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354.ペケレベツ岳(北日高/1532.0M)
ルート偵察のつもりがあまりの垂涎斜面に引き寄せられ気がつけばピークへ
明らかな遅立ち 前々日の落合岳の疲れが抜けきらないので山は休むつもりが、起きてみると穏やかな天気である。道路情報で日勝峠の映像や天気データを見ると、風もなく日射しすらある。家でジッとしているのは勿体ないので高速飛ばして日勝峠に向かう。家を出た時間が9時前なので、せいぜい2〜3時間の山行である。日勝ピークと労山熊見に候補を絞り車を走らせる。だが、国道が大きく右に回る日勝峠のCo660P付近で考えが変わる。左手の林道入口、緑の回廊看板前は除雪されて、そこに引き込まれるように車を入れる。急な出発となったが、前述山域の地形図の他に、ペケレベツ岳東尾根のそれも持ってきていたのだ。勿論、初ルートなので惹かれ方は格段に大きい。今回は偵察を主目的に東尾根に向かうことにする。スタートは10時20分。さて、何処まで上がれるだろうか。歩き始めはボードのトレースを拝借するが、それは直ぐに南にそれていく。おそらく、Co1458JP東尾根に向かったのだろう。コンパスを南西にセットし直線的に進んでいく。
地形図イメージ 雪面は風で波打ちクラストしているのでラッセルはない。僅かな傾斜だが、復路は面白いようにスキーが滑ることだろう。風はないものの、小雪が舞い目指すペケレベツ岳はガスの中に隠れている。少しがっかりするが、所詮、偵察なので気持的には随分と楽である。小林川右股の左岸をハイペースで行くが、右手の斜面もスキー向きのそれが続く。小1地時間もするとCo840二股で目指す東尾根(中間尾根)も見えてくるが、沢床まで高さがあるのでやり過ごし、Co890二股で渡渉する。沢は完璧に雪に覆われ、流れの音すら聞こえない。安心して沢床から東尾根に取付く。やや急斜面だが、高さがあまりないのでなんとかジグ突破する。この尾根は頂上にダイレクトに突きあげていて、標高差は680メートルほど。地形図で見るかぎり、急峻で尾根幅もさほど広くないというイメージである。が、下部は驚くほど広く、ゆったりとした印象である。針広混合林だが、その密度がそれほど混んでいないせいかもしれない。但し、淀みのない傾斜は続く。
好天利して挑戦 Co1050付近を越えると尾根もやや細くなり、雪質もクラストしていたりする。下降時の滑りが気になるところだが、心配する必要はない。右手の沢寄り斜面が素晴らしいパウダーで、樹木も薄い。つまり、逃げ場は沢山あるのだ。スタートして2時間でCo1100付近まで上がる。渡渉点までの平坦ルートを考えると、尾根に取付いてからは時間250メートルくらいの登高ペースである。雪は舞っているが、時折薄日も射している。天気が比較的安定しているということが私を挑戦的にさせる。もう1時間、13時30分をタイムリミットに登高を続行する。Co1200を越えると尾根幅は再び広くなり、もう狭くなることはない。東には、Co1458JP東尾根が高く迫り、次第に樹木は疎となる。眼前には全面パウダーの垂涎斜面が現れ、これほどの斜面が何故話題にならないのか不思議な気持ちにさせられる。ラッセルが少し深くなるのは許容の範囲内である。
心は登頂意欲で タイムリミットの13時30分でCo1350Pまで高度を上げる。頂上まで残りは180メートル。ここまで来ると心は登頂意欲で満たされる。時間的には、何かアクシデントがあればリカバリーが利きにくい状況だが、ここは慎重にチャレンジするしかない。尾根を挟む左右の沢形が浅くなり、徐々に斜面と化していく。念のため所々にコースサインを付けながら上がっていく。やがて、右手に肩から派生する尾根が見え、少し遅れて、左手にCo1458JPが姿を現す。前者の雪化粧したカンバ達が僅かな日差しに輝いて美しい。樹木もほとんど姿を消し、頂上稜線も視界に入ってくる。ラスト100メートルを切った辺りでザックをデポして空身アタックを開始する。北側の少し盛り上がった所にルートをとるが、新雪の下はガリガリバーンでスキーがずり落ちる。雪が柔そうな所を選んで直下の登高に耐える。やがて傾斜が緩み雪庇の切れ目から稜線に上がる。
まさかの大失態 どうやら、頂上の北50メートル付近に出たようだ。突然、クラストし激しく波打つ雪面に出くわす。この稜線はいつもこんな感じだが、進みにくいことこの上ない。西側から回り込みながら頂上に立つ。時間は14時10分。こんな遅い登頂は初めてである。そそくさと証拠写真をとるが、穏やかな尾根景色とは異なり、頂上西側には寒々とした景色が広がる。沙流岳も日勝1445峰も厳冬の佇まいだ。5分ほどの滞在の後、直下の窪地で滑降準備に入るが、ここでまさかの大失態を演じてしまう。片方のスキーのシールを剥がし雪面に刺すが、深さが充分でなく、倒れてそのまま滑り落ちていってしまったのである。何処まで落ちていくのか。慌ててスキー片手に斜面を下る。浅い真直ぐなトレースの先にビンディングが見えているではないか。幸運にも50メートルほど滑り落ちただけで済んだ。声に出して「ラッキー」と叫んだくらいである。
最高のゲレンデ さて、肝心の滑りはというと、予想通り全く素晴らしいものだった。柔らかなパウダー斜面を一気に600メートル高度を下げる。これほどの斜面はそうザラにあるものではない。勿論、ペケレベツ岳の中でも最高のそれである。もしかすると、北日高最高のゲレンデかもしれない。小林川左岸に戻ってからもスキーは制御に苦しむほどの滑りで、頂上から、僅か35分で私を入山口まで運んでくれた。偵察という軽い気持ちでの山行がこんな素晴らしい結果をもたらすとは‥。未踏の山域に入ることはリスクも孕むが、時には嬉しいプレゼントや発見もあるということを思い知らされた。自画自賛しながら峠道を下る。
★ペケレベツ岳のスキールートとしては、日勝峠起点、1445峰肩経由の北西斜面が一般的である。時間的にも3時間30分ほどで上がれるが、登り返しがあるのでやや辛いのと、斜度不足は否めない。今回の東尾根は平均斜度も高く、私自身、雪崩リスクが高いと思いこれまで敬遠してきた。が、直下からの確かな植生はその可能性を低くしていると言えるだろう。一度は訪れて欲しいルートである。
■山行年月
2013.02.11(月)
■天気
雪後曇
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
東尾根
小林川左岸ルート 1458JP東尾根
ルート右の斜面 渡渉点付近
東尾根末端 Co1100P付近
Co1160P付近 Co1210P付近
Co1280P付近 Co1300P付近
Co1340P付近北側 Co1340P付近南側
主稜線南1458JP 尾根の輝くカンバ
デポ地を振り返る 大ゲレンデ
頂上直下 山頂標識
沙流岳 1445峰
尾根から入山口方向 GPSトラック
コースタイム
自宅午前8時50分出発
Co660林道入口 10:20
Co890尾根取付 11:25
ペケレベツ岳 14:10
所要時間 3:50
ペケレベツ岳 14:15
Co890尾根取付 14:35
Co660林道入口 14:50
所要時間 :35
自宅午後04時35分到着