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364.芦別岳(夕張山地/1726.1M)
久々のユーフレ本谷は新緑と残雪、岩稜が美しいコントラストを放っていた
思考変え本谷へ 今季は雪が多く遅くまでスキーが楽しめるとは言うものの、6月の声を聞くと流石に山肌も黒さを増してくる。十勝連峰東面や増毛山魁あたりではまだ滑れるだろうが、遠征してハズレでは足を運んだ甲斐がない。今季は北鎮岳・黒岳で滑り納めをしたと思考を切り替え、芦別岳本谷をプランニングする。6月上旬、おそらくいつもの年なら沢が開いてシーズンは終わっているに違いない。今年はやや事情が異なるので、4年振りに再訪してみることにする。例によって、前夜は登山口となる「太陽の里」で車中泊。翌日は晴天マークなので天気の不安もなく眠れるのは有難い。朝、そそくさと食事を摂り5時前に歩きだす。鹿避けのゲートを潜り抜け、旧道登山口までの林道歩きは丁度良いウォームアップだ。旧道登山口には林道にあふれ出るほどの車が止められていて本谷人気が窺える。入山帳に名前を書き込み、勇躍登山開始となる。
閉じたゴルジュ ユーフレ川の大きな沢音を聞きながら左岸の登山道を行くが、直ぐに汗が吹き出しTシャツ一枚となる。朝イチということもあるのだろうが、何度歩いても辛い高巻きだ。夫婦沢は水量が多く、石伝いに渡ることが出来ず丸木橋を渡る。これが結構スリリングで、ここでの丸木橋初体験だった(笑)。豪快に水を落とす滝を左に見ながら、旧道分岐からユーフレ小屋に向かう。雪の残る斜面をトラバースし右に回り込むとユーフレ小屋である。周囲に僅かに雪は残るが、小屋は全部出ている。私の到着と入れ替わるように、メット姿のパーティが右股・本谷に入っていく。小休止の後、いよいよ本谷に踏み出すが、水勢強く雪を見ることはない。おおむね左岸の川岸を辿るが、靴底を僅かに濡らす程度だ。「ゴルジュは開いているかも‥」と不安がよぎる。が、小屋から10分も歩くと突如として流れは雪に埋まる。狭い川幅と切立つ両岸、渓相の変化も顕著である。谷を埋める雪はかなり安定しているようでルートファインディングに気を使うことはない。
四色染めの幸運 Co700P付近のゴルジュもしっかりと雪がつき難なく通過する。ルンゼや枝沢には例外なく雪がつき、雪崩跡も散見される。真新しいものがないのが僅かに救いである。見上げると、青い空にカンバの幹の白さと葉の緑が映え、上部に壁の如き岩稜が聳えている。クライマー垂涎のγルンゼ左股奥壁である。見事なコントラストという他ない。Co740Pあたりまで上がると、谷は直線的に見通せるようになり、どん詰まりに芦別岳が鎮座している。ダイナミックな奥行き感に感心するとともに、本谷で、残雪とカンバと岩稜と青空の四色染めが見られる幸運に感謝である。正面にインゼルを見ると右からインゼルの沢が流入してくる。直ぐ上流の左岸の沢(Co820P)のデブリが凄い。大量の土砂や樹木までをも流れ落とし、さながら、本谷を堰き止める感じである。雪崩の凄ましいエネルギーを見る思いである。本谷はここでやや左に折れるが、その手前の右岸の枝沢から登山者がゾロゾロと降りてくる。どうやら、先行者が間違えて遡行してしまったようだ。
渓谷に響く話声 7〜8人のパーティで、本谷に彼等の話し声が響く。私など喘ぎ登高で声も出ないというのに、その余裕には驚くばかり。注意力が散漫になるのではないかと心配になってしまう。おまけに、メンバーのほとんどがメットなしときている。次第に傾斜が強まり、雪が意外と固いのでキックステップが辛くなる。Co1000P付近で少休止のついでにアイゼンを履く。右岸Cルンゼからの雪崩跡が筋のように刻まれている。模様のようで面白い。リスタートを切ると、先行者は単独登山者が二人だけ。一人はスノーシューで、もう一人はWピッケル&キックステップで急登に耐えている。後刻、聞いた話では、スノーシューはクライミングサポートがあるので楽だったという。私としては、傾斜が強い本谷で浮力を得るのは怖い気がする。やはり、グリップ重視で装備を整えるべきと思う。Co1250Pを超えると傾斜はいよいよ強くなる。アイゼンを逆ハの字にしてステップを確実に切る。雪は固いがアイゼンの歯はズレる程度のそれなので少しばかり気を使う。
後世に残す絶景 
一稜側壁を左に見ながら急登が続く。声がするので見上げると、一稜に二人のクライマーが取付いていて、声を掛け合いながら登攀中だった。高所恐怖症の私には無理な話だが、異次元の面白みがあるに違いない。傾斜が緩みだし、奈落の底から這い上がる感じで稜線に出る。ここでアイゼンを脱ぐ。南隣のポントナシベツ岳(南喜岳)も視野にあったが、そんな余力はとうに失せていた。肩から15分の試練に耐えると芦別岳山頂で、そこには360度の大眺望が広がっていた。こうなると、個々の山座固定というよりは、景観を大きな掴みで楽しむという方が相応しい。羊蹄や恵庭、増毛山魁、北日高、夕張山地‥、どこも目を釘付けにするが、私が最も魅入られたアングルは、富良野盆地の田園風景と、後方高く連なる十勝連峰であろう。柄にもないことだが、後世に残しておきたい絶景との印象を得たものである。やがて、前述のパーティが到着し、山頂は一気に賑わいを見せる。初登頂の女性の感極まった様子が清々しい。私にもあんな時期が‥(笑)
スピード違反も およそ1時間まったりした後、新道から下山を開始する。雪面下降方法を新人に指導しながら降りる先行パーティを横に見ながら、直下はグリセードで降りて、雲峰山の東斜面はレジャーシートで尻滑りを楽しむ。雪が適度に固く、イメージ以上のスピードに驚いてしまう。背中から臀部にかけてずぶ濡れ状態になってしまったが、これも御愛嬌で気になるはずもない。半面山から覚太郎分岐までは時に南側の残雪を辿るが、見晴台まで降りると完全に夏道が出ており、セミの大合唱の中、ひたすら、新道登山口を目指す。歩けども歩けども変らぬ景色に疲労困憊、腹立たしさを覚える頃にようやくアスファルトの輝きが目に入る。鹿避けゲートから出ると、クールダウンとは名ばかりの炎天下を10分歩き車に辿りつく。ダニチェックもそこそこに冷たいコーラで喉を潤す。ご褒美のビールを3時間近くも我慢するのは拷問にも等しいが耐えるしかない。とりあえず、クーラーをガンガン効かしてかなやま湖保養センターに向かう。
★今回、私と相前後して本谷を遡行した登山者は15名近くに及んだと思う。その内10名ほどはノンヘルメットでバンダナもしくはキャップを被っていた。本谷遡行には雪崩や落石、転倒・滑落など様々なリスクが伴う。登山スタイルは変化もし、多様化もするものである。「基本は‥」などと、上から目線でものを言うつもりはないが、命を守るために変えてならないものもあると思う。
■山行年月
2013.06.09(日)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
ユーフレ本谷
新道(夏道)
ユーフレ小屋 安定したゴルジュ
γルンゼ左股奥壁 奥に芦別岳頂上
インゼル Co820枝沢のデブリ
デブリ越え遡行 ルンゼから雪崩跡
Aルンゼと一稜 後続の登山者
縦走路直下 富良野盆地方向
山頂から縦走路 富良野西岳方向
夕張岳方向 直下を下降中
雲峰山東面 鞍部から北望
Xルンゼ 半面山から北望
覚太郎分岐付近 GPSトラック
コースタイム
前夜「太陽の里」車中泊
太陽の里 4:45
ユーフレ小屋 6:25
Co1200P 8:20
芦別岳 10:00
所要時間 5:15
芦別岳 10:55
雲峰山 11:15
半面山 11:35
見晴台 12:30
太陽の里 13:40
所要時間 2:45
自宅午後05時10分到着