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345.ニセイカウシュッペ山(北大雪/1879.1M)
地形図イメージを覆す変化ある渓相に望外の喜びを感じつつ賑いのピークへ
いま旬の茅刈別 北大雪のニセイカウシュッペ山は2004年に東側の平山からアンギラス経由でピストン縦走して以来だから、実に8年振りの再訪となる。早朝、3時間ほどのドライブは辛くないといえば嘘になるが、私の所属するHYMLで沢ルートの茅刈別第三支川が話題になったこともあり出かけてみることにした。厳しい残暑で期待薄だが、紅葉狙いというのも勿論ある。上川町中越から国道273号を離れ林道に入る。ぬかるんで荒れた林道というイメージがあったが、その面影はなく全く走りやすい。これなら普通乗用車でも容易に登山口まで入ることが出来るだろう。但し、ゲートは立派になり施錠されているが、たまたま、先行する車がゲートを開けるところに遭遇。労せずして先に進むことが出来た。登山口で沢支度をしていると、続々と車が到着し、カラフルなウエアに身を包んだ老若男女がスタートしていく。私も遅れまじと夏道イン。10分弱歩いた所から左下の沢筋に向かう。笹と潅木の入り混じる急斜面を滑るように高度差にして100メートルほど降りる。
またもスリップ Co1075P付近で入渓。少しヒンヤリとした感じはやはり秋のものだ。ネオプレーン製のスパッツがボロボロになったので、この日はスパッツなし。足元がスカスカするので積極的に水に入る気になれない。Co1143二股は右に入るが、左には水流がない。地形図には明瞭な水線が入っているのだが‥。沢中に強烈な日差しが差し込むようになると平凡な沢歩きは終了し、ほどなくF1(Co1330)となる。ノッペリとした5メートルほどの滝でホールドは乏しい。何より、大きな釜が深そうだ。左岸から巻き落ち口に抜ける。そこから10分でこれも釜付の5メートルのF2(Co1350P)で、ここは右岸を小さく巻く。滝上からは逆光の中に端正な1742Pが望めるようになる。スッキリ感は高まり、苔むした岩や小滝、滑床がアクセントのように現れる。癒される渓相だが、思いっきりスリップし、右膝を痛打してしまう。擦傷で済んだのが嘘のようだ。
堂々たる二段滝 Co1400を過ぎると、正面にニセイカウシを眺めながらの遡行となる。沢が緩やかに蛇行しているので、現れる景色も対応して変化する。Co1440で右岸に巨岩が積み重なったF3(5M)に出会う。初めに左岸アタックを試みるもいき詰まり、右岸にチェンジ。アッサリとクリアする。Co1500辺りを過ぎると両岸は灌木や背の低いブッシュに覆われ、解放感は一層増してくる。前景奥はニセイカウシから大槍に変る。沢中から見る大槍は双耳峰然としている。F4(Co1590P)は手前に小滝を従え、堂々たる二段滝である。高さは10メートルほどだが、まるで城門のような威圧感を放っている。直登は不可能なので、右岸を高巻くが、左岸の方が正解かもしれない。滝上まで上がると、背後も大きく開ける。狭い沢筋を落ちる白い流れと順光浴びる右岸斜面。左岸斜面はやや斜光気味で、影になっている部分もある。白いカンバと僅かに色づく山肌が印象的だ。中央遠景は上川方面の平地だろうか。滝はこれで打ち止めかと思ったが、許してはくれなかった(笑)。
石灰の滑床かも Co1610PのF5(5M)は右岸直登、F6(Co1630P)3メートルは左岸を巻く。この滝、水流の両岸に広がる翼のような岩壁が目を引く。F7(Co1660P)の優しい2メートルを越えると、滑床ショーの開始である。振り返ると、Co1742P北斜面の夏道を歩く登山者の姿が見える。沢を一人占めする我身の贅沢を感じつつ、彼らから私の赤いヘルメットが見えるのだろうかと思う。この辺り、前景はニセイカウシ手前のピーク(Co1860P)となる。源頭へと導いてくれる滑床だが、前方のそれ白く見える。まるで、雪渓のように見えるが、地形からも時期からもそれはあり得ない。Co1680P付近まで上がるとその答えが見つかる。岩床が白いのである。見た目は石灰のような印象を受けるが、石灰岩といえば、生物の殻(主成分は炭酸カルシウム)が堆積してできる「生物起源の石灰岩」と、石灰分を多く含む温泉水の沈殿物として生成されるケースがあるらしく、量的に後者が多いという。ニセイカウシ山塊の生成プロセスや火山活動の有無を調べた訳でもなく、そもそも石灰かどうかも不明なので断定は出来ない。時間があれば調べてみたい不思議な光景ではある。
沢装備に違和感 結局、滑床は標高差50メートル、長さ200メートルほど続く。沢形をそのまま素直に詰めると、ピーク手前の東コル付近の夏道に出ることは分かっており、体力的にも楽が出来そうだが、ここまできたらやはりピークダイレクトと行きたい。そんな訳で、Co1700Pで右岸の枝沢に分け入る。ラスト180メートル(標高差)の急登だが、前半は草付斜面で、後半、灌木と背の低いハイマツの藪を15分ほど漕いでピーク直下の夏道へ。3時間15分で登山者で賑うピークに辿りつく。「沢からですか!」と声をかけてくれたのは、私の少し前に登山口を出発した登山者だった。沢装備はいかにも違和感満点なので、そそくさと装備を解く。一応、東端の最高地点まで足を伸ばす。戻ってからいつもの儀式(メット写真)だが、少しばかり恥ずかしい。眺望は360度思いのままだが、強いて挙げれば、巨大でピラミダルな大槍とアンギラスだろう。何度見ても、いつ見ても存在感は抜群である。久々にラーメンとおにぎりで空腹を満たし、まったりとした時間を過ごす。
大槍にも初登頂 下りは夏道だが、一気に下ってしまうのは勿体ないので大槍に立ち寄る。大槍に上がるのは初めてで、途中から尾根沿いの踏跡を見失い、東側の急斜面を直登する。ピークは意外と広いが、高所恐怖症の私には立ちあがることも怖々である。小さい鞍部を挟んで南側にも塔のような高みがある。足元の南西方向にはニセイノシキオマップ川が伸びている。突然、雨中のF2を撤退した記憶がよみがえる(2006年9月)。濡れて黒光りした岩肌が、「地獄への階段」と化したものである。荒井川源頭域はさながら緑の絨毯で、その中にポツリポツリと黄色や茶色の草木が混じっている。後1週間もあれば紅葉も見頃になるに違いない。色付きという点では大槍基部が一番だろう。かつて、層雲峡温泉から朝陽山、小槍、大槍を繋ぐ南稜に登山道が開かれていた。見た限り全く険しく、廃道になって当然という気もするが、歩いてみたかったという思いもある。「怖いもの見たさ」ではないが、スリルは登山の快感をより高めてくれる側面もあるからだ。
初心者にお勧め 夏道に戻り、右下の辿りし沢筋を見る。地形図からのイメージでは、開放的ではあるが、変化に乏しい単調な沢で、およそ、沢登りの対象となるような沢とは思えないのだが、実際は違っていた。「山谷」的難易度としては「!」程度で、下りに夏道も使えることから、初心者には好評を博することだろう。こんな沢で沢登りデビューする人は幸せ者である。滝の直登などに挑めば中級者でも楽しめること請け合いである。Co1742P北斜面のトラバースを終える頃には頂上を目指す登山者と行き違うこともなく、淡々と降り続ける。熊避けの鈴に自分が酔ってしまいそうになるほど静かな山道である。Co1371P付近で植樹されたような見事な白樺並木に暫し足を止める。暑寒別岳夏道(暑寒荘C)でも似たような景色に出会ったことを思い出す。一息入れ、もう一汗かくと登山口である。朝とは違って、林道にまで車がはみ出していた。静かで地味な北大雪の主峰・ニセイカウシュッペ山。この日ばかりは精一杯の賑いを見せていた。
■山行年月
2012.09.22(土)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
沢登
■コース:往路/帰路
茅刈別第三支川
夏道(古川林道C)
苔生す沢 F1
F1落ち口から F2@
F2A 沢から1742P
F3 F4
F4から下流 F5
F6 白い岩床
白い滑床 Co1700から下流
頂上直下から南望 平山連山への尾根
最高点から頂上 山頂儀式
巨大な大槍 辿りし沢筋
大槍からニセイ アンギラス
ニセイノシキオ川 色付く大槍基部
見晴台から東望 GPSトラック
コースタイム
自宅午前04時15分出発
登山口 7:05
入渓点Co1075P 7:20
F1 8:20
F4 9:15
Co1700枝沢出合 9:40
ニセイカウシ山 10:20
所要時間 3:15
ニセイカウシ山 11:20
大槍 11:40
見晴台 12:05
登山口 13:00
所要時間 1:40
自宅午後04時55分到着