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329.トヨニ岳北峰(南日高/1529M)
残雪期の定例山行はジンクス通り再チャレンジで捲土重来を果たす
南日高は理想的 黒岳の初滑りでスタートした今季の冬期山行もはや終盤。山は春に向けて急速に衣替中だが、ここ数年、残雪期に定例山行化しつつあるのが南日高のトヨニ岳である。この時期、雪質の悪化もこれありで、どちらかというとスキー(滑り)より登攀や稜線歩きに目が向く。アプローチが容易でそこそこの難易度、こんな理想的な条件を満たしてくれるエリアが南日高であり、トヨニ岳ということになる。しかし、この山はどういう訳かスンナリと登らせてはくれない。GANさん(HYML)のリードで初登頂したのが2006年で、以降、単独で2回登頂しているが、いずれも直前で途中撤退を余儀なくされている。今年こそはと意気込んだが、前々週、主稜線に出た所で敗退となってしまった。半ばジンクス化してしまった印象だが、それだけに再チャレンジは絶対に成功させなければならない。良い意味でのプレッシャーを自分に課すべく、前夜は大樹町道の駅で車中泊とする。登山口となる野塚トンネルまでは30分ほど。道すがら、好天予報を証明するかのような南日高の稜線が車窓に広がっている。高揚感を覚えながら、誰もいない駐車場で装備を整える。
サングラス紛失 5時前にホイッスルを一吹きし野塚トンネル十勝側駐車場を出発する。雪で埋まるポン三の沢川を渡り、直ぐに北側の小尾根に取付く。尾根の背まで高度差150メートルの急登で、ウォームアップにはきつすぎる。救いは雪がクラストしていてノンラッセルなこと。スノーシューのアイゼンが心地良く軋む。15分で尾根に上がると、後は稜線目指して淡々とした登行が続く。前々週と違い、左奥には野塚岳が端正な山容を見せ、少し遅れて樹間右遠くにあくまで白いトヨニ岳(南峰)と東峰が姿を現す。デジカメを構えるシーンも必然的に多くなり、液晶画像を確かめるためサングラスを外すことも度々となる。気が付いてみると、右手に持っていたはずのサングラスが無くなっていた。少し戻れば見つかるだろうが時間が惜しい。強烈な紫外線(雪眼炎)は気になるが、いざとなればゴーグルの出番である。高度を上げるにつれ、左手の沢源頭斜面に雪崩跡が散見されるようになる。雪の状態が安定するまで危険ゾーンには進入不可である。稜線直下の3メートルほどの雪壁にもがくも何とか突破し主稜線に上がる。ここまで1時間35分は極めて順調なペースである。
高さ競うピーク コースフラッグを立てて主稜線を北に向かう。野塚岳西峰から西に伸びる支稜が意外に豊だ。正面に、屏風を開いたような、あるいは、鳥が翼を広げたようなトヨニ岳を望みながらの稜線散歩が暫く続く。稜線上も雪は適度にクラストしているのでラッセルはゼロ。ただ、ルートは、雪庇崩壊を避けて西側斜面を行くので横幅のあるスノーシューは足に辛い。尾根が細くなりだす地形図1162P付近からはそれが顕著となる。Co1251JP直下でアイゼン・ピッケルへと思っていたが、堪らずCo1162P過ぎで交換し、スノーシューはそこにデポする。ソガベツ川源頭を左足下に見るとCo1251JP直下に到達する。沢は筋状のデブリで埋まっている。そのエネルギーの大きさたるや想像を絶するに違いない。2009年(3月)の初単独山行時はこの1251JPの白き壁に恐れをなしてすごすごと退散したことを思い出す。難なくCo1251JPまで上がるも、この辺りからアイゼンに雪が付き始め、ピッケルで叩いて落とす。雪温が上昇してきたようだ。南側に目を移すと、野塚岳やオムシャヌプリ、十勝岳などのピーク群が一望できるようになる。まるで、高さを競っているかのようだ。
難所の瘠せ尾根 ここから主稜線はやや北に向かう。北コルから細い岩稜帯を辿るが、この時期、ここはいつも雪がない。岩に引っかかるアイゼンの歯がカリカリと嫌な音を出す。右足元の豊似川左股沢源頭は穏やかに見えるが、反対側のソガベツ川源頭は厳しく映る。まるでラクダのコブのような地形図に反映されない起伏を越えてゆくが、次第に緊張感の高まりを覚える。ルート中、最大の難所に近づきつつあるからだ。そこは南峰手前のピーク(西峰)直下にある。長さにするとせいぜい30メートルほどの痩せ尾根なのだが、何度来ても手強いものは手強い。今回は雪庇の付き方がいやらしく、少しビビリながら、慎重に通過する。安堵感に包まれながら急登に耐えると手前のピーク(西峰)で、新たに、北峰からピリカヌプリ方面の眺望が可能となる。良く見ると、東峰南斜面が白一色ではなく、微かに斑模様であることも分かる。本峰とのコル付近の雪庇やシュカプラに感心しながら一登りすると南峰ピークで、東峰へ伸びる尾根がシャープな線を描く。
名もなき標高点 日高沖の太平洋上に雲が浮かぶが、地上は見渡す限り雲ひとつない青空に覆われ、北に伸びる白き日高の山稜は勿論、最奥の表大雪や十勝連峰が明瞭に遠望できる。東大雪の山並が空中に浮かんでいるように見えるのが面白い。天気や体調に不安はなく、躊躇することなく北峰に向かう。ほとんど空身なので走るように移動する。右足元のトヨニカールがカール地形の特徴を露わにする。雪は安定しているようで、スキーを担ぎ上げて滑りまくるのも魅力的だ。およそ30分で北峰に到達する。2009年、ピリカヌプリへピストン縦走した時以来で、思えばその時も好天だった。その際、北峰から北東に伸びる支稜の1438Pのピラミダルな山容に惹かれた記憶がある。あわよくばそこまでと内心考えていたが、往復タップリ60分ほどはかかりそうなので止めることに。改めて見てみると、際立つ魅力を兼ね備えているとは言い難いこともある。朽ちた木の幹を前景に写真を数カット撮るが、いかにも寂しげな風情である。本峰より35メートルも高いのだが、地形図上では名もなき1529標高点だからだろうか‥。およそ5分ほどの滞在の後、南峰へ戻る。西峰から登山者が現れれば絵になるなどと思いながら、雪庇下に移動しランチタイムとする。気がつけば、ここまでアウターなしの行動だった。稜線上は2〜3メートル程度の風だが、穏やかな好天といえどもジッとしていると流石に寒い。
シートラの若者 食後、東峰へ足を伸ばすか思案するが、面倒になり下山の途に就く。歩きだして間もなく、地形図1322P上部に登山者を見る。西峰直下の難所の細尾根で彼らと行き違う。シートラ姿の4人パーティで、カールでの滑降狙いだという。羨望感を抑えきれないまま細尾根を経てCo1251JPまで降りる。途中で振り返ると、彼等が西峰の高みを極めるところで、スキーが天をさす槍のように見えたものだった。この辺りから雪が急激に腐りズボズボと踏み抜くことが多くなる。恐る恐る足を出すイメージで、スノーシューデポ地までが随分と遠く感じたものである。スノーシューの威力は絶大で、下降尾根頭まで踏み抜くことなくスピーディに移動する。これが見納めのトヨニ岳には雲がかかっている。残雪期の山も基本的には午前中勝負と考えた方が良さそうだ。下降尾根を時に尻滑りしながら30分で降り、気持よく山行を締めくくるも、サングラスを回収できなかったという悔いは残る。駐車場には車が5〜6台あるが、ほとんどは野塚に向かったようで、沢沿いにクッキリとしたトレースが伸びている。今月末には山岳会の先輩と野塚岳へ登る予定だが、その頃までには雪が安定し、雪崩の不安から解放されることを願うばかりだ。

★この日、夕刻から所属山岳会の総会が開かれ、年間山行計画に初めて沢登りが加わった。行先は伏美岳ニタナイ川北面沢で、経験値から私がリードする雰囲気となってしまう。綺麗な滑と解放的な源頭を仲間に体感して欲しいが、単独とは勝手が違うので、私自身、遡行難易度は「!!」に上がるかも‥(笑)。
■山行年月
2012.04.14(土)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
野塚トンネル
背後から太陽 尾根頭から北望
尾根頭から南望 稜線から北望
南コルから1251JP 1251JPから北望
1251JPから南望 痩せ尾根
西峰から北望 北コルから西峰
シュカプラ 南峰から東峰
南峰から北望 トヨニ右股沢源頭
トヨニ北峰 トヨニ北峰と1438P
ピリカヌプリ遠望 北峰から南望
トヨニ南峰と東峰 南峰での私
西峰目指す若者達 稜線Co1162Pの雪庇
ガスるトヨニ岳 GPSトラック
コースタイム
前夜「大樹道の駅」車中泊
登山口 4:50
稜線Co1110P 6:25
Co1251JP 8:00
南峰 9:25
北峰 10:05
所要時間 5:15
北峰 10:10
南峰 10:40
11:15
Co1251JP 11:50
稜線Co1110P 12:55
登山口 13:25
所要時間 3:15
(35)
自宅午後03時50分到着