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360.野塚岳西峰・本峰(南日高/西峰1331M 本峰1352.7M)
ボリューム満点の西峰南西尾根からいまだ冬山然とした双耳峰を一巡り
キッカケは岳友 4月上旬の双珠別岳以降、山に入れない日が続きややフラストレーション値が上昇。GW前半に至ってようやくマウントイン(笑)。今回は、野塚トンネル日高側口を起点に、野塚岳西峰南西尾根から野塚岳西峰→本峰→主稜線Co1220ポコ南尾根を時計回りに周遊しようというプラン。西峰南西尾根は、特に積雪期において豊なボリュームと険しさを感じていた。いつかは辿ってみたいと考えていたが、実行に移すキッカケは岳友のもっちゃんが提供してくれた。彼は前述したルートを4月中旬にアッサリと踏破していた。オムシャヌプリまで足を伸ばすというおまけまで付けて‥。正直「やられてしまった!」感は否めないが、彼のお陰で私が決断できた訳で、感謝こそすれ嫉妬する気持は微塵もない。麓からは意外と白い日高の山並が一望でき、テンションは否が応でも上がる。登山口となる野塚トンネル日高側の駐車帯で装備を整える。登山者の車が立て続けに入ってくるが、彼等は雰囲気からニオベツ川左岸尾根(Co1220ポコ南尾根)を上がるようだ。
妙味は南西尾根 南西尾根への最短ルートはトンネル上部に張り出すCo1170P南東尾根だが、取付付近は傾斜がきつく雪もないので、沢を挟んで西側の尾根に取付く。やや遠回りになるが、急がば回れである。足元はスノーシュー。尾根にへばり付く雪を繋ぎながら高度を上げる。ただ、尾根下部は雪がない所もあり、そんなところは登山道さながらの獣道を上がる。この辺りの尾根は立派なそれが多い。Co750P辺りまで上がると、尾根はほとんど雪に埋まる。Co900Pで左から尾根が合流するが、雪庇が壁のように映る。背後の展望を遮るものはなく、端正なオムシャヌプリとドッシリとした十勝岳が視界を占める。尾根はやや細くなり傾斜も強くなるので、忠実にその背を辿る。登りきった所が南西尾根Co1120JPで、今回の山行、ここからが本番である。進路を北東に転じリスタートを切る。この支稜、細尾根ではないが、南に張り出す雪庇の処理とアップダウンに耐えることがポイントとなる。先ずは、70メートル下がり、地形図1113Pに向けて50メートル登り返す。
自分の存在無に 雪庇に走るクラックが深く大きい。右眼下には野塚トンネル日高側の駐車帯が見える。次々と現れるギャップは個別では小さいのだが、連続すると消耗は大きくなる。その苦しさを和らげてくれるのが左右の眺望である。特に、南側は野塚本峰から双耳峰オムシャ、十勝岳と続くラインが眩しい。北側のトヨニ岳は頂上部にガスを抱いている。その左にはピリカヌプリも‥。とにかく、主稜線を真横から眺めることになるので天気さえ良ければ一級の眺望を楽しめる。地形図1229Pまで上がると、当面の目標である野塚岳西峰がスッキリ望めるようになる。大きく真白な西峰に圧倒され、自分の存在が限りなく無に近づく感覚に襲われる。距離感も何となくおぼつかない。ここで、アイゼン・ピッケルスタイルにチェンジする。が、いつもなら、スリングで簡易ハーネスを作り環付カラビナでピッケルバンドと接続するのだが、肝心のスリングを置いてきてしまった。止む無く、10メートルロープで代用するが、余ったロープの処理に手間取る。
主稜線にも難所 前日に降雪があったようで、稜線上は白く柔らかい雪に覆われている。踏み抜きが心配されたが、それは杞憂に終わり、直下の急登に耐えると10時には西峰ピークに立つことが出来た。見慣れた南日高の山並は3月下旬のトヨニ岳山行時と同じような表情に見えるが、本峰とのコル付近の大きなクラックは季節が確実に進んでいることを現している。ニオベツ川の激しい雪崩跡もそれに符合するものだろう。暫し辿りし南西尾根を振り返る。1000メートル以上のピークをいくつも抱えながら、ソガベツ川左岸に張り出している。本当にボリュームがある立派な支稜と言えるだろう。南奥のアポイやピンネシリも遠望できるが、空は鉛色の雲に覆われ、海と陸地の区別もつかない。小休止の後、稜線を南下する。2004年3月末に今回とは逆ルートで歩いたが、コルから西峰への稜線上はあまりに細く、東斜面をトラバースしようやく西峰に上がったことを思い出す。細い稜線は登りより下る方が難しいので、慎重にルートを見極めながら降りてゆく。
寂しげなピーク 南斜面に僅かに顔を出すブッシュ類が安心感をもたらすが、右足元にどす黒く大きく口を開けるニオベツ川源頭の岩稜帯を見るにつけ緊張感が高まる。絶対に右には落ちられないと自分に言い聞かせながら何とかコルまで降りる。コル北側の穏やかな景観に安堵感を抱くも、前述した大きな亀裂が新たな恐怖感を抱かせる。120メートルほどの登り返しに耐えると野塚岳本峰である。GW前半の休日とくれば登山者で賑うと思いきや、そこは無人のピークだった。僅かに、この日のもと思われるスノーシュー跡があるだけで、人気の北尾根にもトレースはない。3月末の遭難事故が未解決ということが尾を引いているのだろうか‥。ここまで5時間を超え、体力的には消耗しているが急に風が強くなってきた。早めに稜線の下降ポイントまで降りてしまうことにする。アイゼンのまま下降を開始するが、単独者のものと思われるトレースはある。南コルまでは雪が深く、大腿部まで埋まることしばしばである。ヘロヘロになりながらCo1220ポコの下降ポイントに着く。
下降尾根で苦戦 もっちゃんはオムシャヌプリまで足を伸ばしたというのだから凄い。トレースもオムシャに向かっているようだ。ここでスノーシューに履き替える。下降ルートの南尾根は初めのうちこそ平坦でサクサク降りられたが、高度を下げるにつれ傾斜が増してくる。スリップや転倒が相次ぐ。スノーシューには過酷な条件で、早々にツボ足に切り替える。踏み抜きもなく、順調にニオベツ川まで降りる。スノーブリッジは勿論ないが、石伝いに渡渉し、最後の難関、トンネル電気室のコンクリート護岸は吹きだまった雪を利して攀じ登る。汗だくになりながら国道を横切り駐車帯へ戻ると、出発時に出会った登山者達がいて簡単に挨拶を交わす。下降尾根にトレースはなく、果たして、彼等は何処へ登ったのだろうか。今回の登山、久々ながら、ほぼ7時間を小休止のみで歩き通すことが出来た。GW後半の山泊登山に向けてトレーニングも兼ねていただけに、体力的な自信を得ることが出来たのは大きい。あとは好天を期待するだけである。
★帰宅していつものようにGPSのトラックデータをPCにダウンロードして驚く。それは野塚岳西峰までしか記録されていないではないか。電源OFFの記憶もなく、バッテリー残量にも問題はない。ザックのヘッドに入れておいたのだが、何かの拍子に電源が落ちたと考えるしかない。なんとも残念!。青ラインは下山後に踏破ルートを書き込み加工したもの。
■山行年月
2013.04.28(日)
■天気
曇時々晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
西峰南西尾根
主稜線Co1220ポコ南尾根
オムシャと十勝 取付尾根
南西尾根と野塚岳 オムシャと十勝道
Co1229から西峰 コルからCo1229
コルから西峰 西峰から南西尾根
西峰から本峰 西峰からトヨニ
西峰から東望 ニオベツ川
コルのクラック 本峰直下から南望
本峰から西峰 西峰と南西尾根
本峰から北尾根 本峰からトヨニ
コルから本峰 西峰と南西尾根
下降尾根 GPSトラック
コースタイム
自宅午前03時50分出発
野塚T日高側P 5:45
南西尾根Co1120P 7:45
野塚岳西峰 10:00
野塚岳本峰 10:50
所要時間 5:05
野塚岳本峰 11:10
主稜線Co1220ポコ 11:55
野塚T日高側P 13:15
所要時間 2:05
自宅午後04時15分到着