411.雄阿寒岳(阿寒山域/1370.4M)
初ルートのワクワク感はあるものの変化に乏しく眺望もイマイチ
ひざ痛の思い出 雄阿寒岳は登山を始めた年(1998年)に登って以来だから、実に17年ぶりの再訪となる。もっとも、その時は夏道・滝口コースからの登頂で、腸脛靭帯炎を発症し、足を引きずりながらの、辛い下山となったことを思い出す。今回は南尾根ルートなので初ルートということになる。知床遠征時などにはいつも阿寒横断道経由となるので、以前から登ってみたいルートだった。今年2月に悪天キャンセルの経緯もある。登山口は釧路方面に向かう国道分岐から2.5キロほど弟子屈寄の地点で、道道「阿寒公園鶴居線」が国道から分岐している。今は冬季閉鎖期間だが、ゲート前には車2〜3台分の除雪スペースがあり、そこに止める。緩やかに張り出す南尾根だが、見た目、中腹までは鬱蒼とした樹林に覆われ、上部はキツい傾斜が頂上台地まで続く。雪はそれなりに固いはずで、ここはスノーシューをチョイスする。先ずは、国道を渡って薄暗い針葉樹の森に入る。最初のうちこそ、傾斜もゆるくサクサク上がれるが、20分も歩くと、壁のような斜面が現れる。
不明瞭な尾根筋 それは標高差130メートル、Co650辺りまで続く。スノーシューの場合、斜行は苦しいので、極力アイゼンのグリップをきかせて直登する。およそ20分で突破すると、傾斜が緩み一息つく。しばらくは緩斜面が続くが、地形図イメージよりも尾根形状は不明瞭で、悪天の下りは厄介そうだ。ただ、この辺りはスキーが唯一アドバンテージを発揮する場面でもある。前方樹間に時折、雄阿寒岳が望めるものの、依然として視界は乏しい。だが、首が痛くなるほどの高さと、黒々とした頂上台地南面は確認できる。吸い込まれそうな青い空、カンバの白さが際立つ。Co873Pから北西方向にルートを転じ、20分ほど上がると、今度は真北にコンパスを切る。僅かに尾根形状は残してはいるが、それも次第に斜面に吸収されてゆく。植生もゴチャついた針葉樹林帯から広葉樹主体のそれに変わり、Co1100Pを過ぎると完全にダケカンバの林となる。ようやく、西方向に雌阿寒岳や阿寒富士が望めるようになり、麓のスキー場や阿寒湖も視野に入ってくる。
詰はルンゼ登行 阿寒湖は湖畔付近で僅かに湖面が出ている程度で、ほとんど氷に覆われている。眺望を楽しみたいところだが、斜度は優に30度を超えており、スリップ・滑落しないように心掛ける。スノーシューのアイゼンを強く雪面に押し付け、確実にグリップを得る。Co1250付近でカンバ林を抜け出すと、いよいよ傾斜はきつくなりスノーシュー登行は限界となる。アイゼン・ピッケルスタイルに変身し、雪の詰まった極浅いルンゼを詰めてゆく。振り返ると、辿りし尾根筋があらわになり、植生の高度分布が明瞭になる。ラストは安全を期して右のハイマツ帯に逃げ頂上台地南端に上がる。右奥に頂上丘が見えるが、雪が途切れていてピークダイレクトとはいかない。そのまま北進し夏道八合目に出る。まるで門のような構造物を見るが、これは気象観測所の跡で、職員が常駐していたというのだから驚きだ。頂上台地のほぼ中央に位置しており、その全体を見渡すことができる。白一色というわけにはいかず、所々ハイマツや山肌が出ており斑模様を呈している。
頂上台地に起伏 
お椀をひっくり返したようなピークが3個あり、東端が三角点のある本峰である。夏道に沿って起伏を越えてゆく。アイゼンのまま直下のガレを上がり、ハイマツの枝渡りを終えると待望の頂上で、完全に露出した三角点(二等/雄阿寒岳)と山頂標識が迎えてくれる。北のパンケトー、東のペンケトーも眼下のものとなる。どちらも全面結氷しているが、色は一様ではなく急速に溶けているのが分かる。山間を縫うように阿寒横断道路が走り、その奥には藻琴山から摩周岳や西別岳、標津山塊の山々が遠望できるが、アバウトな山座固定が精一杯である。そして、反対側には白い山肌の雌阿寒と阿寒富士、真っ黒なフップシと、眺望はまずまずである。但し、少し靄った感じは否めずスッキリとはいかない。晴れてはいるが、意外と風が強く、長居は無用とばかりに頂上を後にする。八合目で荷を回収し、アイゼンのまま一気に高度を下げ、Co1050付近でショートランチとする。頻繁に踏み抜いていたこともあり、ついでにスノーシューに履き替える。
かつては夏道が 下降を再開するが、往路のトレースも消え、GPSやコンパスのお世話になるシーンが多くなる。地図読みは相変わらず下手くそで自己嫌悪に陥りそうだ(笑)。それだけに、樹間の先に眩しく輝くアスファルト道路を目にした時はホッとしたものである。これで、私自身今季8本目の新ルート踏破となった。特有のワクワク感やドキドキ感は、ここでも感じることができたが、再々訪の有無を問われるとそれはないと言い切れる。それはおそらく、このルートが、変化もなく眺望に乏しいからであろう。ちなみに、この尾根にはかつて夏道のオクルシュベコースが開削されていた。今は廃道となっているが、その理由がなんとなく分かるような気がする。つまり、苦しくつまらないコースだからであろう。
GWの到来とともに残雪期登山も本番を迎える。今季最大の目標であったニペソツ南稜を終え、少々燃え尽き気味だが、テンションアップで山へ向かいたい。行先は北大雪か北日高か‥。
夏道のオクルシュベコースだが、私の山仲間sakagさんが2004年6月に単独で登っている。10年以上前の記録で、現在はさらに荒廃が進んでいると思われるが、情報量の少ないコースだけに貴重な山行記である。
http://sakag.web.fc2.com/oakan2.htm
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針葉樹の急斜面 上部のカンバ帯
雌阿寒岳方向 詰のルンゼ
頂上台地南端 夏道八合目
八号目から頂上 小火口と頂上
山頂標識 西隣のピーク
雌阿寒岳遠望   藻琴山方向
   
 摩周・西別方向 蛇行する横断道 
   
顕著な植生分布 GPSトラック
■山行年月
2015.04.22
■天気
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
南尾根
コースタイム
横断道路447P 8:00
尾根Co873P 9:30
頂上台地八合目 11:10
頂上  11:30
所要時間 3:30
頂上 11:35
 尾根Co873P 12:55
横断道路447P 13:45
所要時間 2:10