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325.芦別岳(夕張山地/1726.1M)
新道尾根から日帰りアタック!芦別岳は意外にもスキー向きの山だった
登攀要素の登山 このところ滑り重視の山行が続いている。それはそれで楽しいのだが、時には登攀的要素のある登山もしてみたい。久々の単独、急遽浮上したのが芦別岳。言わずと知れた北海道では数少ないアルペン的雰囲気を持つ鋭鋒である。私自身、今まで4回訪れている(旧道→新道A、本谷→新道A)が、積雪期に登るのは勿論初めてである。漠然と山中一泊は必要との認識を抱いていたが、今の時期、深いラッセルからは解放され、好天と早立ちで日帰りは可能と判断し実践してみることにした。前夜、太陽の里公園まで入り車中泊とする。夜空に浮かび上がる芦別岳があくまで高く聳えている。当日、朝3時に起床。朝食を済ませ装備を整える。4時スタート予定が結果として10分繰り上がる。ヘッデン照らして400メートルほど車道を歩き新道登山口に向かう。「北海道の山と谷」では、新道尾根の南隣の尾根(冬尾根)をルートとしている。地形図からは尾根幅も広くたおやかな印象は受けるが、取付までのアプローチなどを考えると優位性は小さい。
慣れたヘッデン ネット上では新道尾根の記録もあり、躊躇せず新道ルートを選択する。最初は針葉樹の林の中を行くが、夏道の抉れは深く、そこだけ雪が窪んでいる。足元に木の枝や葉が散乱し、雪面には気を引張ったような跡もある。一瞬、「羆の仕業か‥」と思い大きく笛を吹く(後刻、間伐作業中だったことが判明する)。植生が雑木林に変わる頃には、固かった雪も柔らかくなり20センチほどのラッセルとなる。尾根地形は単純でヘッドランプが照らし出す狭い範囲だけを見て進む。兎のトレースに親近感を覚える。1時間も歩くと辺りが次第に明るくなる。新道コースは降りたことはあるが、登りに使用したことはない。Co617P過ぎでは「呻吟坂 序曲」なんていう看板が出てきて新鮮な感じがする。また、尾根地形からスキーの登行下降に一抹の不安があったが、積雪量が多くとりあえず問題はなさそうである。Co850Pで右手から、Co980Pで左手からそれぞれ尾根が合流してくる。濃かったガスが切れ出し、青空が顔を覗かせ始める。テンションの高まりを覚えつつ、丘陵状の地形を左側からトラバース気味に登っていくと覚太郎コース分岐のある鴬谷である。
登頂は無理かも ここまで3時間20分はややかかり過ぎの感じだが、眺望が開けた分、気分的には前向きになれる。背後には十勝連峰から表大雪にかけての山並が雲海に浮び、右には白く輝く富良野西岳、端正な槙拍山が見える。勿論、夫婦岩も‥。だが、前方に見える半面山はまだまだ高く遠い。遅々としたペースに「雲峰山まで上がれれば御の字」という弱気虫がうごめく。ここから半面山までは細尾根で傾斜も強くなる。雪が少なければシートラシーンも出てくるに違いない。右側は切れ落ちているのでルートどりには気を使う。右の屏風岩が大きく視界に入ってくる。半面山が近づくにつれ尾根は広くなり、復路の滑りが楽しみである。半面山から派生する冬尾根が指呼の距離となると、その奥に日高山脈が遠望できるようになる。ほどなく、右に雲峰山と芦別岳が純白の山魁を見せる。素晴らしいロケーションを独占できる我身の幸運に感謝する。半面山では小休止をとり、足元の鐘を鳴らして山行の無事を祈る。鐘の位置からして積雪量は2メートルほどあるようだ。
雲峰からツボ足 9時前に雲峰山目指してリスタートを切る。屏風岩と雲峰山の鞍部のやや左側を目指して直線的にルートをとる。南に連なる夕張山地の山並を左奥に望みながら鞍部から登りにかかる。一面、目印になるような樹木などほとんどない白い斜面なので距離感が掴めない。僅かに雪面に出ている灌木にコースサインを付ける。ペースが速いのかも遅いのかも分からないが、淡々と歩を進めるしかない。傾斜が増してきたところでジグ登行に切り替える。意外というべきか、半面山から1時間ほどで雲峰山に上る。眼前に芦別岳が全容を露わにし、起伏ある北尾根も眩いほどの白さを放つ。否が応でも登高意欲は高まる。ここまで上がれば上出来と思ってはいたが、時間的にも充分にピークまで届く位置である。芦別岳までのルートを目で追ってみる。当初、芦別岳直下の急斜面の取付まではスキーで、と思っていたが、左足下のポントナシベツ川源頭への急激な落ち込みが何ともイヤラシイ。転倒などしようものなら奈落の底である。自信が持てないのでスキーからツボ足に切り替え、下降を開始する。膝下程度のラッセルは強いられるものの、苦痛より安心感が優先する。
空身でアタック 鞍部から平坦な尾根を進むが、右側は崕地形であり恐ろしくて近づけない。雪庇も出来ているので、少し下側を慎重に通過し、直下急斜面の取付ポイントに辿りつく。コーステープが付けられた灌木の側にザックをデポする。持ったものは、GPSにアイゼン、ピッケル、行動食、カメラ。ほとんど空身である。首が痛くなるような急斜面には兎のトレースがあり、それに着かず離れずのルートどりである。とにかく、雲峰山から芦別岳の間は雪庇の踏み抜きや転倒・滑落、雪崩等に細心の注意を払わなければならず、痺れるシーンが続く。クラストしていればアイゼン・ピッケル登行だが、雪は柔らかくその出番はない。まるで高地登山のような足取りで、数十歩進んでは立ち止り肩で息をする、この繰り返しである。しかし、継続することの意味は大きく、次第に傾斜が緩みだし、頂稜南端に到達する。今まで東側(横)から眺めていたことでどっしりとしたイメージの頂上部だったが、南側(縦)から見ると細尾根で、一番奥まった所がピークである。
セルフタイマー ストックをピッケルにチェンジし細くゴツゴツとした岩稜帯を行く。「本谷側には絶対に落ちられない」、その言葉を呪文のように唱えながら小さなギャップを越える。さながら、モンスターと化した山頂標識に辿りついたのが11時20分、スタートしてから7時間30分後の登頂劇であった。半面山までは苦戦したものの、そこからピークまで巧くギアチェンジ出来た。快晴・無風の頂上からは圧倒的な眺望を得ることが出来る。北尾根の奥には中天狗や崕山、富良野西岳に布部岳、御茶々岳等のピーク群が立ち並ぶ。足元はあくまで深く険しい本谷で、屏風岩や半面山の奥には山部の市街地や遠く富良野の盆地、そして、最奥は表旭に十勝連峰である。一方、反対側に目を転じると南端の夕張岳までスッキリと遠望できる。ポントナシベツ岳、鉢盛山、夕張マッターホルンと、山容も多彩である。夕張岳前峰も中々の存在感を見せる。証拠写真を撮り、ないことにセルフタイマーで私自身カメラにおさまる。相当、気分が高揚していたのだろう(笑)。
勇躍、大斜面に 復路も雲峰山までは気が抜けない。直下急斜面、往路を辿るが、この斜面をスキーで下る猛者もいるらしい。信じられないようなスキーテクニックと勇気が必要に違いない。ザックを回収し雲峰山まで30分で戻りつく。やはり、下りは速い。ショートランチの後、勇躍、大斜面に飛び出す。スキーは僅かに沈む程度で滑りに支障はない。大きなゲレンデに大小のシュプールを描く。標高差200メートルを一気に滑り降り、鞍部からはシールを再装着し半面山に登り返す。半面山からは尾根の南側は日射しで雪がベタつき始めるが、そこは勢いでねじ伏せ、極力、雪質の良い北側に滑降ルートをとる。それでも、予想以上に滑れる尾根という印象である。但し、イメージ的には単調な一本尾根だが、実際には小尾根がいくつも派生しており、うっかりすると違う尾根に入り込む可能性がある。かく言う私もCo690Pの分岐でそのまま東進しそうになってしまった。トレースが突然消えたことを不審に思いチェックを入れて事なきを得たのだった。
新道尾根は長い 尾根末端に近づくほど樹木が密集し、流石にスキー滑降を楽しむという訳にはいかないが、耐える時間は極僅かである。直ぐに針葉樹の林が開けて新道登山口に出る。夏道新道コースは、半面山からは随分と長く感じるが、楽しんだはずのスキー滑降であっても、時間的には少し短縮される程度で、極端なスピードアップは図れなかった。それでも、往復10時間を超える山行に耐え登頂も果たしたという事実は大きな充実感をプレゼントしてくれた。加齢による体力低下の不安を少しは払拭できたのも嬉しい。麓から眺める芦別の頂が一際カッコよく見えたのは私の気のせいだろうか。次週は4連休、さて、何処へ上るか‥。
★今回、条件に恵まれて登頂を果たすことが出来たが、スキーをもっと楽しみたいという向きには、やはり、山中一泊がお勧めである。スキーエリアとしては雲峰山や屏風岩付近なので、半面山までテントを担ぎあげるのが理想的である。日帰り山行では体力的にも時間的にもとてもそんな余裕はない。
■山行年月
2012.03.10(土)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
新道尾根
闇夜に浮かぶ看板 富良野西岳と槙柏山
背後に十勝連峰 鴬谷付近
半面山遠望 夫婦岩
屏風岩 辿りし新道尾根
冬尾根と日高山脈 半面山の鐘
芦別岳と雲峰山 雲峰山と屏風岩
夕張山地 ポントナシベツ
雲峰中腹から北望 雲峰中腹から屏風
雲峰から芦別岳 雲峰西側の稜線
ポントナシベツ源頭 直下から芦別岳
北尾根 直下から北望
頂稜南端から頂上 山頂標識
本谷 頂上から北望
頂上から南望 GPSトラック
コースタイム
太陽の里車中泊
太陽の里 3:50
鴬谷 7:10
半面山 8:35
8:55
雲峰山 10:00
芦別岳 11:20
所要時間 7:30
芦別岳 11:35
雲峰山 12:05
12:25
半面山 12:45
鴬谷 13:00
太陽の里 14:10
所要時間 2:45
(20)
自宅午後06時30分到着