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340.十勝岳(南日高/1456.6M)
全身ドボンで覚醒後はいつもの巻き巻きスタイルで核心部を快適突破!
汚点払拭の沢行 楽古川からの十勝岳には苦い思い出がある。それは2008年7月20日のことだ。B沢から登頂したまでは良かったのだが、下降のA沢で大きくミスルートし(反対側の上二股沢に降りてしまい、ガスの中2時間ほど彷徨う)、5時間50分を要してようやく林道終点に辿りついたのである。ガスで目視確認が出来なかったこともあるが、そもそも地形図を持たずに出発したのが大きな誤りだった。リベンジという訳でもないが、同じ時期に同じルートを辿り、汚点を払拭したい。そんな気持ちで楽古川に向かう。野塚の市街地から17キロほど。林道終点手前に車とテントが一張り。大きな木の根が林道の真ん中に居座り先には行けない。テントの住人達も出発の準備をしている。そそくさと沢装備を整え彼らより先にスタートする。Co484まではおおむね右岸の造材道跡を辿るが、判然としない部分は沢中を行く。だが、いきなりバランスを崩して全身ドボン(笑)。ようやく身体が覚醒した感じだが、ステルス選択は失敗かも‥。Co484二股を右に入ると200メートルほどでC沢出合となる。出合付近の沢形は不明瞭で、右岸からの細い流入がなければ見過ごしてしまいそうだ。
私は高巻きます 今が盛りと咲き乱れるエゾアジサイに気を和ませつつ、滑床や釜付滑滝を越えてゆく。流木でゴチャつくB沢出合で一息入れていると、前述のパーティ(男1女2)が姿を現し、私をパスしていく。リスタートを切ると、沢は直ぐにスッキリし小滝で彼等に追いつく。(Co600)F1(8M)下でトップの女性に「お先にどうぞ」と言われるが、直登するテクが私にはないし、ステルスではチャレンジする気にもなれない。「私は高巻きます」と言って右岸から巻きに入る。前回はイヤラシイ巻きと感じたが、今回は苦もなく滝上へ。振り返ると、トップの女性が登攀を終えた所だった。迷うことなく直登に挑むその姿勢と裏打ちされた登攀テクが羨ましい。私は単独が多いので、滝の攻略法は専ら「巻き」である。おおむねリスクも低く、短時間で済む。個々の技量プラスチーム力で滝を突破する正統派の人達から見ると「つまらない」とか「レベルが低い」と映るに違いないが、これはもう私のスタイルと化しているので変えようがない。F2(Co650)は2段で左岸ルンゼを上がる。上段は広く、下段はトイ状で流れ落ちている。高さは10メートルほどだろう。
核心部は滝三昧 F3(Co670)はトイ状で7メートルほど。傾斜がやや緩いが右岸側壁にルートをとる。F4(Co690)は2段5メートルほどで、中央突破も出来そうだが日和って右岸を巻く。Co720付近で滑滝を直登すると、城壁のような地形に突当たり、中央を3段10メートル(F5)が落ち込む。ここも右岸を巻く。高さがあるのでイヤラシイが灌木が巻きを容易にしてくれる。滝上で沢身に戻ると、直ぐ上流のF6(Co750)が視界に入ってくる。滝下まで行ってみると、黒い岩床に斜行するバンドが特徴的で、水の流れが「く」の字に変化している。高さは15メートルほどで左岸を小さく巻き落ち口に抜ける。F7(Co780)は5メートルほどで斜瀑っぽい。ここは右岸を巻く。Co830付近で滑滝を越えるとF8(Co850)が登場する。白糸のごとく流れが岩床に纏わりつくようにルンゼに落ち込んでいる。これも15メートル以上はありそうで、水流のない左股のルンゼを詰めて右股に乗越す。連続する滝攻撃も終りが見えてきたので、一息入れ、落ち口から遥か下流を遠望するが、前述のパーティの姿は見えない。直登出来る滝もあったので、おそらく果敢な登攀を繰り広げているに違いない。
敢えて灌木の藪 F8で核心部を抜けると、スーッと緊張感から解放される。Co920付近でトイ状の小滝を越えると沢は次第にガレ出してくる。Co940は右をとり、Co970二股も右股に入る。左は水流があるが右はない。ガレた白い沢筋、両岸の緑、青い空‥。ロケーションはいいが蒸せるような暑さがジワジワと体力を奪っていく。二股から20分ほど(Co1130)で突如として水流が復活する。Co1150で小さな二股地形を見るが、ここは沢形が顕著な右に入る。2分も上がるとどん詰まりのような地形に行きつき、水流も遂に途絶える。ここでようやく下流に遡行者を見る。何となく元気が出るから不思議である。沢筋も微妙に枝分かれし浅くなる。Co1200を過ぎるといよいよ藪漕ぎとなる。この辺りで右に比較的明瞭な沢形が現れるが、ピークダイレクトに拘っているので敢えて灌木の藪を選択する。藪は薄い部類で、所々に獣道もあるのでそれを辿る。やがて藪がハイマツに変るが、それは膝下程度なので我慢して直進する。北面や東面のハイマツは概して背丈が低いようだ。
単独悪天を解消 Co1350辺りまで上がると右にオムシャヌプリ、左に楽古岳がのぞめるようになるが、楽古側はガスが一気に立ち込めてきた。右の稜線が目線に近づくと、前方に高みが見えてくる。この辺りでルートをやや左側の尾根寄りにとる。藪がいくらか薄いのもあるが、涼風がこの上なく心地良かったのが理由である。ほどなく、ピーク東の主稜線に飛び出す。そこから踏み跡を5分辿ると今季2度目の十勝岳ピークである。遡行5時間は予想を上回るペースで、少しだけ悦に浸る。山頂にも強い日射しが照りつけるが、上二股沢からのヒンヤリとした風が得も言われぬ爽快感を運んでくる。今季、単独では眺望に恵まれたことはないが、この日はそこそこ恵まれ、山頂でまったりしようという気持になる。私から遅れること30分、先のパーティが到着する。一緒に山座固定をしている内に、男性がHYMLの紋次郎さんと分かる。というか、私自身は「何処かで会ったなあ」という印象を抱いていたので、「やはりそうか」なのだが、すっかり失礼をしてしまった。
癒し系のナメ沢 タップリ1時間休んでから下山の途につく。C沢下降も選択肢にあったのだが、ここは無難にA沢をチョイスする。ピークから少し戻るような感じで主稜線を北に向かう。視界がないとこれが少し難しいかもしれない。勿論、地形図にコンパスをあてれば直ぐに解明できるが‥。判然としない踏み跡を20分ほど下降し、主稜線Co1290付近からA沢目指して下降を開始する。笹で覆われているが、ハッキリとした踏み跡が続き3分も下ると沢形に入る。沢筋へのルートとしては一級国道だ。Co1070二股まで降りると滑床ショーの始まりである。皮切りは標高差にして60メートルほどのそれで、ギラギラ輝く水面が眩しい。Co1000の滑滝(10M)は左岸を降り、Co920の滝(7M)も左岸を笹を頼りに降りる。Co900の3Mは分流した流れが目を引く。Co870付近のナメは白い岩床がとても印象的で、フィニッシュの小滝も美しい。Co830のペロリとした滝(10M)は中々豪快で、ここは左岸を巻き降りる。Co800付近で道路のようなナメを下ると、Co780でA沢最大の滝に遭遇する。高さは15メートルほど。落ち口からの高度感も迫力に満ちている。ここは慎重に右岸を巻く。
最後にチョンボ Co650付近の釜付滑滝でようやくショーはエンディングを迎える。ナメ中心の易しい沢との印象はあったが、これほどの手応えとは‥。よい意味で期待を裏切る沢で、遡行ルートとしての価値もありそうである。沢はCo630付近で大きく右に屈曲する。そこに大量の羆の糞があったが、前回の春別岳トメチニ沢と比較すると可愛いもの(笑)。余裕でやり過ごす。流木と巨岩でゴチャつきだすと、B沢出合で、ここまで2時間は結構密度が濃い。C沢出合手前のナメで首まで水に浸かり暫し涼をとる。沢ならではのクールダウン方法である。Co484二股からはほとんど踏み跡を辿る。遡行時には気が付かなかったが、下降時にはよく見えるようになる。黙々と右岸沿いのそれを歩くが、頭の中はボーッとしていたようで、Co325付近の二股を右に入ってしまう。200メートルほど入って、水の流れが逆なことに気づく。慌てて本流右岸に戻りホッと胸をなでおろす。ルートミスもなく、汚点払拭といきたかったのだが、最後に来てまたやってしまった。反省材料は残るが、難易度としては今季一番の沢をそれなりの余裕で歩き通せた意義は大きい。
★山頂に意外な落し物があった。スリング長短合わせて4本で、内3本には環付カラビナがセットしてあった。十勝岳に突き上げる沢は、所謂、難関沢ではないものの、安全にかかわる装備の一つだけに、持主はどうしただろうと気になってしまった。発見者としてそのまま放置するのは忍びがたく、持ち帰ってHYML(メーリングリスト)に流す。高価なものではないが、装備に対する愛着もあるに違いない。持主が現れんことを願うばかりだ(俊一)。
■山行年月
2012.07.29(日)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登
■コース:往路/帰路
楽古川B沢
楽古川A沢
エゾアジサイ Co530付近の滑滝
Co590の小滝 F1(Co600)
F3(Co670) F4(Co690)
F5(Co730) F6(Co750)
F7(Co780) F8(Co850)
F8落ち口から Co970右股沢
源頭から沢筋 三角点と青ヘル
十勝岳北斜面 オムシャヌプリ
Co1000の滑滝 Co920の滝
Co870付近の滑と小滝 Co830の滝落ち口から
Co830の滝 Co800付近の滑床
Co780の滝落ち口から Co780の大滝
Co750付近の流れ GPSトラック
コースタイム
前夜「大樹道の駅」車中泊
林道車止 4:40
Co484二股 5:55
B沢出合 6:15
Co970二股 8:00
十勝岳 9:40
所要時間 5:00
十勝岳 10:40
稜線Co1290P 11:00
A沢970二股 11:35
B沢出合 12:45
林道車止 14:05
所要時間 3:25
自宅午後02時45分到着