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319.帯広岳(北日高/1089.1M)
満を持したリベンジ山行は目的成就なるも山頂風景にかつての栄華を見た
敗退リスク排除 北日高は東大雪とともに私のフィールドだが、地形図を眺めてみるとまだピークを踏んでいない山はかなりある。妙敷山の東、ピパイロ岳からの支稜末端に位置する帯広岳(一等三角点設置、三角点名:面別山)もその一座である。ただ、正確に言うと、2008年2月に北西尾根から登頂を試みたものの、時間切れで敗退したという経緯がある。その意味では、今次山行は捲土重来を期したそれといえ、失敗が許されない山行ともいえるのである。それだけに、敗退リスクを可能な限り排除するべくプランニングする。前回の敗退の原因は、ルートが長く起伏があったことに加え、深いラッセルを強いられたことによる消耗に起因していた。そこで今回は、最短距離でアップダウンのない採石場・北東尾根ルートを選択する。ラッセル要素は排除できず、こればかりは時の運に任せるしかないが、ここのところまとまった降雪がない分、楽観視出来るだろうというヨミである。前日の双珠別岳に続いての早起き、少々呆れながら車にスキーやザック等を積み込む。
低山の印象だが 上美生の市街地から伏美岳に向かう町道を5.3キロほど入った地形図285標高点が登山口である。ここから採石場方面に向かう林道が伸びているが、勿論、冬期間は除雪されていない。それでも、左右の整然と並ぶカラマツ林に林道の存在を知る。直ぐに明らかな林道が現れ、ほどなく採石場が見えてくる。直線的に切りとられた斜面の奥に東西に長い頂稜を持つ帯広岳である。標高差が800メートル近くもあるとは思えない低山の印象である。採石場の東端をスルーするが、その、計算して削り取られたような東面が朝日を浴びて輝いている。左側の川沿いに林道が伸びている感じはあるが、ここは尾根の背を辿ることにする。先ずは、カラマツの幼木林を抜ける。いずれ間伐されるとも知らずに、今は精一杯ドングリの背比べである。雪は思ったより安定しているが、所々で踏み抜いてしまう。次いで、樹齢30〜40年のカラマツ林で、そこを一登りすると左手からの林道を見る。暫くは淡々とした林道歩きで、終始20センチほどのラッセルとなる。
頻繁に造材道が 右手の沢形が小さくなり、針葉樹の林を抜け出すと地形図407標高点で、辿りし方向を振り返れば、直線的なトレースの奥に剣山やスキー場のある嵐山なども一望できる。西側の北尾根が白い壁のように視界を遮る。木立がない雪原を沢に沿ってやや右寄りにルートをとると、左下の小沢に橋がかかっている。いつの間にか林道を外れてしまっていたようだ。対岸の尾根が登高ルートなので、スノーブリッジを使って予定ルートに戻る。カラマツ林の林道登行を再開するが、ほどなく、整然とした針葉樹の林は消失し、Co550P付近からは傾斜も出てくる。取付はカラマツの幼木林で、細い枝を払いながらジグを切ると雑木林となる。その密度はあくまで疎で復路の滑りが楽しみである。頻繁に造材道に出合うので、時々はそれを拝借するが、基本は北東尾根の背にルートをとる。登路の北東尾根、尾根形状が顕著になるのはCo750PからCo850P付近までで、この辺りは小規模ながら雪庇も出来ていたりするし、雪面がクラストしている所もある。
空身でアタック Co780Pではスキー登行による衝撃でクラスト雪面が破壊し、5メートル×5メートルの雪崩を引き起こしてしまった。破断面の厚さは30センチ近くはありそうだ。危ないシーンだが、背後の眺望はとてもいい。何処までも澄んだ青い空と雄大に広がる十勝平野、見慣れた光景だがため息が出る美しさである。一方で、傾斜が次第に増してラッセルも深くなる。1時間150メートルほどのペースで、久山岳に続いて登頂は13時を回ってしまいそうだ。11キロほどのザックをいつデポするか、そのことだけを考えて足を運ぶ。左前方の東尾根が徐々に近くなるが、頂稜の針葉樹の木立はまだまだ高い。ラスト150メートルくらいまでは我慢しようと思っていたが、Co920Pのカンバの巨木側で小休止を入れた時が限界だった。GPSと飴玉、チョコを持ってリスタートを切る。空身だと、スキーの沈み方も身体のキレも違う。今さら、筋力アップは不可能だし、とりあえずは荷の軽量化を図ることが先決である。さて、何を省けばいいのか‥。Co1000P辺りまで上がると流石に木立は密となり、ジグを切るのも一苦労である。2〜3ターン先を見越しながらルートをとる。
登頂出来る確信 黙々とした登行にも終わりは来るもので、13時前に頂稜直下まで上がる。一息入れ、苦しかったラッセルを思い返し、ここまで上がれたことに感謝する。登頂直前のこの瞬間に惹かれるのは絶対登頂出来るという確信があるからだろう。花道のように開けた木立の間を一登りすると待望の頂上である。そこは針葉樹に囲まれており、静寂と平穏に満ちた空間である。東端に帯広岳の大きな看板があり、それには帯広市と市観光協会、帯広山岳会の名が刻まれている。鉄製の支柱とも相まって、設置当時の山に対する思い入れの強さが伝わってくる。開削されたであろう登山道も今はなく、訪れる登山者も数えるほどに違いない。十勝の中核都市・帯広の名を冠した山の栄華と衰退を垣間見る思いである。但し、山が登山者で賑うことが良いのか、それとも、自然のなすがままにひっそりと時を重ねるのが良いのかは議論のあるところだろう。
楽しいオーラが 展望は全くなく、証拠写真を撮り、ただちに下山の途につく。初めこそ、斜滑降・山回りターンで降りるも、直ぐに滑りを楽しめるようになる。急斜面だが、深いパウダーがスピード調整を容易にしてくれる。ザックを回収し、疎林を快適に滑り降りる。この時の私は「楽しいオーラ」を振りまいていることだろう。大きなバーンこそないが、樹林帯を自由自在に滑りたいという向きにはうってつけの斜面である。取付からは往路のトレースを忠実に戻るが、僅かな傾斜が適度なスピードを与えてくれる。カラマツ林の中を颯爽とスキーを滑らせ、採石場を左に見ると、リベンジ山行ははやエピローグを迎える。登行5時間の苦闘も、下りは僅か55分。これだから山スキーは止められない。さて、ルート比較だが、北東ルートは長さ4キロ弱で、北西ルートの約5キロより1キロほど短い。単純標高差は北東ルート804メートルに対し、北西ルートは772メートルと僅かに小さいが、微妙な起伏があり、実質的には北西ルートが大きいと思われる。地形図を見た限りでは、北西ルートはCo570Pあたりまで林道を利用でき有利と見たが、北東ルートも、ほぼ同高度付近まで林道が伸びており、優位性に差はない。ラッセル要素を別にすれば、ルート的には明らかに北東ルート選択が賢明であろう。何より、スキー滑降が楽しめるシーンが今回のルートにはあるのだから。
★満足いく週末の山行だったが、帰宅してから愕然としてしまう。兼用靴のシェル部止金が無くなっている。可動部を支える役割を持つ止金で、山行中、ブーツに違和感はなく何処で飛んだか分からない。最悪、事故などにも直結する訳で、何事もなく下山出来て良かったと思うしかない。早速、ショップに持ち込むと、メーカー修理で2週間程度はかかるという。原因は経年劣化だろうが、考えてみると、山スキー装備一式は全て8年前に購入したもの。その内に、板とかビンディングなどもトラブルに見舞われることだろう。それなりに値の張るものなので痛くないといえば嘘になる。この上は、壊れるまで大事に使ってあげるしかないと思う。
そんなこんなで来週は久しぶりにスノーシューで南日高のトヨニ岳あたりにでも出かけてみるか‥。
■山行年月
2012.02.05(日)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
北東尾根
採石場奥に帯広岳 伸びる林道
Co460Pから帯広岳 辿りし方向
小沢を渡渉 青い空と白い斜面
尾根形状顕著に クラスト雪面崩壊
絶景十勝平野 雪に埋もれる尾根
私のトレース 疎林に日射し
近づく頂稜 山頂直下
山頂風景 立派な標識
疎林のシュプール 続く快適斜面
採石場と剣山 GPSトラック
コースタイム
自宅午前6時30分出発
町道Co285P 8:00
Co508P 9:40
荷デポ地Co920P 12:00
帯広岳 13:00
所要時間 5:00
帯広岳 13:05
荷デポ地Co920P 13:15
Co508P 13:35
町道Co285P 14:00
所要時間 :55
自宅午後04時15分到着