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361.ニペソツ山(東大雪/2012.9M)
久々のGW山泊は標高年の主座狙うも時ならぬ寒波来襲荒天で前天狗岳まで
【@国道→杉沢出合→小天狗東尾根→BC(Co1484P)】
20キロ超ザック 
今年のGWは後半勝負と決めて休暇も取得しプランを練る。週間予報では十勝と日高が比較的いい。浮上したのは東大雪のニペソツ山と北日高のエサオマントッタベツ岳。どちらも魅力的で直前まで迷うが、今年が「標高年」のニペソツ山に決める。関連する上川地方の天気予報が良くないのが気懸りだが、外れる方に期待するしかない。ルートは杉沢コース(夏道)で、初日は、BCとなるCo1484Pまでである。ポイントは国道から杉沢出合までの9キロの林道歩きで、林道が僅かでも開いていることに期待する。が、林道入口には雪の山が残っていて車での進入は不可能である。ガッカリ感がないといえば嘘になるが、気合を入れ直してスタートを切る。山泊山行は2012年の1月(伏美岳・妙敷山)以来で、20キロを超えるザックの重みが懐かしい感じである。16の沢林道分岐までは、路面が所々出ているのでスキーの着脱を繰り返すが、この区間は倒木がやたらと多い。16の沢林道に入ると林道は雪に覆われ、スキー歩行のペースがようやく安定する。
心身ともに余裕 雪の状態によってはノンシールでもと思っていたが、小雪が板の滑りを良くしているのでそれは叶わなかった。帰りにとっておきたいような雪の状態である。ワカンとスキーのトレースを追うように淡々とした歩みが続く。踏み抜きもラッセルもないのは後半の尾根登高が控えているだけに有難い。林道が大きく方向を転じながら尾根を乗越し、杉沢橋を過ぎるとほどなく杉沢出合に到着する。ここまで3時間20分は予定通りで、最悪、杉沢出合BCも視野にあったが、そのプランは消滅する。まだまだ雪に埋もれた印象で、簡易トイレには1メートル近い雪の屋根が出来ていた。16の沢川に架かる大きなスノーブリッジを渡り夏尾根に取付く。細い急斜面を強引にジグを切って背まで上がる。下を見ると、前述したワカントレースが杉沢沿いに伸びている。その主の目的地は何処だったのだろうか‥。尾根上の雪は豊富で雪を繋ぐなどという心配はない。BCまで残り標高400メートルほど。3時間も上ればイヤでも着くので(笑)、心身共に意外と余裕がある。
地吹雪が舞うBC 降り続く小雪で10〜20センチほどのラッセルとなるが、ベトつかないのでさほどの消耗とはならない。尾根は地形図より幅広い印象で、2回ほど急登に耐えると初日のゴールCo1484Pである。小天狗に続く白い尾根が見えているが、上はガスの中である。平坦な尾根上にテントを張りたかったが、時折、激しい地吹雪が舞うので、直下東側のエゾマツの樹間に設営する。全ての作業を終えてテントに潜り込んだのが15時。ガスの火でテント内を暖め、ホットコーヒーで安着祝いをおこなう。とても5月とは思えないような寒さを感じる。「季節が逆戻りした」と報じるラジオの天気予報を聞いて納得。そんな訳でガスも暖房代わりに使用していたのだが、あろうことか新品のカートリッジが夕食を終えた頃に空になってしまった。今回は2個用意したので事なきを得たが、厳寒時テント泊でも経験したことのない事態に驚く。購入が3〜4年前だったことと関係があるのだろうか‥。明日はアタック日。午前中だけでも良いから好天をと願いシュラフに入る。
【ABC→天狗のコル→前天狗岳(Co1650P)→天狗のコル→BC】
前天狗の麓まで 
2日目はテントを4時30分にスタートする。周囲はガスに覆われ小雪も舞っている。視界は300メートルほどだろうか。好天なら樹間左手に見えるはずの前天狗岳も勿論見えない。前夜からの雪で20センチほどのラッセルを強いられる。小天狗を左側から回り込むと、正面に天狗のコルがぼんやりと浮かび上がる。ここからは強風が加わり、天気は厳しさを増す。正直、この時点で早くもテンションは下がっていたが、東斜里岳の例もあるので、とりあえず、前天狗岳東斜面の森林限界まで行くことにする。全く穏やかな天狗のコルの風景とは裏腹な荒天に腹立たしさを覚えつつスキーを運ぶ。Co1625Pを過ぎると樹林帯を抜け出す。ここから上は完全に気象条件が異なり、視界は更に悪化する。この状況で、先に踏み出す勇気は持ち合わせていない。時間的には充分に余裕があることに加え、GW後半では最も好天が期待できる日なので、30分ほど様子を見ることにする。しかし、好転の兆しはなく、翌日再アタックすることを決めテントに引き返す。
強行していれば 午前中はテント内でまったりし、早めのランチの後は空身で小天狗北のCo1681Pまで行ってみる。完全な滑り狙いである。次第に天気は回復し、小天狗からCo1681P、沢を挟んで対峙する尾根も見えている。30分ほどで小天狗まで上がると、前天狗もかなり上の方まで見えるようになっていた。薄日を浴びて頂上付近の雪面がキラキラしている。あの付近は氷化しているのかもしれない。ふと、「あのまま上っていれば‥」と悔いるも後の祭りである。右手には上部にガスを抱く石狩連峰が望めるが、何やら薄気味悪い絵ではある。一方、東側はスッキリと遠望できる。主役はクマネシリ山魁だが、中でもクマネシリ岳の平坦な東尾根の白さが目を引く。遠くに見える阿寒の山も完璧に白い。何処を見ても冬景色だが、眼下の糠平湖はすっかり凍りも溶けて緑色の水面を見せていて、ここだけは確実に春である。その西側にはウペペサンケが巨体を横たえる。深く刻まれた谷筋が立体感を醸し出している。ラストは文字通りの山容の丸山に気を和ませる。
ガス不足の不安 Co1681Pまで上がり眺望を楽しんだ後は、テントまで一気の滑りで降りる。この尾根は全く素晴らしい疎林斜面だが、見た目とは違って重い雪に足をとられる。カリカリかもしくは完全に腐ってしまえばいいのだが、前々日からの新雪が滑りを悪くしている。やや欲求不満気味の滑りを終えてテントに引き上げる。今回の山行、6日を予備日にとってあり、翌日のアタックに失敗すれば、好天条件に再再アタックもあり得る。但し、ガスの残量が少ないのが心もとない。シュラフに入り寒さに耐える時間が多くなる。ガスを節約しながら2日目の夜を過ごすが、天気予報は6日は崩れると報じており、この時点で予備日の使用は消える。携帯アンテナ3本立っていても中々送受信できない。何とか、3日目再アタックと下山を伝えホッと眠りに就く。夜間、テントを叩く強風で熟睡という訳にはいかない。降雪はないが夜空に星を見ることはできない。
【BBC→前天狗岳→BC→杉沢出合→国道】
荒野に踏み出す 
3日目は下山する予定なので、前日よりは1時間早い3時30分ヘッデン行動のスタートである。相変わらず風は強いが雪は降っていない。前日のトレースを辿りながら小天狗まで上がる。天狗のコルを経て、Co1625Pまで上がる。前天狗は前日アタック時と同じような表情を見せているが、とりあえず、行けるところまで行くことにする。地吹雪が舞い、吹きさらしの斜面は視界50メートルほど。僅かに顔を出す灌木を目標に上がってゆく。荒野に踏み出す感じといえば大袈裟か。Co1740P付近で吹溜りに縦穴を掘り20分ほど様子を見る。視界は悪化し目標物も皆無だが、心なしか明るい感じがする。スキーをデポしツボ足でリスタート。クラストした雪面にキックステップが決まる。途中で錆びた鉄杭を見るが、尾根沿いに開削された旧登山道の名残だろうか。傾斜が緩むと頂稜東端で尾根は少し細くなる。左手の落ち込みが顕著となるので、ルートはやや右寄りに。注意を足元とともに前方にも向ける。あらぬ方向に進んで滑落なんてこともあるので‥。
白一色の前天狗 Co1870Pの最高点付近の巨岩にはエビの尻尾が張り付き、ちょっとしたアクセントだが、見惚れている余裕はない。緩やかに下っていくと、右足元に薄らと沢筋が見えてくる。幌加C分岐が近いことは分かるが、直ぐ側の高み(1888P)が見えない。視界は20メートル程度あるが、白一色なので地形や方向感覚が掴めない。辿りし方向にテープ付のストックを突き刺しデポ旗とする。慎重に周囲を捜索すると、コース標識が現れ、その奥に1888Pが見えてくる。岩稜帯のはずだが、完璧な白壁に変身していた。ここからは、好天なら天狗岳を従えたニペソツ山の雄姿が望めるのだが、天狗平はおろか、足元が鞍部に続く岩場ということも分からない。何より、強風と濃いガスが支配する世界である。時間は7時前。ニペソツピークまでは往復3時間もあれば届く距離だが、地形的な険しさに加わえ、この荒天である。到底、私の力量でカバーできる領域ではない。素直に自らの非力さを認め、幌加C分岐まで到達できたことを感謝しここから撤退を決める。
滑りやすい尾根 復路はコースサインを回収の後、往路を下る。トレースが残っていたのはラッキーだったが、こればかりあてにしていると痛い目にあう。途中で見失い右往左往してしまった。横着せずにコンパスを出すべきである。スキーデポ地まで降りると視界は一気に回復し、正面の1681P(右)と1618P(左)が吊尾根を介して双耳峰のように鎮座している。2日間見慣れた天狗のコル周囲の山風景に別れを告げ、8時過ぎにはBCまで戻る。いつものように1時間ほどかけてテントを撤収するが、久々にしては要領がいいと思う。そして、ザックのパッキングも。20キロ超の荷を背負っての滑りがどうかと思ったが、ニペソツの尾根はそんな不安を一掃してくれた。30分で杉沢出合まで降りて、林道を2時間少々で踏破。国道には12時過ぎに着くことが出来たが、16の沢林道分岐付近の林道に横たわる鹿の死骸には驚かされる。羆の仕業なのか、それとも‥。
最低到達ライン 今回の山泊山行、ニペソツ山のピークハントは叶わず、目的未達成という事実には不満を禁じ得ない。しかし、天候に翻弄されながらも、単独で前天狗まで上がり、何とか格好をつけることが出来た。最低到達ラインはクリアー出来たと思う。想定外の荒天を考慮すると納得のいく山行だった。また、縦走装備での山行に耐えうるのかという不安も一程度解消することが出来た。その意味でも収穫のある山行だったと言えるだろう。なお、ニペソツ山域は全体として残雪が多く、当分はスキーのアドバンテージが発揮されるに違いない。また、16の沢林道の状況は、途中2個所で路面が出ていてシートラとなった。雪解けが急速に進むと思われるが、登山口まで完全に林道が開くのは来月に入るのではないだろうか。
★3日間山中で過ごしたが、誰とも会うことはなかった。勿論、荒天で他山域への転進やキャンセルもあるだろうが、GWのニペソツ山ってここまで人気が無かったのかと痛感した時間でもあった。標高年をことさら強調する気はさらさらないが、雪を纏ったニペは一層魅力を増し、神々しさすら漂わす。私の御贔屓の山でもあるので寂しい気持ちになる。やはり、9キロのアプローチは厳しいということなのだろうか‥。
■山行年月
2013.05.03〜05
■天気
05.03/雪時々曇
05.04/雪のち曇
05.05/曇
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
杉沢コース
16沢林道の標識 杉沢橋
杉沢出合風景 Co1400P付近の尾根
Co1484P直下のてBC 小天狗遠望
小天狗直下の尾根 小天狗
BC対岸の小ピーク 小天狗からBC方向
クマネシリ山魁 糠平湖
ウペペサンケ山 丸山
石狩連峰 前天狗岳
縦穴 前天狗の岩
錆びた標識 幌加C分岐付近
コース標識 前天からCo1681P
前天から石狩方向 天狗のコル@
天狗のコルA 優しい下降尾根
鹿の死骸 GPSトラック
コースタイム(1日目)
自宅午前03時50分出発
国道 6:25
杉沢出合 9:45
10:10
BC(Co1484P) 13:05
所要時間 6:30
(25)
コースタイム(2日目)
BC(Co1484P) 4:30
天狗のコル 5:50
前天狗Co1650P 6:15
所要時間 1:45
前天狗Co1650P 6:45
BC(Co1484P) 7:30
所要時間 :45
コースタイム(3日目)
BC(Co1484P) 3:30
スキーデポP 5:00
5:20
前天狗岳 6:40
所要時間 3:10
(20)
前天狗岳 6:45
スキーデポP 7:10
BC(Co1484P) 8:15
所要時間 1:30
BC(Co1484P) 9:25
杉沢出合 10:00
国道 12:05
所要時間 2:40
自宅午後04時00分到着