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336.チロロ岳(北日高/1880.1M)
沢登りスタートの山に登り変らぬ姿で心を癒してくれる自然の偉大さ痛感
久々のパーティ 北日高のチロロ岳は国境稜線ルベシベ分岐から西に派生する支稜上のピークで、1900メートル近い標高とともに、西峰を伴う大きな山塊である。私自身、2001年7月に夏道・曲り沢コースから上がっているが、この時は沢装備である。曲沢コースはかなり荒れていて、部分的に極初歩的な沢登りを強いられるとの情報から沢スタイルを選択したのだが、あらかじめ、この年から沢登りにチャレンジするというプランがあり、そのことを意識したトレーニングの山行でもあった。それから11年の歳月が流れたが、これほど山に嵌るとはその時は予想することすらできなかった。今回は南側、千呂露川支流の南面直登沢から頂上を目指すルートで、メンバーは、Torimotoさん、oginoさん、Yokoさんの十勝・旭川混成チーム。一昨年6月の芦別岳以来、久々のパーティ編成である。日高町千栄の国道側で合流しチロロ林道に向かう。朝日を浴びる牧草ロールが美しい。6月中旬から開放された林道は全く走りやすく、苦もなく二岐沢出合過ぎのゲートまで入る。
深山幽谷の景観 沢行は取水ダムまで3.5キロほどの林道歩きからスタートする。この林道は北電管理道路で、勿論、車の通行に全く支障はないが、登山者のために開放されることはない。千呂露川の沢音を聞きながら歩くこと40分で取水ダムに到着する。気温が高いせいもあるが、ウォームアップにはやや過ぎる運動量である。ダム上流から千呂露川に入渓するが、川は明らかに本来の豊かな水量を取り戻す。火照った身体に川の冷気を感じつつ、渡渉を繰り返しながら左岸・右岸の造材道跡を辿る。時に、右岸に高さ50メートルほどの岩壁が現れる。僅かに水を落としているものもあり、ちょっとした深山幽谷の雰囲気である。両岸とも高さのある急斜面で、一見すると緑豊かに見えるが、そこかしこに岩肌が剥き出しとなっている。基本的には岩稜帯なのかもしれない。Co820Pで左岸から1857峰北西面直登沢が流入してくる。ここから20分も歩くと右岸にチロロ岳西コルに向かう南面直登沢左沢、その100メートル上流にチロロ岳本峰に突き上げる南面直登沢右沢が現れる。
厄介な雪渓処理 今回のルートは右沢を上がり左沢を降りるというもの。2時間弱歩いてようやく本番突入という感じで、アプローチとしてはやや長い。出合からピークまでの標高差は1000メートルほど。気合を入れ直してリスタートを切る。暫くは鬱蒼としたゴーロ帯が続き、流木などもあって荒れた感じである。Co980Pで登場する二条の滝(7M)はあっさり左岸を巻き、Co1000Pの堰堤のような滝(7M)は右岸を巻く。Co1200手前で沢はやや西に折れるが、沢は大きく開け、強い日射しが沢中にもおよぶようになる。沢日和とも相まって、前方には目指すチロロ岳ピークが、背後には流麗な稜線描く1967峰やピパイロ岳を望むことが出来、テンションも次第に高まってくる。沢は断続的に雪渓に覆われるようになる。この時期の雪渓は厄介なものが多く、上手に処理することが遡行ポイントとなる。Co1250P付近で傾斜の緩やかな滑滝(5M)を越えると、Co1350でノッペリとした二段滝(10M)に出くわす。ここは手前の雪渓を利して右から巻き落ち口に抜ける。
最年長に甘える 直後のスラブを慎重に上がるとCo1430二股で、ここは左をとる。この辺りから傾斜も増して、本格的な雪渓登高となる。沢靴はステルスだが頻繁にスリップするようになり、体力を容赦なく奪ってゆく。ここぞとばかりに持参した軽アイゼンを履く。おもちゃのようなアイゼンだが、意外と確かなグリップを与えてくれる。雪渓が切れるとほどなくCo1650二股で、藪のほとんどない左に入る。直登するのが困難なくらい傾斜が急となり、浅く狭い沢をジグを切りながら上がってゆく。時折、沢から吹き上げてくる風が涼しさを運んでくれる。先行する3人との差が中々縮まらないが、ここはラストのハイマツ漕ぎが待っているので無理せずマイペースを貫く。Co1750付近から待望のハイマツが登場する。一息入れて、oginoさんをトップにハイマツの海に突入する。高さも密度もあるハイマツ帯だが、最後尾故にかなり楽をさせてもらう。これも最年長ということでご勘弁を‥(笑)。「もうバテバテ」と言っていたYokoさんも私の前で力強くハイマツを漕ぐ。
尻セードで奇声 酷暑の中でもがくこと1時間弱、ハイマツの背が少し低くなり、左上部の稜線上の岩稜帯が指呼の距離となる。締めくくりは膝下程度のハイマツを跨ぎ夏道に出る。頂上のやや西側1分のところだが、ほぼドンピシャの部類で、流石に藪感(?)鋭いトップoginoさんである。期待した風もなく虫も煩いが、主稜線から離れているだけあって眺望はすこぶる良い。伏美岳付近はガスに包まれているものの、幌尻岳からピパイロ岳に至る主脈の高峰群は遠望できる。ルベシベ山など、支稜東側のピラミダルな山容の連なりも魅力的だが、たおやかなチロロ西峰の西に位置する春別岳西尾根の険しさが目を引く。安着ビールをご馳走になり、まったりとランチタイムを過ごす。下りは予定通り西コルから左沢を降りる。下りはじめに御愛嬌程度の藪は出てくるが、踏み跡はしっかりしている。直ぐにスッキリとした沢形に入り、Co1630P付近から雪渓が現れる。最初こそ慎重にヒールステップで降りるが、それも面倒になり、途中からシリセードに移行し奇声を発する。右沢同様、雪渓が断続的に現れるが、崩壊寸前のものが多く、微妙な下降や巻き、トラバースを強いられる。
タイムスリップ 雪渓のないところでは小滝や滑床なども随所に見られるが、手強いものは出てこない。難易度は右沢より明らかに低いが、基本的な渓相は共通するようだ。雪渓が消えるとゴーロ帯となり、倒流木が下降を阻む。出合付近が直ぐ近くに見えるのだが、中々その距離が縮まらない。忍耐の下降となったが、沢が西に流れを変え、樹間の向うに眩しく輝くチロロ本流の流れが見えた時は安堵したものである。西コルから2時間、「420メートル/時間」の下降ペースはよどみがないものだった。取水ダムまで造材道跡を戻るが、途中の笹藪の中に朽ちた乗用車が置かれていた。造材活動の最盛期にはここまで車が入れたという証であろう。タイムスリップしたような光景に驚きを禁じ得なかったものである。そう言えば、往路の造材道側にはストーブも捨てられていた‥。誰が利用するのか、取水ダムの立派なバーベキュー施設で少休止を入れた後はクールダウンの林道歩き。「少し早過ぎ」というYokoさんのお叱りを受けながらゲートに辿りつく。
沢行時間は中級 想定内とはいえ、沿面距離24キロ、11時間に及ぶ沢行はハードなものだった。雪渓の存在で沢の全容を把握することは出来なかったが、遡行経験のあるTorimotoさんの話を聞くと難しい滝や函、高巻きなどもなく、沢そのものの難易度は低いようである。藪漕ぎ要素を加味してもせいぜい「!*」と思われる。が、時間も山行の重要な要素であり、そのことだけでグレード設定するとすれば間違いなく「!!」相当である。単独では、この時間がネックとなって遡行出来ないでいただけに、今回、気の置けないメンバーと遡行機会を得たというのは幸運だった。皆さんに感謝したい。11年前小雨模様の頂上から見た1967峰は実に端正だったが、今回の1967峰も同様だった。私自身、年も重ねたが生活環境は大きく変わった。しばし、過ぎ去りし日に思いを馳せ、変らぬ山容で心を癒してくれる自然の偉大さを痛感したものである。それにしても、今季初沢でこのロングルートをチョイスした3人には脱帽です。

☆oginoさんのブログはこちらです→http://ameblo.jp/kunbetu/entry-11295585841.html
☆Torimotoさんのブログはこちらです→http://blogs.yahoo.co.jp/esuke_t/16213781.html

■山行年月
2012.06.30(土)
■天気
■同行者
Torimotoさん
oginoさん
Yokoさん
■山行形態
沢登
■コース:往路/帰路
千呂露川南面直登沢右沢
同上左沢
林道ゲート ダム上流から入渓
右岸の岩壁 右沢出合付近
F1 F2
Co1250の滑滝 Co1350の二段滝
背後の山並 雪渓で埋まる沢
Co1650左股を登高 辿りし沢筋
山頂風景 支稜線東望
1967峰方向 チロロ西峰
西コルから左沢 尻セードした雪渓
1967峰とピパイロ Co1280付近の小滝
崩壊寸前の雪渓 GPSトラック
コースタイム
自宅午前04時00分出発
林道車止ゲート 6:35
取水ダム 7:20
右沢出合 8:20
Co1430二股 10:40
チロロ岳 12:40
所要時間 6:05
チロロ岳 13:20
西コル 13:40
左沢出合 15:35
取水ダム 16:30
林道車止ゲート 17:20
所要時間 4:00
自宅午後08時20分到着