日の工程未消化分があるので早めにBCを出る。30分ほどで北戸蔦別岳まで上がる。右には槍の如く戸蔦別岳と雄大な幌尻岳が競演し、左には高さ際立つ1967峰と長い頂稜のピパイロ岳が個性を主張する。折しも、伏美岳の左上からご来光である。オレンジ色の光が神々しい。勿論、少し靄って入るが、エサオマンや札内、勝幌、そして、カムエク辺りまで遠望できる。大景観に包まれながら、勇躍、主稜線北上を開始する。風が強いのでアウターを着て丁度良い。夏道は直ぐに膝程度のハイマツに隠れ、手足で探りながら進む。1901過ぎから1856北コル付近までは主として東斜面の雪渓にルートをとる。1920への登りあたりから岩稜帯の登行となり、主稜線上には巨岩が鎮座するようになる。西側足元がスパッと切れ落ちていたりするので、気を使うシーンも度々だ。主稜線上に鮮やかなテントが一張。主はどこへ向かったのだろうか。1910で主稜線は北から東へと方向を変える。1967峰がグンと近づき、目指す1857峰も見えてきた。西側からの1857峰は低く目立たない。むしろ、背後に控えし双耳峰・チロロ岳が大きさで圧倒する。1904の北コルまで下がり、奇岩が積み重なったような1967峰へ登り返す。肩まで上がると頂上は目前だ。BCをスタートして3時間強、岩に固定された山頂標識に迎えられ頂上の人となる。思えば、前回は(2003年7月)「1967峰」と書かれた板が岩の上に無造作に置かれていた。15年の間に山頂風景も少しだけ変わったということか。雪に覆われた縦走路、ピパイロ方面へ伸びるトレースは、前述したテント住人のものだろうか。初日のアクシデントはともあれ、予定通り1967峰まで到達したことで、最低限の目標は達成できた。小さいが、確かな充実感に包まれていた。証拠写真をスマホで撮るが、デジカメとは勝手が違うので扱いにくい。若い人なら逆なのだろうが‥。1857峰へのルートをチェックしてみる。尾根上に雪はないが、東斜面には雪が付いている。ポンチロロ川源頭付近も雪で埋まっており、常識的には、①縦走路をコル付近まで高度を落とし、②1967峰の東斜面基部を回り込み、③1857峰の東斜面からピークに向かう、というプランが妥当だろう。順調にいけば、往復3~4時間だろうが、左足首痛が取れないので踏み出せない。もう1泊できるのならまだしも、この日の内の下山は時間的にも厳しい。ここは潔く撤退することを決める。この時期、1泊2日で1857を落とすとなれば、テン場は最低でも北戸蔦別、できれば1856まで進んでおきたいところだ。初日の計画に甘さがあったというしかない。7時過ぎに山頂を後にする。復路は、1856付近の夏道位置の確認を念頭に置きつつ歩く。往路で見失った夏道は、ほとんどが稜線西側に開削されており、ハイマツに覆われていた。日高専科の強者に笑われそうだが、普通の夏道登山をイメージしているととんでもない目にあうだろう。私も少しだがハイマツ痣が出来ていた。北戸蔦別岳で主稜線を離れると、直下で男女2人パーティと行き違う。重装備ではなかったが、相当早立ちしたに違いない。その直後、ヌカビラ岳ピークでテンパっていた登山者が降りてきた。彼は幌尻岳ピストンだった。「今時期、幌尻岳なんか行くべきでないです」と言う。果たして、疲れたのか、それとも、つまらなかったのか。あっという間に降りてゆく健脚ぶりから前者ではなさそうだ。ピタリ、10時にテントに戻る。正直、かなりバテ気味で、重装備での下山に不安を感じていた。パン+はちみつレモン+オレンジでエネルギーを補給する。50分でBCを撤収し下山を開始する。肩から急斜面基部まで慎重に降りる。雪面ではヒールステップを多用するが、何となく右足に違和感がある。よく見ると、靴底が後半分剥離しペタペタしている。15年も前に購入した登山靴なので痛んで当然なのだが‥。とりあえず、布テープをグルグル巻いて固定する。尾根からの下降点に付けてあったコースサインを回収し、急斜面を下る。尻滑りでもしたいところだが、滑り出したら止まらない可能性が高い。気持をグッと堪えて、一歩一歩確実に降りてゆく。鈴の音に交じって聞こえてくる人の声。樹間にカラフルなウエアの登山者だ。難儀しながら上を目指している。Co1300付近で出会った3人パーティは、撤退を決めた直後だった。残雪が予想以上に多くペースが上がらなかったと言う。日帰り装備でのこの判断、私は無謀だったのかと考えさせられた。夏道を忠実に辿り二ノ沢尾根取付に降り立つ。夏道は雪が詰まり歩きにくい。踏み抜いたりグシャグシャだったりするのだ。登行時のルート選択は結果的に正解だったようだ。取付ポイントから二ノ沢出合までは60分で下る。登山靴の中はすでに濡れているのでジャブジャブ中を行く。むしろ、踏跡の小さな起伏が左足首に堪えて辛かった。取水ダムまで戻ると緊張感が途切れてしまう。左足首をかばいダラダラと歩く。結果、登行時よりも時間がかかり、16時前に何とか二岐沢出合に辿りつく。それでも、BCからジャスト5時間は上出来だ。
今回の山行、左足首を捻挫し、カメラを水没させ、登山靴の靴底が剝れてしまった。これだけダメージの多い登山は初めてといっていい。その代償として得たものは、日帰りでもなんとかなりそうな1967峰登頂だけ。勿論、得難い大眺望を目にすることはできたが、目標の1857峰登頂は果たせずに終わってしまった。唯一の救いは、2日間で20時間近い行動に耐えたことだ。特に、折れそうになる心を持ちこたえた精神力は我ながら誇らしい。相殺すると僅かなマイナス分で済みそうだ。捲土重来は来季春か、それとも、千呂露川北西面直登沢か。暫く熟考することにしよう。
■山行年月
2018.06.02~03
■天気
6月2日 晴
6月3日 晴
■同行者
単独
■山行形態
無雪期登山
■コース:往路/帰路
千呂露川二岐沢(夏道)
取水ダム① 取水ダム②
二ノ沢出合 増水中の二ノ沢
渡渉点① 渡渉点②
   
 北戸蔦別岳 ヌカビラ岳
   
 1967とご来光  戸蔦別とカール
   
  カムエク方向  1967峰
   
1857とチロロ  奇岩の1967峰
   
1967峰山頂 1857への尾根
   
ピパイロと伏美 1967から南望①
   
1967から南望② ポンチロロ源頭
   
復路の幌尻岳  復路の戸蔦別岳
   
北戸蔦ヌカビラ GPSトラック
コースタイム
 ヌカビラ岳 3:35
北戸蔦別岳 4:05
Co1856 5:05
1967峰 6:40
7:05
北戸蔦別岳 9:30
ヌカビラ岳 10:00
所要時間  6:25
 ヌカビラ岳 10:50
二ノ沢尾根取付 12:35
取水ダム 14:40
 二岐沢出合 15:50
所要時間 5:00