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436.トヨニ岳東尾根1188P(南日高/1188M)
今季初沢、楽勝と思いきや厳しい高巻き2発であえなく時間切れ
社会の歪み見る GWシューパロ岳山行から2か月。長い充電期間を経てようやく沢登りシーズンインである。山仲間のあさやんさんからのお誘いを受け南日高に向かう。今回は楽古山荘をベースに、土日で2本の沢を遡行するプランである。初日は、トヨニ岳東尾根1188ピークに突き上げる豊似川左股沢南面直登沢(ポン三の沢川Co530右沢)である。野塚トンネル十勝側駐車帯であさやんさんと合流する。彼とは昨年暮れのオダッシュ山以来だが、聞けば、仕事に忙殺され、あまり山に入れていないという。現役世代を離れてもなお社会に必要とされるのは羨ましいが、趣味にさく時間や余裕もないのは悲しすぎる。日本社会の歪みを見る思いと言ったら大袈裟か‥。装備を整え、トンネル横を流れる野塚岳北面沢を豊似川左股沢Co495二股に向かって下降を開始する。沢独特の匂いに心地よさと懐かしさを覚える。荒れた沢筋を下ること20分で豊似川左股沢に出会う。ここから目指す南面直登沢出合までは平坦な沢筋が続き、高度も100メートル強ほどしか上がらない。沢中を行ったり、巻いたりしながら適当に進む。Co530はトヨニ岳南峰に向かう左沢を離れ右沢に入る。左からの枝沢2本の流入を見ると、ほどなくCo600二股で、右が南面直登沢である。ちなみに、左はトヨニ岳東峰東面直登沢で、8年前の屈辱的撤退を思いだす。
計算外の高巻き 気持ちを切り替え、南面沢に分け入る。私は6年前の6月末に山仲間のもっちゃんと遡行しているが、その時は、核心部が雪渓に覆われていたので、今回はその全容を確かめるという目的もある。沢筋はすぐに狭まりCo650付近でゴルジュの奥のF1(5M)を見る。光が遮られヒンヤリとしたゴルジュに三筋の流が落ちている。直登にトライする状況にはなく、右岸を高巻き滝上に出る。直後の釜付き小滝は左岸を笹を頼りに突破する。沢は次第にV字谷となり、流木が散乱するようになる。名残の雪渓が出てくると、Co700過ぎで大物が登場する。二筋の流れが下で一つになるV字滝なので、上は二股になっているようだ。左の方が高く、優に15メートルはありそうだ。傾斜はきつく、私のレベルでは直登は不可能である。高巻くしかないが、右岸は低いが植生が乏しく、左岸は高いが植生はある。安全性という面では左岸高巻きに利ありと判断し、少し戻り急斜面を上がる。途中から笹斜面となり手強い巻きとなる。あさやんさんが遅れがちとなり、声を掛け合うシーンが多くなる。高さにして50〜60メートル上がると、ようやく傾斜が緩み安全圏に到達する。150メートルほど平行移動し、傾斜のやや緩んだ斜面を降りる。無事に手前の枝沢に降り、そこから中間尾根を乗越し南面沢に戻る。巻きにほぼ1時間を要したのは計算外だった。
モノ言う経験値 前途の読み通り、滝上は二股で左は枝沢となっていた。右沢は2段となっており、20メートルはありそうだ。このF2、前回はほとんど雪に覆われ、それを利用して苦も無く直登していた場所である。小休止の後、遡行を再開すると5分でF3(7M)となる。黒光りする幅広岩床の中央を水が流れ落ちている。左岸のルンゼ形を上がり、適当なところから滝上にトラバースする。Co810で沢はやや左に折れるが、そこにF4(8M)が待ち受けていた。一見すると7〜8メートルだが、上にも何かありそうだ。直登もできそうだが、取付いてみると難しい。左岸のルンゼも詰めてはみるものの微妙なラバースが残る。アレコレ試してみるも、結局、右岸高巻きで沢身に戻る。傾斜はあるが植生が豊富なのでヤバそうな感じはなかったが、ここでも時間を要した。下での予感が当たり、上にも5メートルほどの滝(F5)がかかり、トータルでは13メートルほどの滝だった。F2に続く高巻にあさやんさんはかなりバテ気味だ。巻きは何といっても経験がモノを言う。私は体力はないが、経験値は高いので、ルート取りには少しだけ自信がある。言い方を変えれば、直登するだけのテクがないとも‥。経験の浅いあさやんさんにとっては難行苦行だったに違いない。
核心部突破も‥ 沢が直線的になると、沢を覆う雪渓の登場となる。雪渓の上を行きたいのだが、両岸は立っているので無理だ。いつ崩れるかわからない雪渓の中を行くのは危険だが、見た目、天井はそれなりの厚さがありそうなので、一目散に駆け抜ける。長さは10メートルほどだが、随分長く感じたものだ。雪渓を抜けると、沢筋の傾斜は一気に増してくる。やや滑ってるので慎重に上がってゆく。今回は「イドログリップ」というイボタイプなので、巻きはいいが、ぬめりなどには極端に弱い。傾斜が落ち着くと、連続する小滝がキラキラと輝くのが視界に入ってくる。水流も細くなり、沢筋もどことなく穏やかな雰囲気に変わる。ピークまで高度にして200メートルほど。普通に上がれば1時間弱でピークだが、既に12時を回っており、スタートから5時間30分を要している。このままのペースでは下山は18時を過ぎる可能性がある。如何に陽が長いとはいえ、今季初沢でそんな無理はしたくない。核心部は突破出来たこともあり、ここから下山することを決める。あさやんさんにもピークゲットへの拘りもないようでホッとする。
幸運な雪渓通過 下降を始めてすぐに雪渓だが、何と崩れ落ちているではないか。僅か1時間少々の間の出来事に唖然とする。沢中も平地と変わらぬ猛暑だけに加速度的に崩壊が進んだのだろう。すぐにも崩壊するように見えなかっただけに、我が身の幸運に感謝せずにはいられない。正面に端正な野塚岳を遠望しながら、F4とF3は懸垂で降りる。速さで考えると高巻だが、ここは当然ながら安全性追求と訓練も兼ねている。F2は適当な支点が確保できないのと、あさやんさんの30メートルロープでは長さ的にやや厳しいので、左岸を巻き、途中から懸垂で安全圏まで降り立つ。ラストのF1をシャワー気味の懸垂で処理すると、あとは淡々と川原を歩く。Co495で野塚岳北面沢に入り、トンネル駐車帯に戻ったのが16時50分。10時間20分に及ぶ今季初沢行を終える。「15時くらいには楽古山荘に入ってビールを冷やして‥」、そんな目論見は脆くも崩れ去ってしまった(笑)。アプローチもよく、沢も短く、南に面しているので雪渓処理のリスクも小さい、といった理由で選んだ沢だが、久々のあさやんさんには体力的に厳しすぎたようだ。心の中で詫びながら楽古山荘に向かう。
■山行年月
2017.07.08
■天気
■同行者
あさやんさん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
豊似川左股沢南面直登沢
ゴルジュとF1 F1
   
 釜付小滝 V字谷を上がる
   
 F2滝下 F2落ち口
   
幅広いF3 F4
   
F4落ち口  雪渓潜り抜け 
   
 傾斜ます沢床   撤退点付近
   
 稜線と野塚岳  高巻き途中  
   
 F1の懸垂下降  GPSトラック
コースタイム
野塚トンネルP 6:30
 南面沢出合 7:35
F2(落ち口) 10:20
撤退点(Co980) 12:05
所要時間 5:35
撤退点(Co980) 12:15
F2(直下) 14:50
南面沢出合 15:30
野塚トンネルP  16:50
所要時間 4:35