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393.妙敷山(北日高/1731M)
長過ぎた春を経ての今季初沢はいきなり真打が登場する高座のようだった
鬱蒼とした景色 「長すぎた春」ではないが、如何に休養期間といえども、2箇月以上も山から遠ざかっていると、正直、山へ向かう気持ちが湧いてこない。例年なら、6月後半ともなると私の沢シーズンが始まるのだが、今年は3週間ほど遅れてようやく重い腰を上げる。今年の沢はじめは、北日高・雲知来内岳カシコトンナイ沢と決めていたのだが、もっちゃんから妙敷山南西面沢のお誘いがあり、同行させてもらうことにする。メンバーはもっちゃんの山仲間・井間さんも加わっての3人パーティだ。5時過ぎに林道終点を出発。台風8号接近による大雨もなく、穏やかな流れを見せる戸蔦別川を右下に望みながら50分弱林道を歩いて入渓する。戸蔦別川Co690P付近で、直ぐに登路となる南西面沢が右手から流入してくる。出合の地形はやや不明瞭で流れも細いため、うっかりすると見逃してしまうかもしれない。最初は鬱蒼とした沢風景も、北から東に方向を転じる辺りから次第にスッキリとしてくる。ただ、この時期特有の流木のデブリでお世辞にも綺麗とはいえない。
流石の登攀テク この沢を遡行した経験のあるのはもっちゃんだけだが、どういう訳か後方待機。彼曰く、「結構な難易度」だけに、私達の驚く様子を楽しもうという魂胆か‥(笑)。背後には神威岳や戸蔦別岳がスッキリと遠望できるようになるが、カタルップ沢はまだまだ雪渓に埋っているようだ。行く手にややどん詰まり感が漂うとCo890二股で、左股は滝状で流入してくる。地形図でも沢形が現れるのはCo960P付近なので、詰り気味の登高線と考え合わせると、50〜60メートルほど滝が続いていてもおかしくない。小休止の後、井間さんが直登を試みる。彼はクライマーでもあるらしく、さぞ美味しく見えたのだろう。私ともっちゃんは、一旦、右股に入り中間尾根を乗っ越す。ちなみに、右股も奥に滝が落ちている。灌木が生茂り高さのある巻きを終えて沢身に戻ると、井間さんが歓声とともにフリーで登りきる。落ち口から覗くと下から見るよりははるかにキツイ傾斜と高さがあり、彼のテクと勇気に脱帽である。滝は狭い棚を挟んで更に上に続いている。
期待は高まるが 直登出来そうな感じなのでトライしてみるが、2メートルほどをずり落ちてしまう始末で、あっさり左岸を高巻く。井間さんは勿論ここも直登する。結局、2段50メートルほどの大物で、この突破に50分ほどを要する。いきなりの大滝登場でこの先にどんなものが現れるか、期待は否が応でも高まる。が、以降、直登不可能な大滝が登場することはなかった。いわば、真打が最初に登場した高座のようなものだ。Co1010、Co1050、Co1100付近で10メートル前後が連続するが、何れも傾斜が緩く直登する。Co1120Pあたりから沢は両岸が迫立ちV字谷の様相を呈する。地形が生み出すCS小滝をいくつか越え、Co1200Pでトイっぽい10メートルを直登すると、沢も高度も直線的にグングン上がってゆく。Co1320の5メートルは僅かなホールドしかなく微妙なバランス感覚が必要な滝だった。トップを遡る井間さんの体の運びを参考に何とか突破する。すでに水流はかなり細くなり、黒い岩床が露わになる。横たわる流木が無ければ心が和む沢景色なのだが‥。
晴れて単独遡行 Co1350付近で左岸がややハングしたトイ滝(10M)を処理すると、直上に3メートルほどの小滝が現れる。ペロリとしていてホールドがない。落ち口までの1メートルほどが特にいやらしく、右岸草付に逃げようやく越える。水流はCo1440付近で消失する。頂上までの標高差300メートルを考えると藪リスクが高まる訳で少し幽鬱だ。直ぐ上は、左岸岩壁が大きくハングしたルンゼ地形、水流があれば迫力モノに違いない。Co1500を越えたあたりから、足腰が悲鳴を上げだし荷が一際重く感じるようになる。遡行者が負うべき責苦とはいえ、軽々と先行する若者達が羨ましい。私にもあんな時があったのだろうか‥。47歳で登山を始めた私には中々イメージできない。彼等に先に行ってもらい、私は晴れて単独遡行となる(笑)。沢形は明瞭で藪も薄い。左右の尾根が次第に目線に近づいてくると、高度を上げたことを実感する。風にそよぐ緑と輝くカンバに癒されながら「50歩少休止」を繰り返す。Co1650過ぎで沢形を離れてピークダイレクトにルートをとる。
沢屋のプライド 沢形をそのまま詰めてコルに出た方が楽なことは分かっているのだが(踏み跡があるので)、そこは自称沢屋としてのプライドだろうか。灌木の藪を漕いでゆくとラスト50メートルくらいでハイマツ帯に出くわす。最初こそ背丈以上だったが、直ぐに腰丈程度のそれとなり、15分ほどのハイマツ漕ぎで頂上まで1分の踏み跡に出る。まったりと寛いでいる二人に迎えられながら、11時前に頂上の人となる。スタートから5時間45分は少し出来過ぎかもしれない。狭くて虫が煩い頂上だが、適度な暑さで全く心地良い。息の合ったもっちゃんと井間さんの会話を聞きながら休むこと40分、南面沢の下降を開始する。もっちゃんによれば「難しいところはない」という。南東方向にコンパスをセットし直線的に降りてゆくが、傾斜がきついので尻滑りしている感じに近い。正面に見えるのは札内岳で、Co1570付近でハッキリとした沢形に出会う。源頭は1380Pで、覆いかぶさる巨岩と苔むした岩床の奥から水が流れ出ている。源流風景としては絵になる。
流木で埋まる沢 滝と言えば、Co1160の幅広2段10メートルぐらいで、後は、5メートル前後の小滝と緩い滑滝がいくつか出てくる程度。巻きも容易で難しさはない。勿論、ロープの出番もないが、難儀したのは倒流木の処理である。出合手前でようやく終息するが、水流を見て以降、標高差700メートルに渡ってそれとの格闘が続くのである。加えて、落石、浮石が多く、全く気が抜けないのである。冗談で「尾根下降の方が楽だったかも」と言ってみたが、あながち間違いでもなさそうである。出合間近で緊張感が途切れたせいか、思いっきりスリップし後頭部を石にぶつけてしまう。ヘルメットを被っていなければ大事になっていたことだろう。出合は、エサオマントッタベツ沢出合と対峙する位置関係で、ちょっとした十字峡谷である。本流を渡渉し林道に上がると、苦しかった下降も終わりを告げる。疲労困憊のはずだが身体は良く動き、15分の林道歩きで沢旅を締めくくる。折しも、雨に打たれながらのそれで、正しく、クールダウンとなったものである。
沢勘持続に安堵 毎度のことだが、シーズン最初というのは緊張するものである。自分の体力や技術はもとより、最も大事な「沢勘」が衰えていないか‥等々。今回の沢行も、自らの状態を点検・検証しつつのそれとなったが、実感するほどの衰えもなく、10時間弱の沢行をこなすことが出来た。先ずは、安堵し素直に喜びたい。沢の評価だが、南西面沢は「!*」、南面沢は「!」が妥当と思われる。南西面沢について補足すると、Co890の50メートル2段は確かに手強いが、巻きもさほど難しくない。それ以外に難しい滝はなく、源頭の藪漕ぎも易しい部類である。沢長も特筆するほどでなく、地形に複雑さもない。例えば、同じ戸蔦別川水系のカタルップ沢と比較しても難易度は下だろう。難しいというよりは直登出来る滝が連続し「楽しい沢」という印象である。もっちゃんには申し訳ないが、辛口評価となってしまった。ただ、シーズン初沢としては手強過ぎるのは言うまでもない。
■山行年月
2014.07.12
■天気
■同行者
もっちゃん、井間さん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
戸蔦別川南西面沢
同南面沢
戸蔦別川Co690付近 Co890二股風景
Co890左股の大滝 大滝一段目落ち口
大滝二段目 大滝二段目直上
Co1050の滝 V字谷のCS滝
Co1200の滝 Co1320小滝
Co1350のトイ状 Co1360の小滝
左岸ハング Co1600付近の藪
意外と狭い山頂 南面沢Co1700付近
対岸の札内岳 南面沢源流
Co1160の滝 GPSトラック
コースタイム
林道終点 5:10
南西面沢出合 6:05
Co890二股 6:45
左岸ハングCo1450 9:50
妙敷山 10:55
所要時間 5:45
妙敷山 11:35
Co1120二股 13:10
南面沢出合 15:05
林道終点 15:25
所要時間 3:50