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372.小化雲岳(表大雪/1924.4M)
楽しさと厳しさ美しさがバランス良く凝縮したポンクンは満足度も最高だ
【@天人峡温泉→ポンクン出合→巨岩帯→ハングの滝C1(Co1480枝沢出合)】
積年の計画実行 
私の沢登りの到達目標はクワウンナイ川(表大雪)とヌピナイ川右股沢(南日高)を遡行することだった。前者は2002年に、後者は2009年に達成し、さて、次なる目標を何処に置くのか、彷徨うシーズンが続いた。「山谷」グレード「!!」の沢は何処も魅力的だったが、中でも、クワウンナイ川の支流のポンクワウンナイ川はどうしても遡行したい一本だった。技術や体力は何とかなりそうだが、単独で入るほどの勇気がなくズルズルときてしまった。今回、幸いにももっちゃんが同行してくれることになり、ためらいもなく積年のプランを実行することとなった。前夜遅く登山口となる天人峡温泉に入る。私は例によって車中泊だが、もっちゃんは車側でテント泊する。珍しく好天予報の週末だが、夜空に星が見えず、夜半には雨も降りだす始末。当日早朝、クワウンナイ川出合駐車場まで移動し、いよいよ沢行のスタートを切る。ポンクワウンナイ川出合までの踏跡はなにやら鬱蒼とした感じで、右下からクワウンナイの沢音だけが大きく響く。
異様巨岩ゴーロ 15分も歩くと目指すポンクワウンナイ川が左から流入してくる。テンションの高まりを感じつつ、先ずは右岸の踏跡を辿る。砂防ダムを越えたあたりで入渓するが、川原は意外と広い。何やらゆったりとした雰囲気も、ほどなく右岸は柱状節理の大岸壁となり、川原には巨岩が現れ出す。Co640付近で幅広小滝を左岸から巻くと本格的な巨岩帯となる。巨岩に上がったり、隙間をすり抜けたりしながら越えてゆくが、これが結構堪える。沢がCo687Pで南に屈曲し、再び東に転じるた所で右岸から枝沢が流入してくる。流れの中央に鎮座する赤茶けた巨岩に不思議を感じる間もなく、直ぐ上には激しく水を落とす滝F1(Co690P)が登場する。高さ10メートルほどで、巨岩の間から三条の流れが吹き出し迫力満点だ。右岸から巻き落ち口に上がると、奥には函が待ち受け意標をつく展開だ。淵やゴルジュ(Co760P)を越え、Co770Pの滝マークに差し掛かるが何も出てこない。8時過ぎにCo798二股に到着。ここまで2時間35分は予定を上回るペースだ。
核心は滝が連続 小休止の後、勇躍核心部に突入する。20分も行くとゴルジュの滝F2(Co840P)で、一段目こそ左岸から行けそうな気もするが、二段目は左に屈曲し全容は掴めない。あっさり右岸を高巻く。落ち口から偵察するも、強い水圧に耐えて直登など出来るはずもないと思う。865二股は右だが、左股は15メートルほどの滝となって流入する。中々立派な滝で、私のレベルで攻略するとすれば左岸尾根の高巻きだろうか。右股に入ると沢は南から西に方向を転じ、Co880Pでゴルジュ滝F3となる(二段10M)。ここは左岸を高巻く。Co900の滝F4(5M)は左岸を、直上の傾斜の緩いF5(5M)は右岸をそれぞれ直登する。この沢は水量も豊かで水も澄んでいて美しい。綺麗な沢と感心していたら、Co930で流木のかかった滝F6(5M)、Co960で落ち口に流木のかかった小滝を見る。この後も何度か流木や斜面崩落を見るが、沢の規模からしてそれは非常に少ないといえる。Co980付近で大きな釜を持つF7で、上部は滑滝っぽい。全体で高さは12メートルほどはあるだろうか。
35分の右岸高巻 最初は右岸を巻こうと試みるが、傾斜のある草付がイヤラシイ。もっちゃんの後を追い、左岸を直登し落ち口に抜ける。最初から左にすれば良かったものを‥。無駄な時間を費やしてしまった。そこから10分ほどで大滝F8(Co1000P)で、手前に5メートルの斜滝を従え、高さ30メートルの堂々たる直瀑である。周囲は高さのある壁で、どん詰まり感が漂う。手前右岸の小尾根から高く、長く巻くことにする。トラバースに移るまでは傾斜もきついが、灌木を頼りに攀じ登る。踏跡は概して明瞭で、ラストはガレ場を慎重に下る。GPSログによれば、80メートルほど上がり、90メートルほど横移動したことを示している。この高巻きに35分を要する。Co1040Pでゴルジュを抜けると、Co1070付近で幅広の階段状の滝が2個続く。高さは3メートルと5メートル(F9)ほど。Co1140で「ハングの滝」F10(5M)で、迫り出す右岸岩壁が威圧感を放つが、ここは難なく右岸を直登する。滝上はゴルジュと小滝が続くが、平たい岩を積み上げたような岩壁模様が面白い。
ジワジワと消耗 特に、Co1170付近の右岸岩壁は幾筋もの水を落とし、目を引く。但し、行く手には20メートル近い大物F11が待ち受けている。高巻きは許さず、ルートは左岸にありと見て直登を試みる。中ほどまでは容易に上がれるが、上部はやや難しそうだ。ロープだけ持って慎重に上がる。もっちゃんにロープを出そうと準備していたら、彼は簡単に上がってくる。私の努力が徒労に終わってしまうほどの登攀テクを彼は身につけていた訳で、失礼しましたという他ない。自分でセットしたロープを頼りにザックを回収する。Co1210Pで扇状に水を落とす8メートルF12、Co1270でのっぺりとした10メートルF13はどちらも右岸を高巻くが、後者の巻きは傾斜もあり岩も脆いのできつかった。長引く遡行に連続する滝、山泊沢装備での突破がジワジワと体力を奪ってゆく。天気も時折薄日が差す程度でパッとせず、次第に口数が減ってくる。しかし、それもCo1290辺りからの滑床や階段状の滑滝で気分は一新する。勿論、核心部を順調に越えたという安堵感も手伝っている。
ナメに感嘆の声 辺りの木々は薄らと色付き、そのコントラストたるや言葉を失うほどだ。本家クワウンナイ川の滑床よりはスケールにおいて小さいものの、特徴的な苔むした岩床、煌く水面は劣らず魅力的だ。癒されながら滑を歩くこと1時間ほど、Co1400Pで左岸から枝沢がトイ状で流入してくるが、奥には20メートルほどはあろうかというルンゼ状の滝が見える。ほどなく本流は8メートルF14で、ここは右岸を直登する。長かった滑もこの滝でほぼ終わる。標高差にして115メートル、距離は1キロ弱といったところだろうか。寡黙な沢屋のもっちゃんをして感嘆の声が幾度も飛び出るほどの美しさだった。普通なら、滑が終われば水量も減り、一気に源頭といったパターンだが、ポンクワウンナイは違う。Co1425で5メートルと3メートルの滑滝を処理し、Co1450では2段の滝F15を右岸から高巻く。全体で8メートルほどで直登も出来そうだが、何より、もう濡れたくなかった(笑)。この滝、落ち口の左右に角ばった巨岩が迫り出し、門のような形状をしている。
ビバーク的山泊 連続した滝や滑もこれで終りなので、さしづめ「後門の滝」といったところか。C1予定地の1485二股が近づき、前方には源頭付近が見えだし、背後にはクワウンナイ川との中間尾根北斜面も遠望できるようになる。所々に鮮やかな黄色や赤が‥。直ぐに二股で、迷わず右股に入る。岳友のoginoさんからテン場情報を得ていたからだ。出合付近の左岸に確かにテン場はあったが、狭くてやや傾斜がある。少し不審に思うもテント二張りは立ちそうだし、疲れていたので他を探す気力も失せていた。早速テントを設営、着替えを済ませる。濡れた身体では耐えられそうもない。この時期、山中泊の沢行はやはり辛い。人心地ついたところで早めの夕食を摂り、19時過ぎにはシュラフカバーに潜り込む。寒いのは承知の上で、山中ビバークと思えば耐えられるとの判断である。大きな沢音と寒さで何度か目を覚ますも、無事に朝を迎える(笑)。深夜は満天の星空だったが、朝方はそれも消え、山はガスに包まれたので気温がそれほど下がらなかったようだ。
【AC1→Co1485左沢→小化雲岳→(夏道天人峡C)天人峡温泉)】
予定地直下でC1 
2日目、C1を6時にスタートする。実は、前夜何気なくGPSを見て、現在地が1485二股直下の枝沢左岸であることが発覚していた。今回のルートは1485左股だったので問題とはならなかったが、右股をルートとしていたら、大きなロスやミスルートに結びついていたかもしれない。直下に左岸からの流入はないという思い込みと読図不足は否めない。本流に戻り、1分も歩くとCo1485二股で、地形図通り顕著な二股である。ほぼ同じ水量を左に取る。とにかく寒いのでアウターを着込んで、出来るだ流れを避けて上がる。ピーカンを期待したが、稜線方向はガスに覆われている。高度を上げるにつれ斜面の色付きは良くなるが、西寄りの風が強くなり、寒さがこたえる。30分ほどでCo1600二股だが地形図通り判然としない。ピークダイレクトなのでここは右をとる。左に入れば、小化雲岳北の縦走路に出る。天気は次第にガスが切れ出し、北方向の旭岳や白雲岳も遠望できるようになる。ロープウエイ姿見駅も多くの観光客等で賑っているに違いない。
絨毯の上を歩く 登山口の天人峡温泉や旭岳温泉、忠別ダムも眼下に望めるが、旭川市街はガスの下である。沢形を詰めてゆくとCo1790P付近でハイマツ帯に出くわす。上手にルートをとれば藪漕ぎなしでピークに上がれるとの情報もあるが、今回はあえて直進する。Co1860p辺りまで、標高差にして70メートル、およそ40分近いハイマツ漕ぎとなるが、その背が低くさほど消耗することはない。むしろ、寒さを凌げるのが嬉しい。ラストはさながら絨毯の上を歩くがごとくで、これ以上のフィニッシュはない。C1から2時間15分で立ったピークだが、周囲はガスに包まれ遠望は利かない。風を避けて東側斜面で暫し休憩をとる。足元には、大きく深いカウン沢源頭が広がる。日程と体力に余裕があれば、ここからクワウンナイ川に下降し、「滝ノ瀬十三丁目」を楽しみ、トムラの頂を踏みヒサゴに泊り‥。願望的プランはいくつも浮かぶが、所詮、夢のまた夢である。ポンクワを遡行出来ただけで満足することにしよう。それにしても、隣のCo1947Pが大きくて高い。
沢靴でも水避け ふと、妻と天人峡温泉から日帰りで1947まで上がったことを思い出す(2000年10月)。ガスが切れそうもないので下山を開始する。縦走路側のポン沼目指して適当に降りてゆく。満々と水を湛えるポン沼。可愛らしさは以前と変わらなかった。夏道・天人峡コースを歩くのはクワウンナイ川を遡行した時以来なので11年振りとなる。足元の草紅葉は今が見ごろで、一面の黄金色にチングルマの白い綿毛が目立つ。下り傾斜が一段落するとドロドロの登山道と化す。沢靴なので構わず歩けばいいようなものだが、ついつい水を避けて歩いている自分が可笑しい。第二公園過ぎで小休止していると単独の登山者が追い付いてくる。写真狙いでヒサゴ小屋に泊ったものの、稜線上は強風と視界不良で撮影を断念し降りてきたという。遠来の彼とは天人峡温泉までは一緒に下山することになるが、話し好きで、疲れを一瞬忘れさせてくれる。第一公園からのキツイ下りに耐えると顕著な尾根上の道となり、忠別川を挟んで対峙する大岸壁が見えてくる。
初老の沢屋の夢 右奥の旭岳は言うに及ばず、高く美しい羽衣の滝、白い筋となって伸びる忠別の流れ‥。ロケーションは申し分ないが、順光なのでインパクトには欠ける。滝見台で一息入れて三十三曲を下る。紅葉時期を迎えつつある渓谷の温泉街は、連休中とは思えぬ静けさで、羆避けの鈴が鳴り響く。それは念願のポンクワウンナイ川遡行を達成した喜びの鐘でもある。重ねて、同行してくれたもっちゃんに感謝したい。ニセイノシキオマップといい、ポンクワウンナイといい、気力、体力ともに充実期にあるもっちゃんにとっては、物足りなさが残る沢行だったはずである。何か申し訳ない気持だが、初老の沢屋(自称)の夢実現に協力したと考えてくれればと思う。さて、ポンクワウンナイ川の評価だが、結論から言えば文句なしの名渓である。長いルートだが、ダレた所がほとんどない。異様な巨岩帯や左右の大岸壁に圧倒され、核心部の連続する滝の攻略に苦しみ、延々と続く滑に感動し癒される。楽しさと厳しさと美しさが凝縮した沢といえるだろう。何より、日高とは違った雄大さがある。折からの紅葉とも相まって、私の沢行の中でも最も記憶に残る満足度が高いそれとなった。納得の「!!」評価である。
★滝の数え方だが、あくまでも私の主観でF1からF15までとした。ネットなどでは9個という記録も稀に見るが、そもそも番号をつけていない記録がほとんどである。5メートル以上を基本に便宜上、付定したものである。
★最後まで悩んだのが足元をどうするかということだった。下山ルートは夏道なので登山靴を持参するのがベターだが、軽量化は必須課題なのでそれは出来ない。夏道下降を考えればアクアソールだが、滑遡行に一抹の不安が残る。結局は滑重視でフェルトソールにしたが、比較的平坦な滑なのでアクアでも対応可能と思える。
■山行年月
2013.09.21(土)
2013.09.22(日)
■天気
21日/曇時々晴
22日/曇時々晴
■同行者
もっちゃん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
ポンクワウンナイ川
天人峡コース(登山道)
F1直下の巨岩 F1
Co765のゴルジュ F2一段目
F2落ち口から Co850付近の小滝
Co865左股の滝 F3ゴルジュ滝
F3落ち口から F4は左岸直登
F5は右岸直登 流木かかるF6
F7は左岸直登 Co1000大滝
高巻途中の大滝 Co1040のゴルジュ
1070の小滝 1075の幅広滝F9
ハングの滝F10 ハングの滝直上
岩壁を滴る水 Co1170付近の岩壁
F11は左岸直登 F11落ち口から
F12 F13
F13落ち口付近 待望の滑床
沢床覆う苔 滑上がる遡行者
グラデーション 1320の滑滝
Co1340付近の沢 1400枝沢のルンゼ
F14 F15
F15落ち口から 枝沢出合のC1
1485左沢源頭方向 源頭の草紅葉
小化雲岳山頂 ポン沼
小化雲岳北斜面 第一公園
柱状節理と忠別川 GPSトラック
コースタイム(1日目)
前夜天人峡温泉車中泊
クワウン川出合P 5:35
ポンクン出合 5:50
Co798二股 8:10
Co1000大滝 10:15
ハングの滝 12:05
C1(Co1480P) 15:25
所要時間 9:50
コースタイム(2日目)
C1(Co1480P) 6:00
Co1600二股 6:35
小化雲岳 8:15
8:40
第一公園 10:35
滝見台 12:20
天人峡温泉 13:15
所要時間 7:15
(25)
自宅午後06時20分到着