391.硫黄山(知床山域/1562M) | ||
雪不足の不安が的中しハイマツ帯に行く手を阻まれCo638Pであっけなく敗退 | ||
コンビニがない 前日、羅臼岳を下山後、根北峠経由で120キロほどドライブし羅臼町に入る。先ずは、登山口となる岬町地区の状況を偵察に行く。本町から12キロほど走り、高台に上がると閉校となった知円別小学校があり、ここが登山口となる。ルートとなるチエンベツ川とケンネベツ川に挟まれた尾根の末端が張り出した場所である。気になる残雪状況はどうか‥。「意外とあるじゃないか」と胸をなでおろす。安心して本町まで戻り、夕食や翌日の食料調達に走り回る。コンビニでもあれば容易に解決することなのだが、いくら探しても本町にコンビニはない。おにぎりや弁当を置いている店はあるが、すでに売り切れ状態。インスタントラーメンや登山用保存食は持ってきているが、造るのが面倒なので、地元の飲食店で夕食をとり、翌日用のおにぎりを作ってもらう。例によって、道の駅「らうす」で車中泊するが、津波でもきたらどうしようなどと要らぬ心配をしてしまう(笑)。満天の星空で天気に問題はなし。硫黄山の登頂を信じてシュラフに潜り込む。 地形判然とせず 翌アタック日は4時前に登山口をスタートする。固雪ノンラッセルで快調にペースを刻むが、地形が判然としないのでルートのとり方に気を使う。Co250P付近で海からの日の出となり、同時に、早朝の海に繰り出す漁船のエンジン音が聞こえる。内陸に住む私にとっては何れもが特別な情景に映る。スッキリしない尾根形状だけに、登山口側の3基の電波塔は下山時に何よりの目印になるに違いない。とりあえず、地形図Co386Pを目標に西進する。途中雪が解けてブッシュが黒々と出ているところがあるので、適当に回避しながら雪を繋ぐ。Co400付近を過ぎると、前方に樹木のない急斜面が見えてくるが、上部は濃いハイマツのラインに覆われている。ジグを切って上がりきると、そこにはハイマツが待ち構えていた。10メートルほどのハイマツ帯をスキーのまま無理矢理突破する。Co550P付近で浅い沢形を離れて、左手の尾根に上がる。その背を詰めて、モセカルベツ川右股Co921Pを目指す予定が、尾根上は広大なハイマツの海と化していた。 突破ルートなし スキーを脱着しながら雪を繋いで突破できる範疇ではない。この時点で登行意欲が薄れていくのが分かる。何しろ、順調に上がれても8時間前後はかかる山なので、右往左往している内に時間はどんどん過ぎてゆく。一旦戻り沢形を詰める。地形図Co638Pまで上がり、再度偵察を試みるも打開ルートは見いだせない。ここに至って登山続行を断念する。今季は雪が少なかったのか、それとも、このところの気温上昇で急激な雪解けが進んでしまったのか。はたまた、これが平均的な状況なのか‥。何れにせよ、知床連山を両端から楽しむという狙いは露と消えてしまう。ニセイカウシではないけれど、自然が相手なので諦めるしかない。往路を忠実に辿り、午前8時前に登山口に戻りつく。今季は比較的長時間の山行が続いたが、久々に4時間のショート山行となった。帰路、仕切り直して武佐岳にでも登ろうかと考えたが、一度、張りつめたものが切れてしまうともうどうしょうもない。ひたすら、自宅に向かってハリアーのアクセルを踏み続けていた。 ★知床半島の天候が安定し、尚且つ、雪の心配をせずに済む時期となれば3月から4月上旬くらいまでの時期と思われる。そんな時期にチャンスがあれば硫黄山に再挑戦したいものだ。今回の知床遠征は1勝1敗となってしまったが、羅臼岳に登頂出来ただけでもラッキーと考えたい。そして、宿題を励みに、再び知床の地を訪れよう。 |
■山行年月 |
2014.04.27 |
■天気 |
快晴 |
■同行者 |
単独 |
■山行形態 |
残雪期登山 |
■コース:往路/帰路 |
岬町ルート |
↑ |
コースタイム | |
知円別小学校 | 3:50 |
Co638P | 6:45 |
所要時間 | 2:55 |
Co638P | 7:10 |
知円別小学校 | 7:45 |
所要時間 | :35 |