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317.久山岳(北日高/1411.6M)
シール不調で秘めたるプランは頓挫も苦闘の末に登頂し快適スキーも満喫
渡渉でシートラ 北日高の山スキーエリアで意外と知られていないのが久山岳ではないだろうか。私も、2010年2月に登ってみて、久山川源頭斜面が垂涎のスキー斜面であることを初めて知った。それまでは、例えば、支稜末端の剣山のような、樹木の濃い岩山とのイメージがあった。山も登ってみなければわからないものである。但し、この山は剣山と同じ登山口(注)でありながら、林道歩きがそれなりにあり、奥深く、獲得標高も1000メートルほどあるので舐めてかかると手痛いしっぺ返しを受けることになる。少なくとも、初心者向きの山ではない。かく言う私も2006年1月(東尾根)と2009年12月(北東尾根)の2回、時間切れで途中撤退した経験がある。果たして今回はどうだろうか。往路は、遠回りが嫌だったのと秘めたるプラン(後述)で、神社からショートカットし、ダイレクトに林道Co500P付近を目指す。手洗川と久山川の支流を数回渡渉することになるが、スタートしてすぐのそれでいきなりシートラを強いられる。対岸の雪壁が高く急で歯が立たなかった。宗教団体の土地を回り込む感じでルートを取るが、2度目の渡渉で早くもシールが外れてしまう。
ヨミが当たった 丁寧に雪を取り板にセットするが、ちょっとした起伏で直ぐにダメになるのである。山行中止も考えるが、太陽が出て雪温が上昇すれば事態は好転するはずと、先に進む。結局、Co500Pで林道に出合うまでに4回を数えることとなった。折しも、剣山に隠れていた太陽が顔を出し、それ以降はトラブルことは全くなかった。ヨミが当たった感じだが、こんな調子ではシールの着脱を繰り返す稜線縦走など夢のまた夢である。シールの購入を真剣に検討しなければならない状況ではある。登山ポストのある林道終点(Co530P)に向かわず、直ぐに右の樹林帯に入る。雪面に残る兎達の足跡は交差したり、とどまったりで何となく微笑ましい。地形図Co568Pの西で久山川を渡渉すると、あとはその左岸沿いを直線的に北東尾根に上っていく。木々の長い影が雪面に模様を刻む。これもまた、冬ならではの一コマであろう。間伐され適度な間隔で整然と並ぶカラマツ林を抜けると傾斜が出てくる。Co710Pでは宗教団体の「〇〇釈迦如来」という看板が木に付けられている。これまでラッセルは平均して20センチ程度だが、雪の詰りが悪い笹原などは踏み抜くことも度々である。
小規模雪崩発生 この辺りから尾根筋は次第に顕著となり雪もクラストしてくるはず、と想定していたが、そうではなかった。終始、膝下程度のラッセルとなり、時には膝上までのそれとなる。ラッセルが深くても、下に固い層があれば安定するが、それがなくグサグサ沈んでいく感じなのだ。喘ぎながらの登行。背後の十勝平野の伏角と剣山の仰角がさっぱり変わらない(笑)。Co950P付近の「木石見返り坂」からは細尾根・岩稜帯となるので左手の沢斜面に逃げる。そこかしこに笹が顔を出すが雪は充分だ。復路の滑りを楽しみに、垂涎斜面をラッセルする。ペースは1時間150メートルほどで、予定の12時には登頂出来そうにもない。天気に不安があれば撤退するところだが、運よくそれは安定している。13時30分をタイムリミットに必至の登行が続く。そんな折、クラスト気味の雪面に亀裂が走り、幅3メートル、長さ5メートルほどの雪崩を引き起こしてしまう。アッという間の出来ごとで、全く対応することが出来なかった。常に注意力を維持しなければと思う。Co1190Pの巨岩で風を避けてショートランチを摂り、荷をデポ。空身での頂上アタックである。右手の尾根からは風音が一段と強まり、身体が冷気に晒されるシーンも多くなる。汗で濡れたアンダーが体熱を奪っていく。考えてみると、フェースマスクを付けっぱなしである。どうやらこの日も厳しく冷え込んだようだ。
最遅の登頂時刻 尾根地形が斜面に吸収されると前峰直下で、上方も明るく開けてくる。急なので直登を避けて本峰とのコルを目指してトラバース気味に高度を上げていく。強い風が雪炎を巻きあげる。右上の頂稜の雪庇に注意しながら進んでいくと前方に遠く高った頂上丘が見えてくる。風で大きく波打つ頂稜に上がり、最後の急登に移る。雪が少ないせいか、巨岩やハイマツなどが露出し行く手を阻むが、スキーを脱ぐのが面倒で無理矢理ジグを切る。タイムリミットまで残り15分、6時間25分を要してようやく久山岳のピークに立つ。私の数多い山行の中でもこれほど遅い登頂は初めてである。教科書的にはレッドカードものだが、天気の安定とスキーの優位性(スピード特性)ゆえの判断である。長い苦闘の末に得た眺望は格別で、東側の十勝平野も剣山もとても新鮮に映ったものである。一方、西側は雪と風をもたらす白い雲に覆われている。端正な三角形に見えるはずの芽室岳も生憎その中である。強風に耐えて証拠写真を撮りそそくさと下山の途につく。
疲労困憊も充実 下りは全く楽しく、登行尾根の南斜面を快適に滑り降りる。一気の大滑降といきたいところだが、流石に足腰に疲れが出てそれは叶わない。身体が悲鳴を上げさえしなければ、久山川の渡渉ポイントまでほぼノンストップで降りられるはずである。疎林帯は往路トレースを戻るが、Co500P林道に出てからは、遠回りになるが林道をそのまま進む。トレースはないが、極僅かな下り傾斜がスキー歩行を助けてくれる。途中からは除雪もされているが、登山口までの距離は往路のショートカットルートの2倍もあり、その長さには閉口する。登り返しや渡渉もあるから消耗は半端ではない。旭山の市街地から伸びるアスファルト道路をスキーを担いで歩く。身体は久々に疲労困憊だが、それは手応えある山行に耐えた証であり、達成感に包まれてもいた。ただ、当初プランは、適当な所から剣山からの稜線に上がり、南東尾根から北東尾根を周遊するというもの。いきなりのシール不調で頓挫してしまっただけに悔しさがないといえば嘘になるだろう。
★登山口は剣山神社が一般的だが、旭山市街から伸びる八号道路から西の十号道路に入り、その除雪終点(Co380P)からアタックするという方法もある。私はそのルートから2度入山している。久山川の渡渉はあるが、距離も短く、直線的で分かりやすいという印象である。
■山行年月
2012.01.28(土)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
北東尾根
雪原から久山岳 渡渉点風景
剣山から日射し 交差する獣道
影模様 宗教関係の看板札
木石見返り坂 尾根半ばから剣山
垂涎斜面@ 垂涎斜面A
頂上丘 直下トラバ斜面
頂上の巨岩 山頂標識
剣と十勝平野 頂上から前峰
尾根Co1000P付近 雪崩発生現場
尾根Co1140P付近 GPSトラック
コースタイム
自宅午前4時55分出発
剣山神社 6:50
林道Co500P 7:50
Co683P 8:55
Co1190デポ地 12:05
久山岳 13:15
所要時間 6:25
久山岳 13:20
Co1190デポ地 13:35
Co683P 14:05
林道Co500P 14:30
剣山神社 15:45
所要時間 2:25
自宅午後05時50分到着