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453.夕張1415峰(夕張山地/1415.2M)
夕張の「超」個性派マッターホルン登頂で前季からの宿願を果たす
【1日目 林道車止(Co380)→滝の沢川右岸BC(Co500)】
1415峰は夕張山地の中ほどに位置しており、主稜線の西に並ぶ、所謂「後芦別山群」の一座である。その尖峰ぶりから、夕張マッターホルンとの通称名を得ている。この山域においては、中岳とシューパロ岳、そして、1415峰が当面の課題だったが、前季に前2座を登頂し、1415峰が今季の宿題となっていた。4月上旬が適時と考えていたが、いつになく多用でGW前半までずれ込んでしまった。「少し遅いかもしれない」という不安を抱きつつ、金山の市街地を抜ける。最終民家を過ぎるも雪は全くなく、ゲートも解放されている。羽沢橋手前のCo361分岐を右に入る。落石や路肩崩落等で流石に荒れてくるが、分岐から1.4キロほども入ることができた。たっぷり、5時間は歩くことを覚悟していただけに、これは何ともラッキーだ。ただ、ルートとなる沢筋もそれだけ雪解けが進んでいるということでもあり、登山は困難性を増す。複雑な心境で車止をスタートする。林道は所々路面が出ている程度で、ほとんどは雪の上を歩く。古びたスキートレースに混じって羆の足跡もある。かなり大きい。念のためワカンを持ってきたが出番はない。白波をたてるポントナシベツの流れを右に見ながら淡々と歩くこと70分。テント泊予定地の結梗川出合に着く。結梗川は当然ながら完全に開け、ルートとなる左岸にも雪はない。南に面しているので、しばらくは藪漕ぎを強いられるだろう。右岸斜面は切り立っているし‥。加えて、爪痕クッキリの羆の足跡もあり、ここでテント泊するほど豪胆ではない。迷った挙句、サブプランの滝の沢川ルートに変更する。出合の橋を渡り林道を北進するも、それは次第に荒れだし、突然、流出したりするから厄介だ。右往左往しながら迂回ルートを探る。滝の沢川出合が近づくと、林道は緩やかに右岸沿いに伸びてゆく。この辺りは北向なので一面雪に覆われている。Co500付近まで入りBCを設営する。この時、固定前のテントが風にフワリと舞い上がり、小尾根の背まで飛ばされてしまう。沢と反対方向だったので事なきを得たが、ゾッとする出来事ではあった。小1時間で作業を終えランチタイム。眼下には函状の滝の沢川が轟轟と音を立てている。春の優しい陽射しが全身を包む。午後は時間があるのでルート偵察を行う。結果は、Co550付近まではしっかり雪の付いた右岸斜面を辿り、そこで渡渉し左岸に移る。右岸は立っているが、左岸はなだらかな川原林があり雪も付いている。左岸には枝沢の渡渉も出てくるが、地形図からは問題なさそうに判断できる。漠然とだが、「何とかなるだろう」との感触を得てテントに戻る。

【2日目 BC→Co730左股→主稜線→1415峰→BC→林道車止】
2日目、アタック日も天気は良さそうだ。帰りの林道歩きが短いので時間的余裕はあるが、のんびりと構えていられない性格。午前4時にテントを出発する。出てすぐの急斜面のトラバースや微妙なへつりが嫌なので、小尾根を50メートルほど上がり、そこから右岸斜面を一気にトラバースする。前日確認の渡渉ポイントで沢床に降り、特大のゴミ袋を履く。川幅は3メートルほど。強い水勢に耐え左岸に移る。なだらかな川原林を上がり、Co580で右からの枝沢を越える。靴底を濡らす程度だった。直後に背後から強烈な朝日が差し込む。右岸の尾根がモルゲンロートに染まる。Co640付近の枝沢も難なく処理。この辺りからスノーブリッジも散見されるようになり、沢床と付かず離れずの距離を維持しながらの登行となる。Co740二股を左に入ると、流れは次第に雪に隠れるようになる。右奥には鉢盛山が平坦な頂上部を覗かせる(Co780)。さらに上がると、左奥には青い1117が望める(Co910)。ゴツゴツ感たっぷりの山容が目を引く。沢筋は地形図イメージよりも蛇行を繰り返す。周囲は、くすんではいるが完全に雪景色となり、カンバの白と青い空のコントラストが綺麗だ。ダラダラとした登りが果てしなく続いたという感覚だが、実際はCo740二股から90分ほどで主稜線直下まで迫っていた。右奥にはポントナシベツ岳と鉢盛山が西面を露わにし、滝の沢川右岸尾根の1146も台形的山容を見せる。夕張山地でよく見られる容である。主稜線に到達すると傾斜は無くなる。平原状の地形が広がり、樹間西に目指す1415峰がチラチラと見えてくる。地形図によると、左手に池が散在するらしいが、勿論、雪の下である。大きく時計回りに進んでいくと視界がドーンと開ける。左奥には真っ白な夕張岳が盟主の威厳を発揮する。手前のピークは1327峰だろうか。右には新たにシューパロ岳が視界に加わる。南稜の黒々とした岩峰が強烈だ。そして、目の前に1415峰だ。山というものはジワジワと高くなってゆくのが常だが、この山に限ってはそうではない。中岳もそうだが、平坦地形にいきなり山が現れた感じで、その高みまで首が痛くなるような傾斜が続く。ある種、異様な気配を漂わせている。気合負けではないが、山に圧倒されている感が強い。だが、ここまで来たからには登頂しなければならない。すでに雪はかなりの部分が溶け、まだら模様となっている。基部でアタック装備を整えながら、登行ルートを考える。最も安全と思われる南東面の藪を繋ぐことにする。ピッケルは持つが、アイゼンはむしろ事故の元なので置いてゆく。取付の雪面からカンバと笹、ハイマツのミックス藪に突入する。急傾斜で落ちたらただでは済まないが、支えになるものがあるという安心感は絶大である。中間部で藪が途切れるが、幸い傾斜も緩み一息つく。ラストはハイマツの枝をかき分け、標高差170メートルを50分かけて慎重に登り切る。ピークはやや北側にあり、二等三角点(天狗岩)が露出している。BCから4時間30分は予定より30分も早い。独立峰だけに眺望はすこぶる良い。南側は夕張岳を中心に、徐々に高度を下げる斜面に前岳や滝ノ沢岳がへばり付いている。興味を惹かれたのは前岳で、1415峰に劣らぬ尖峰に映る。主稜線東側は西側に比べると寂しく、吉凶岳が孤軍奮闘している。いずれにせよ、容の良い小ピークがそこかしこに見られるのも特徴だろう。一方、北側と言えば、前述したポントナシベツと鉢盛山、シューパロ岳が視界のほとんどを占める。中岳は1367(シューパロ東尾根)の左に顔を覗かせる程度で、最高峰の芦別岳ですらポントナシベツの左奥に小さく見えるだけである。鉢盛山から見た1415峰は大きく、近く感じたが、1415峰から見るとそれは意外にも小さく、遠い。印象とはかくもアバウトなものなのだ。迫力という点では、北隣の1188だろう。シューパロ岳から見ると、1415峰をダウンサイズしたような山容で気になっていた山だ。1415峰から見ると、南側の黒いナイフリッジはあくまで険しく、コルを挟んだ北ピーク(Co1188)もミニマッターホルンといった趣さだ。鋭鋒のピークとは思えないほどの穏やかな時間が流れる。視界の全てを我物にした自分が少しだけ誇らしい。眺望を堪能し10分ほどで頂上を後にする。基部まで20分ほどで下降する。藪のおかげで恐怖心は起きなかったが、全て雪面となると話は全く違う。ビビりながらのアイゼン・ピッケルワークとなるに違いない。時間の経過はわずかだが、往路のトレースは早くも消えかけている。沢形に入るまでがポイントで、コースサインと記憶を頼りに下ってゆく。悲願成就の後だけに足取りは一段と軽い。聞こえるのは、沢音と鈴の音だけ。渡渉ポイントで右岸に渡ってしまえばテントはもうすぐだ。11時15分、小尾根を下りBCに戻る。アタック装備とはいえ、往復7時間15分の山行で疲労感はある。これから、テント担いで2時間も歩けるのかと不安にもなる。だが、餅入りラーメンを食べるとそんな不安は一掃される。BCを撤収し12時35分帰路に就く。噴き出す汗を拭いつつひたすら車止を目指す。心なしか雪融けも進んだようで、土の上を歩くことの有難さを痛感する。ポントナシベツ川本流に架かる橋を渡り、カーブを回り込むとブルーの愛車が待っている。思わず「やったぞ!」と声を発していた。好天続きのGW前半だが誰と会うこともなく、静かな山旅を満喫することができた。満足すべき山行だが、夕張は芦別岳や夕張岳を除き、依然としてマイナーな山域であることも実感させられた。個性豊かな山々を多くの登山者に知って欲しいが、登山者で溢れる夕張山地もあまり見たくはない。矛盾する気持ちを整理・解消するのは難しそうだ。
今回の山行は、滝の沢川が雪で埋まる辺りまでのルート取りが重要と考えていた。前日の偵察行の効果は大きく、無駄なくスムーズに移動することができた。ぶっつけ本番なら多少なりとも難儀しただろう。夕張の個性派三座登頂を果たし、暫くは、達成感を心行くまで味わいたい。
■山行年月
2018.04.28~29
■天気
4月28日 晴
4月29日 晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
滝の沢川
ポントナシベツ 結梗川出合付近
BC(Co500) 渡渉点
Co580二股 樹間から朝日
   
 染まる右岸 染まる尾根
   
 平坦な鉢盛山  右岸に1117
   
  雪の輪  ポントナと鉢盛
   
台形状の1146  右にシューパロ
   
平原状の主稜線  白い夕張岳
   
帰迫力の1188 1415峰 
   
 左の急斜面   藪斜面
   
二等三角点  足元の主稜線  
   
 南望    北望①
   
  北望②  吉凶岳
   
ルート全景 GPSトラック
コースタイム
 林道車止 10:30
滝の沢川右岸BC 12:30
所要時間 2:00
コースタイム
 BC 4:00
Co740二股 5:25
主稜線 7:15
1415峰 8:30
所要時間 4:30
1415峰 8:40
Co740二股 10:05
BC 11:15
12:35
林道車止 14:35
所要時間 5:55
(80)