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370.1170ピーク(南日高/野塚岳西峰西尾根1170M)
山泊沢行キャンセルで意気消沈も南日高の名もなき枝沢で望外の充実感得る
代替の代替沢行 8月第4週の週末はもっちゃんの同行を得て久々に山泊沢行を計画する。行先は、戸蔦別川十ノ沢から1967峰とピパイロ岳を巡る山旅である。当初の週間予報は好天を伝え、準備が進むにつれテンションの高まりを感じていた。だが、私の気持ちとは裏腹に天気予報は次第に悪化し、直前のそれは、土日とも「曇後雨」となってしまう。大気が不安定らしく、十勝には雷注意報発令のおまけも‥。結局、安全を期して計画はキャンセルとなり、土曜日は代替にもならないが、日帰りで沢行を組む。向かった先は中札内のピョウタンの滝。札内川の支流カルペシナペ川を狙うも、林道入口のゲートは施錠されていて車の進入を許してはくれない。入渓地点まで3キロ弱の林道歩きは想定外だし、そうまでして遡行するほどの魅力ある沢とも思えない。急遽、時間的に可能な南日高転進を決める。いつもの、野塚トンネル南口(日高側)の駐車場で作戦会議。もっちゃん持参の地形図を見ながら検討を重ね、野塚岳西峰西尾根Co1170ピークに突き上げる南面直登沢に決める。もっちゃんがこれほど用意周到だとは‥(笑)。中々どうして、緻密さも兼備した沢屋なのだ。
ミスマッチな滝 目的の沢は駐車場の直ぐ西側の沢なので、入渓まで1分の距離である。この沢、国道下のコンクリート水路を流れニオベツ川に流れ込んでいる。水路を左下に眺めながら遡行を開始する。川幅は1〜2メートルほどだが、太い流木が横たわり、川岸のブッシュや石なども大水後のように荒れている。だが、沢床が露わになり滑床や可愛い釜付滑滝が連続する。Co600P付近ではトイ状の岩床が加わる。斜面や川岸には今が盛りとエゾアジサイが水色の花をつける。陽射しも出てきて雰囲気はいい。背後のオムシャヌプリが逆光の中に浮かび上がる。Co620で右岸からルンゼ状での流入を見ると、正面奥に二筋の水を落とす滝である。近づくにつれ、小振りな沢には似つかわしくない大物であることが分かる。滝下の流木が艶消しだが、幅3メートル、高さ15メートルほどもある堂々たる滝である(F1)。左岸から容易に高巻けそうだが、ホールドもありそうなので直登に挑戦する。だが、下部がノッペリとして微妙だ。ここはロープだけ持って登攀を再開する。
技も学習と実践 下部を突破すると容易に上部まで上がれる。岩棚を利して左岸へ移動。この際、水を頭から被るが冷たくはない。最上部は左岸藪を小さく巻いて沢身に戻る。休む間もなく、もっちゃんにロープを下ろす。奥に鎮座する巨岩に支点を取る。もっちゃんの到着と入れ替わるように私がザックを取りに降りる。もっちゃんに、セカンド確保について簡単にレクチャするが、暫く実践していなかったので思いだすのに時間がかかってしまった。技を自分のものにするためには、継続的な学習とこまめな実践が必須条件であることを痛感する。滝上からは顕著なV字谷となり、両岸は所々岩盤状となる。右岸から滝状の流入を見ると、ほどなく、Co685二股で、こちらも右股は滝状となって合流してくる(F2)。沢形は左が深く雪渓も残っているが、水量は右が多い。右股の滝を右岸から直登する。高さはそれほどないと思ったが、奥の二段目を合わせると10メートルほどだろうか。落ち口まで上がると沢形は明確となり、10分も遡るとCo760二股着となる。
上部まで滑床が 目指す左沢は10メートルほどの滝だが、傾斜が緩くホールドも豊富なので迷わず直登する。先にも滝が続いていて、結局、全体で20メートル近くはあったように思う(F3)。滝上には優しくスッキリとした沢風景が広がっている。両岸の緑と中央の黒い岩盤がコントラストを際立たせる。癒されながら滑床を遡行していく。この辺り、背後にはアポイ山群が遠望できる。滑床が終わっても流れは細々と続き、Co1030Pで源頭となる。そこから5分も上がると笹藪突入である。初めのうちこそ、笹を軽くかき分けると足下の岩が見える程度だったが、次第に沢形が浅く背丈ほどの笹ブッシュが密集し、本格的な笹藪漕ぎとなる。傾斜もきつく、スリップしたり絡みついたりするので辛いところだが、周囲のカンバが一時苦痛を忘れさせてくれる。上部が開け、左右の尾根が収斂してくるとピークは近い。やや右寄りに南西尾根に逃げる。
人跡なきピーク そこから判然としない獣道を辿ること1分でピークだった。予想されたことだが、そこには高みを示すサイン類は一切ない。もとより、無雪期にここだけを目指して登ってくる登山者などいるはずもなく、私達等、よほどの変人ということになろう。私ももっちゃんも、残雪期に縦走途上にこのピークを踏んでいるが、それとて稀有な例に違いない。さて、眺望といえば、野塚岳本峰から頂上部にガスを抱くオムシャヌプリまでのぞむことが出来る。野塚岳西峰は西尾根Co1229P西隣の高みが邪魔をしてみることはできない。下降にはニオベツ川東面沢を使う。コンパスの指示に従い笹藪を東に降りてゆくと、Co1120P付近で沢形に出くわす。10分ほど降りると涸滝(F3)で、右岸をトラバース気味に巻いて右隣の沢筋を下りる。ガレた沢だが、Co1030Pでようやく水流を見る。Co990Pでは5メートルほどのCSっぽい滝(F2)で、滝上奥の灌木に支点を取りゴボウで降りる。ここは巻きも微妙で、いずれにせよロープ必携のシーンである。
辛いガレ沢下降 ガレガレの沢、落石の危険性も高いので慎重な下降が続く。Co900付近の小滝をクライムダウンで処理すると、両岸は岩壁が剥き出しとなり、遂に雨まで落ちてくる。Co830Pでは2段8メートルの滝で(F1)、上段は、左岸の落ちそうな巨岩に恐怖を感じつつも、その脇をするりと降りるが、下段は角度もありのっぺりとしている。支点となる灌木や巨岩もなく、ハーケンを打ってみるが、岩質が脆くて信頼できない。3メートルほどなので、私はクライムダウンすることに。僅かなホールドを探しながら手足を動かすが、ラストの1メートルは滑り降りる。もっちゃんは私の動きを見て右岸巻きを選択する。これも厳しそうだった。ガレた沢も次第に水量が増し、出合付近の対岸斜面も視野に入ってくる。沢はゴチャついてくるが、もう、厄介なものが出てくる感じはない。流れの側のエゾアジサイにカメラを向けている時だった。「アッ、羆です!」とのもっちゃんの声が。顔を上げると、20メートルほど先に、身を反転し下流方向に逃げる羆が見える。
羆のビックリ顔 少し茶色がかった体毛に覆われ、身長は1.5メートルほどだろうか。若い羆のようだ。普段は人気のない沢なので、羆の方が驚いたに違いない。もちゃん曰く「ビックリした顔が可愛かった」と(笑)。ラストにきて思わぬハプニングに見舞われたせいか、無事にニオベツ川に降り立つと安堵感が湧いてくる。ただ、付近の様相は一変していた。高さのあるカンバ類がなぎ倒され無残な姿を見せている。雪崩の破壊力を思い知らされる。違う沢に迷い込んだような印象といったら大袈裟だろうか‥。テンションの上がらぬまま始まった沢行だったが、気がつけば6時間を超えるそれとなった。無名峰に突き上げる枝沢といえども、それなりに味わい深いものだった。望外の充実感を感じながらいつものコンクリート護岸登攀で締めくくる。
遡行沢は、開放的で基本的に滑系の沢である。滝も出てくるし、ラストの藪漕ぎ(30分)まで用意されていて短いながら遡行がいのある沢だ。一方、下りの東面沢は厄介なガレ沢で、大きくはないがイヤラシイ滝もいくつかあるので、消耗すること必至である。下降には不向きで、野塚岳南コル沢などよりも難易度は上である。
■山行年月
2013.08.24(土)
■天気
曇時々晴
■同行者
もっちゃん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
ニオベツ川520左沢南面沢
ニオベツ川東面直登沢
いきなり滑床 水際のアジサイ
Co600のトイ状 立派な滝F1
F1落ち口から 顕著なV字谷
685右沢の滝F2 F2を登攀中
760左沢の滝F3 癒される沢風景
源頭風景 笹藪漕ぎ
野塚岳本峰 これから懸垂下降
東面沢F2 剥き出しの岩壁
東面沢F1 エゾアジサイ
無残なニオベツ川 GPSトラック
コースタイム
自宅午前04時35分出発
野塚トンネル南P 7:30
南面直登沢出合 8:45
源頭 10:05
Co1170P 10:45
所要時間 3:15
Co1170P 11:25
Co815二股 12:45
東面直登沢出合 13:20
野塚トンネル南P 13:50
所要時間 2:25
自宅午後04時20分到着