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394.楽古岳(南日高/1472M)
基本ガレ沢も核心部は手強い滝が登場し北面直登沢よりは技術的に上だ
真相究明の沢行 久々の好天週末で真夏日とくれば沢へ行かない手はない。仕事疲れプラスぎっくり腰で調子はイマイチだが、山が直してくれるはず。今回遡行する沢はメナシュンベツ川から楽古岳で、快適沢コイボクシュメナシュンベツ川北面直登沢に比べると全くマイナーな沢である。当然のように情報量も少ない。アプローチも良く、下りは夏道を使うことが出来るにもかかわらずである。遡行対象とならないようなブタ沢なのか‥。その真相を探るべく沢行でもある。小楽古(2012年)以来の楽古山荘で、何となく懐かしさを感じる。一人いた本州からの先客は、尾根取付までのコース状況と羆のことを聞き、そそくさと出発していった。何より、道外から単独で北海道の山を訪れるそのエネルギーには脱帽する。彼に遅れること15分、なんとか6時前にスタートする。メナシュンベツ川沿いの夏道は相変わらずだが、コース標識だけは新しくなっている。
一転してV字谷 40分で尾根取付に到着、夏道を離れメナシュンベツ川に入渓する。と言っても、はじめのうちはブッシュの少ない川原林を上る。直ぐにCo590二股で、右股は小楽古へ向かう沢である。左股に入っても沢音のわりには流れは細い。水辺のエゾアジサイが何とも美しい。Co654二股も左をとるが、目の前にはガレの山が現れ、Co770P辺りで伏流となる。沢は地形図イメージより直線的で、解放感もある。茶色のガレで埋まってさえいなければ気持よく遡行出来るだろう。10分ほどで水流は復活する。沢は小さく蛇行し両岸とも切立ってくる。開けた沢は一転してV字谷へと渓相は変化する。Co865Pで小滝を越えると、奥に堂々たる滝が見えてくる。手前の滑滝を越えて滝下に近づく。高さ20メートルを優に超える大物で、見た目にはほぼ直瀑、幅もあり城門のような威圧感を発している。水がベールのように落ちているのが印象的だ。ここは厳密には二股で、ルートの左股には前述した大滝である。左岸草付から高巻くが、最初の10メートルほどは緊張した。
小滝に歯立たず 地形図でも明らかなように、この辺りから沢は何やら不穏な雰囲気が漂う。Co930Pで3メートルと5メートルが登場し、その奥に左岸から高さのある滝が流れ落ちる。手前の3メートルを越え、5メートルに取付く。左岸から直登可能と見たが、いざ取付いてみるとホールドがない。右岸も同様で、止む無く、左岸から高巻くことにするが、傾斜と高さのある草付は如何にもいやらしく、一歩が出ない。一旦、滝下まで戻り、左岸から流入する浅いルンゼを安全圏まで上がり、トラバースすることにする。だが、安全圏といえども、見た目以上にキビシイ。沢では往々にしてあることで、滑落リスクを考えると中途半端なルート選択だけはしたくない。ということで、大高巻きすることに。前述した滝上奥の左岸滝が本流ルート(Co960右沢)となるので、そこまでダイレクトに高巻くというものである。高さ60メートルほど上がり、灌木帯を100メートル近く平行移動する感じである。猛烈なブッシュだったらどうしょうと思ったがそれほどでもなく安堵する。
突然消える沢形 但し、沢床には容易に降りられず、立木に支点をとり懸垂で沢床に降りる。ほぼ20メートルの空中懸垂だった。結局、この高巻きに40分ほどかかってしまう。高巻きの途中からCo960左沢が遠望できたが、大きな滝がかかっていた。5メートルの滝さえクリアできれば、960右沢の滝も左沢の滝も全体像を把握することが出来たのに…。今沢行唯一の悔いである。Co1020P付近で落ち口に岩が鎮座する傾斜の緩い滝を直登すると、ゴツゴツした感じの滝が続く。こちらは水が滴り落ちる程度の水量しかない。15メートルほどだが、ホールドもたっぷりで難なく直登する。落ち口まで上がると、沢形は突然浅くなり、優しさを取り戻すが、再び大きな岩が僅かな流れを覆ってしまう。Co1140P付近は地形図「崕」マークに囲まれた部分だが、アバウトに表現すると三股がやや崩れた印象である。ここは水流がある右寄り中股に進む。ペロリとした滑床を上がると、水流は遂に消失し、極々浅い沢形が続いている。しかし、それも直ぐに斜面に吸収されてしまう。
天国の藪漕ぎだ 強烈な日差しを背に受けながら藪を漕ぐ。頂上までの標高差が150メートル以上、猛烈な藪なら過酷な状況に陥るはずも、幸いそれは膝下程度で全く優しいものだった。左手には散在するロックガーデンと西尾根1317P付近が視界に入ってくる。一方、右手には小楽古岳へと続く稜線が指呼の距離となり、ふと、2004年の北面沢沢行時の記憶が蘇る。頂上で休んでいると楽古岳南コルを親子羆が上ってくる。近くの斜面にいたもう1頭が驚いてゴム毬のように斜面を逃げて行った。親子羆が現れた辺りに自然と目が向く。稜線には獣道だろうか、所々に薄らと踏み跡が見える。小楽古までの稜線上の藪は薄そうだがどうだろうか。ラストはバテバテだったが、5時間少々で看板一新の山頂に辿りつく。爽やかな風が吹き抜ける山頂には登山者の姿はなく、沢装備を解きTシャツ姿でランチをいただく。至福の一時とは多分こんな時間をいうのだろう。どっしりとした十勝岳、鋭角的なオムシャヌプリ、そして、野塚岳。靄っているので山座固定はこの辺りまでだ。
苦しい夏道下降 使い慣れないスマホで家族にメールを入れてから下山の途につく。尾根取付まで標高差900メートルほど。沢靴のままで尾根の下りは苦しかった。キツイ傾斜に加え、ほとんど風がなく蒸し風呂状態の夏道下降は難行苦行の世界である。沢を歩くことのありがたさを痛感する。さて、メナシュンベツ川南西面沢の評価だが、基本的にガレ沢で、お世辞にも美しいとはいえない。核心部はF1(Co865P)からCo1140三股までだが、Co930P付近の滝から大巻きしたので詳細は把握出来ていない。ただ、Co935Pの5メートルは単独フリーで登攀するにはかなりの勇気がいるだろうし、遠目に見たCo960右沢滝も高さ・傾斜ともにあり厳しい巻きを強いられそうである。北面沢は滝が連続するが、ほとんど直登出来るし、巻きも容易である。比較すると、技術的には南西面沢が少し上という印象で、山谷的難易度は「!*」相当である。遡行する価値のない沢ではないが、何度も足を運びたくなる沢でもない。これが私の結論である。
■山行年月
2014.08.02
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
メナシュンベツ川南西面沢
夏道(メナシュンベツC)
新しいコース標識 入渓点付近
可憐エゾアジサイ 小滝とF1
F1全景 核心部Co930P付近
敗退した5M滝 960右股の滝上
Co1020付近 Co1030滝の下部
Co1030滝の上部 Co1140付近
中股の滑床 辿りし沢筋
ロックガーデン 新しい山頂標識
頂上から北望 南望・小楽古岳
夏道から源頭斜面 GPSトラック
コースタイム
楽古山荘 5:55
尾根取付 6:35
F1 7:45
源頭1180P 9:40
楽古岳 11:05
所要時間 5:10
楽古岳 11:35
尾根取付 13:10
楽古山荘 13:55
所要時間 2:20