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450.前天狗岳(東大雪/1888M)
幌加温泉から前天狗までの偵察山行も2時間早く起きていたなら‥
悪雪のミックス ニペソツ山は今季残雪期に幌加温泉ルートから山泊で挑戦するつもりだが、ポイントは前天狗までのルートをどう攻略するかである。1月にルートとなるシャクナゲ尾根1662峰手前のビューポイントポイントまで上がり、ある程度の目途は立ったものの不安は残る。そこで今回、ビューポイント(Co1540P)から前天狗間にウエイトを置きつつ、予定ルートを歩いてみることにする。あわよくば、ピークをゲットすべく、3時スタート予定だったが、寝過ごしてしまいその目論見は露と消える。4時30分、ヘッドランプが照らし出す明瞭なスキートレースに導かれるように、林道を歩き出す。羆避けの鈴が闇夜に響く。トレースの行先をアレコレ想像するが、それは30分ほどでパタリと途絶えてしまう。幸いにも、雪面は固くラッセルは全くない。1時間ほどでユウンナイ川を渡渉し登行尾根に取付く。ここまで順調なはずが、左足踵付近の靴擦れが再発する。念入りにテーピングをしてきただけにショックだが、山行をキャンセルするほどの痛みでもないので、しばらく様子を見ることにする。ルート的には知見があるので全く心配はないが、若干の調整は必要だ。その記憶をなぞるように高度を上げてゆくが、雪の状態は最悪だった。3月に入ってからの大雪と引き続く降雨、そして、冷え込み。モナカ、アイス、重雪のミックス状態でスキー操作に気を使う。登りはまだしも、下降は相当難儀するに違いない。気温が上がって雪が少しでも腐ってくれることを祈るばかりだ。Co1111PからCo1254P間のルートは、今回はやや沢筋にトレースを刻む。復路の登り返しを解消することを意識し、シンプルなラインとした。Co1254Pの北で急斜面にジグを切ると傾斜は一気に緩む。ここからはCo1490を目指してひたすら西進する。見通しのきかない樹林帯が延々と続く。似たような景色ばかりなので方向感覚がマヒしてしまう。頻繁にコンパスを出して方向を確認、時折、コースサインを付けてゆく。
想定外のテント Co1450辺りまで上がると尾根形状が次第にはっきりしてくる。左側の落ち込みが把握でき、樹間にウペペサンケ山が見え隠れするようになる。植生も疎らとなり、もうすぐ森林限界というところで突然カラフルなテントが現れ驚く。登山者も数名いて、撤収準備をしているようだ。挨拶をしそこを過ぎるが、全くの想定外だった。途中でトレースに出会うこともなかったので、どういうルートでここに至り、これから何処へ向かうのか。少しばかり気になるパーティだった。もっとも、縦走中ということもあり得るので、何の不思議もないのだが‥。振り返ると、ピリベツと西クマネシリが雲に浮かんでいる。ほどなく、Co1540のビューポイントに到着。ここまで5時間弱は前回よりも1時間ほど早い。これもノンラッセルの賜物だろう。暫し足を止め大景観を味わう。幌加川源頭域を取り囲むように、ウペペサンケ、東丸山、丸山、ニペソツ、天狗といった山々が連なっている。昨秋の新雪期では山肌を露わにしている部分も多くあったが、今回は完全に雪に覆われ、季節の移ろいを感じる。疎らなカンバ林を抜け1662峰の登りにかかる。今回はここからが本番、自ずと気合が入る。雪面はクラストし、スキーとツボ足のトレースが混在している。前述のパーティのものだろう。シール登行が徐々に厳しくなってくる。Co1600付近でスキーをデポする。シートラも考えたが、この先、スキーのアドバンテージを発揮するシーンは少ないとの読みだった。キックステップを切りながら1662峰まで上がる。前天狗岳東面が全容を現し、小天狗からのラインがつながる。石狩連峰もここで登場する。斜面という斜面には、例外なく筋状の紋様が入っている。例えは古めかしいが、大きな洗濯板を思わせる。雪面を雨が流れた跡なのだろうか。すでに、クマネシリ山塊方面のガスも取れ、スッキリと遠望できる。
ただ魅入るだけ 1662峰から前天狗とのコルまでは、予想に反して雪が柔らかく、踏み抜くこと度々だった。ツボのトレースを拝借できたので膝程度で済んだが、何もなければ苦労したに違いない。スキーデポを少し悔やむ。コルにザックをデポ、必要最低限の装備でリスタートを切る。勿論、アイゼン&ピッケルスタイルだ。周囲より僅かに高いだけの小尾根なので、ほとんど急斜面を登っている感覚だ。頭をもたげるハイマツを頼りに急登に耐える。頂稜東側には雪庇ができやすいはずだが、ほとんど見られない。直下の大岩を右側から回り込んで越えると待望の頂稜に出る(Co1840)。オプタテシケからトムラウシ、表大雪までが新たに視界に入ってくる。辿りし方向は、1662峰を挟んで左奥に平坦な軍艦山、右奥に白い糠平湖が望める。中々、バランスの良い絵だ。アイゼンを軋ませながら頂稜を上がってゆくと、先ず、二重稜線西端の岩峰(Co1888)が見え、次いで天狗平とニペソツ山が姿を現す。いつ見ても、何度見ても、この現れ方はインパクトがある。エビの尻尾を付け鈍く輝く岩を足元に見ながら、左側から回り込み前天狗に辿りつく。出発して7時間、凍り付き傾いたたコース標識が静かに迎えてくれる。ニペソツをじっくりと眺める。素晴らしさを形容する言葉は沢山あるが、言葉に出してしまうと陳腐なものになってしまう。ただただ、魅入るのみである。雪の状態も安定していそうで、3時間もあればピストン出来るはずである。寝坊などしている場合ではないのだ。10分ほどの滞在で下山の途に就く。いくら好天とはいえ、1900メートル近い稜線上で長居はできない。大槍に別れを告げ往路を引き返す。頂稜から小尾根を慎重に下りザックを回収、50分で1662峰まで戻る。ようやく、少しだけ安全圏まで降りたという意識になる。
冬季最短ルート スキーデポ地からはいよいよスキー下降で、後半の核心でもある。固雪なのでスキーは怖いくらい滑ってくれる。それをどう制御するかがポイントだ。テン場を過ぎ樹林帯に入る。カリカリ、ザクザク、ガタガタ、ボコボコ‥。雪質は擬態語が次から次へと出てきそうなミックス状態で、ほとんど腐ってはいない。滑りを楽しむシーンは皆無で、とにかく、斜滑降、山回りターン、ボーゲンの組み合わせで必死にスキーを操作する。転倒は厳禁である。前述のパーティのものと思われるトレースを見るが、途中で見失ってしまう。どこに下降ルートをとったのだろうか。悪戦苦闘の下降となったが、尾根幅がそれなりにあったことと、急斜面が少なかったことで救われた。前回(1月18日)Co1540Pから尾根取付まで70分で降りたが、今回は90分ほどを要している。林道まで降り切った時には心から安堵し、疲れがどっと出てしまった。だが、悪いことばかりではない。林道の雪は適度に腐り、登り返しもノンシールで楽々クリアー。適度な滑りも得てスキーの威力を痛感することとなった。
往復で10時間を超える山行は久しぶりだ。靴擦れも悪化することなく、最後まで持ちこたえてくれたのはテーピング効果プラス「アドレナリン効果」だと思う。あの大眺望を目にすると、誰だって「頑張ろう」という気持ちになるはずだ。この幌加温泉ルート、冬期間に限っては、間違いなくニペソツ山最短ルートだろう。杉沢ルートより林道部分が短く(ほぼ4分の1)、雪が締まり、陽が長いこれからはニペソツ日帰りアタックも可能だ。私自身、十六の沢林道から入り、杉沢出合1泊で前天狗まで上がった経験があるが、決して、余裕ではなかった。ただ、幌加温泉コースは途中にビューポイントもあり、慌ただしい登山では勿体ない。最低でも1泊して眺望やテント泊そのものを楽しんでほしい。
下降ルート考察 前述のパーティに関してだが、途中までは私と同じ東尾根を降りているが、その先で彼らの足跡を見ることはなかった。三条沼経由の夏道沿いに降りてきたなら、ユウンナイ川渡渉ポイントで合流するはずだが、それもない。考えられるルートは、①東尾根から三の沢川沿いの林道に降り、除雪が入っている幌加ダム付近の林道に出る(下降ルート青線)、②東尾根から十六の沢林道に降りて三股の国道に出る(同紫線)、くらいしかないのではないか。これらのルートもピストンルートとしては考えにくく、周回縦走の下降ルートと考えるのが自然だ。例えば、前者なら、大平山からニペソツに上がり、下りはシャクナゲ尾根を戻るというパターンで、起点は幌加ダム付近の林道除雪終点となる。後者なら、杉沢ルートからニペに上がり、シャクナゲ尾根を下って十六の沢林道に戻るというパターンで起点は国道(林道入口)だ。しかし、これらとて、地形的に複雑であったり、林道が痛んでいたりで賢明な選択とは言えない。いったいどこへ降りたのか‥。その答えかどうかは不明だが、林道を戻っていると左側の造材道からスキートレースが合流してきた。朝はなかったので、それ以降、この日のものであることは間違いない。軍艦山からのトレースと考えるのが自然だが、前述のパーティの可能性もある。私のルートよりは遠回りになるが、東尾根をCo1112の北東方向へ向かい、軍艦山とのコル付近から軍艦山の南斜面を回り込むように下降し林道に出るというものだ(同緑線)。私など思いもしなかったが、絶対ないとは言い切れない。ま、冬山のルート取りは自由なのだから、多様なラインがあっていいのだが‥。余計なお世話と言われそうだが、色々と妄想を膨らませた山行だった。
■山行年月
2018.03.11
■天気
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山(山スキー)
■コース:往路/帰路
幌加温泉
VPからニペ 丸山と東丸山
ウペペサンケ① VPから天狗岳
1662峰 クマネシリ山塊
1662峰直下 ニペと天狗
 
前天狗への尾根 1662峰と糠平湖
   
筋状の斜面 稜線直下の巨岩
   
 前天狗頂稜 石狩連峰①
   
小天狗への稜線  表大雪方面 
   
 トムラウシ山 1662峰 
   
前天狗直下北面  ニペと1888P
   
 ニペソツ山①  1888P
   
 辿りし頂稜 天狗平とニペ
   
ニペソツ山②  石狩連峰②
   
ウペペサンケ②  十勝連峰方面
   
 ニペソツ山③  1662からニペ
   
GPSトラック 下降R考察
コースタイム
 Co670林道入口 4:30
 Co1254西コル 7:20
1662峰 9:55
前天狗岳  11:30
所要時間 7:00
前天狗岳 11:40
1662峰 12:30
Co1254西コル 13:25
 Co670林道入口 15:05
所要時間 3:25