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390.羅臼岳(知床山域/1660.4M)
2014年GW前半一座目は知床連山の主座で全く穏やかな春山登山を満喫する
何処も好天予報 2014年のGW前半は全道何処も好天予報。「何処でもOKヨ」と言われると、選択肢が広がり逆に迷ってしまうのが人間の常らしい。目的山域もさることながら、山行形態もどうするか、贅沢な悩みを抱え込むことになる。結論は斜里岳に続く、今季2度目の知床遠征に落ち着く。一座目は知床連山の主峰・羅臼岳(岩尾別ルート)で、二座目は硫黄山(岬町ルート)。ともに日帰山行でプランを組む。当初は、土曜日が移動日で、日曜日と月曜日をアタック日としていたが、月曜日の天気がやや崩れる予報に変化したので、急遽、計画をスライドする。強行軍だが、金曜日、仕事を終えたその足で羅臼岳の登山口となる岩尾別温泉に向かう。4時間のドライブの末にようやく岩尾別温泉に到着。日付が変わる寸前で、ただちに車中泊モードに突入。睡眠3時間少々で起床、4時前には木下小屋を後にする。すでに闇から開放されヘッデンの出番はない。今回のルートは途中まで夏道尾根を辿るので、スタート後はいきなり標高差80メートルほどの急登である。
雪山こその眺望 はじめのうちこそスノーシューらしきトレースを見るものの、直ぐに消えてしまう。適当にジグを切りながら20分かけて尾根に乗る。酷く暑くてTシャツ一枚となる。雪の付き方が心配だったが、それも杞憂に終わりヤレヤレ。固雪と言うのも予想通りで有難い。だが、地形図のイメージよりも尾根は細く、樹木の密度も濃い。登行には支障とはならないが、下降は少し難儀するかもしれない。尾根を歩き始めるとほどなく左右の眺望も開けてくる。正面には釣鐘状の羅臼岳が登場し、左右には翼のように山々が連なる。中でも、モルゲンロートに染まる空を背景に、輪郭を露わにする硫黄山が印象的だ。夏山登山では樹木に遮られて眺望はイマイチだが、雪のある時期は三方のそれを楽しめるのでテンションが下がることはない。Co559Pは岩がコブのように突出しており、その形状と黒々とした岩肌がある種異様な光景を醸し出している。「オホーツク展望」という名の通り、スッキリとした展望を得ることが出来る。ここまで75分は快調そのものだ。
源頭に羆の足跡 鞍部まで僅かに下がり、100メートルほど登る。サシルイ岳からの御来光ショーにもこの辺り遭遇する。尾根幅はやや広がり、前方にCo842の小ピークが壁のように立ちはだかる。さながら、奥に鎮座する羅臼岳の前衛峰である。左足下にはイワウベツ川と盤ノ川の源頭が迫り、激しく水を落とす滝も見えてくる。Co720P辺りは比較的平坦で判然としないが、一応、尾根分岐で、右尾根末端は岩尾別温泉に達している。夏道尾根に比べると、尾根幅はあるので下降ルートとしても使えるだろう。ふと、左下のイワウベツ川左岸に明瞭な足跡が見える。突然現れたトレースはその大きさからして羆のものと思われる。水場への移動跡だとすれば、冬眠穴が近くにあるのかもしれないし、その辺に隠れているかもしれない。ホイッスルを何度か吹いてこちらの存在を知らせる。Co842Pは東斜面をトラバースするが、丁度、「弥三吉水」の右上を歩いていることになる。トラバースを終えると極楽平で、直径は500メートルもありそうな広大な平坦地である。
マヒする遠近感 ここからのルートどりをどうするか暫し悩む。南進し傾斜の緩い斜面に取付くか、それとも、夏道に沿って進み大沢左岸台地に上るかである。ここは後者を選択したのだが、左岸台地への急登で慎重なジグ登行を強いられる。雪が適度に腐っていたから良いようなものの、氷化でもしていようものならシートラの場面である。やはり、前者のルートが無難かもしれない。それにしても、羅臼岳から三ツ峰、サシルイ、オッカバケ、硫黄山へと続くラインが素晴らしい。所々にカンバやハイマツが顔を覗かせるが、ほぼ白一色で、全く穏やかな広がりである。何処までも容易に歩いて行けそうに見えてしまう。そして、極楽平の地形の不思議さで、夏道登山では感じなかった感覚である。同時に、こんなところで吹雪かれたらひとたまりもないと‥。100メートルほどの急登に耐えると左眼下に「銀冷水」付近で、あとは頂上基部までの緩やかな登りが続く。だが、行けども行けども羅臼岳に近づかない。遠近感がマヒしてしまった感じで忍耐の登行となる。
この日初登の栄 左手の大沢は左岸台地から見ると意外と小さくて短い。小さな段差をいくつか越えると、三ツ峰の山容が次第に双耳峰へと変化してゆく。羅臼岳頂稜のゴツゴツとした山肌が迫ってくると、ようやく、主稜線上の頂稜基部で、すでに羅臼平より高度にして100メートルほど高い。羅臼側の景色も視界に入ってくるようになる。遠目には頂稜中段位まではスキーで上れそうな雰囲気だったが、いざ近づいてみると、それが無謀なことが分かる。スキーをデポし、サブザック、アイゼン・ピッケルでリスタートを切る。岩に張り付いたエビの尻尾が剥離して落ちてくる。小さな雪塊となりコロコロと音を立てる。初めのうちは何事が起きたかという緊張感に包まれる。基部にデポしたスキーとザックが見えなくなると頂稜も半ばで、頂上の雪をつけた岩々が王冠のように見えてくる。ラストは柔らかめの雪に膝まで埋まりながら頂上に達する。南西ルンゼからの登山者でもいるかと思ったが、そこは無人で、この日は私が初登の栄に浴することとなった。
真黒な太平洋側 少し靄った感じはあるものの、ほぼ快晴・無風、360度の大眺望である。半島付根方向は薄ら青い羅臼湖、知西別岳、遠音別岳、海別岳辺りまで確認できるが、斜里岳は見えない。知床横断道は峠付近を除雪中らしく、除雪車の音が山頂まで届いている。一方、半島突端側は硫黄山まで遠望できるが、個々の山々の個性は希薄となり、連山としての存在感が増すようだ。ただ、羅臼側(太平洋側)の山肌はかなり黒々としており、融雪が進んでいることが分かる。三ツ峰の南面など真黒で、翌日は羅臼側からの硫黄山アタックだけに不安が募る。だが、流氷となると、太平洋側はかなり残っているが、オホーツク海側はほとんどない。25分ほどの頂上滞在の後、下山の途につく。岩に張り付いたエビの尻尾が鳥の翼のような容を形成する。厳冬の厳しい環境に思いを馳せながら基部まで降りる。ザックを回収し滑降を開始するが、はじめのうちは身体のバランスが悪く苦労するが、次第に慣れてくる。適度な傾斜と腐った雪がスキーを運んでくれる。
気楽にダラダラ 極楽平への急斜面を斜滑降・山回りターンで慎重に降りると、あとは気楽にダラダラと(笑)。尾根が細くなると、直下東斜面をトラバース気味に降りる。オホーツク展望まで降りてしまうと、ほとんど安全圏なので、一息ついていると、縦走装備の登山者達が上がってくる。7人ほどのパーティで、聞けば、オッカバケ岳辺りまで足を伸ばすプランだという。気の置けない仲間達と好天、たっぷりある残雪‥、こう条件が揃えば山行はより楽しいものになるだろう。羨ましい気持ちを振り払いながら下降を再開、正午過ぎに岩尾別温泉に戻る。往復9時間前後の山行と見ていたので、8時間少々は上出来である。ひとえに、雪の状態が良かったせいというべきだろう。山行完遂を一人祝し、ホテル「地の涯」で湯をいただく。満ち足りた気持ちとは裏腹に、身体のあちこちが悲鳴を上げている。だがこれも、明日になれば何とかなるはずで、ダメならキャンセルすればいいだけの話。単独ゆえの気楽さとアバウトさで、硫黄山の登山口となる羅臼町に向かう。
■山行年月
2014.04.26
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
岩尾別ルート
サシルイご来光 羅臼と三ツ峰
硫黄山方向 知西別岳方向
羆のトレースか 沢源頭風景
極楽平から羅臼 サシルイ・硫黄山
極楽平から北望 台地から極楽平
台地から羅臼岳 台地から大沢
太陽燦々三ツ峰 サシルイ・硫黄山
三ツ峰 基部から羅臼岳
基部から北望 羅臼平と連山
羅臼岳頂上直下 知西別岳方向
南西ルンゼ方向 除雪進む横断道
頂上から連山 GPSトラック
コースタイム
岩尾別温泉 3:55
北西尾根Co559P 5:10
夏道Co900P付近 6:50
頂稜基部 8:40
8:55
羅臼岳 9:40
所要時間 5:45
羅臼岳 10:05
頂稜基部 10:20
10:30
北西尾根Co559P 11:25
11:35
岩尾別温泉 12:10
所要時間 2:05