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330.境山(十勝連峰/1837.2M)
信頼度「A」の好天予報信じてD尾根・支稜辿りマイナーピークに到達
西側から再挑戦 境山は十勝連峰・上ホロカメットク山から南東方向に派生する支稜上のピークである。主稜線ともなれば夏道も整備されており、多くの登山者で賑うが、この支稜上にはそれもなく、マニアックな登山者が雪を利用し、あるいは、藪を漕いでピークに立つだけである。非常に地味な山域で、私自身は、2006年に東側(十勝側)から登頂を試みているが、時間切れで敗退という経緯がある。アプローチ条件は悪く、11キロにも及ぶ林道歩きは時間的にも体力的にも大きなネックとなっている。十勝側からのアタックは、山中テント泊(1泊2日)が妥当なプランであろう。今回も日帰り、同じ失敗は繰り返したくないので、西側の上富良野側・十勝岳温泉からのルートを選択する。折しも、信頼度Aの好天予報。満を持して前夜、上富良野に入り「日の出公園」で車中泊とする。当日、十勝岳温泉駐車場を5時過ぎに出発。ルートは所謂「温泉スロープ」で、三峰山沢左沢とヌッカクシ富良野川に挟まれた尾根を登るもの。いきなり、温泉露天風呂側の斜面を下る。高さは20メートル以上、斜度も45度はありそうで、ヒールでステップを切りながら川床へ。
圧巻の富良野岳 スノーブリッジで対岸へ渡り、急斜面を一登りし、ようやくスキーを履く。浅い沢形を進み尾根に出る。ラッセルは全くなく,目印となりそうな樹木にコーステープを付けてゆく。何より、予報通り天気は全く素晴らしく、目の前に広がる大景観に圧倒されっぱなしである。前半は、三峰山から富良野岳にかけてが主役で、とりわけ、富良野岳は幾筋もの山襞が朝日を浴びてより立体的に浮かび上がる。見るからに男性的な山だ。三峰山沢の沢行(2010年8月)が懐かしく思い出される。一方、左側はまだ全容を露わにしないが、上ホロと十勝岳の鞍部から御来光ショーである。荘厳な光景に思わず足を止め見入ってしまう。直線的に東進し、上ホロ分岐付近まで上がると(勿論、分岐標識は雪の下だが‥)左側にワカンのトレースを見る。極めて明瞭なのだが、下降トレースは見つからない。別ルートを下ったか、それとも上ホロ小屋だろうか‥。化物岩の高みを左に見ながら150メートルほども上がると、傾斜は一段落するが、尾根は細くなる。新たに、足元の安政火口を取囲む八ツ手岩や上ホロ、上富良野岳、対岸の三段山などが視界に加わってくる。
清々しい気持に 赤い岩肌や荒々しい岩稜などは火山特有のものだろうか。ある種、壮絶な景観に調和を与えているのが、あくまで端正な白き十勝岳であろう。こちらは女性的である。Co1750P付近でスキーを脱ぎ、ザックに括りつける。アイゼン・ピッケルスタイルでリスタートを切ると、ほどなく、尾根下の平坦地にオレンジ色のテントを見る。どうやらワカンの主のものらしいが、住人は既に出発したようだ。D尾根は、ラスト100メートル弱、尾根が「く」の字に曲がる辺りからが傾斜がきつくイヤラシイ。慎重なアイゼン、ピッケルワークで突破する。丁度、そこに前述の登山者の姿があった。上ホロからの下山途中とのことで、私に「よい山旅を」と言って尾根を降りて行った。何となく清々しい気持になったものである。エビの尻尾を大きくした上富良野岳の標識側で小休止を入れる。ここまで3時間程度を見込んでいたが、2時間40分は上出来である。主稜線上に若干風はあるものの、天気に全く問題はなく、東側の眺望も大きく開けている。
意外な所に雪庇 境山方面に伸びる支稜の様子を観察する。境山までは直線距離にして3キロ弱。見た目は近いようで遠い感じがするし、標高差としては小さいが、2度のアップダウンも堪えそうだ。スキーでは頻繁なシール着脱を強いられそうで気が進まない。気温もそれほど高くなく、稜線付近の雪も腐ってはいない。支稜上の雪がクラストしていることに懸け、スキーをデポしアイゼン・ピッケルのままで歩きだす。予想以上にハイマツが頭を覗かせるが、雪は予想通り固く踏み抜くことはない。右奥に夕張山地を、左側に東大雪やトムラウシ山を望みながらの贅沢な支稜散歩である。最初のピークは1850Pで、手前(北側)にコブを持っている。1850Pまで上がると境山がスッキリと姿を現す。雪の付き方が薄く、山肌は斑模様だ。特に、西側は崕地形が多いせいかほぼ真黒に見える。雪を選びながら鞍部まで降りるが、途中に大きな雪庇が出来ていた。地形図を見ると、1850P東斜面に崕マークが走っており、視界が利かなければ落ちていたかもしれない(汗)。
円状に岩並ぶ地 鞍部過ぎにザックをデポし、空身でアタックをかける。8時45分、上富良野岳から1時間で待望の頂上に到達する。そこは岩を円状に敷き詰めた感じの岩塔である。測量に使用した材木がそのまま残され、その中央に三角点がある(三等/境山)。支稜を南東側に目を向けると、鞍部を挟んで1827Pが対峙し、その奥に小さく1800Pを望むことが出来る。2006年山行時の撤退点である。南西尾根も中々豊かで1700メートル前後の高みを幾つか抱いている。その先には平坦な山容の大麓山とトウヤウスベ山が。主稜線から離れているせいで十勝連峰の眺望は素晴らしい。湾曲した頂稜の美瑛岳やピラミダルなオプタテシケ山が印象的だ。長居したいところだが、雪が腐り踏み抜くことが心配だ。15分ほどの滞在の後、下山の途に就く。僅か13メートルだが、境山より高い無名峰1850Pへの登りは辛かった。喘ぎながら登り切りコブで暫し休憩。時間に余裕があるので、復路は上ホロカメットク山経由とする。Co1784Pからは緩やかな傾斜がピークまで続く。
上ホロ避難小屋 眼下右の上ホロ避難小屋がほとんど出ていたのは意外な驚きだった。この辺り雪が少なかったのだろうか。真白な十勝岳に赤い屋根は良く映える。上ホロ頂上に登山者の姿を見ると力が湧いてくる。穏やかな地形を登りきった所が頂上で、山頂標識には雪も氷も付着していない。馬蹄形の安政火口は微かに噴煙を上げ、三段山の頂上には沢山の登山者の姿も見て取れる。ゲレンデは山スキーヤーで賑っていることだろう。上富良野岳でスキーを回収しD尾根を下るが、降りはじめはクライムダウンする。Co1730P付近で大休止を決め込む。朝はガスに覆われていた麓の平野部もスッキリ晴れわたり、十勝岳温泉の建物も見える。こうなると、コースサインの回収が面倒だ(笑)。夏道沿いに富良野岳を目指す登山者が豆粒のように見えるが、大きさとは裏腹に話し声は良く聞こえてくる。三峰山から富良野岳にかけての弧を描く大斜面が劇場効果をもたらしているようだ。それにしても、そこかしこに雪崩跡があり、彼らとてヒヤヒヤ登行に違いない。
最後に絶壁登攀 ランチタイムを終え、いよいよ滑降スタート。雪は適度に腐りスキーは面白いように滑ってくれる。ただ、雪面には筋状のアンジュレーションが走っていたりするので、思わぬ所でバランスを崩す。それでも、ほぼ一月ぶりのスキーはやはり楽しい。アッという間にヌッカクシ富良野川の渡渉点に戻る。正面には最後の難関、ホテル側の絶壁登攀が待ち受けている。中途半端は事故の元なので、スキーを背負い確実にステップを切る。後続入山者のトレースに感謝しつつおよそ10分をかけて登りきる。駐車場といえば、出発時は僅かに2台だったが、帰ってみると溢れんばかりの車で埋まっていた。目的を達成した山行は、難易度を問わずこの上ない達成感を感じる。ましてや、初山ともなればそれは一入である。久しぶりに白銀荘で流す汗、至福のひと時が過ぎてゆく。

★今回は、結果論だがスキーの取捨選択を間違えるというオマケが付いた。体力も時間も有限であり、極力消耗を抑え目的を達成することが肝要である。我身の年齢を考えればそれは必須条件と言えるだろう。今こそ、山行全体をイメージする精度の高い想像力と確かなヨミが求められている。少し大袈裟かな‥(笑)
■山行年月
2012.04.21(土)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
十勝岳温泉・D尾根
尾根から下降斜面 富良野岳
三峰山 御来光
三段山 八ツ手岩と十勝岳
D尾根上部 上ホロと十勝
上富良野岳山頂 境山方面
境山 夕張山地遠望
美瑛とオプタテ 三峰山と富良野岳
十勝岳 南西方向
南東方向 トムラウシ遠望
上ホロ避難小屋 上ホロ頂上
安政火口 八ツ手岩
大斜面の登山者 GPSトラック
コースタイム
前夜「日の出公園」車中泊
登山口 5:05
上ホロ分岐 6:00
上富良野岳 7:45
境山 8:45
所要時間 3:40
境山 9:00
上ホロカメットク山 10:55
上富良野岳 11:15
Co1730P 11:45
12:15
登山口 13:00
所要時間 4:00
(30)
自宅午後05時55分到着