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333.オプタテシケ山(十勝連峰/2012.5M)
シートラ笹藪漕ぎの代償は高度差1000メートルに及ぶ東斜面の大滑降!
無意識のうちに 前富良野岳で山スキーは締めくくったはずだが、やり残したような感覚が心のどこかにあった。そのせいか、「週末は芦別岳本谷」と決めていたにもかかわらず、無意識のうちにスキーが出来る山を探していた。そんな時、浮かんだのが十勝連峰のオプタテシケ山。十勝側からのトノカリ林道・東尾根ルートは格好のスキールートで、2004年5月に1泊2日で楽しんだ記憶が蘇ってくる。勿論、今の時期、アプローチとなる林道の雪は消えるが、下部樹林帯は藪漕ぎとなる可能性もある。そもそも斜面に雪があるかどうか‥。それでも、大斜面滑降の魅力捨てがたく、日帰りでの山行を計画する。こんな私のアバウトでリスキーなそれに賛同してくれたのがHYMLのもっちゃんである。曙橋でトムラウシ温泉へ向かう道道718号と分かれてシートカチ林道に入る。殿狩橋からはトノカリ林道に入り、予想通り、オプタテシケ雨量観測所のある林道終点まで入る。ただ、途中で林道を塞ぐような倒木があり、左側からかわし何とか通過する。もっちゃんに枝を避けてもらえたからいいものの、一人だったらお手上げである。車に鋸を積んでおくべきと痛感したものである。
突然オプタテが 林道終点付近は全く雪がない。予定のシートラスタイルで背丈ほどもあろうかという笹藪に突入する。踏み跡などは全くなく、北西方向にセットしたコンパスの指示に従いひたすら笹をかき分ける。15分ほどで所々に残雪が現れ、30分もするとほぼ雪に覆われるようになる(Co880P)。この辺り、雪が残る浅い沢形を巧く繋ぐのが藪漕ぎから解放されるポイントである。例によって、雪面には木の枝等が散乱し汚れている。とてもスキーを履く気にはなれない。Co950Pで前方が開け、目指すオプタテシケ山が飛び込んでくる。生憎の曇空。眺望は期待薄だっただけに望外の喜びである。大きく口を開ける大沢、端正な左右の稜線が特徴的である。肝心の東斜面といえば、中央付近に斜行するハイマツ帯のはあるものの、頂上直下まではかろうじて繋がっているようでホッと一安心である。初めて目にする山容にもっちゃんも興奮気味である。こうなると否が応でもテンションは高まる。私はCo1000P過ぎでスキーを履くが、もっちゃんはシートラのまま。
スキーよりツボ 初めこそ同じペースだったが、次第に私は離され、樹林帯を抜ける頃には明らかな差が付いてしまった。体力の差を痛感しつつ、必死に後を追う。灌木帯まで上がるとオプタテの高度感は薄れる。この頃からガスがオプタテ頂上部を覆いだすが、背後の視界はグッと開けてくる。雲海に青白いニペソツが浮かんでいるが、このアングルからは鋭さは影をひそめる。Co1300P付近からジワジワと傾斜が増し、Co1400を越えるとそれは顕著となる。左奥の境山と下ホロカメットク山はスッキリと遠望できるが、右のトムラウシ山は頂上部はガスに包まれている。よく見ると、境山の東面は沢形を挟み中央と左右に尾根がある。スケールは異なるがオプタテシケ西面と酷似している。新たな発見を自画自賛しつつジグを切るが、スキーがズルズルと滑ったりもするのでペースは依然上がらない。ふと、ツボの方が楽なのではないかと思えてくる。Co1600P付近で堪らずシートラに変身し、もっちゃんの待つハイマツ帯まで快調にキックステップを切る。
視界不良の山頂 シール登高よりは明らかに消耗が少なく、スピードアップが図られた。雪質の条件はつくがツボ登高の優位性を発見した思いである。下からの偵察ではゾーン幅は狭いと見ていたが、実際には高度差100メートルもあった。右手、大沢の縁、幅1〜2メートルほどの平坦雪面を直登するが、亀裂が走っていたりしているので気が気でない。Co1800P付近でようやく斜面に回り込む。私達の、晴れて欲しいという願いもむなしく、辺りを支配するガスは一層濃くなり、モノトーンのぼんやりとした世界が広がるだけである。強風や降雪状態なら撤退もあり得るが、幸い、その兆しはない。左手の岩場を意識しながら直線的にピークを目指す。前回、あまりの傾斜と雪質の悪さにこの岩場に逃げたことを思い出す。やがて、前方に雪のない高みが見えてくる。雪面からウラシマツツジの斜面に上がる。直ぐに縦走路に出会い、そこから1分で細長い山頂標識が立つ頂上だった。視界は50メートルほどで眺望は全く得られないし、西風が肌をさす冷たさである。
奇声に驚いた羆 エビの尻尾が出来、足元の西側斜面は真冬のような景観である。流石に長居はできず、写真を数枚撮り即座に下山の途に就く。直下でスキーを履き期待と不安を抱きながら滑降を開始する。強い傾斜とぼんやりとした視界ではスピード全開とはいかない。雪面のアンジュレーションが掴めず、転倒をこらえるのが精一杯である。それでも、自然と口元がほころぶのは大斜面を滑降する我身の幸運を感じるからだろう。ハイマツ帯を沢端から慎重に滑り降りるとガスは切れて、大斜面と樹林帯が一気に足元に広がる。行動食を流し込み、勇躍、斜面に飛び出す。歓声を上げながらもっちゃんが華麗なターンを決める。「うーん、巧すぎる」と呟く私。2010年正月、伏美岳で一緒になった時よりは格段に上達している。聞けば、山仲間にスキーのインストラクターがいてアドバイスを受けているのだという。「私も教えて欲しい」と言いながらリスタートを切ると、Co1400P付近で羆の足跡を見る。長さ20センチ超で爪跡も鮮明なそれは沢に向かって走っているようだ。直前通過、ニアミスの可能性が高く、もっちゃんの発した奇声に羆も驚いた(笑)と私はみている。
一級のゲレンデ 登高時に付けたコーステープを回収しながら、灌木帯から樹林帯へと降りる。我慢してCo930Pまでスキーで滑り降りるが、地形が意外と入り組んでいるのでコンパスとGPSが大活躍する。ラストに来て、笹藪漕ぎを少しでも減らしたいと、往路を離れ雪のある沢形をそのまま進む。適当な所から藪に突入するが、予定よりやや南に逃げた分、林道終点手前50メートル地点に出てしまう。結果として、藪漕ぎ時間も往路とほとんど変わらないものとなってしまった。コンパスの指示を頑なに守る、分かってはいるのだがついルーズになってしまう。本当に、人間の感は頼りにならないものだ。この時期にこのルートに入るのは初めてのこと。色々と想像はできても、想定を超える事態に遭遇することもある。芦別岳本谷をキャンセルして同行してくれたもっちゃんに満足してもらえるか不安があったが、結果は大正解で、それは杞憂に終わった。出だし30分の藪漕ぎはシンドイが、標高差1000メートルにも及ぶ大斜面から樹林帯のスキーは、超一級の楽しさをプレゼントしてくれる。これほどのゲレンデは北海道広しといえども、そうザラにあるとは思えない。次回は厳冬期にパウダーを思い切り楽しみたいものだ。
★今回のオプタテ東尾根の雪の状態によっては転進もあり得ると考え、代替プランを密かに用意していた。場所は、十勝岳の新得コース。このコース、2009年6月中旬でもコース沿いの沢に残雪があり、その長さは2.8キロ、標高差780メートルというものだった。登山口まで車が入れればこちらも充分に楽しめそうだ。

☆もっちゃんのホームページ 日高山脈ありがとう オプタテシケ山山行記
■山行年月
2012.05.19(日)
■天気
■同行者
もっちゃん
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
トノカリ林道・東尾根
林道終点付近 背丈ほどの笹藪
Co940P付近 オプタテ登場
森林限界付近から 背後のニベソツ
ガスる東大雪 トムラウシ山
東斜面 境山と下ホロ
大斜面を見下ろす 右に大沢
直下は視界不良 頂上風景@
三角点 頂上風景A
凍てつく西側斜面 急ぐ足跡
雨量観測所 GPSトラック
コースタイム
自宅午前02時45分出発
林道終点 5:25
Co1200森林限界 7:15
Co1690ハイマツ帯 8:50
9:05
オプタテシケ山 10:25
所要時間 5:00
(15)
オプタテシケ山 10:30
Co1690ハイマツ帯 10:50
11:05
Co1200森林限界 11:25
林道終点 12:20
所要時間 1:50
(15)
自宅午後03時35分到着