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347.十勝幌尻岳(北日高/1846.1M)
長すぎた充電期間に不安を感じつつも冬山へ向けての始動は十勝幌尻岳から
白濁の流に迫力 雪が少なく降りだしが遅い日高の山々も、11月の声を聞くと流石に白みを帯びてくる。冬山へ向けて始動する時期でもある。アプローチの戸蔦別林道が雪で埋まらぬうちにと、十勝幌尻岳に向かう。林道は最終民家付近で橋工事が行われていたが、充分に走りやすい状態である。立冬を過ぎても、麓は勿論降雪もなく晩秋の佇まいだ。上空はガスに覆われ、景色も何処となく湿っぽい。雪でも舞ってきそうな雰囲気で、登山口では車から降りて登山準備をするのが億劫になってしまう。装備は準冬山のそれだが、最初からアウター上下を着込む。ニセイカウシュッペ沢行以来、久々の山行だけに、身体がしっかりと動いてくれるかという不安を抱きながら歩き始める。直ぐに二箇所の丸木橋で、表面が凍っていてツルツルと滑る。オピリネップ川の流れは水量が多く白濁していて、いつもなら流れのない枝沢も帯状の流れと化している。ちょっとした迫力である。降雨や雪融水で増水しているようだ。直ぐに体が温まり、アウターを脱いで体温調節をする。
美しき雪化粧も Co780二股を過ぎ登路のある夏尾根が近づいてくると、木々は薄らと雪化粧をする。美しい景色ではあるが、コースを塞ぐ枝を掃うたびに雪を浴びることになり、手袋もウエアもジワジワと濡れが滲みこんでくる。夏尾根取付までほぼ1時間。ペースは快調で、天気も嬉しいことに回復傾向を示している。一息入れた後、尾根登高を開始する。最初は尾根の端から端まで2度大きくジグを切り、それが次第に小さくなり、Co1200P付近で尾根の背を直登するルートとなる。背後の樹間には白いウペペサンケが特徴的な頂稜を雲上に覗かせる。登山道は雪に覆われるが、積雪はせいぜい5〜10センチ程度で登高の支障とはならない。見上げるとガスは切れ青い空が広がっている。太陽光で煌く樹氷の美しさに思わず息をのむ。だが、それもつかの間、Co1284Pの平坦部を過ぎるとペースが落ちだしてくる。積雪はやや多くなった程度だが、傾斜が増したことで雪中でもがくシーンが多くなる。キックステップや木の枝を力任せに引っ張り身体を持ち上げる。
消耗に愚痴る私 こうなると消耗は進み、「さっぱり高度が稼げないなあ」などとぼやいたりする。そんな時、何気なく下を見ると2人の登山者の姿が現れる。愚痴っているのを聞かれたかもしれないと思うと少々恥ずかしくなる。彼らのペースは良くて、アッサリと私をパスしていく。挨拶を交わすと、「俊一さん」と返事が返ってくる。何と、HYMLのオフミ(十勝地区懇親会)で一度ご一緒しているKaさんだった。正直、この時は確信が持てず、後刻、山頂で「Kaさんですよね」と切り出す私。失礼しました。休みついでにアイゼンを履き(Co1600P)、Kaさん達のトレースを辿る。サラサラ雪だがアイゼン効果は抜群で、スリップすることも全くない。もう少し早く切り替えればよかったと後悔。ほどなく、Kaさん達に追いつき、再び私が先頭に出る。尾根が細くなり、右手の北尾根が指呼の距離となると稜線肩は近い。積雪は時に20センチくらいとなるが、もう直ぐ絶景を目にすることが出来ると思うとテンションは高く、ラッセルなど苦にならない。
雪下の山頂標識 肩直下でアウターを着込み、ニット帽を被る。北尾根とのJCまで上がると、予想通り眺望は一気に広がる。特に、西側のそれは素晴らしく、僅かに雲はあるものの、冠雪した主稜線の高峰群が一望のものとなる。但し、カムエクや1839峰など、中・南部日高の山々はガスの中である。稜線上は風も強いので、雪は飛ばされていると考えていたが、雪は多く、西斜面のハイマツなども完全に隠れている。正に、一面の銀世界である。灌木の疎林を抜け出すと、頂上までは残り僅か。遮るものは何もない。この時期としては風も優しく、クラスト気味の雪面に気分よくアイゼンを軋ませる。直下の得も言われぬ苦痛と充足感に浸りつつ、11時、待望の頂上に到達する。いつもの年なら露出している山頂標識は完全に雪の下で、やはり雪は多いようだ。札内岳への尾根もしっかりと雪が付いているようで、縦走も出来そうな感じである。十勝平野が雲海の下というのは残念だが、北日高の展望台としては伏美岳のそれを上回るロケーションである。
ポロシリと戸蔦 札内岳の奥に重なるようにエサオマン岳があり、支稜を境に北側はガスが切れている。幌尻岳は巨大な山魁として鎮座し、北隣の戸蔦別岳はシャープで繊細な山容と、実に対照的である。証拠写真など撮っているとKaさんパーティも到着し、暫し山談義などする。彼は日高の難関沢を遡行する実力の持ち主で、私などからすると羨望の的でもある。20分ほどの滞在の後、ピークを後にする。視界がなければスルーしてしまいそうな夏尾根とのJCだが、クッキリ残るトレースを辿り、難なく夏尾根へ。後は淡々と下るだけだが、キツい傾斜は下の方が堪える。途中で上を目指す単独の女性と行き違う。最近は女性も中々強い。尾根取付まで降りてしまうと、辺りを支配するのは轟々たる沢音と、冬支度を終え寂しげな草木達の姿である。ここも間もなく雪に覆われることだろう。毎年同じ営みが営々と続いて行く。私達は、その一部を少しの時期だけ楽しませてもらっているのだと思う。登山口へ向かいながら、珍しくそんな謙虚な気持ちになってしまう。
三種の神器と靴 ほぼ二箇月のブランクがあったが、予想以上に身体が動いてくれたので安堵している。ただ、装備に関してはやや中途半端なそれとなってしまった。「新雪期」は冬山に準じたそれとなるが、今回はウエア類はまずまずとしても、ビーコンもゾンデ棒もスコップも用意しなかった。稜線上は完全に冬山であり、天候の急変などあれば標高が低くても安心はできない。衝動的登山はやはりいけない。あとは、シリオの登山靴で痛い思いをしてしまったこと。爪先部内側に小さな突起があり、それが中指を直撃するのだ。当然、痛むのは下りで、靴ひもの締め直しでもほとんど効果がなかった。5〜6時間の山行なら大丈夫と考えたが甘かったようだ。一度、メーカー修理をしているが直らない。シリオの幅広タイプの登山靴では珍しくないトラブルのようだ。ケチらずに、ポリエールの冬靴を履くべきだった(笑)。
■山行年月
2012.11.11(日)
■天気
曇時々晴
■同行者
単独
■山行形態
新雪期登山
■コース:往路/帰路
夏道(オピリネップ川C)
凍る丸木橋 増水白濁の流れ
雪化粧@ 雪化粧A
樹氷のトンネル 樹間奥に北尾根
煌く樹氷@ 煌く樹氷A
稜線肩直下 冠雪した主稜線
もうすぐ頂上 西斜面は銀世界
北尾根方向 雲海の十勝平野
札内岳への尾根 GPSトラック
コースタイム
自宅午前04時10分出発
登山口 6:25
夏尾根取付 7:20
Co1284P 8:25
稜線Co1730P肩 10:30
十勝幌尻岳 11:00
所要時間 4:35
十勝幌尻岳 11:20
Co1284P 12:00
夏尾根取付 12:35
登山口 13:20
所要時間 2:00
自宅午後04時15分到着