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378.十勝幌尻岳(北日高/1846.1M)
予想を超えるスピード登山で到達したピークの清々しさは厳冬期のそれだった
おでん鍋を囲み 今季初スキーの黒岳でoginoさんと偶然会ったことは山行記でもふれたが、その際、「近い内に一緒に登りましょう」と話していた。その話が12月上旬に具体化することになった。oginoさんが2人のお弟子さんを引き連れて十勝に遠征してくるというのだ。聞けば、前日の内に「剣小屋」に入り、翌日に十勝幌尻岳に登るというプランとのこと。折角の機会なので、夜は懇親会で盛り上がることになった。この日の剣小屋は私達の他に釧路方面からの登山者が2人だけ。ほとんど貸切状態で、おでん鍋を囲みながら山談義に花が咲く。久々のYokoさんと、初めてご一緒するBoさん、両手に花の師匠が少しだけ羨ましい(笑)。3・5缶6本を美味しくいただき21時過ぎにシュラフに潜り込む。翌日、5時に起床し夜も明けきらぬ内に小屋を出発する。戸蔦別林道は除雪車が入っていて問題なく走れるが、登山口に向かうオピリネップ沢沿いの林道は当然ながら未除雪で二筋の轍が薄らと残るだけ。あと一降りもすれば車の通行は厳しくなるだろう。
恐る恐る丸太橋 登山口の標高は610メートルほどだが、流石に平地とは違い周囲は雪に覆われる。晩秋の佇まいだった一月前とは大違いだ。予定より20分近く遅れてスタートする。名物の丸太橋も雪が積もって恐る恐るの通過となる。10センチほどのサラサラ雪が登山道を隠すが、コースサインだらけなので迷うことはない。直ぐに暑くなりアウターを脱ぐ。歩く前から予想は出来ており、最初から中間着スタートすればいいようなものだが、それがなかなかできない。途中、水際を歩くが凍った石でスリップしないように気をつける。取付尾根が近づいてくると、前方に頂上付近が見えてくる。眩しいほどの白さと高さに圧倒される。果たして、上がれるのだろうかという不安も‥。登山口からの沿面距離にして2.5キロ、標高差にして360メートルほど上がると尾根取付で、ここまで80分でカバー出来たのは上々といえる。但し、本当の問題は取付尾根の雪の状態である。私自身、ここまでの積雪量から推測して、最低でも稜線肩まで4時間はかかるとみていた。
ラッセル泥棒に 小休止の後、oginoさんを先頭に登高を再開する。東と西の沢の間を、尾根幅一杯に大きく2.5回ジグを切り、その後は直登となる。傾斜も強まり、雪も次第に深くなってくるが、oginoさんは淀みないペースでパーティを引っ張っていく。私は最後尾でかなり楽をさせてもらっているはずだがアップアップの状態だ。多少前夜の酒が残っているのかもしれない。Co1284Pの緩斜面で一息つくも、Co1400P近くでスノシューデポの決断をする。軽い雪質とキツイ傾斜ではアドバンテージを発揮しえないと判断したのもあるが、少しでも荷を軽くしたいというのが本音だった。結局、全員がスノーシューをデポすることに。リスタート直後はそれなりに動いた身体も、時間の経過とともにキレがなくなってくる。終始、膝上から大腿のラッセルをこなすoginoさんも辛いことは分かっているのだが、ラッセル交替を申し出るほどのパワーが私にはない。情けないと思いつつも、ここはoginoさんは超人的パワーに甘え、ラッセル泥棒に徹することにする(笑)。
太陽を目指して しかし、それでも身体が動いてくれない。一度バテてしまうと回復には時間がかかるようだ。せめて、稜線肩までは荷を担いでと思っていたが、早目に得意技をくりださざるを得ない状況に追い込まれる。Co1580P付近に荷をデポし、必要最低限の装備だけをポケットに詰め込み登高を再開する。そこから、稜線直下まで申し訳程度のラッセル。苦しくて景色を楽しむ余裕などなかったが、ここに来て辺りの樹氷の美しさに目を奪われる。小さな雪庇を越えて稜線に上がる。取付から3時間で肩到達は予想を超えるスピード登山というべきか。期待していた主稜線方向の眺望は良くない。札内岳が微かに見える程度である。いきなり、強く冷たい風の歓迎を受ける。ほぼ完全装備で歩きだすが、アイゼンピッケルの出番はない。適度にクラストした雪面にキックステップを刻みながらピークを目指す。丁度、太陽の位置が頂上の真上にあるために、あたかも、太陽を目指して登っている感じである。こういうフィニッシュには中々出会えない。
下降はガンガン 振り返ると、師匠がお弟子さんにキックステップの仕方をレクチャーしているところだった。節々での的確なアドバイスは流石に師匠たる所以である。カチポロ初挑戦の女性陣に先を上がってもらう。この時期に登頂出来た彼女達は幸せである。頂上には厳冬期の清々しさに似た雰囲気が漂い、皆一様に達成感に包まれる。眼下の十勝平野はモノトーンの世界と化しているが、いつも通り雄大で穏やかな大地だ。頂上滞在は15分ほど。素手を出した訳でもないのに指先の感覚が鈍くなってくる。2008年1月、北尾根から途中1泊で登頂した際に、頬に凍傷を負ったことを思い出す。どうやら、気温はマイナス15度近くはありそうだ。早々に肩まで降りると、嘘のように暖かくなる。後は、転げ落ちるように尾根を下る。無雪期なら慎重に下降するところでも、雪がクッションとなるのでガンガン飛ばす。結局、14時過ぎには下山を完了してしまう。
女性陣も並以上 12月に入り、林道が雪でクローズする直前の十勝幌尻岳は今回で2回目となる。最初(2008年12月3日Co1500付近から撤退)の時の記録から、6時間近くはかかるのではないかと見ていたが、あっさり4時間35分で登れてしまった。ひとえに、oginoさんのラッセル力のたまものである。また、お弟子さん達もしっかり荷を背負い山行全体を完遂した訳で、彼女達の力とて並のものではない。私一人なら、迷わず途中撤退していただろう。同行させていただき感謝である。次回ご一緒する時は最大限の軽量化が必須条件となるだろう。そのことを肝に銘じながら林道を下る。
★「剣小屋」に泊るのは2度目だが、こんな快適な小屋はそうザラにない。冬でも小屋まで除雪が入り、電気も来ている。暖かい大きなストーブを囲みながらの談笑は、翌日の山行がなければ深夜まで続いたことだろう。思い起こせば、少年時代、薪ストーブで暖をとり煮炊きもした。家の中心にストーブがあり、団欒があった。独特の臭いや窓際からの隙間風も懐かしく、昔にタイムスリップしたような楽しい一夜だった。

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http://ameblo.jp/kunbetu/entry-11726868033.html
■山行年月
2013.12.08(日)
■天気
晴後曇
■同行者
oginoさん、Yokoさん
Boさん
■山行形態
新雪期登山
■コース:往路/帰路
オピリネップ沢・夏尾根
凍てつく水際 尾根上部
美しき樹氷 稜線直下のOgiさん
稜線肩付近 もう直ぐ山頂
埋まる山頂標識 北尾根方向
札内岳方向 十勝平野
山頂窪地で小休止 GPSトラック
コースタイム
剣小屋午前06時05分出発
登山口 7:20
尾根取付 8:30
稜線肩 11:25
十勝幌尻岳 11:55
所要時間 4:35
十勝幌尻岳 12:10
尾根取付 13:25
登山口 14:10
所要時間 2:00
自宅午後04時25分到着