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365.1188峰(南日高/トヨニ岳東尾根1188M)
雪渓に覆われたV字渓谷には滑や滝、大物小物が連続する快適沢の予感が‥
前から注目の沢 芦別岳本谷以降は充電・休養期間で20日間ほど山から遠ざかっていたが、6月最終日に帳尻を合わせるかのように今季初沢となった。向かった先は南日高。例年なら野塚岳ニオベツ川南面直登沢だが、今季はトヨニ南峰東尾根1188峰南面直登沢である。実は、この沢行は山仲間のもっちゃんプランニングで、私がちゃっかりご一緒させていただいた次第だ。だが、私自身この沢に関しては以前から目を付けていたことも事実である。野塚岳辺りからは明瞭に目視出来る沢で、短いながらも急峻さとクッキリとした沢筋が印象的なそれである。地形図からも直登沢の核心部はV字谷と思われ、南に面する沢とはいえ雪渓に埋め尽くされている可能性も視野に入れる。野塚トンネル北口駐車場でもっちゃんと合流。前年9月のトムラウシ西沢以来だが、相変わらずの精悍さだ。沢靴を履きハーネスをつけメットを被る。いつもながら気合が入る。
突然のゴルジュ 今回は国道を十勝側に下り、早ケ瀬トンネル北口から斜面を60メートルほど降りてトヨニ川左股沢495二股下流(Co490P)で入渓する。時間的には大差はないものの、駐車場側から入渓するよりは消耗が少ないような気がする。そもそも、もっちゃんに教わるまでこんな選択があること自体知らなかった。道路から斜面に降りるための鉄梯子もあった。Co530二股でトヨニ岳南東面直登沢を離れて右沢に入る。直ぐにCo600二股で、そこは大量の流木で覆い尽くされている。2年前、トヨニ岳東峰東面直登沢沢行の際にも荒れた印象はあったものの、その比ではなく景色が一変した感じである。雪解水の威力たるや恐るべしである。大きな雪渓もあり、それを乗り越えて右沢・1188峰南面直登沢をとる。水量は右がやや少ない。川原は直ぐに消失し両岸が迫立ってくる。沢が左に曲がるCo650P付近で突然ゴルジュが現れ、奥に激しく水を落とす釜付滝が登場する(5M)。もっちゃんと思わず「お〜ッ!」と声を上げる。直登は許さず、右岸を高巻き滝上に出る。
新ジャンル登山 直ぐ上流にも釜付の小滝があり、ここは笹を頼りに左岸の岩棚を上がるが、釜は大きく深い。Co700付近からは顕著なV字谷となり、渓谷は雪渓で埋め尽くされ、背後には野塚岳付近の主稜線も遠望できるようになる。沢中には強烈な日差しが降り注ぐが、雪渓の放つヒンヤリ感が嬉しい。Co810付近で沢はやや左に折れるが、そこには滝がかかっている。滝下まで雪渓が迫り全容は掴めない。左岸はほぼ絶壁で弱点はない。ここは右岸の藪を高巻くが、笹や灌木が濃くてルート取りが難しい。少し長めのトラバース気味の巻きを終えて沢床に降りる。下流から見えていた滝の上にもう1個滝があり、合わせると20メートル近い大物だった。傾斜は強まり、沢靴登高ではいよいよ辛くなり、アイゼンを履く。沢登りとも、残雪期登山ともつかぬ、新ジャンルの登山形態といった趣きである。Co900付近になると雪渓は断続的となる。当然、崩壊間近のそれも出てくるので気が抜けない。大きく口を開ける雪渓、足下から聞こえる沢音、薄気味悪さに慣れることはない。いや、慣れこそ禁物である。雪渓上に比較的新しい羆の糞。もっちゃんの雄叫びが木霊する。
源頭は気分よく Co1000付近でようやく雪渓を脱すると、直ぐに滑滝が連続し気持よく直登する。小振りながら楽古岳コイボクシュメナシュンベツ北面直登沢を髣髴とさせる。ほどなく源頭となり沢は徐々に右に向かう。沢筋は明瞭で、水が切れてからも藪はほとんどない。忠実に沢筋を辿れば1188峰西コルに出るが、私は直下でそれを離れピーク寄りにルートを取る。笹を主体とした藪漕ぎだが、それほど濃くないのが救いである。尾根には獣道としては立派過ぎる踏跡があり、難なくピークに到達する。ムッとするような暑さが支配し、纏わりつく虫が煩い。背の高い樹木に覆われ展望はあまり利かないが、西側樹間に望めるトヨニ岳東峰の大きさが際立つ。ピークに滞在中、ヘリが飛来し野塚岳上空付近を旋回している。春に発生した遭難事故の継続捜査なのだろうか。親族や関係者の心痛は察して余りあるものがある。一刻も早い発見を望みたい。30分ほどのランチタイムの後、下山を開始する。Co1000付近にコンパスを切りダイレクトに藪を降りていく。
渓相をこの目で 直ぐに枝沢に出会い、そこを降りるが傾斜がきついので気を使う。特に、直登沢出合はスンナリと沢床に降りられず、懸垂下降となる。ちなみに、もっちゃんはクライムダウンでした。流石という他ありません。雪渓の処理に下降も苦戦を強いられると見たが、以降は意外と順調に高度を下げる。Co600二股まで2時間弱は望外のルートタイムと言えるだろう。少休止を入れ、クールダウンの川原歩きを45分で野塚トンネルに戻る。核心部のほとんどが雪に埋もれていて、その全容を把握することはできなかった。欲求不満は残るが、今季初沢を無事に終えたという充足感は大きい。と同時に、渓相をこの目で確かめてみたいという欲求の強まりを覚える。トヨニ川水系に共通した核心部のV字渓谷とキツイ傾斜は望外の快適沢かもしれない。そんな可能性を予感させるような雰囲気は充分にある。難関沢ではあってもブタ沢ではないという確信めいたものがある。当然にも、もっちゃんとは「再訪したい」気持で一致した。秋には感激に包まれた沢行記を綴ってみたいものである。
★1188峰は尾根上の単なる一ピークに過ぎず、南面直登沢も遡行の対象になることはないと思われる。テープやコースサインの類は一切なく、確たる遡行者の痕跡もない。高巻箇所の微かな踏跡や尾根上の明瞭なそれも獣達によるものだろう。彼等のテリトリーではあるが、遡行者にとっても魅力的な沢と思われる。
なお、ランチタイムでのヘリ飛来は、野塚岳直下で発生した落石事故による負傷者救出のためと後刻判明した。道岳連の沢登研修中の事故だった。

★同行いただいたもっちゃんの沢行記はこちら↓↓
http://www9.plala.or.jp/mocchann-hidaka/kiroku250/234-1188.html
■山行年月
2013.06.30(日)
■天気
■同行者
もっちゃん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
豊似川左股南面直登沢
ゴルジュ奥の滝 ゴルジュから下流
滝上からゴルジュ 直上の釜付小滝
Co760から主稜線 Co810の大滝落口
口開ける雪渓 小滝を直登
滑滝 穏かな源頭風景
コル直下に迫る 僅かな裸地の頂上
Co810大滝下の雪渓 Co730雪渓を下る
V字谷埋める流木 GPSトラック
コースタイム
前夜「忠類道の駅」車中泊
野塚トンネル 7:00
Co530二股 7:40
Co600二股 8:00
Co870二股 9:50
1188峰 11:30
所要時間 4:30
1188峰 12:00
Co1000二股 12:20
Co600二股 13:50
14:15
Co495二股 14:40
野塚トンネル 15:00
所要時間 3:00
(25)
自宅午後05時05分到着