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314.伏美岳(北日高/1792M)・妙敷山(北日高/1731.5M)
転進先の北日高は望外の好条件に恵まれ荘厳な御来光ショーに独り感激
【@伏美林道→尾根取付→夏尾根BC(Co1220P)】
安全パイの計画 
ここ数年、正月山行は山泊でと決めている。今年2012年は何処にするか、頭を悩ます日々が続いたが、原始が原BCの富良野岳・前富良野岳(十勝連峰)に決める。だが、天気が芳しくない。大荒れではないので何とかなるだろうと思いつつも、折角の遠征だし、単独ゆえのリスク軽減も不可欠の要素である。一方、私の住む十勝は好天が続く。最後に来てビビリ、結局、安全パイの北日高の伏美岳と妙敷山に落ち着く。伏美岳は2010年の正月山行で上っているので、今回は2泊3日で東隣りの妙敷山にも足を伸ばそうというプランである。2泊3日というプラン、余裕あり過ぎの感無きにしも非ずだが、実は、2010年山行時に林道深雪ラッセルに泣かされ、北東尾根Co700P付近をBCとせざるを得なかったという経緯がある。果たして今年はどうか‥。伏美林道入口に車を止め歩きだすが、一昨年とは明らかに雪が少なく、少し古いがスキーのトレースすらある。ラッセルらしいラッセルもなく快調なペースで進んでいく。中間点の渓谷橋まで1時間でクリアする。
好ペースに余裕 林道がニタナイ川右岸に移っても状況に変化はない。内心「これは儲かった」とほくそ笑む。だが、不安材料もある。両足が靴擦れを起こしているのだ。林道歩きが長いといつもこうなってしまうので、あらかじめテーピングするのだが、今回は失念してしまった。勿論、テープは持ってきているが、手当てするのが面倒でだましだまし歩く。2時間30分で尾根末端に着く。ここからはトレースもなくラッセル開始となるが、その深さはせいぜい踝程度で負荷はそれほど大きくはない。一昨年テントを張ったCo700Pを何なく通過。その時の状況が鮮明に蘇る。次第に傾斜が増してくるのでペースは必然的に落ちるが、脚が上がらないということはない。最低でもCo950P過ぎの傾斜の緩む疎林でテント設営をと考えていたが、ここでミニランチをとる余裕ぶりである。だが、夏尾根に合流する手前、Co1000P過ぎからの急傾斜には手を焼くことになる。何より、灌木が密集しルートどりが難しいのである。細い枝を押し避け進もうとして2度も転倒する。重いザックを担いでの転倒は全く情けないし消耗する。起き上がるのに時間も体力も必要とする。
ピパイロも視野 夏道の登山標識を確認し、尾根のやや西側から回り込む感じで大きく張り出す雪庇に乗る。風もなく全く穏やかな尾根だ。夏尾根まで上がれれば出来過ぎな訳で、後はテン場を探しながらののんびり登行となる。主として、雪庇上を行くが、雪面は大きく激しく波打ち、おまけにクラストしているからスキー操作は容易ではない。Co1150Pを越えると傾斜は緩み、Co1200Pから尾根は南西へと方向を少しだけ転じる。Co1224Pをベースにと考えていたが、ここまできたら何処でテンパっても同じと、あっさりザックを下ろす。1時間少々でBC設営を完了、そそくさとテントに潜り込む。ガスの火が何より有難く、濡れた帽子や手袋などを乾かす。靴下は上にテントソックスを履き、体熱乾燥だ。問題はブーツインナーでこちらは抱いて寝るしかなさそうだ。早めに夕食を取りシュラフに入る。満天の星空と月明かり、明日も好天のようで気持が高揚する。ここでプランの変更を思いつく。勿論、伏美岳までの登行時間や稜線上の雪の状態によるが、妙敷山をピパイロ岳に変更するというものである。朝7時までに伏美岳に上がれればピパイロ岳に向かう旨、家族に連絡を入れ眠りにつく。モンベルのダウンハガー#1(快適温度-9度)は着込んで入ってもやはり寒い。
【ABC伏美岳妙敷山BC尾根取付伏美林道】
恒例の夜間登行 深夜3時前に起床。冷凍庫のようなテント内がガスの火で短時間で温まる。朝食をとりアタックザックに荷を移す。靴擦れ対策のテーピングも忘れない。4時過ぎにテントを出発する。月はだいぶ西に傾いたものの、登高尾根はもとより、周囲の山並を浮かび上がらせる。帯広の夜景を背に、正月山行恒例のヘッデン行動開始である(笑)。この尾根も特別危険な個所はないが、雪庇の踏み抜きや転倒には気を配る。Co1392P下は傾斜がきつく、尾根も細い。雪面のギャップあまりに大で一瞬、行き場を失いそうになるが、ブッシュを押し分けルートを拓く。Co1400Pを過ぎると尾根幅も広くなり、快適にジグをきる。Co1500Pで闇夜に「伏美岳7合目」コース標識が浮かび上がる。このあたりでは月はもう山向こうに隠れてしまった。頼りになるヘッデンだが、突如としてバッテリー切れを起こしてしまう。慌ててしかし慎重に予備の電池と交換し事なきを得る。バッテリー低下の予兆がほとんど感じられないないのはアルカリ乾電池の特性なのだろうか。6時過ぎ、Co1700P近くで東の空が明るくなってくる。赤から群青への見事なグラデーションを背景に、双耳峰・妙敷山のシルエットがクッキリと映し出される。
早々にピパ断念 九合目標識まで上がるとかなり明るくなり、戸蔦別川を挟んで対峙するエサオマンやそこから東に派生する支稜のピーク群も望めるようになる。丘陵地のようなピーク目指して直線的に上っていく。丘陵地の奥が頂上で、この辺りも雪は少なく、赤色の山頂標識はほとんど露出していた。青みがかった北日高の高峰群とのコントラストが際立つ。何度も目にしている光景だが、日の出前ともなれば凛とした美しさが加わるようだ。6時45分、東の空が一際輝き、妙敷山の左側に太陽が顔を出し始める。大地の余すところなく光が満ちていき、山々は赤く染まっていく。見事なモルゲンロートを期待したが、それは薄ら染まる程度だった。荘厳なご来光ショーを楽しんだ後は、西ピークに移動してピパイロまでの稜線上の状態を見てみる。伏美岳の西面、Co1546P辺りまでの雪の付き方があまり良くなさそうに見える。特に、直下西斜面はいきなりのシートラを強いられそうである。稜線上でスキーをどれだけ使えるかがポイントだけに、思わず「これはヤバイな〜」と呟いていた。後ろ髪引かれる思いだが、早々にピパイロ岳を断念し妙敷山へ向かう。
完璧なパウダー 吊尾根北側・伏美岳東斜面は完璧なパウダー斜面で、キラキラと輝く雪面が眩しいほどだ。標高差200メートルほどを一気にコルまで滑り降りるが、得も言われぬ快感である。シールを装着して登高を再開するが、シールが板につかずバタバタしている。Co1612Pの東コルまで行ったところで遂にギブアップ。ここからツボ足に切り替える。尾根上はクラストしていたりそうでなかったりで一様ではない。場所によっては膝上までのラッセルとなる。ラッセルといい、シールの不調といい、ピパイロ岳に向かっていたら泣きが入っていたに違いない。雪庇はおおむね北側に張り出しているが、その下や上の雪が固そうなところを選んで上がっていく。だが、ピークまで標高差100メートルの所で我慢できずにザックをデポする。GPSもザックに付けていたので以後のログはとれていない。一旦乾いたブーツインナーにジワジワと濡れが侵入してくる。シールさえ調子が良ければ北側斜面を上がれるのだが‥。何とか細尾根を上がり、西峰の北斜面をトラバースし9時過ぎに東ピークに到達する。途中からの苦戦を考えると、伏美岳から1時間50分は上出来といえるだろう。
好天に苦々しさ ここからは、勝幌や札内岳をより近く見られるようになるし、伏美岳からではピパイロの陰に隠れていた1967峰も望むことが出来る。ちなみに、伏美では札内JPの直ぐ東隣に見えていたカムエクも、妙敷からだとかなり東にずれる。僅かな角度の差だが、眺望は微妙に違ってくる。個人的にはこちらからの方が好きだ。東側の十勝平野は穏やかな新春の朝という感じである。真直ぐに上昇する工場の煙はシバレる大地を現しているかのようだ。北側も雲ひとつなく完璧に遠望できる。大雪や十勝連峰の白さが青空に映える。とりわけ、十勝連峰のそれは苦々しくもある。冒頭記述のように当初の正月山行は富良野岳だったが、天気イマイチで北日高に転進した。予定通り富良野に行っていれば‥。後悔の念を払拭できないでいる私がいた。復路、ザックを回収しスキーデポ地まで戻る。僅かな気温の差だが、シールの付が良い。一旦、1612P西コルまで戻り、そこから伏美岳夏尾根にトラバース気味にショートカットする。Co1530P付近で往路のトレースに出会う。Co1400P付近までは滑りをそこそこ楽しむが、その下からBCまでは滑りどころではなかった。
山中にただ一人 11時前にBCに戻り、先ずは腹ごしらえ。餅入りラーメンを食べてからテントを撤収する。締めくくりは、テント設営地のクボミを雪で埋める。雪と風で早晩平らになるとは分かってはいるが、登路上なのでアクシデント誘発の原因にもなりかねない。12時30分、重いザックを背負い尾根を下りはじめる。予想通り、慎重なスキー回しを強いられる。夏尾根を離れてからも暫くはボーゲンや斜滑降・山回りターンとなるが、Co800P付近からは滑りを楽しむ。1時間弱で北東尾根取付まで降りられるのだからスキーのアドヴァンテージ大である。林道は前日の私のトレース上を快調に滑り降りる。2か所の顕著な登りもヒールフリーで突破し、取付から75分で車に戻る。好天の三連休、マイナールートでもないのだが今回も誰とも会わずに終わる。山をやる皆さんは、正月山行は何処へ行くのだろうか。そんなことを思いながらザックを車に積み込む。そのズシリとした重みは山行中には感じなかったもので、目標を達成した今、体も心も平常モードに戻ったということだろう。結果論だが、今回の山行は時間だけを見れば日帰りも可能である。山は条件さえ良ければこんなものなのだと思う。ピパイロ狙いの産物ではあるが、伏美岳頂上で御来光をいただくことも出来た。単なる縦走やピークハントとは違った味わい深い山行だったと言えよう。
■山行年月
2012.01.07(土)
   01.08(日)
■天気
07日/晴、08日/晴
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
北東尾根
林道法面の氷 快適な林道
尾根取付付近 夏尾根の標識
うねる雪庇 BCの様子
夜の標識 夜明け前
九合目標識 山頂直下
山頂から西望 感動の御来光
染まる山々 染まる雪面
快適斜面と妙敷 伏美岳東面
吊尾根1612ポコ 細い西峰直下
西峰北面から東峰 鞍部から東峰
東峰から西望 剣山と十勝平野
芽室岳方向 1967峰から幌尻岳
戸蔦別と幌尻 エサオマンと札内
十勝幌尻岳 垂涎の伏美岳東面
伏美岳夏尾根 GPSトラック
コースタイム(1日目)
自宅午前6時00分出発
伏美林道入口 8:10
北東尾根取付 10:40
夏尾根Co1100P 13:15
BC(Co1220P) 14:15
所要時間 7:05
コースタイム(2日目)
BC(Co1220P) 4:05
伏美岳 6:35
7:15
妙敷山 9:05
9:10
BC(Co1220P) 10:55
所要時間 6:50
(45)
BC(Co1220P) 12:30
夏尾根Co1100P 12:50
北東尾根取付 13:20
伏美林道入口 14:35
所要時間 2:05
自宅午後04時30分到着